5 / 10
美少女
しおりを挟む
「エビス、どこだよ? 今すぐ出てこい」
「……どうした? せっかく一人ファッションショーを楽しんでいたのに」
「勝手に嫁の服着て遊ぶな。また僕が怒られるじゃないか」
「情けない男よのう。そんな弱腰だから嫁に離縁されるのだ」
「まだ別れてねえ! よしんばそうだとして、そもそもの原因はおまえにあるだろ!」
「だから私に責任取れってか? 私はおまえと付き合う気など1µmもないから」
「また、ルビ泣かせの単位を引っ張り出してきたな」
「そこのµm! ムラムラ発情しない!」
「どこ指さして言ってんだッ! 勝負だ勝負! お題はさっき出た【美少女】だ。これ描くのに5時間もかかったんだぞ」
「ほう、なかなかの力作のようだな。……にしても、おまえは時間の使い方を知らん」
「どういう意味だ?」
「その5時間があればP○APの動画を264回視聴できたのに」
「ピーク過ぎた今、2回で飽きるわ! 御託並べてないで、コレ見てとっととここから消えやがれッ!」
パソコンのモニターを覆っていたバンダナを取って、僕は自身最高傑作をエビスに披露した。
「……だっちゅーの?」
「違うわッ! それって女子十○楽坊以上に古いネタだぞ」
「あ、わかった。ボディビルダーのモスト・マスキュラー」
「マッチョポーズでもねえッ! 少女が照れくさそうにはにかんでる図だ!」
「はにかむどころか、目が死んだ魚のようだぞ。それより、このキモい頭身はどうにかならんのか?」
「昔から体は苦手なんだよ。特に人間がな」
「恰も得意なものがあるような言い草だな」
「だから"特に"って言ったんだ!」
「じゃ、どうしてわざわざ体を描いた?」
「おまえが前回、『生首』ってケチつけたからだ」
「体があろうがなかろうがどっちもキモい。キモさのジャンルは違うが」
クソ! またダメだったか……。
「まあ、顔だけなら80点はやれるかな」
「えッ! は、80点もくれんのかッ? じゃあ合格でもいいじゃん?」
「うぬぼれるな。8億点満点の80点だぞ」
「それって小数点第何位まであるんだ? 殆ど0点じゃねーか!」
「だが、ゼロではない。少なくとも、さっきの"連結浮遊ハゲキッス"より遥かにマシだ」
「もしかしてソレ、遠回しに褒めてるのか?」
「……べ、別にアンタのために褒めたんじゃ」「ツンデレやめぇ――ッ! おまえがキモい! キモさレベル今日イチだッ!」
「……どうした? せっかく一人ファッションショーを楽しんでいたのに」
「勝手に嫁の服着て遊ぶな。また僕が怒られるじゃないか」
「情けない男よのう。そんな弱腰だから嫁に離縁されるのだ」
「まだ別れてねえ! よしんばそうだとして、そもそもの原因はおまえにあるだろ!」
「だから私に責任取れってか? 私はおまえと付き合う気など1µmもないから」
「また、ルビ泣かせの単位を引っ張り出してきたな」
「そこのµm! ムラムラ発情しない!」
「どこ指さして言ってんだッ! 勝負だ勝負! お題はさっき出た【美少女】だ。これ描くのに5時間もかかったんだぞ」
「ほう、なかなかの力作のようだな。……にしても、おまえは時間の使い方を知らん」
「どういう意味だ?」
「その5時間があればP○APの動画を264回視聴できたのに」
「ピーク過ぎた今、2回で飽きるわ! 御託並べてないで、コレ見てとっととここから消えやがれッ!」
パソコンのモニターを覆っていたバンダナを取って、僕は自身最高傑作をエビスに披露した。
「……だっちゅーの?」
「違うわッ! それって女子十○楽坊以上に古いネタだぞ」
「あ、わかった。ボディビルダーのモスト・マスキュラー」
「マッチョポーズでもねえッ! 少女が照れくさそうにはにかんでる図だ!」
「はにかむどころか、目が死んだ魚のようだぞ。それより、このキモい頭身はどうにかならんのか?」
「昔から体は苦手なんだよ。特に人間がな」
「恰も得意なものがあるような言い草だな」
「だから"特に"って言ったんだ!」
「じゃ、どうしてわざわざ体を描いた?」
「おまえが前回、『生首』ってケチつけたからだ」
「体があろうがなかろうがどっちもキモい。キモさのジャンルは違うが」
クソ! またダメだったか……。
「まあ、顔だけなら80点はやれるかな」
「えッ! は、80点もくれんのかッ? じゃあ合格でもいいじゃん?」
「うぬぼれるな。8億点満点の80点だぞ」
「それって小数点第何位まであるんだ? 殆ど0点じゃねーか!」
「だが、ゼロではない。少なくとも、さっきの"連結浮遊ハゲキッス"より遥かにマシだ」
「もしかしてソレ、遠回しに褒めてるのか?」
「……べ、別にアンタのために褒めたんじゃ」「ツンデレやめぇ――ッ! おまえがキモい! キモさレベル今日イチだッ!」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
雪町フォトグラフ
涼雨 零音(すずさめ れいん)
ライト文芸
北海道上川郡東川町で暮らす高校生の深雪(みゆき)が写真甲子園の本戦出場を目指して奮闘する物語。
メンバーを集めるのに奔走し、写真の腕を磨くのに精進し、数々の問題に直面し、そのたびに沸き上がる名前のわからない感情に翻弄されながら成長していく姿を瑞々しく描いた青春小説。
※表紙の絵は画家の勅使河原 優さん(@M4Teshigawara)に描いていただきました。
チェイス★ザ★フェイス!
松穂
ライト文芸
他人の顔を瞬間的に記憶できる能力を持つ陽乃子。ある日、彼女が偶然ぶつかったのは派手な夜のお仕事系男女。そのまま記憶の奥にしまわれるはずだった思いがけないこの出会いは、陽乃子の人生を大きく軌道転換させることとなり――……騒がしくて自由奔放、風変わりで自分勝手な仲間たちが営む探偵事務所で、陽乃子が得るものは何か。陽乃子が捜し求める “顔” は、どこにあるのか。
※この作品は完全なフィクションです。
※他サイトにも掲載しております。
※第1部、完結いたしました。
独り日和 ―春夏秋冬―
八雲翔
ライト文芸
主人公は櫻野冬という老女。
彼を取り巻く人と犬と猫の日常を書いたストーリーです。
仕事を探す四十代女性。
子供を一人で育てている未亡人。
元ヤクザ。
冬とひょんなことでの出会いから、
繋がる物語です。
春夏秋冬。
数ヶ月の出会いが一生の家族になる。
そんな冬と彼女を取り巻く人たちを見守ってください。
*この物語はフィクションです。
実在の人物や団体、地名などとは一切関係ありません。
八雲翔
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる