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連続「たまたま」を振り返って思うこと
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それにしても、係長の一件から始まった「たまたま」な出来事にまさかレーズン食パンの完売というオチがつくとは夢にも思わなかった。というか「たまたま」という出来事自体がここまで続くこともそうそうないだろう。
しかし、改めて一日を振り返って思った。「私は人に恵まれている」ということを。係長は少しとっつきにくいし「一言余計だよ!」と思うところがあるものの、私がどんなにミスをしても怒らないし、作業の疑問を短い頻度で何度も聞いてもきちんと答えてくれる。入社したばかりで自分の仕事を覚えるだけでも大変なのに私を気遣ってくれた新人の営業社員、所長や他の先輩社員も皆とても親切なのだ。
因みに、後日談だが「パソコンを切っておきますよ!」と言ってくれた先輩社員に翌日お礼を言うと「実は忘れてしまって……」と、とても申し訳なさそうにしていた。が、近くに座っているもう1人の係長が「私がやっておいたよ!」と言ってくれた。誰かが誰かのフォローをする。簡単なようで実は凄く難しい。だが、この会社はそれが出来るのだ。先輩社員達の心温まる連携プレーに私は心の底から感動した。(きちんとお礼も言った)
障害者を蔑ろにしたり、差別するブラックな会社が多い中、1人の障害者社員にこんなにも気を遣ってくれる会社に出会えたことは奇跡に近い。
私は人生におけるアンラッキーな出来事には全て意味があると思っている。その時はショックで「何で自分が辛い目に遭わなきゃいけないんだ」と落ち込んでしまうが、後で振り返ってみると「あの時のアンラッキーがあったからこそ今の自分がある」そう思えることが多いのだ。
私は自分が発達障害者と判明するまで、派遣社員として働いていた。だが、新型ウイルス流行の煽りを受けた会社が不況に陥り、人件費削減の目的として大量に派遣切りを始めた。その影響をモロに食らってしまい、退職せざるを得なくなってしまったのだ。
最初は落ち込んだが、振り返ってみるとあの会社は決して良いとは言えなかったのでいつかは心が折れてまた体調を崩して辞めていたかもしれない。あの時、退職に追い込まれていなければ今の会社に出会うこともなかった。自分が発達障害者だということも分からなかったのだ。
今回のことも遭遇した時は大変だったが、そのおかげで今の会社に自分の居場所があること、良い人達に恵まれていることを実感できた。(レーズン食パン完売は例外だが)
アンラッキーな「たまたま」が重なった一日だったが、私にとっては大きな意味のあるラッキーな一日であった。
しかし、改めて一日を振り返って思った。「私は人に恵まれている」ということを。係長は少しとっつきにくいし「一言余計だよ!」と思うところがあるものの、私がどんなにミスをしても怒らないし、作業の疑問を短い頻度で何度も聞いてもきちんと答えてくれる。入社したばかりで自分の仕事を覚えるだけでも大変なのに私を気遣ってくれた新人の営業社員、所長や他の先輩社員も皆とても親切なのだ。
因みに、後日談だが「パソコンを切っておきますよ!」と言ってくれた先輩社員に翌日お礼を言うと「実は忘れてしまって……」と、とても申し訳なさそうにしていた。が、近くに座っているもう1人の係長が「私がやっておいたよ!」と言ってくれた。誰かが誰かのフォローをする。簡単なようで実は凄く難しい。だが、この会社はそれが出来るのだ。先輩社員達の心温まる連携プレーに私は心の底から感動した。(きちんとお礼も言った)
障害者を蔑ろにしたり、差別するブラックな会社が多い中、1人の障害者社員にこんなにも気を遣ってくれる会社に出会えたことは奇跡に近い。
私は人生におけるアンラッキーな出来事には全て意味があると思っている。その時はショックで「何で自分が辛い目に遭わなきゃいけないんだ」と落ち込んでしまうが、後で振り返ってみると「あの時のアンラッキーがあったからこそ今の自分がある」そう思えることが多いのだ。
私は自分が発達障害者と判明するまで、派遣社員として働いていた。だが、新型ウイルス流行の煽りを受けた会社が不況に陥り、人件費削減の目的として大量に派遣切りを始めた。その影響をモロに食らってしまい、退職せざるを得なくなってしまったのだ。
最初は落ち込んだが、振り返ってみるとあの会社は決して良いとは言えなかったのでいつかは心が折れてまた体調を崩して辞めていたかもしれない。あの時、退職に追い込まれていなければ今の会社に出会うこともなかった。自分が発達障害者だということも分からなかったのだ。
今回のことも遭遇した時は大変だったが、そのおかげで今の会社に自分の居場所があること、良い人達に恵まれていることを実感できた。(レーズン食パン完売は例外だが)
アンラッキーな「たまたま」が重なった一日だったが、私にとっては大きな意味のあるラッキーな一日であった。
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