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ミケの願い事
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寒い冬がやってきました。
子猫のミケは大好きなあかりちゃんと離れ離れになってしまい、今はひとりぼっちです。
「あかりちゃんは今どこにいるのかなぁ?」
ポツリ、
ポツリ、ポツリ。
雨が降ってきました。
「うわぁ、雨だ。濡れちゃうよ」
ミケは近くにあった神社で雨宿りをすることにしました。
しんしん。
しんしん。
雨はだんだん雪になってきました。
「寒いよぅ、あかりちゃんが冬には願い事が叶う日があるって言ってた。僕はあかりちゃんに会いたいよぅ」
ガタガタッ。
ガタガタッ。
物音が聞こえました。
「誰かいるの。」
するとそこには白い蛇がいました。
「なんじゃ。わしの眠りの邪魔をしたのはただの子猫か」
ミケは蛇をみるのが初めてなのでじっとみつめたり、前足で触ったりしました。
「こっ、こら。やめなさい」
「あっごめんなさい」
ミケは蛇におこられたので前足をどけました。
「おほん。このわしを起こしたからには願いを叶えてやらねばな」
ミケはびっくりして聞き返しました。
「願い事を叶えてくれるの。何でもいいの?」
もちろん、と
蛇はうなづきました。
ミケは真っ先にあかりちゃんのことを考えました。
そして、こう言いました。
「ねぇ。僕あかりちゃんに会って話したいんだ。人間の言葉を話せるようになれないかな」
蛇は言いました。
「たしかにできるが、今夜だけじゃよ」
「それでもいいよ。僕はただ、あかりちゃんに今まで言えなかったことを伝えたいんだ」
とミケはいいました。
蛇がふしぎな呪文を唱えたら雪が止み、きれいな満月が出てきました。
蛇も白髪でお髭のおじいさんになっています。
「わしの力は満月の時しか使えない。では、子猫目をつぶれ」
ミケはドキドキしながら目をつぶります。
もう一度、蛇がふしぎな呪文を唱えると、ミケの回りに綺麗な星屑が回りだし、
しばらくすると星屑は、消えていきました。
「もう、目を開けてもよいぞ」
ミケはおそるおそる目を開けました。
しかし、なに一つ変わったところはありません。
「ホントにこれでいいの?」
ミケは心配になり蛇にききました。
「心配せずともよい。これで人間と会話ができるから」
と蛇は言いました。
蛇の言葉を聞くと、ミケは大喜びしました。
「わーい。これであかりちゃんと話せるよ」
「では、お主が会いたいという人間のところに連れて行ってやろう」
ピューン
ミケは星屑に乗って空をとんであかりちゃんのところに行きました。
「すごーい。早くあかりちゃんに会いたいなぁ」
一方、たくさんの子供たちはサンタさんが来るのを待っている今日。
そんな中、窓から外を見ているあかりちゃんがいました。
「ミケ、会いたいよ。サンタさん、プレゼントはいらないからミケに会わせて」
しゃん、しゃん、しゃん、しゃん、しゃん。
何処からともなく鈴の音がきこえます。
「あれ、何の音?」
だんだんと音はあかりちゃんに近づいてきます。
「あかりちゃーん」
誰かがあかりちゃん呼んでいる声はしますが、姿は見えません。
「気のせいかな」
あかりちゃんは窓を閉じようとしましたが、また声がしました。
「上だよ。上」
あかりちゃんは声の言う通り上を見上げると、星屑の絨毯に乗ったネコがいました。
「ミケ?」
あかりちゃんがネコに聞くとネコは窓枠に飛び乗りました。
「うん。僕はミケだよ」
あかりちゃんは驚きました。
「ミケ、言葉を喋ってるよ。前から出来たの?」
ミケは答えました。
「違うよ。白いお髭のおじいさんが僕が人間の言葉を話せるようにしてくれたんだ」
あかりちゃんは嬉しそうに言いました。
「サンタさんだ。サンタさんがあかりのお願い聞いてくれたんだ」
そして、ミケをそっと抱きしめました。
「ミケ、もう何処にも行かないで」
あかりちゃんは今にも泣きそうです。
「ごめんね。僕はあかりちゃんの傍にいることが出来ないんだ」
と、ミケは悲しそうに言いました。
「だけど、僕はあかりちゃんのことを絶対に忘れないよ。今まで僕と一緒に遊んでくれてありがとう」
ミケも今にも泣きそうです。
あかりちゃんは泣くのを堪えながら、机の引き出しからあるものを取り出しました。
「ミケ、少しの間目をつぶって」
ミケは言われた通りに目をつぶりました。
あかりちゃんはそっとミケの首にあるものをつけました。
「もう、いいよ」
目を開けると首にはミサンガがついてました。
「これ何?」
ミケは聞きました。
「あかりが作ったミサンガなの。ミサンガが切れたら願い事が叶うんだ。あかりも忘れないからね、ミケ大好きだよ」
あかりちゃんはミケを抱きしめました。
「あかりちゃん、僕も大好きだよ。ミサンガが切れたら願い事が叶うなら、次に会うのはミサンガが切れたときだね。バイバイ」
ミケはあかりちゃんの腕の中から消えました。
朝起きたらミケはもとの神社にいました。
「昨日のことは夢だったのかな。」
ふと首をみると昨日あかりちゃんからもらった青いミサンガがついていました。
子猫のミケは大好きなあかりちゃんと離れ離れになってしまい、今はひとりぼっちです。
「あかりちゃんは今どこにいるのかなぁ?」
ポツリ、
ポツリ、ポツリ。
雨が降ってきました。
「うわぁ、雨だ。濡れちゃうよ」
ミケは近くにあった神社で雨宿りをすることにしました。
しんしん。
しんしん。
雨はだんだん雪になってきました。
「寒いよぅ、あかりちゃんが冬には願い事が叶う日があるって言ってた。僕はあかりちゃんに会いたいよぅ」
ガタガタッ。
ガタガタッ。
物音が聞こえました。
「誰かいるの。」
するとそこには白い蛇がいました。
「なんじゃ。わしの眠りの邪魔をしたのはただの子猫か」
ミケは蛇をみるのが初めてなのでじっとみつめたり、前足で触ったりしました。
「こっ、こら。やめなさい」
「あっごめんなさい」
ミケは蛇におこられたので前足をどけました。
「おほん。このわしを起こしたからには願いを叶えてやらねばな」
ミケはびっくりして聞き返しました。
「願い事を叶えてくれるの。何でもいいの?」
もちろん、と
蛇はうなづきました。
ミケは真っ先にあかりちゃんのことを考えました。
そして、こう言いました。
「ねぇ。僕あかりちゃんに会って話したいんだ。人間の言葉を話せるようになれないかな」
蛇は言いました。
「たしかにできるが、今夜だけじゃよ」
「それでもいいよ。僕はただ、あかりちゃんに今まで言えなかったことを伝えたいんだ」
とミケはいいました。
蛇がふしぎな呪文を唱えたら雪が止み、きれいな満月が出てきました。
蛇も白髪でお髭のおじいさんになっています。
「わしの力は満月の時しか使えない。では、子猫目をつぶれ」
ミケはドキドキしながら目をつぶります。
もう一度、蛇がふしぎな呪文を唱えると、ミケの回りに綺麗な星屑が回りだし、
しばらくすると星屑は、消えていきました。
「もう、目を開けてもよいぞ」
ミケはおそるおそる目を開けました。
しかし、なに一つ変わったところはありません。
「ホントにこれでいいの?」
ミケは心配になり蛇にききました。
「心配せずともよい。これで人間と会話ができるから」
と蛇は言いました。
蛇の言葉を聞くと、ミケは大喜びしました。
「わーい。これであかりちゃんと話せるよ」
「では、お主が会いたいという人間のところに連れて行ってやろう」
ピューン
ミケは星屑に乗って空をとんであかりちゃんのところに行きました。
「すごーい。早くあかりちゃんに会いたいなぁ」
一方、たくさんの子供たちはサンタさんが来るのを待っている今日。
そんな中、窓から外を見ているあかりちゃんがいました。
「ミケ、会いたいよ。サンタさん、プレゼントはいらないからミケに会わせて」
しゃん、しゃん、しゃん、しゃん、しゃん。
何処からともなく鈴の音がきこえます。
「あれ、何の音?」
だんだんと音はあかりちゃんに近づいてきます。
「あかりちゃーん」
誰かがあかりちゃん呼んでいる声はしますが、姿は見えません。
「気のせいかな」
あかりちゃんは窓を閉じようとしましたが、また声がしました。
「上だよ。上」
あかりちゃんは声の言う通り上を見上げると、星屑の絨毯に乗ったネコがいました。
「ミケ?」
あかりちゃんがネコに聞くとネコは窓枠に飛び乗りました。
「うん。僕はミケだよ」
あかりちゃんは驚きました。
「ミケ、言葉を喋ってるよ。前から出来たの?」
ミケは答えました。
「違うよ。白いお髭のおじいさんが僕が人間の言葉を話せるようにしてくれたんだ」
あかりちゃんは嬉しそうに言いました。
「サンタさんだ。サンタさんがあかりのお願い聞いてくれたんだ」
そして、ミケをそっと抱きしめました。
「ミケ、もう何処にも行かないで」
あかりちゃんは今にも泣きそうです。
「ごめんね。僕はあかりちゃんの傍にいることが出来ないんだ」
と、ミケは悲しそうに言いました。
「だけど、僕はあかりちゃんのことを絶対に忘れないよ。今まで僕と一緒に遊んでくれてありがとう」
ミケも今にも泣きそうです。
あかりちゃんは泣くのを堪えながら、机の引き出しからあるものを取り出しました。
「ミケ、少しの間目をつぶって」
ミケは言われた通りに目をつぶりました。
あかりちゃんはそっとミケの首にあるものをつけました。
「もう、いいよ」
目を開けると首にはミサンガがついてました。
「これ何?」
ミケは聞きました。
「あかりが作ったミサンガなの。ミサンガが切れたら願い事が叶うんだ。あかりも忘れないからね、ミケ大好きだよ」
あかりちゃんはミケを抱きしめました。
「あかりちゃん、僕も大好きだよ。ミサンガが切れたら願い事が叶うなら、次に会うのはミサンガが切れたときだね。バイバイ」
ミケはあかりちゃんの腕の中から消えました。
朝起きたらミケはもとの神社にいました。
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