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第十二章 自分のモノサシ
20話
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昨夜は唯兄の免許取得おめでとう会だった。
私たち兄妹のほかに栞さんと昇さん、湊先生というメンバーが集まった。
「ね、秋斗くんも呼んだら?」
栞さんの提案に、
「そうですよね。さっき、かなりおざなりな『おめでとう』なら言ってもらったんですけど。もっとちゃんと祝ってもらおうかなっ?」
唯兄はそんなことを言いながら秋斗さんに電話をしたけれど、「ちょっと手が離せない」とのことで、結局は来てもらえず……。
秋斗さんが来られないということに、どこかほっとした自分がいた。
唯兄がいる久しぶりの食卓はなんだかとても明るくて、和やかな時間を過ごせた。
ひとつ――自分がほとんどの料理を食べられないという事実を除いては……。
そのとき、どうして日曜日の明日病院へ行かなくてはいけないのかを尋ねてみたけれど、
「相馬が直接話したいって言ってた」
湊先生はそれしか教えてくれなかった。
栞さんも昇さんも事情は知ってはいるみたいだけれど、教えてくれる気はないみたい。
次の治療は月曜日だから、明日でなくてもいいはずなのに――
そんなことを考えつつ休み、今朝もいつもと同じ行動を取る。
蒼兄がランニングから帰ってきてシャワーを浴びているうちに、キッチンに置いてある瓶から一粒の錠剤を取り出しピルケースへ入れる。
この行動をとるためには、基礎体温計のアラームは五時十分にセットする必要があった。
どうしても、身体を起こせるようになるまでしばらく時間を要すから。
六時過ぎ、蒼兄が帰ってくる時間に身体を起こせるようにするにはそうするしかなかったのだ。
「おはよぉぉぉぉ……」
カウンター側から唯兄に声をかけられてドキ、とした。
「ゆ、唯兄、おはようっ!」
どもるわ声が大きくなるわ、色んな失敗に激しく後悔。でも、唯兄は何も感じなかったみたい。
「おはよう」の「お」の字も「ほ」に近い発音だった。
まだ少し眠そうに目をこすりながら、
「願わくばー、リィの愛情がこもった濃いインスタントコーヒーを所望」
「……コーヒーなら挽いたものが冷凍庫に入っているからちゃんと淹れるよ? 蒼兄も飲むと思うし……」
「うんにゃ、俺はインスタント愛好家なの」
「わかった。ちょっと待っててね。あ……朝食はホットサンドでいい?」
「コーヒー一杯分の時間をください」
意味不明な返事に首を捻る。
「シュガースティック四本。それから、飲める温度になる程度に牛乳入れてもらえる?」
「あ、うん……」
お砂糖四本って……すごく甘そうだ。
ツカサなら眉間にしわを寄せそうな注文である。
「それ飲んだら一緒に作ろうよ」
「っ……うん! すぐに作るね」
唯兄のコーヒーと一緒に蒼兄のコーヒーも淹れた。……といっても、唯兄のリクエスト優先でインスタントだけれど。
唯兄はカップを手に取ると、ぐびぐび、と喉を鳴らして一気飲みをする。
「うっし、これで頭は回るっ! さて、材料はぁ……?」
野菜室や冷蔵庫チェックを始めると、
「リィはレタスとハムときゅうりのサンドイッチが好きだよね? で、あんちゃんは卵サンド。俺はトマトとチーズのが好きだから、その三種類で!」
てきぱきと材料を取り出し作業に取り掛かる。
まず最初に小鍋に水を張り、卵を入れて火にかけた。あとは野菜を洗ってハムを切ったりトマトを切ったり。デザートには缶詰のフルーツを入れたヨーグルトも用意。
それらが終わるころには卵がいい具合に茹で上がり、その皮剥きを一緒にして、ザクザク刻んでマヨネーズを入れたところで蒼兄がキッチンに現れた。
最後の粗挽き胡椒をガリガリと挽いていると、
「これ俺の?」
あらかじめ作ってあったコーヒーを指差す。
「うん、インスタントなんだけど……。少し冷めちゃったかも」
「いや、飲みやすい。……そっちは佳境かな。じゃ、俺はパンでも焼くかね」
と、トースターへ向かう。
「あとは……」
私が周りを見回していると、
「スープスープ!」
唯兄に言われて、なるほど、と思う。
「インスタントのコーンポタージュがそこの引き出しに入ってるよ」
どうしたことか、唯兄は私よりも台所事情に精通している。
出来上がれば三人揃っていただきます。
ふたりのそれはちゃんとホットサンドだけれど、私が食べるものはもはやホットサンドとはいえない。どちらかというとオードブル。
焼いたパンを唯兄が一口くらいの大きさに切ってくれ、その上にちょこんとあれこれ野菜が載っている状態。
ハムやレタス、トマトやチーズは載せるだけでは落ちてしまうことから、爪楊枝で留めてくれていた。
久しぶりのこの時間が妙に懐かしく思える。
おかしいな。唯兄がマンションを空けていたのは二週間だけのはずなのに。
「翠葉、ちゃんと寝てるか?」
不意に訊かれてびっくりした。
「あ、えと……うん。十二時を回る前には寝てるよ。ほら、おやすみって言いに行ってるでしょ?」
「……そういう意味じゃなくて」
言われている意味はなとなくわかる。
「夜中、何度も起きてるみたいだから」
予想を疑わない指摘。
「うん、ちょっと……眠りが浅いみたい。でも、起きちゃってもまたすぐに眠れるんだよ」
「……ならいいけど」
とは言ったものの、あまり納得しているようには見えなかった。
「唯は安全運転を心がけること。ふたり揃って事故なんてやめてくれよ?」
「わかってるよー。俺だってまだ死にたくないやい」
そんな会話をしつつの朝食だった。
蒼兄は家を出るそのときまで口を酸っぱくして「安全運転安全運転」と言い続け、唯兄は「俺は平和主義者なの!」「間違ってもスピード狂じゃないから安心して」「ハンドル握ったら別人とかないから安心して」と、言葉をあれこれ変えて「大丈夫」な旨を伝えていた。
そんなふたりを見ているのはなんだかおかしかった。
今日も車は湊先生の車。
どうやら、湊先生は車にあまり乗らないみたい。
平日は歩いて学校へ通うらしく、土日はマンションでゆっくりと過ごすことが多いのだそう。。
最近は学校の勤務時間が終わると出かけることが多いらしく、そんな理由もあって私は秋斗さんの仕事部屋で休ませてもらっているのだけど……。
なんとなくの予想――もしかしたら結婚式の準備が忙しいのかな、と。
夏休みに聞いたそれは秘密秘密の内緒話。だから、何も訊かないし知らないふり。
「リィ、何笑ってんの?」
運転席から唯兄に訊かれ、「内緒」と答えるのがなんだか嬉しかった。
湊先生や栞さんが病院へ連れていってくれるときは学園を突っ切って私道を通るルートだけれど、唯兄はきちんと藤山をぐるりと回る公道を走った。
「学園に入るための資格は持ってるし、秋斗さんから私道を走る許可も得てはいるんだけど、やっぱり公道って場所で慣れないとでしょ!」
どちらにせよ、藤山の周りを走っても、市街へつながる道の入り口が混んでいなければ十分ほどで着いてしまう距離なのだ。
その車の中で、
「この道を自分が運転して病院へ行くことになるとはねぇ……。いやはや、感慨深い」
唯兄はニヒヒと笑っている。
つらそうには見えないけれど――今もつらいのだろうか……。
訊きたくてもそう簡単には訊くことができない内容。
「……リィ、つらくないよ。病院へリィを連れて行けるようになったのはステップアップでしょ?」
「……どうして?」
「ん?」
「どうして考えてることわかっちゃったのかな?」
「だってわかりやすいもん」
唯兄はケタケタと笑って首を傾げて見せた。
それではっとして、自分の頭をもとの位置に戻す。
「いろんな意味で前進してると思うよ。年下の女の子を避けなくても平気になったし、あの病院にも行けるようになった。夏休み中はできなかったけど、今は車の運転をしてリィを病院へ連れていってあげられる。何ひとつマイナスなことはない」
そう言うと、サイドブレーキを下ろして車を発信させる。
「人ってさ、何かきっかけがあれば一歩踏み出すことができる生き物だと思うんだよね」
その言葉にドキリとする。
先日、音声通話であれこれ話を聞いてもらったから――だから、この一言なのかな、と。
追随するように、昨日の秋斗さんの言葉を思い出す。
――「できることをやらないでいるのと、上限以上のことを無理してがんばりすぎちゃうの」。
秋斗さんは前者をツカサに言ったとわかるような言葉をあとに続けた。ということは、後者は私に向けられた言葉だったのだろうか。
――「上限以上のことを無理してがんばりすぎちゃうの」。
その言葉は、今の私を動揺させるのには十分すぎる言葉だった。
私たち兄妹のほかに栞さんと昇さん、湊先生というメンバーが集まった。
「ね、秋斗くんも呼んだら?」
栞さんの提案に、
「そうですよね。さっき、かなりおざなりな『おめでとう』なら言ってもらったんですけど。もっとちゃんと祝ってもらおうかなっ?」
唯兄はそんなことを言いながら秋斗さんに電話をしたけれど、「ちょっと手が離せない」とのことで、結局は来てもらえず……。
秋斗さんが来られないということに、どこかほっとした自分がいた。
唯兄がいる久しぶりの食卓はなんだかとても明るくて、和やかな時間を過ごせた。
ひとつ――自分がほとんどの料理を食べられないという事実を除いては……。
そのとき、どうして日曜日の明日病院へ行かなくてはいけないのかを尋ねてみたけれど、
「相馬が直接話したいって言ってた」
湊先生はそれしか教えてくれなかった。
栞さんも昇さんも事情は知ってはいるみたいだけれど、教えてくれる気はないみたい。
次の治療は月曜日だから、明日でなくてもいいはずなのに――
そんなことを考えつつ休み、今朝もいつもと同じ行動を取る。
蒼兄がランニングから帰ってきてシャワーを浴びているうちに、キッチンに置いてある瓶から一粒の錠剤を取り出しピルケースへ入れる。
この行動をとるためには、基礎体温計のアラームは五時十分にセットする必要があった。
どうしても、身体を起こせるようになるまでしばらく時間を要すから。
六時過ぎ、蒼兄が帰ってくる時間に身体を起こせるようにするにはそうするしかなかったのだ。
「おはよぉぉぉぉ……」
カウンター側から唯兄に声をかけられてドキ、とした。
「ゆ、唯兄、おはようっ!」
どもるわ声が大きくなるわ、色んな失敗に激しく後悔。でも、唯兄は何も感じなかったみたい。
「おはよう」の「お」の字も「ほ」に近い発音だった。
まだ少し眠そうに目をこすりながら、
「願わくばー、リィの愛情がこもった濃いインスタントコーヒーを所望」
「……コーヒーなら挽いたものが冷凍庫に入っているからちゃんと淹れるよ? 蒼兄も飲むと思うし……」
「うんにゃ、俺はインスタント愛好家なの」
「わかった。ちょっと待っててね。あ……朝食はホットサンドでいい?」
「コーヒー一杯分の時間をください」
意味不明な返事に首を捻る。
「シュガースティック四本。それから、飲める温度になる程度に牛乳入れてもらえる?」
「あ、うん……」
お砂糖四本って……すごく甘そうだ。
ツカサなら眉間にしわを寄せそうな注文である。
「それ飲んだら一緒に作ろうよ」
「っ……うん! すぐに作るね」
唯兄のコーヒーと一緒に蒼兄のコーヒーも淹れた。……といっても、唯兄のリクエスト優先でインスタントだけれど。
唯兄はカップを手に取ると、ぐびぐび、と喉を鳴らして一気飲みをする。
「うっし、これで頭は回るっ! さて、材料はぁ……?」
野菜室や冷蔵庫チェックを始めると、
「リィはレタスとハムときゅうりのサンドイッチが好きだよね? で、あんちゃんは卵サンド。俺はトマトとチーズのが好きだから、その三種類で!」
てきぱきと材料を取り出し作業に取り掛かる。
まず最初に小鍋に水を張り、卵を入れて火にかけた。あとは野菜を洗ってハムを切ったりトマトを切ったり。デザートには缶詰のフルーツを入れたヨーグルトも用意。
それらが終わるころには卵がいい具合に茹で上がり、その皮剥きを一緒にして、ザクザク刻んでマヨネーズを入れたところで蒼兄がキッチンに現れた。
最後の粗挽き胡椒をガリガリと挽いていると、
「これ俺の?」
あらかじめ作ってあったコーヒーを指差す。
「うん、インスタントなんだけど……。少し冷めちゃったかも」
「いや、飲みやすい。……そっちは佳境かな。じゃ、俺はパンでも焼くかね」
と、トースターへ向かう。
「あとは……」
私が周りを見回していると、
「スープスープ!」
唯兄に言われて、なるほど、と思う。
「インスタントのコーンポタージュがそこの引き出しに入ってるよ」
どうしたことか、唯兄は私よりも台所事情に精通している。
出来上がれば三人揃っていただきます。
ふたりのそれはちゃんとホットサンドだけれど、私が食べるものはもはやホットサンドとはいえない。どちらかというとオードブル。
焼いたパンを唯兄が一口くらいの大きさに切ってくれ、その上にちょこんとあれこれ野菜が載っている状態。
ハムやレタス、トマトやチーズは載せるだけでは落ちてしまうことから、爪楊枝で留めてくれていた。
久しぶりのこの時間が妙に懐かしく思える。
おかしいな。唯兄がマンションを空けていたのは二週間だけのはずなのに。
「翠葉、ちゃんと寝てるか?」
不意に訊かれてびっくりした。
「あ、えと……うん。十二時を回る前には寝てるよ。ほら、おやすみって言いに行ってるでしょ?」
「……そういう意味じゃなくて」
言われている意味はなとなくわかる。
「夜中、何度も起きてるみたいだから」
予想を疑わない指摘。
「うん、ちょっと……眠りが浅いみたい。でも、起きちゃってもまたすぐに眠れるんだよ」
「……ならいいけど」
とは言ったものの、あまり納得しているようには見えなかった。
「唯は安全運転を心がけること。ふたり揃って事故なんてやめてくれよ?」
「わかってるよー。俺だってまだ死にたくないやい」
そんな会話をしつつの朝食だった。
蒼兄は家を出るそのときまで口を酸っぱくして「安全運転安全運転」と言い続け、唯兄は「俺は平和主義者なの!」「間違ってもスピード狂じゃないから安心して」「ハンドル握ったら別人とかないから安心して」と、言葉をあれこれ変えて「大丈夫」な旨を伝えていた。
そんなふたりを見ているのはなんだかおかしかった。
今日も車は湊先生の車。
どうやら、湊先生は車にあまり乗らないみたい。
平日は歩いて学校へ通うらしく、土日はマンションでゆっくりと過ごすことが多いのだそう。。
最近は学校の勤務時間が終わると出かけることが多いらしく、そんな理由もあって私は秋斗さんの仕事部屋で休ませてもらっているのだけど……。
なんとなくの予想――もしかしたら結婚式の準備が忙しいのかな、と。
夏休みに聞いたそれは秘密秘密の内緒話。だから、何も訊かないし知らないふり。
「リィ、何笑ってんの?」
運転席から唯兄に訊かれ、「内緒」と答えるのがなんだか嬉しかった。
湊先生や栞さんが病院へ連れていってくれるときは学園を突っ切って私道を通るルートだけれど、唯兄はきちんと藤山をぐるりと回る公道を走った。
「学園に入るための資格は持ってるし、秋斗さんから私道を走る許可も得てはいるんだけど、やっぱり公道って場所で慣れないとでしょ!」
どちらにせよ、藤山の周りを走っても、市街へつながる道の入り口が混んでいなければ十分ほどで着いてしまう距離なのだ。
その車の中で、
「この道を自分が運転して病院へ行くことになるとはねぇ……。いやはや、感慨深い」
唯兄はニヒヒと笑っている。
つらそうには見えないけれど――今もつらいのだろうか……。
訊きたくてもそう簡単には訊くことができない内容。
「……リィ、つらくないよ。病院へリィを連れて行けるようになったのはステップアップでしょ?」
「……どうして?」
「ん?」
「どうして考えてることわかっちゃったのかな?」
「だってわかりやすいもん」
唯兄はケタケタと笑って首を傾げて見せた。
それではっとして、自分の頭をもとの位置に戻す。
「いろんな意味で前進してると思うよ。年下の女の子を避けなくても平気になったし、あの病院にも行けるようになった。夏休み中はできなかったけど、今は車の運転をしてリィを病院へ連れていってあげられる。何ひとつマイナスなことはない」
そう言うと、サイドブレーキを下ろして車を発信させる。
「人ってさ、何かきっかけがあれば一歩踏み出すことができる生き物だと思うんだよね」
その言葉にドキリとする。
先日、音声通話であれこれ話を聞いてもらったから――だから、この一言なのかな、と。
追随するように、昨日の秋斗さんの言葉を思い出す。
――「できることをやらないでいるのと、上限以上のことを無理してがんばりすぎちゃうの」。
秋斗さんは前者をツカサに言ったとわかるような言葉をあとに続けた。ということは、後者は私に向けられた言葉だったのだろうか。
――「上限以上のことを無理してがんばりすぎちゃうの」。
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