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第十一章 トラウマ
01話
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夏休み最後の週はとても慌しく過ぎた。
佐野くんに教えてもらうまで、 宿題の存在をすっかり忘れていたからだ。
佐野くんが帰ってからは、ひたすら宿題に明け暮れた。とはいえ、科目は苦手な古典と英語……。「捗る」なんて言葉からはほど遠い。
「そこ違う。活用の仕方、もう忘れたの?」
そこかしこをツカサに突っ込まれつつの時間だった。
ツカサがいないときは蒼兄か唯兄、そして文系代表ともいえる桃華さんが来てくれた。
そんなこんなの日々を過ごし、宿題は危うくも終わらせることができた。
三日で苦手課目を二冊終わらせたのだから、少しくらいは褒めてくれる人がいてもいいと思う。
退院前には秋斗さんがお見舞いに来てくれた。
秋斗さんは湊先生に私の容態を聞いていたようで、副作用が治まってから来てくれたのだ。そして、この頃には私の点滴もはずれていた。
「こんにちは」
秋斗さんは蒼兄と一緒に現れた。
表情は柔らかかったけれど、声が硬いことから、その笑顔は作られたものなのだろう、と察する。
「翠葉、翠葉が大丈夫なら俺は大学に行くよ」
来て早々に言われ、少し考えた。
今の言い方からすると……蒼兄は、私が秋斗さんとふたりでも大丈夫だと思っているのだろう。それでも一緒に来たのは――秋斗さんの要望、かな……。
「……秋斗さん、大丈夫です。蒼兄がいなくても平気」
「……そう?」
不安そうな表情で訊かれたから、笑顔を返す。
「痛みもかなり引いているし、気持ち的にも安定しているので……」
そう答えると、秋斗さんは少し肩の力を抜いたように見えた。
「じゃ、中庭に行く?」
「あっ、行きたいですっ!」
本当にずっと宿題漬けだったのだ。だから、「外」は嬉しい。
「外に行ってもいいか、相馬先生に訊いてきます!」
ナースセンターまで行こうとしたそのとき、相馬先生が病室にやってきた。
「明日で退院だから別にいいんだけどよぉ……。シスコン兄貴、この妹どうにかなんねーか?」
「翠葉が何かご迷惑おかけしましたか?」
「迷惑じゃねぇんだけど……。管が取れた途端、ガンガン動きだしやがった。ナースコールってものがあるにも関わらず、ナースセンターまで来やがる」
点滴が取れたことが嬉しくて、朝起きれば挨拶をしにナースセンターへ出向き、朝の携帯チェックをしに携帯ゾーンへ向かう。それがここ数日の日課になっていた。
やっぱりだめだっただろうか……。
叱られることを覚悟した直後、
「あぁ……それは諦めてください」
蒼兄はにこりと笑って答える。
「基本、おとなしくしているよりも、動いていたい子なので。それに、この夏はずっと動けませんでしたからね」
「……救いようのないシスコンに塗る薬はねぇな……」
相馬先生はぼやきつつ、
「中庭、暑いから水分補給は小まめにしろよ」
と冷蔵庫を開け、あらかじめミネラルウォーターで薄めてあるポカリスエットを投げてくれた。
「はいっ!」
相馬先生は満足気に頷き病室を出ていった。
満足気に笑った相馬先生を見送ると、
「翠葉ちゃん、あの柄の悪いセンセとずいぶん仲良くなったみたいだね?」
秋斗さんはそんなふうに言うけれど、思ったよりも柄は悪くなくて紳士だ。何よりも頼もしくて優しい。そう説明すると、
「翠葉ちゃんがほかの男を褒めていると嫉妬しそう……」
などと、顔を歪める。
なんだか、自分よりも九歳年上というのが嘘みたい。
「ここの中庭はどうしてか少し涼しく感じるんですよ」
少し話を逸らすと、
「あぁ、そういうつくりになってるからね」
と、にこりと笑って答えてくれる。
「……つくり、ですか?」
「この手の話は蒼樹の専門じゃない?」
秋斗さんが蒼兄に話を振ると、
「歩きながら話そう」
と、病室を出ることになった。
「ここの中庭には保水性ブロックっていうブロックが使用されているんだ」
「保水性ブロック……?」
「そう、散水――打ち水をすることでコンクリートの熱を下げる風習は知っているだろ? あれの水を保水させる機能を持つブロック。要は透水しやすい素材を使ったブロックで、雨の日でも滑りにくいって特製がある。その下に灌水パイプを敷設することで、表面温度が最大十五度から二十度低下させることができる」
「ヒートアイランド現象の抜け道みたいね?」
「そうだな。実際にそういう用途で作られたものだよ」
蒼兄からこういう話を聞くのは初めてだった。
蒼兄の顔を見ていると、秋斗さんの声が右側から降ってくる。
「この病院は、屋上の緑化されていない場所には高反射塗装がされているんじゃなかったかな」
「高反射塗装……?」
「一般建材だと日射反射率が十パーセントなのに対し、高反射塗装を施してある建材は九十パーセント近く反射させる。だから、建物に篭る熱がほとんど拡散されるんだ」
「……すごく省エネな建物ということ?」
「そういうことになるな」
こんな話を聞けば、やっぱり建築の方面に進むのかな、と蒼兄の進路を考える。
「蒼兄は建築家になるの?」
「一応ね、そのつもりではいる。でも、基本的にはオールラウンドで動きたいなぁ……」
「設計もその中身も、ということ?」
「うん。建物を作るのも楽しいんだけど、中身をいじくるのも楽しいんだよね」
「蒼樹は欲張りだなぁ……」
蒼兄は苦笑しながら、
「それができるのは建築デザイナーだと思うから、基本は父さんと同じ」
そんな話をしていれば一階に着いてしまう。
「先輩も何か飲み物買っていったほうがいいですよ」
一言蒼兄は言い残し、蒼兄は正面玄関へ向かって歩き始めた。
秋斗さんは自販機でポカリスエットを買って外へ出ると、
「ここのこの木が好きなんでしょう?」
と、私が好きな木のもとまで進む。
「はい。この少し薄い緑と白っぽい葉っぱが一緒になっているのとか、病院の中なのに上を見上げたら緑しか見えないところとか、壁を這っている蔦の葉も好き」
この中庭は半分がウッドデッキになっていて、もう半分はタイル張りになっている。
「あれ……わんちゃん?」
中庭の一画に、患者さんとその家族と思われる人たちがいて、その中には犬もいた。
「知らなかった? この中庭だけはペットも連れてこられるんだ」
「知りませんでした」
「ただ、時間が決まっているから、翠葉ちゃんが中庭を利用するときには見かけなかっただけかもね」
言いながら、木の根元の芝生に腰を下ろした。
「秋斗さんも芝生に座るのが好きですか?」
秋斗さんはクスリと笑う。
「翠葉ちゃんが好きだよね? 芝生の上に座るの」
……そういうのも知っているのね。
「……はい。好きです」
「今まではなんとも思わなかったんだけどね、翠葉ちゃんに教えてもらったら好きになった」
秋斗さんの甘い笑顔には少し困る。格好いい人は見慣れているはずなのに、どうしてか困る……。
「秋斗さんの笑顔はちょっと困ります」
「……どうして?」
「たぶん……格好いいから?」
真面目に答えたのに笑われてしまった。
「なんかさ、記憶とかどうでも良くなってきたかも……。君は全然変わらない。……少し時間が欲しいっていってたけど、別に少しじゃなくてもいいよ」
「え……?」
「今、こうやって話せることが嬉しいし、笑ってくれることが嬉しいと思うから。……俺は九歳も年上だけど、全然年上っぽくないかもしれない。そこは、ごめんね?」
どうして謝られたのかはわからない。
でも、謝られたというより、宣言された気がするのはどうしてなのかな――?
佐野くんに教えてもらうまで、 宿題の存在をすっかり忘れていたからだ。
佐野くんが帰ってからは、ひたすら宿題に明け暮れた。とはいえ、科目は苦手な古典と英語……。「捗る」なんて言葉からはほど遠い。
「そこ違う。活用の仕方、もう忘れたの?」
そこかしこをツカサに突っ込まれつつの時間だった。
ツカサがいないときは蒼兄か唯兄、そして文系代表ともいえる桃華さんが来てくれた。
そんなこんなの日々を過ごし、宿題は危うくも終わらせることができた。
三日で苦手課目を二冊終わらせたのだから、少しくらいは褒めてくれる人がいてもいいと思う。
退院前には秋斗さんがお見舞いに来てくれた。
秋斗さんは湊先生に私の容態を聞いていたようで、副作用が治まってから来てくれたのだ。そして、この頃には私の点滴もはずれていた。
「こんにちは」
秋斗さんは蒼兄と一緒に現れた。
表情は柔らかかったけれど、声が硬いことから、その笑顔は作られたものなのだろう、と察する。
「翠葉、翠葉が大丈夫なら俺は大学に行くよ」
来て早々に言われ、少し考えた。
今の言い方からすると……蒼兄は、私が秋斗さんとふたりでも大丈夫だと思っているのだろう。それでも一緒に来たのは――秋斗さんの要望、かな……。
「……秋斗さん、大丈夫です。蒼兄がいなくても平気」
「……そう?」
不安そうな表情で訊かれたから、笑顔を返す。
「痛みもかなり引いているし、気持ち的にも安定しているので……」
そう答えると、秋斗さんは少し肩の力を抜いたように見えた。
「じゃ、中庭に行く?」
「あっ、行きたいですっ!」
本当にずっと宿題漬けだったのだ。だから、「外」は嬉しい。
「外に行ってもいいか、相馬先生に訊いてきます!」
ナースセンターまで行こうとしたそのとき、相馬先生が病室にやってきた。
「明日で退院だから別にいいんだけどよぉ……。シスコン兄貴、この妹どうにかなんねーか?」
「翠葉が何かご迷惑おかけしましたか?」
「迷惑じゃねぇんだけど……。管が取れた途端、ガンガン動きだしやがった。ナースコールってものがあるにも関わらず、ナースセンターまで来やがる」
点滴が取れたことが嬉しくて、朝起きれば挨拶をしにナースセンターへ出向き、朝の携帯チェックをしに携帯ゾーンへ向かう。それがここ数日の日課になっていた。
やっぱりだめだっただろうか……。
叱られることを覚悟した直後、
「あぁ……それは諦めてください」
蒼兄はにこりと笑って答える。
「基本、おとなしくしているよりも、動いていたい子なので。それに、この夏はずっと動けませんでしたからね」
「……救いようのないシスコンに塗る薬はねぇな……」
相馬先生はぼやきつつ、
「中庭、暑いから水分補給は小まめにしろよ」
と冷蔵庫を開け、あらかじめミネラルウォーターで薄めてあるポカリスエットを投げてくれた。
「はいっ!」
相馬先生は満足気に頷き病室を出ていった。
満足気に笑った相馬先生を見送ると、
「翠葉ちゃん、あの柄の悪いセンセとずいぶん仲良くなったみたいだね?」
秋斗さんはそんなふうに言うけれど、思ったよりも柄は悪くなくて紳士だ。何よりも頼もしくて優しい。そう説明すると、
「翠葉ちゃんがほかの男を褒めていると嫉妬しそう……」
などと、顔を歪める。
なんだか、自分よりも九歳年上というのが嘘みたい。
「ここの中庭はどうしてか少し涼しく感じるんですよ」
少し話を逸らすと、
「あぁ、そういうつくりになってるからね」
と、にこりと笑って答えてくれる。
「……つくり、ですか?」
「この手の話は蒼樹の専門じゃない?」
秋斗さんが蒼兄に話を振ると、
「歩きながら話そう」
と、病室を出ることになった。
「ここの中庭には保水性ブロックっていうブロックが使用されているんだ」
「保水性ブロック……?」
「そう、散水――打ち水をすることでコンクリートの熱を下げる風習は知っているだろ? あれの水を保水させる機能を持つブロック。要は透水しやすい素材を使ったブロックで、雨の日でも滑りにくいって特製がある。その下に灌水パイプを敷設することで、表面温度が最大十五度から二十度低下させることができる」
「ヒートアイランド現象の抜け道みたいね?」
「そうだな。実際にそういう用途で作られたものだよ」
蒼兄からこういう話を聞くのは初めてだった。
蒼兄の顔を見ていると、秋斗さんの声が右側から降ってくる。
「この病院は、屋上の緑化されていない場所には高反射塗装がされているんじゃなかったかな」
「高反射塗装……?」
「一般建材だと日射反射率が十パーセントなのに対し、高反射塗装を施してある建材は九十パーセント近く反射させる。だから、建物に篭る熱がほとんど拡散されるんだ」
「……すごく省エネな建物ということ?」
「そういうことになるな」
こんな話を聞けば、やっぱり建築の方面に進むのかな、と蒼兄の進路を考える。
「蒼兄は建築家になるの?」
「一応ね、そのつもりではいる。でも、基本的にはオールラウンドで動きたいなぁ……」
「設計もその中身も、ということ?」
「うん。建物を作るのも楽しいんだけど、中身をいじくるのも楽しいんだよね」
「蒼樹は欲張りだなぁ……」
蒼兄は苦笑しながら、
「それができるのは建築デザイナーだと思うから、基本は父さんと同じ」
そんな話をしていれば一階に着いてしまう。
「先輩も何か飲み物買っていったほうがいいですよ」
一言蒼兄は言い残し、蒼兄は正面玄関へ向かって歩き始めた。
秋斗さんは自販機でポカリスエットを買って外へ出ると、
「ここのこの木が好きなんでしょう?」
と、私が好きな木のもとまで進む。
「はい。この少し薄い緑と白っぽい葉っぱが一緒になっているのとか、病院の中なのに上を見上げたら緑しか見えないところとか、壁を這っている蔦の葉も好き」
この中庭は半分がウッドデッキになっていて、もう半分はタイル張りになっている。
「あれ……わんちゃん?」
中庭の一画に、患者さんとその家族と思われる人たちがいて、その中には犬もいた。
「知らなかった? この中庭だけはペットも連れてこられるんだ」
「知りませんでした」
「ただ、時間が決まっているから、翠葉ちゃんが中庭を利用するときには見かけなかっただけかもね」
言いながら、木の根元の芝生に腰を下ろした。
「秋斗さんも芝生に座るのが好きですか?」
秋斗さんはクスリと笑う。
「翠葉ちゃんが好きだよね? 芝生の上に座るの」
……そういうのも知っているのね。
「……はい。好きです」
「今まではなんとも思わなかったんだけどね、翠葉ちゃんに教えてもらったら好きになった」
秋斗さんの甘い笑顔には少し困る。格好いい人は見慣れているはずなのに、どうしてか困る……。
「秋斗さんの笑顔はちょっと困ります」
「……どうして?」
「たぶん……格好いいから?」
真面目に答えたのに笑われてしまった。
「なんかさ、記憶とかどうでも良くなってきたかも……。君は全然変わらない。……少し時間が欲しいっていってたけど、別に少しじゃなくてもいいよ」
「え……?」
「今、こうやって話せることが嬉しいし、笑ってくれることが嬉しいと思うから。……俺は九歳も年上だけど、全然年上っぽくないかもしれない。そこは、ごめんね?」
どうして謝られたのかはわからない。
でも、謝られたというより、宣言された気がするのはどうしてなのかな――?
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