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第12章 悪魔姫の復讐・教皇編

208話 次はどれにしようかなぁ〜

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「ん……」

 見慣れない天井……何かじゃなくて普通に見慣れたいつもの天井だ。

「ふぁ~」

 眠い。
 何か目が覚めたけど、まだ目がしょぼしょぼするし。
 それに私の本能が言っている!  まだ起きるべきではないと!!

 時間は……ふっ、やっぱりな。
 まだ早朝の4時じゃん。
 はい決定!  何か目が覚めたけど、水分補給をしてからの二度寝が決定しましたー!

「ん、しょ……」

 水、水!
 くっ、身体が小さ……小柄だからこの謎に巨大なキングサイズベッドの上を移動するのですら辛い……

『ただ単に寝起きで動くのが怠いだけだよね?』

 何か雑音が聞こえた気がするけど、まぁいいや。
 そんな事よりも水!  水っ~!

「んっ……ふぅ~」

 うんうん、やっぱり寝起きは程よく冷たい水が一番だわ!

「よし」

 水分補給もできた事ですし……華麗に二度寝と洒落込むとしよう!!

『あっ、そうだ悪魔ちゃん。
 さっきから勘違いしてるようだから教えてあげるけど……朝の4時じゃなくて夕方の4時だからね?』

 また雑音が……え?
 ちょ、ちょっと待て。
 今何て言った?

「夕方の4時……」

『そうだよ。
 いやぁ、随分と気持ちよさそうに寝てたけど……ふふっ、流石にちょっと寝過ぎじゃない?』

 えっ、は?  嘘だよね?
 夕方の4時って……いや、流石にそれはないでしょ。
 外だってまだ暗……くない!  何か普通に明るくなってるんだけど!?

『そりゃあ、キミの自宅のお屋敷がある第100階層は外の時間とリンクしてるんだし明るくて当然だよ。
 全く、悪魔ちゃんはお寝坊さんだね!』

 うっ……そ、そうだ!  そんなに寝てたら流石に誰かが起こしに来るはずだし。
 流石の私でもそんなに寝る事は……いや、全然あり得るな。

 ん……あれ?  もう今が朝じゃなくて夕方の4時だって事は認めざるを得ないけど。
 よくよく落ち着いて冷静に考えれば、私が夕方の4時まで寝ちゃってた事は仕方ないことじゃね?

 だって、結局あの後。
 マリアナに作戦通りビシッとカッコよく完璧に決めて、魔法都市連合王国での用事を済ませて帰って来てから、シルヴィアとグランの2人にたっぷりとお説教されたわけよ。

『涙目になってたよね~』

「なって無いっ!!」

 とにかく!  もともとマリアナへの復讐を敢行したのが夜中だった事もあって、2人のお説教が終わってやっと寝れたのは明け方だったし……

 うんうん!  やっぱり私が夕方の4時まで寝ちゃうのも仕方ないな!!
 これなら誰も起こしに来なかった事も納得できる。

「ふむ」

 と言うか、寝た時点でもう朝の4時は過ぎてたし、もし今が朝4時なら丸一日近くも寝ちゃってた事になる。
 むしろ朝の4時じゃ無くて良かったわ。

「ふふん!」

 まぁ私は怠惰の大罪を司る悪魔でもあるわけだから別にいっぱい寝てても何の問題も無いんだけど!!
 という訳で早速、二度寝を……


 コン、コン


「失礼いたします」

「……」

 ま、まずい。
 ベッドに入って、お布団に潜り込もうとしてたのに、ガッツリ目が合っちゃった……って何かめっちゃデジャブだわ。

 確か前にも、リーナとミーナの2人が私を起こしに来た時に同じような事があったか。
 あの時と違うのは、そこにいるのが吸血鬼の双子姉妹じゃ無くて我が宿敵にして強敵たる、破壊神こと保護者シルヴィアだという事!

「おはようございます、レフィーお嬢様」

「ん、おはよう」 

 別に昨日怒られた時に涙目になっちゃったからとか、そんな事実は一切無いけど。
 ここはシルヴィアを含め、眷属である皆んなの主人として威厳ある態度を見せなければ!

「では、身支度を整えてリビングへと参りましょう。
 丸一日以上、ずっとお眠りになられていて流石に皆んな心配しておりますので」

「わかった……え?  丸一日以上??」

「はい、昨日の早朝にお眠りになられてからずっとお眠りになられておりました」

 う、嘘でしょ!?

『いや、事実だよ。
 怒られて泣きべそをかきながら、可愛らしくシルヴィアに頭を撫でてもらって。
 悪魔ちゃんが睡眠用スキルとして活用してる怠惰者スロウスの効果も相まって、それはもうぐっすりと寝てたからね。
 まぁ、単純に疲労していたってのもあるだろうけど』

 べ、別に泣きべそなんてかいてないし!
 それに勘違いするなよ!  シルヴィアに頭を撫でてもらってたんじゃ無くて、撫でさせてあげていたのだ!!
 そこ重要だからな!!

『はいはい、そうだね』

「ふふふ、ではレフィーお嬢様。
 身支度を整えさせていただきますね」

「ん、お願い」

 まっ、丸一日と半日も寝ちゃってたのは想定外だけど。
 邪神の言う通り疲労もあったし……何より!  さっきも言ったけど私は怠惰の大罪を司る怠惰の大悪魔っ!!
 丸一日と半日程度、惰眠を貪るのも当然なのだ!

 はい、これで私は寝坊をした訳じゃ無いって証明は完璧に完了っと!
 それじゃあ、シルヴィアに髪をといて寝癖を直してもらってる間は暇だし……アイツらの様子でも見るとしよう。

「ふふっ、次はどれにしようかなぁ~」
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