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第一章
運命のトビラ
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✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
あなたを救いたい。
この世界にあなたがいる。
そう思うだけで、
笑いが込みげてくる。
今すぐにでも、
そこら中を駆け回りたい衝動に駆られた。
【その願いを叶えるためにハナを呼んだ。】
頭から離れない。
同じ言葉が頭の中をループする。
「むふ、むふふふふ」
これは現実に起こっていることなのだろうか。
まだ理解が追いついていないし、
頭がこんがらがっているが
もうそんなことはどうでもいい。
飛行機のように両手を広げ、
フカフカの草むらに勢いよくダイブした。
近くにいた小動物達がワッと
一斉に駆け出す。
その様子にもかまわず
ハナは自分の世界観に存分に浸った。
「うふ、ふふふ」
ちいさな目がじっと草むらから
その様子を伺っている。
まだ自分の世界から戻ってきていない
彼女の頬が突然チクッと傷んだ。
「いたっ!」
思いっきり現実に引き戻された彼女は、
自分の頬を抑えてキョロキョロと辺りを見渡した。
トントンと軽く手を触られた気がして
下を向くと、小さなリスがきゅるんと大きい瞳で
こちらを見つめていた。
その小さな愛くるしい手には
ドングリが握られている。
先ほどのチクッとした痛みはどうやら
このリスの仕業らしい。
その可愛さにため息がでて
手を伸ばすと、
スルッとすり抜けて数メートル先に走っていってしまった。
全力疾走したと思えば
急にピタッと止まり、
チラッとこちらを振り向く。
どうやら付いてこいと言っているらしい。
そういえば、あのイケメンが
サポート役をつけると話していたような。
まさかこんな可愛い仲間を
用意してくれるとは…。
ふっと口元が緩み、
弾むように軽快な足で駆け出した。
「ふふ、あはははっ」
アルファン王子に会える…!
絶対にバッドエンドになんかさせないんだから!!
待ってて!
私があなたを助けるからね。
風が吹き、木々がざわざわと騒ぎ立てた。
この時私は、
この後どんな厳しい試練が待ち受けているのか
まだ知らなかった。
ただ純粋にアルファン王子を助けるんだと
強く強く心に誓い、運命の扉が開いたのだった。
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あなたを救いたい。
この世界にあなたがいる。
そう思うだけで、
笑いが込みげてくる。
今すぐにでも、
そこら中を駆け回りたい衝動に駆られた。
【その願いを叶えるためにハナを呼んだ。】
頭から離れない。
同じ言葉が頭の中をループする。
「むふ、むふふふふ」
これは現実に起こっていることなのだろうか。
まだ理解が追いついていないし、
頭がこんがらがっているが
もうそんなことはどうでもいい。
飛行機のように両手を広げ、
フカフカの草むらに勢いよくダイブした。
近くにいた小動物達がワッと
一斉に駆け出す。
その様子にもかまわず
ハナは自分の世界観に存分に浸った。
「うふ、ふふふ」
ちいさな目がじっと草むらから
その様子を伺っている。
まだ自分の世界から戻ってきていない
彼女の頬が突然チクッと傷んだ。
「いたっ!」
思いっきり現実に引き戻された彼女は、
自分の頬を抑えてキョロキョロと辺りを見渡した。
トントンと軽く手を触られた気がして
下を向くと、小さなリスがきゅるんと大きい瞳で
こちらを見つめていた。
その小さな愛くるしい手には
ドングリが握られている。
先ほどのチクッとした痛みはどうやら
このリスの仕業らしい。
その可愛さにため息がでて
手を伸ばすと、
スルッとすり抜けて数メートル先に走っていってしまった。
全力疾走したと思えば
急にピタッと止まり、
チラッとこちらを振り向く。
どうやら付いてこいと言っているらしい。
そういえば、あのイケメンが
サポート役をつけると話していたような。
まさかこんな可愛い仲間を
用意してくれるとは…。
ふっと口元が緩み、
弾むように軽快な足で駆け出した。
「ふふ、あはははっ」
アルファン王子に会える…!
絶対にバッドエンドになんかさせないんだから!!
待ってて!
私があなたを助けるからね。
風が吹き、木々がざわざわと騒ぎ立てた。
この時私は、
この後どんな厳しい試練が待ち受けているのか
まだ知らなかった。
ただ純粋にアルファン王子を助けるんだと
強く強く心に誓い、運命の扉が開いたのだった。
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