遠い昔からの物語

佐倉 蘭

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第二部「さくら、さくら」

第八話

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   すると、廣子は目をぎゅっと閉じ、くちびるの間から可愛い舌を出して、わしの「先」をぺろぺろと舐めだした。

   必死で「奉公」する廣子の頭を、その髪を、愛おしげに撫でてやる。

「……えぇぞ、廣子……その調子じゃ……」

   そのうち、だんだん廣子の顔の緊張が取れてきたのか、まるでアイスキャンデーを舐めるように、わしのその「根元」まで、なめらかな舌を這わせてくる。
   それどころか、そっと手を添えて、先刻さっきわしがやったようにしごいてくれる。

「・・・ぅく・・・っ」

   やわらかい廣子の指と、くすぐったい廣子の舌の感覚に、思わず声を漏らす。白い汁も少し漏れた。
   すると、廣子はわしのそれ・・をぱくっと頬ばり、その白い汁を吸い取った。

   昂奮したわしは、廣子の口の中に収まった、どうしようもなく張りつめたもの・・を、もっと深く押し込んだ。

   廣子はもっと強く、喉の奥まで吸い込んだ。


——「女」というものはやはり怖ろしい。

   昨夜まで生娘だった廣子が、わしのもの・・を口の中へ咥え込んだ今の顔は、今まで相手にしたどの娼婦よりもなまめかしかった。

——このままでは廣子の口の中に出してしまう。

   わしは慌てて、それ・・をその可愛い口から引き抜いた。


   昨夜は、初めて男を受け入れる廣子のために、たっぷりと愛撫をして濡らしてやってから臨んだつもりだったが、痛い思いをさせてしまった。

   今日は、いきなり突きれる前に、先刻までさんざん舌でいたぶった小さな粒を、今度は親指で転がすように撫でながら、人差し指はその下の小さな穴へじわじわと押し挿れた。

「・・・ぅうっ・・・」
   廣子が切なげな声をあげた。

「……また、しるんか」
   わしは心配になって訊いた。

「……いいえぇ……もう、ちいっとも……疾しらんけぇ……」
   廣子はうるうると潤んだ目で、わしを見上げて答えた。

   その小さな穴の奥は思ったよりもずっと狭かった。しかも、よく締まった。
  現に今も、わしの指がきゅううぅ、っと吸いつかれている。

   男にとってはありがたいことだが、これでは痛いはずだ。わしは他の奴よりでかい方だから、猶更なおさらだ。

   廣子にはいずれ、わしの子を産んでもらわねばならんが、ここを通るときにはさぞかし難儀するだろう。


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*はしる ー 電気が走ったような鋭い痛み
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