15 / 46
第二部「さくら、さくら」
第八話
しおりを挟むすると、廣子は目をぎゅっと閉じ、くちびるの間から可愛い舌を出して、わしの「先」をぺろぺろと舐めだした。
必死で「奉公」する廣子の頭を、その髪を、愛おしげに撫でてやる。
「……えぇぞ、廣子……その調子じゃ……」
そのうち、だんだん廣子の顔の緊張が取れてきたのか、まるでアイスキャンデーを舐めるように、わしのその「根元」まで、なめらかな舌を這わせてくる。
それどころか、そっと手を添えて、先刻わしがやったようにしごいてくれる。
「・・・ぅく・・・っ」
やわらかい廣子の指と、くすぐったい廣子の舌の感覚に、思わず声を漏らす。白い汁も少し漏れた。
すると、廣子はわしのそれをぱくっと頬ばり、その白い汁を吸い取った。
昂奮したわしは、廣子の口の中に収まった、どうしようもなく張りつめたものを、もっと深く押し込んだ。
廣子はもっと強く、喉の奥まで吸い込んだ。
——「女」というものはやはり怖ろしい。
昨夜まで生娘だった廣子が、わしのものを口の中へ咥え込んだ今の顔は、今まで相手にしたどの娼婦よりも艶めかしかった。
——このままでは廣子の口の中に出してしまう。
わしは慌てて、それをその可愛い口から引き抜いた。
昨夜は、初めて男を受け入れる廣子のために、たっぷりと愛撫をして濡らしてやってから臨んだつもりだったが、痛い思いをさせてしまった。
今日は、いきなり突き挿れる前に、先刻までさんざん舌でいたぶった小さな粒を、今度は親指で転がすように撫でながら、人差し指はその下の小さな穴へじわじわと押し挿れた。
「・・・ぅうっ・・・」
廣子が切なげな声をあげた。
「……また、疾しるんか」
わしは心配になって訊いた。
「……いいえぇ……もう、ちいっとも……疾しらんけぇ……」
廣子はうるうると潤んだ目で、わしを見上げて答えた。
その小さな穴の奥は思ったよりもずっと狭かった。しかも、よく締まった。
現に今も、わしの指がきゅううぅ、っと吸いつかれている。
男にとってはありがたいことだが、これでは痛いはずだ。わしは他の奴よりでかい方だから、猶更だ。
廣子にはいずれ、わしの子を産んでもらわねばならんが、ここを通るときにはさぞかし難儀するだろう。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
*はしる ー 電気が走ったような鋭い痛み
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
鬼が啼く刻
白鷺雨月
歴史・時代
時は終戦直後の日本。渡辺学中尉は戦犯として囚われていた。
彼を救うため、アン・モンゴメリーは占領軍からの依頼をうけろこととなる。
依頼とは不審死を遂げたアメリカ軍将校の不審死の理由を探ることであった。
聲は琵琶の音の如く〜川路利良仄聞手記〜
汀
歴史・時代
日本警察の父・川路利良が描き夢見た黎明とは。
下級武士から身を立てた川路利良の半生を、側で見つめた親友が残した手記をなぞり描く、時代小説(フィクションです)。
薩摩の志士達、そして現代に受け継がれる〝生魂(いっだましい)〟に触れてみられませんか?
剣客居酒屋 草間の陰
松 勇
歴史・時代
酒と肴と剣と闇
江戸情緒を添えて
江戸は本所にある居酒屋『草間』。
美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。
自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。
多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。
その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。
店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。
毛利隆元 ~総領の甚六~
秋山風介
歴史・時代
えー、名将・毛利元就の目下の悩みは、イマイチしまりのない長男・隆元クンでございました──。
父や弟へのコンプレックスにまみれた男が、いかにして自分の才覚を知り、毛利家の命運をかけた『厳島の戦い』を主導するに至ったのかを描く意欲作。
史実を捨てたり拾ったりしながら、なるべくポップに書いておりますので、歴史苦手だなーって方も読んでいただけると嬉しいです。
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
捨松──鹿鳴館に至る道──
渡波みずき
歴史・時代
日本初の女子留学生として、津田梅子らとともにアメリカに十年間の官費留学をしていた山川捨松は、女子教育を志し、大学を卒業した1882(明治15)年の冬、日本に帰国する。だが、前途洋々と思われた帰国後の暮らしには、いくつかの障害が立ちはだかっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる