159 / 227
アルスフォード編
第五十三話 価値の違い
しおりを挟む
「……というのが、俺達とアレクの成り行きだ」
全てを語り終えたラフテルが、顔を上げてそう言った。
伝えられた情報量の多さに、ライアンとシオンはパンク気味のようで、呆然と口を開けていた。
「すっ……すまんアレク」
まず最初に言葉を発したのはガディであった。
エルルは冷や汗をダラダラにしながら、必死になって問いかける。
「あっ、アレク……私達のこと、嫌いになった?」
「ううん! 兄様と姉様のこと、大好きだよ!」
「「アレクゥウウウウ」」
綺麗な顔をぐしゃぐしゃにして、二人はアレクに抱きついた。
今更であるが、美形が形なしである。
すると、アリスが気になったことをラフテルに聞いた。
「その後はどうなったの? お兄さん達は……」
「ああ、実はな……偉そうなこと言っておいて、アレクを助けることはできなかったんだ。寧ろこっちが助けられた。別れ際に再び会うことを約束して、俺達は離れた」
「でも、お兄さんはそのこと覚えてないんでしょ?」
アリスの問いに、アレクは頷いた。
「ごめんけど、ここまで聞いても思い出せないんだ。そんなことしたくらいなら、覚えてるものだと思うんだけど……」
「消されちゃったんじゃない?」
「え」
「記憶」
アリスの発言に、確かに納得がいく。
アレクはかつて、水の精霊であるウンディーネに記憶を消されたことがある。
そのような力がこの世に存在することは、重々承知だ。
しかし問題は、誰が記憶を消したかだ。
「お兄さんは心当たりとかないの?」
「うーん……」
頭を悩ませるアレクに、ユリーカが言った。
「アレク君の中にいた人じゃないの?」
「中にいた……オウのこと?」
「私はその名前は知らないけど、そうじゃない? アレク君の中にいたなら、簡単にやってしまいそうだし」
今はいない、精霊王のことを思う。
アレクに自身は必要ないと判断して、去っていった精霊王。
繋がる点はいくつか存在した。
「オウは僕の、『過去視』の能力を抑えててくれたんだ。力が暴走したら、僕が苦しむことになるから。ラフテル達と会った時に暴走したから、記憶を消しちゃったのかもしれない」
合点のいく推理であった。
無くしてしまった記憶は、どれだけ辿ろうが出てこない。
しかしアレクは、ラフテルの語ったことが事実としか思えなかった。
「忘れててごめんね。ラフテル……それと、ナオさん。でも、これからも仲良くしてくれると嬉しいな」
「アレク……! もちろんだ。こちらこそ、よろしく頼む」
「アレク様っ! 私とも仲良くしてくださいねっ!」
話が纏まったところで、話題は一転して雑談へと移る。
穏やかな空模様に、アレクの頬も緩んだ。
◆ ◆ ◆
空の旅から四日後。
アレク達は無事、アルスフォードへと到着した。
国境付近へ風魔を下ろし、入国の許可証を貰う。
ナオが前に出ると、大きく手を広げて笑った。
「皆様、ようこそアルスフォードへ! 見慣れぬものもたくさんありますし、なんなりとお申し付けください!」
「「「わぁあああ~っ!」」」
アルスフォードに広がる景色に、アレク達は感嘆の声を上げた。
トリティカーナと違い、アルスフォードは科学の発展した国。
乗り物、建物、地面、その他……あらゆるものが新鮮だ。
「あれっ! あれっ、なに!?」
「カッケェーッ!」
道を走る鉄の塊に、アレクとライアンが身を乗り出す。
ナオが鉄の塊のことを紹介した。
「あれは『車』です! 燃料となる特殊な魔石を積んで動きます! ただ、その魔石の採取がアルスフォードでしかできない上、使えるのも国内のみでして……『車』はアルスフォードの特徴と呼べるものなんですよ!」
「「乗ってみた~い!」」
はしゃぐ二人を見て、エルルは微笑ましげに口を緩める。
「やっぱり男の子ってああいうの好きなのかしら……ねえ、ガディ」
「………」
「ガディ?」
ここでエルルが、ガディがあるものに興味津々なことに気がつく。
「おい、あれって」
「何あれ……」
「いいところに目をつけましたね!」
横からナオが顔を覗かせる。
目線の先には、機械の密集した建物があった。
「あれはゲームセンターといいます! 設置してあるゲームで遊べますよ! 寄っていきましょう!」
「あ、ちょ……」
「いいのか? よし、行くぞ」
止めようとしたエルルだったが、ガディがあまりにもワクワクとした様子でゲームセンターへ吸い込まれていくのを見て、慌てて後を追った。
遅れてアレク達も、ゲームセンターへと足を踏み入れる。
「かっ、可愛い!」
「これどうなってるのかしら……」
透明なガラス板の向こうに、コミカルな表情をしたぬいぐるみがある。
そのぬいぐるみがすっかり気に入ったらしいシオンは、慣れない機械にへばりついていた。
「ナオさん! これ、どうやったら遊べますか!?」
「はいはーい! これはお金を入れたら遊べますよ!」
ナオが懐からコインを取り出すと、機械の穴へと投入する。
すると機械が光出し、設置してあるアームを動かせるようになった。
「すご~い!」
「嘘……これどういう仕組み」
「頑張ってくださいっ、シオン様! もうちょっと横っ!」
三人がゲームで盛り上がる中、アレクはライアンとアリスと共に、シューティングゲームへと興味を移した。
「アレク、アリス! 勝負しようぜっ!」
「いいよ! 負けないから!」
「私も負けない……!」
揃って備え付けのレーザー銃を持ち、敵が出てくる画面に向けて打ち続ける。
シューティングゲームは白熱し、一歩も譲らないほどの激闘であったがーー僅かにアレクがリードして勝利した。
「やったあー!」
「お兄さん、強い!」
「くっそぉ! もう一回!」
そこにラフテルがやってくる。
「アレク。ガディとエルルを知らないか?」
「兄様と姉様は見てないけど……どうしたの?」
「いや、俺も見つけられなくてな。はぐれては状況がややこしくなる」
そんな会話をした矢先に、隣のゲームが騒がしいことに気がつく。
アレク達は隣のゲームを覗くことにした。
「お前さん達、強いねぇ。負けるのは久しぶりじゃよ」
「どうも」
「あなたも強いわね。相当な腕前の持ち主だわ」
「お若い二人に褒められるとは、まだまだアチキも捨てたもんじゃないねぇ」
ガディとエルルと、誰かが話している。
周りの人々は、その誰かに注目しているようだ。
「ポルカが負けたぞ!?」
「あの負けなしポルカがか!」
「あいつら何者だよ!」
どうやらポルカと呼ばれた少女は、このゲームセンターの常連らしい。
彼女の負けに周囲が大きくどよめいている。
「ポルカ!」
すると、ラフテルが少女に向かって声をかけた。
「おぉ、ラフテル。大きくなったのぉ」
「会ったのこの前だろ。それより、今回の依頼人だ」
「この二人が? へぇ~……なるほど」
「ラフテル! 知り合いなの?」
アレクの言葉に、ラフテルが「ああ」と返事をした。
「紹介する。ドワーフのポルカだ。今回ガディとエルルの短剣を作る、鍛治職人のな」
「よろしくのぉ、お若いの」
ポルカは、見た目の若々しさに反した口調で笑った。
全てを語り終えたラフテルが、顔を上げてそう言った。
伝えられた情報量の多さに、ライアンとシオンはパンク気味のようで、呆然と口を開けていた。
「すっ……すまんアレク」
まず最初に言葉を発したのはガディであった。
エルルは冷や汗をダラダラにしながら、必死になって問いかける。
「あっ、アレク……私達のこと、嫌いになった?」
「ううん! 兄様と姉様のこと、大好きだよ!」
「「アレクゥウウウウ」」
綺麗な顔をぐしゃぐしゃにして、二人はアレクに抱きついた。
今更であるが、美形が形なしである。
すると、アリスが気になったことをラフテルに聞いた。
「その後はどうなったの? お兄さん達は……」
「ああ、実はな……偉そうなこと言っておいて、アレクを助けることはできなかったんだ。寧ろこっちが助けられた。別れ際に再び会うことを約束して、俺達は離れた」
「でも、お兄さんはそのこと覚えてないんでしょ?」
アリスの問いに、アレクは頷いた。
「ごめんけど、ここまで聞いても思い出せないんだ。そんなことしたくらいなら、覚えてるものだと思うんだけど……」
「消されちゃったんじゃない?」
「え」
「記憶」
アリスの発言に、確かに納得がいく。
アレクはかつて、水の精霊であるウンディーネに記憶を消されたことがある。
そのような力がこの世に存在することは、重々承知だ。
しかし問題は、誰が記憶を消したかだ。
「お兄さんは心当たりとかないの?」
「うーん……」
頭を悩ませるアレクに、ユリーカが言った。
「アレク君の中にいた人じゃないの?」
「中にいた……オウのこと?」
「私はその名前は知らないけど、そうじゃない? アレク君の中にいたなら、簡単にやってしまいそうだし」
今はいない、精霊王のことを思う。
アレクに自身は必要ないと判断して、去っていった精霊王。
繋がる点はいくつか存在した。
「オウは僕の、『過去視』の能力を抑えててくれたんだ。力が暴走したら、僕が苦しむことになるから。ラフテル達と会った時に暴走したから、記憶を消しちゃったのかもしれない」
合点のいく推理であった。
無くしてしまった記憶は、どれだけ辿ろうが出てこない。
しかしアレクは、ラフテルの語ったことが事実としか思えなかった。
「忘れててごめんね。ラフテル……それと、ナオさん。でも、これからも仲良くしてくれると嬉しいな」
「アレク……! もちろんだ。こちらこそ、よろしく頼む」
「アレク様っ! 私とも仲良くしてくださいねっ!」
話が纏まったところで、話題は一転して雑談へと移る。
穏やかな空模様に、アレクの頬も緩んだ。
◆ ◆ ◆
空の旅から四日後。
アレク達は無事、アルスフォードへと到着した。
国境付近へ風魔を下ろし、入国の許可証を貰う。
ナオが前に出ると、大きく手を広げて笑った。
「皆様、ようこそアルスフォードへ! 見慣れぬものもたくさんありますし、なんなりとお申し付けください!」
「「「わぁあああ~っ!」」」
アルスフォードに広がる景色に、アレク達は感嘆の声を上げた。
トリティカーナと違い、アルスフォードは科学の発展した国。
乗り物、建物、地面、その他……あらゆるものが新鮮だ。
「あれっ! あれっ、なに!?」
「カッケェーッ!」
道を走る鉄の塊に、アレクとライアンが身を乗り出す。
ナオが鉄の塊のことを紹介した。
「あれは『車』です! 燃料となる特殊な魔石を積んで動きます! ただ、その魔石の採取がアルスフォードでしかできない上、使えるのも国内のみでして……『車』はアルスフォードの特徴と呼べるものなんですよ!」
「「乗ってみた~い!」」
はしゃぐ二人を見て、エルルは微笑ましげに口を緩める。
「やっぱり男の子ってああいうの好きなのかしら……ねえ、ガディ」
「………」
「ガディ?」
ここでエルルが、ガディがあるものに興味津々なことに気がつく。
「おい、あれって」
「何あれ……」
「いいところに目をつけましたね!」
横からナオが顔を覗かせる。
目線の先には、機械の密集した建物があった。
「あれはゲームセンターといいます! 設置してあるゲームで遊べますよ! 寄っていきましょう!」
「あ、ちょ……」
「いいのか? よし、行くぞ」
止めようとしたエルルだったが、ガディがあまりにもワクワクとした様子でゲームセンターへ吸い込まれていくのを見て、慌てて後を追った。
遅れてアレク達も、ゲームセンターへと足を踏み入れる。
「かっ、可愛い!」
「これどうなってるのかしら……」
透明なガラス板の向こうに、コミカルな表情をしたぬいぐるみがある。
そのぬいぐるみがすっかり気に入ったらしいシオンは、慣れない機械にへばりついていた。
「ナオさん! これ、どうやったら遊べますか!?」
「はいはーい! これはお金を入れたら遊べますよ!」
ナオが懐からコインを取り出すと、機械の穴へと投入する。
すると機械が光出し、設置してあるアームを動かせるようになった。
「すご~い!」
「嘘……これどういう仕組み」
「頑張ってくださいっ、シオン様! もうちょっと横っ!」
三人がゲームで盛り上がる中、アレクはライアンとアリスと共に、シューティングゲームへと興味を移した。
「アレク、アリス! 勝負しようぜっ!」
「いいよ! 負けないから!」
「私も負けない……!」
揃って備え付けのレーザー銃を持ち、敵が出てくる画面に向けて打ち続ける。
シューティングゲームは白熱し、一歩も譲らないほどの激闘であったがーー僅かにアレクがリードして勝利した。
「やったあー!」
「お兄さん、強い!」
「くっそぉ! もう一回!」
そこにラフテルがやってくる。
「アレク。ガディとエルルを知らないか?」
「兄様と姉様は見てないけど……どうしたの?」
「いや、俺も見つけられなくてな。はぐれては状況がややこしくなる」
そんな会話をした矢先に、隣のゲームが騒がしいことに気がつく。
アレク達は隣のゲームを覗くことにした。
「お前さん達、強いねぇ。負けるのは久しぶりじゃよ」
「どうも」
「あなたも強いわね。相当な腕前の持ち主だわ」
「お若い二人に褒められるとは、まだまだアチキも捨てたもんじゃないねぇ」
ガディとエルルと、誰かが話している。
周りの人々は、その誰かに注目しているようだ。
「ポルカが負けたぞ!?」
「あの負けなしポルカがか!」
「あいつら何者だよ!」
どうやらポルカと呼ばれた少女は、このゲームセンターの常連らしい。
彼女の負けに周囲が大きくどよめいている。
「ポルカ!」
すると、ラフテルが少女に向かって声をかけた。
「おぉ、ラフテル。大きくなったのぉ」
「会ったのこの前だろ。それより、今回の依頼人だ」
「この二人が? へぇ~……なるほど」
「ラフテル! 知り合いなの?」
アレクの言葉に、ラフテルが「ああ」と返事をした。
「紹介する。ドワーフのポルカだ。今回ガディとエルルの短剣を作る、鍛治職人のな」
「よろしくのぉ、お若いの」
ポルカは、見た目の若々しさに反した口調で笑った。
0
お気に入りに追加
10,436
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。