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第六章 拓也、旅路を行く
第七十四話 ケット・シー様のゲーム
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「つ、ついていくだってっ…!?」
「そんな!ケット・シー様っ!我々をお見捨てになるのですか!?」
街の人々がそう聞いた瞬間にざわめきだした。
だが。
『…そんなこと、ない。もう、この街に、加護もたらした…よって、無事』
耳をピクピクさせながらケット・シーは言った。
それを見て、街の人々は安堵と別れを察してなのか、ため息をこぼした。
『じゃあ、ゲーム、する』
「ゲームって何なんだ?」
『それ、は…お酒飲み対決』
「「「へ…?」」」
その場の全員…俺もが、驚愕をした瞬間だった。
「ええっ!?ケット・シーってお酒飲むの!?」
「ま、まあそうです…マタタビ酒を毎回捧げ物として出してるし…でも、まさかケット・シー様がお酒をたくさん飲むなんて思わなかったわ」
ソフィアが信じられない、と言いたそうな顔でケット・シーを見た。
確かに、俺の想像する子猫の愛らしい姿が崩れていく…
「ん…ちょっと待ってくださいタクヤさん。あなた、…お酒飲めます?」
リムさんが俺に話しかけてきた。
「あ…いや、お酒は飲んだことないから分からな………」
「いや、そういう意味ではなくて、…あなた、18歳以上ですか?」
「…14です」
「14!?」
ざわっと周りがざわついた。
「嘘!?うっそお!私より年下!?ええ!?」
「ソフィー。落ち着きな」
「あ、マルチおばさん」
近くにいた宿屋のマルチさんがソフィアをなだめた。
「にしても…そんなに若いなんて思わなかったね。ソフィーさえも16だってのに」
俺は随分と年上に見られていたのか。
マルチさんもソフィアも、リムさんも意外そうなのだ。
『…タクヤ、お酒、飲めない?』
「え、あ…じゃあ、代理を出そう」
「「「代理ぃ?」」」
その場の皆が首をひねる。
俺は、説明を述べた。
「えっと、俺の他の人にお酒を飲んでもらって…どっちが潰れるか、みたいな」
「代理ってなあ…誰に頼むんで?」
「ご心配なく。リンディ!タツ!サリィ!」
ボンッ!という音と共に、3人が姿を現した。
『お呼びか?主』
『ここは…街?』
『タックヤーー!おっひさぁ!』
「な、ウルフと青龍と…勇者の妖精、サリフィルト!?」
「まさか、「黒き英雄」は勇者なのかっ!?」
「い、いや!偶然!偶然だから!」
はぐらかしといたが、どうにも怪しまれる。
ここは何とかした。
『…じゃあ、おいで。仲間よ』
「え!?」
ケット・シーの声でピョコッと2匹のケット・シーが現れた。
『お呼びですかー!!長!!』
『何の用だ?眠い…』
『…お酒、対決』
『ええ!?』
『かくかくしかじか』
『…了解です!長!』
なんか新しいケット・シーも来たし…とお酒の席が用意された。
「あのさ3人とも」
『『『?』』』
「…人に、なれる?」
『我は大丈夫だ』
青龍がポフッと音をたてると…水色の髪に、青い瞳と角。そんな姿に変わっていた。
『すまぬが、我は無理だ。たかがウルフだしな』
「…サリィは?」
『…無理』
『だが、伝説の妖精は人型になるのぐらい容易い…』
『む・り』
『お、おおう…』
ずいっとサリィは人に変身して何かを言いかけたタツに詰め寄った。
『…席、つく』
『あー、はーい』
すでに席についていたケット・シー達に加えて、3人は席についた。
『じゃあ、…ゲーム開始』
「そんな!ケット・シー様っ!我々をお見捨てになるのですか!?」
街の人々がそう聞いた瞬間にざわめきだした。
だが。
『…そんなこと、ない。もう、この街に、加護もたらした…よって、無事』
耳をピクピクさせながらケット・シーは言った。
それを見て、街の人々は安堵と別れを察してなのか、ため息をこぼした。
『じゃあ、ゲーム、する』
「ゲームって何なんだ?」
『それ、は…お酒飲み対決』
「「「へ…?」」」
その場の全員…俺もが、驚愕をした瞬間だった。
「ええっ!?ケット・シーってお酒飲むの!?」
「ま、まあそうです…マタタビ酒を毎回捧げ物として出してるし…でも、まさかケット・シー様がお酒をたくさん飲むなんて思わなかったわ」
ソフィアが信じられない、と言いたそうな顔でケット・シーを見た。
確かに、俺の想像する子猫の愛らしい姿が崩れていく…
「ん…ちょっと待ってくださいタクヤさん。あなた、…お酒飲めます?」
リムさんが俺に話しかけてきた。
「あ…いや、お酒は飲んだことないから分からな………」
「いや、そういう意味ではなくて、…あなた、18歳以上ですか?」
「…14です」
「14!?」
ざわっと周りがざわついた。
「嘘!?うっそお!私より年下!?ええ!?」
「ソフィー。落ち着きな」
「あ、マルチおばさん」
近くにいた宿屋のマルチさんがソフィアをなだめた。
「にしても…そんなに若いなんて思わなかったね。ソフィーさえも16だってのに」
俺は随分と年上に見られていたのか。
マルチさんもソフィアも、リムさんも意外そうなのだ。
『…タクヤ、お酒、飲めない?』
「え、あ…じゃあ、代理を出そう」
「「「代理ぃ?」」」
その場の皆が首をひねる。
俺は、説明を述べた。
「えっと、俺の他の人にお酒を飲んでもらって…どっちが潰れるか、みたいな」
「代理ってなあ…誰に頼むんで?」
「ご心配なく。リンディ!タツ!サリィ!」
ボンッ!という音と共に、3人が姿を現した。
『お呼びか?主』
『ここは…街?』
『タックヤーー!おっひさぁ!』
「な、ウルフと青龍と…勇者の妖精、サリフィルト!?」
「まさか、「黒き英雄」は勇者なのかっ!?」
「い、いや!偶然!偶然だから!」
はぐらかしといたが、どうにも怪しまれる。
ここは何とかした。
『…じゃあ、おいで。仲間よ』
「え!?」
ケット・シーの声でピョコッと2匹のケット・シーが現れた。
『お呼びですかー!!長!!』
『何の用だ?眠い…』
『…お酒、対決』
『ええ!?』
『かくかくしかじか』
『…了解です!長!』
なんか新しいケット・シーも来たし…とお酒の席が用意された。
「あのさ3人とも」
『『『?』』』
「…人に、なれる?」
『我は大丈夫だ』
青龍がポフッと音をたてると…水色の髪に、青い瞳と角。そんな姿に変わっていた。
『すまぬが、我は無理だ。たかがウルフだしな』
「…サリィは?」
『…無理』
『だが、伝説の妖精は人型になるのぐらい容易い…』
『む・り』
『お、おおう…』
ずいっとサリィは人に変身して何かを言いかけたタツに詰め寄った。
『…席、つく』
『あー、はーい』
すでに席についていたケット・シー達に加えて、3人は席についた。
『じゃあ、…ゲーム開始』
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