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第五章 天使と勇者と相棒と
第六十七話 二つ名と杖と金貨の受け渡し
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「タクヤー!出番、もうすぐだなぁ!」
「…聞くけど、何で俺以外の選手が杖の受け渡しを拒否したんだ?」
後日。
俺達は舞台裏で控えていた。
…何故か俺以外の選手が金貨1000枚と賢者の杖はいらないと言ったので、俺が受け取る事になったのだ。
「だって、タクヤに助けてもらったって人がたくさんいて。それで皆賞品はタクヤにって」
一緒について来たナナカが説明してみせた。
俺もだが、ナナカも体中に擦り傷を作っていたのだが、ポーションを使用したのだ。
…それが、俺の作ったポーションだったから皆俺に恩は必ず返すって言ってたけど…まさかここで返されるとは。
「タクヤ・サカモトさん~。出番です~」
「ああ。分かった」
「いってらっしゃい」
ナナカに送り出され、俺は迎えのバニーガールについて行った。
「………!!」
舞台にあがった瞬間、大会中とでは比べものにならないぐらいの人々が集まっていた。
「見ろよ!!救世主だぜ!!」
「すっげぇな!」
「まだ、子供じゃないか…!!」
「ありがとう!!本当にありがとう!!」
さまざまな声が入り混じった。
「タクヤ選手…いや、タクヤ様。この度のご活躍、誠に感謝しきれません」
「そんなご大層な事やってないって」
「いえいえ、素晴らしいご活躍でした。ありがとうございます」
イリスがぺこりと俺に頭を下げた。
俺がそう言うのを否定し、イリスは感謝を告げた。
「そこで、あなたに金貨と賢者の杖をお渡しします」
イリスが合図をすると、バニーガールが杖を大切そうに布にくるんで持って来た。
「では、賢者の杖の試練を…」
「試練?」
「ええ。杖を掲げ、こう唱えるのです。「我、汝の力を望む者。古の神の名の下に誓いを捧げよ」と」
「それが試練か…」
バニーガールに、賢者の杖を受け取った。
「…我、汝の力を望む者…古の神の名の下に誓いを捧げよ」
すると、
ブワッ!
「な…これは!」
「……!!」
賢者の杖が、光り輝いた。
ザワザワと風が吹き、俺の頬を撫でる。
そして…
「わぁ…」
賢者の杖の先に、光が灯った。
その光に目を細める。
そこには、無かったはずの黒色の宝石がついていた。
「…おお。黒とは、なんと美しい」
「黒の宝石ってなかなか無いわよね」
「…これは、杖に選ばれたってことなのか?」
「その通りです」
おめでとうございます、とイリスが歩み寄って来た。
「杖は、ずっとあなたを待っていたのかもしれませんね…」
「………」
杖を眺めると、黒の宝石が光り輝いた。
「では、金貨をお渡ししましょう」
大袋いっぱいの金貨を渡された。
金貨が溢れそうな程いっぱい入っている。
「じゃあ、俺はこれで…」
「まだやることはありますよ」
「?」
イリスが俺を呼び止めた。
「あなたに、二つ名を与えましょう…」
「二つ名!?」
観客がざわめきだす。
「二つ名って…」
「本来二つ名には二種類あります。一つ目は…自然に呼ばれるようになったもの。二つ目は…その二つ名を貰い、その名に守護してもらったり名声を得たりするものです。今回は後者となるでしょう」
ス…とイリスが膝をついて俺の手を握り唱え始める。
「私イリスは「自然の妖精」として、汝に第二の名を与える。…汝の名は「黒き英雄」。その名が汝を守護するであろう」
「…感謝、します」
こうして、杖と金貨の受け渡しと、予想もしなかった二つ名が与えられたのだった。
「…聞くけど、何で俺以外の選手が杖の受け渡しを拒否したんだ?」
後日。
俺達は舞台裏で控えていた。
…何故か俺以外の選手が金貨1000枚と賢者の杖はいらないと言ったので、俺が受け取る事になったのだ。
「だって、タクヤに助けてもらったって人がたくさんいて。それで皆賞品はタクヤにって」
一緒について来たナナカが説明してみせた。
俺もだが、ナナカも体中に擦り傷を作っていたのだが、ポーションを使用したのだ。
…それが、俺の作ったポーションだったから皆俺に恩は必ず返すって言ってたけど…まさかここで返されるとは。
「タクヤ・サカモトさん~。出番です~」
「ああ。分かった」
「いってらっしゃい」
ナナカに送り出され、俺は迎えのバニーガールについて行った。
「………!!」
舞台にあがった瞬間、大会中とでは比べものにならないぐらいの人々が集まっていた。
「見ろよ!!救世主だぜ!!」
「すっげぇな!」
「まだ、子供じゃないか…!!」
「ありがとう!!本当にありがとう!!」
さまざまな声が入り混じった。
「タクヤ選手…いや、タクヤ様。この度のご活躍、誠に感謝しきれません」
「そんなご大層な事やってないって」
「いえいえ、素晴らしいご活躍でした。ありがとうございます」
イリスがぺこりと俺に頭を下げた。
俺がそう言うのを否定し、イリスは感謝を告げた。
「そこで、あなたに金貨と賢者の杖をお渡しします」
イリスが合図をすると、バニーガールが杖を大切そうに布にくるんで持って来た。
「では、賢者の杖の試練を…」
「試練?」
「ええ。杖を掲げ、こう唱えるのです。「我、汝の力を望む者。古の神の名の下に誓いを捧げよ」と」
「それが試練か…」
バニーガールに、賢者の杖を受け取った。
「…我、汝の力を望む者…古の神の名の下に誓いを捧げよ」
すると、
ブワッ!
「な…これは!」
「……!!」
賢者の杖が、光り輝いた。
ザワザワと風が吹き、俺の頬を撫でる。
そして…
「わぁ…」
賢者の杖の先に、光が灯った。
その光に目を細める。
そこには、無かったはずの黒色の宝石がついていた。
「…おお。黒とは、なんと美しい」
「黒の宝石ってなかなか無いわよね」
「…これは、杖に選ばれたってことなのか?」
「その通りです」
おめでとうございます、とイリスが歩み寄って来た。
「杖は、ずっとあなたを待っていたのかもしれませんね…」
「………」
杖を眺めると、黒の宝石が光り輝いた。
「では、金貨をお渡ししましょう」
大袋いっぱいの金貨を渡された。
金貨が溢れそうな程いっぱい入っている。
「じゃあ、俺はこれで…」
「まだやることはありますよ」
「?」
イリスが俺を呼び止めた。
「あなたに、二つ名を与えましょう…」
「二つ名!?」
観客がざわめきだす。
「二つ名って…」
「本来二つ名には二種類あります。一つ目は…自然に呼ばれるようになったもの。二つ目は…その二つ名を貰い、その名に守護してもらったり名声を得たりするものです。今回は後者となるでしょう」
ス…とイリスが膝をついて俺の手を握り唱え始める。
「私イリスは「自然の妖精」として、汝に第二の名を与える。…汝の名は「黒き英雄」。その名が汝を守護するであろう」
「…感謝、します」
こうして、杖と金貨の受け渡しと、予想もしなかった二つ名が与えられたのだった。
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