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15歳~中華の鉄人編
第7話 スイーレル国の行く末
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「お母さん、元気出しなよ。もう一週間だよ。お父さんだって本気で言われたとは思っていないよ」
一週間前に十年以上前から待っていた愛する人が他所で子供を作っていたなんてそりゃショックだろうけど王族ならしかたがなかったんだと思う。
「・・・・・・・フゥ、」
はあ~、話しかけても大抵は上の空。後悔してるなら会いにいけばいいじゃん。素直じゃないな~。
コン!コン!
あれ?もしかしてお父さんじゃ?
自宅の玄関の扉をノックする人物をそう願いながら私は玄関の扉を開ける。
「元気してた、って、元気そうね」
「お姉様!お姉様!お姉様!お姉様!何処に行っていたんですか?」
私はテティお姉様とわかった瞬間、全身でお姉様を感じる為に飛び込み抱きついた。
「で、リンママいる?ちょっと会って欲しい人がいるんだけど」
そうお姉様に言われてお母さんと私はあるお店に連れて来られた。
そこのお店の中はお客さんが溢れかえり外にも長い行列が出来ていた。
「えっと、このお店はなんて読むんですか?」
そこには見たことがない文字で『好吃』と書かれていた。
「『ハオチー』って読むの、とある国で美味しいって意味があるの。さあ、入って入って!」
「えっ!並んでいるんですけど割り込んでいいんですか?お姉様」
「えっ?ああ、ちょっと予定よりお客さんが来ちゃて慌ただしくなっちゃっただけで大丈夫だから」
とりあえず私達は店の中に案内された。
「へえ、賑やかなお店ですね。それに綺麗」
「まあ、新築だしね。昨日急ピッチで建てて今日から開店したからね。まだ開店三時間くらいしか経ってないし」
「へえ・・・・えっ!今日開店でこの行列何ですか!」
「ははは、まあ物珍しい料理を出すお店だからね」
そして店の奥の席に案内された。
「さあさあ、私の奢りだから。じゃんじゃん食べて!」
テーブルに着くと沢山の料理が出てきた。
「いいにおいですね!美味しそう!」
「じゃあ、頂きますね」
私とお母さんは出された料理を一口食べてみる。
「「ん!美味しい!!」」
私達は夢中になって料理を口に入れ始めた。
「この赤いスープの麺料理美味しいですね!」
「それは担々麺って言ってね・・・・」
「この皮に包まれた料理が好きですね!」
「ああ、それは餃子って言います・・・・」
私とお母さんが食べている間にお姉様が料理の説明をしてくれる。しかし、疑問が残る。
今日開店のお店の事を知っているのだろうか?
そういえばこのお店を建てたと言っていたが?
「その答えは今から来る人に聞きなさい」
そう言うとお姉様は白のコック服を身に纏い店の奥、厨房へと入って行きました。
それから入れ換わるようにして一人の男性が出てきた。ってお父さん!!
「や、やあ、ヤエさんとリン・・・・」
「えっ?えっ?まさかこの料理は?」
「俺が作ったんだ!それで王位も退いて全て捨ててきた!これからこの店を繁盛させてお前達を養っていけるように頑張るから!ヤエさん!もう一度!いや、俺と結婚してくれ!!」
「・・・・はっ!」
お母さんはどうやら意識が飛んでいたようだ。
「ええええええ!!必死のプロポーズを!えっ?もう一回言うの満席のお店の中でもう一回叫ぶの!!」
「えっ?えっ?リュウゼンさん?えっ?何で?」
「くおおお!もう一回かあ!くそっ!やってやらあああ!ヤエさん!俺と結婚してくれ!!」
「・・・・・あ、はい」
おいいいい!!勢いに負けた感じで返事しちゃたよ!お母さん!いいの!まあ、私としては喜ばしいけど。
「よしっ!よしっ!よしっ!」
お父さんがガッツポーズをして喜んでる。
お母さんも正気に戻ったけど否定はしない。やっぱり愛し合っているんだろうなあ。いいな~私も彼氏・・・じゃなくてもいいからそういう人が欲しいなあ。私は厨房で物凄いスピードで料理をさばいているお姉様を見る。
って何を考えているの私!!まるで私がお姉様に愛されたいみたいな・・・・それ、凄くいい・・・じゃなかった!!
周りから祝福の拍手が巻き起こる。こうしてお父さんとお母さんは寄りを戻して結婚することが決まった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それから数日後に第1王子主体の新体制を内外に広められたがスイーレル国は1ヶ月もしない内に滅んだ。理由はかつて妨害の為に放った魔物が王都を襲い王都にいた人間は全員逃げる間もなく食われたらしい。王族・貴族・平民区別なく全員が喰われた。だがその魔物、だけでなく今まで貴族が妨害の為に放った魔物達はとある町の料理を目当てにやって来た冒険者達が全て退治して回った。それだけでなく国に蔓延っていた犯罪者達も冒険者達の手によって捕縛、討伐されることとなる。それにより農業・漁業・犯罪率は回復・減少傾向にある。
そしてスイーレル国は隣国の『ハピネス幸国』と呼ばれる国に併合されることになりスイーレル国は完全消滅した。
第1王子、第2王子は歴史に名を残す事も無く存在は完全消滅した。元スイーレル国民にすら忘れ去られるのだった。
そしてスイーレル国消滅から半年たった現在、リュウゼンとヤエの夫婦は大繁盛するお店『好吃(ハオチー)』を共に切り盛りしていき、店前ではリンが踊りと歌を披露している。
そこにテティの姿はなかった。
一週間前に十年以上前から待っていた愛する人が他所で子供を作っていたなんてそりゃショックだろうけど王族ならしかたがなかったんだと思う。
「・・・・・・・フゥ、」
はあ~、話しかけても大抵は上の空。後悔してるなら会いにいけばいいじゃん。素直じゃないな~。
コン!コン!
あれ?もしかしてお父さんじゃ?
自宅の玄関の扉をノックする人物をそう願いながら私は玄関の扉を開ける。
「元気してた、って、元気そうね」
「お姉様!お姉様!お姉様!お姉様!何処に行っていたんですか?」
私はテティお姉様とわかった瞬間、全身でお姉様を感じる為に飛び込み抱きついた。
「で、リンママいる?ちょっと会って欲しい人がいるんだけど」
そうお姉様に言われてお母さんと私はあるお店に連れて来られた。
そこのお店の中はお客さんが溢れかえり外にも長い行列が出来ていた。
「えっと、このお店はなんて読むんですか?」
そこには見たことがない文字で『好吃』と書かれていた。
「『ハオチー』って読むの、とある国で美味しいって意味があるの。さあ、入って入って!」
「えっ!並んでいるんですけど割り込んでいいんですか?お姉様」
「えっ?ああ、ちょっと予定よりお客さんが来ちゃて慌ただしくなっちゃっただけで大丈夫だから」
とりあえず私達は店の中に案内された。
「へえ、賑やかなお店ですね。それに綺麗」
「まあ、新築だしね。昨日急ピッチで建てて今日から開店したからね。まだ開店三時間くらいしか経ってないし」
「へえ・・・・えっ!今日開店でこの行列何ですか!」
「ははは、まあ物珍しい料理を出すお店だからね」
そして店の奥の席に案内された。
「さあさあ、私の奢りだから。じゃんじゃん食べて!」
テーブルに着くと沢山の料理が出てきた。
「いいにおいですね!美味しそう!」
「じゃあ、頂きますね」
私とお母さんは出された料理を一口食べてみる。
「「ん!美味しい!!」」
私達は夢中になって料理を口に入れ始めた。
「この赤いスープの麺料理美味しいですね!」
「それは担々麺って言ってね・・・・」
「この皮に包まれた料理が好きですね!」
「ああ、それは餃子って言います・・・・」
私とお母さんが食べている間にお姉様が料理の説明をしてくれる。しかし、疑問が残る。
今日開店のお店の事を知っているのだろうか?
そういえばこのお店を建てたと言っていたが?
「その答えは今から来る人に聞きなさい」
そう言うとお姉様は白のコック服を身に纏い店の奥、厨房へと入って行きました。
それから入れ換わるようにして一人の男性が出てきた。ってお父さん!!
「や、やあ、ヤエさんとリン・・・・」
「えっ?えっ?まさかこの料理は?」
「俺が作ったんだ!それで王位も退いて全て捨ててきた!これからこの店を繁盛させてお前達を養っていけるように頑張るから!ヤエさん!もう一度!いや、俺と結婚してくれ!!」
「・・・・はっ!」
お母さんはどうやら意識が飛んでいたようだ。
「ええええええ!!必死のプロポーズを!えっ?もう一回言うの満席のお店の中でもう一回叫ぶの!!」
「えっ?えっ?リュウゼンさん?えっ?何で?」
「くおおお!もう一回かあ!くそっ!やってやらあああ!ヤエさん!俺と結婚してくれ!!」
「・・・・・あ、はい」
おいいいい!!勢いに負けた感じで返事しちゃたよ!お母さん!いいの!まあ、私としては喜ばしいけど。
「よしっ!よしっ!よしっ!」
お父さんがガッツポーズをして喜んでる。
お母さんも正気に戻ったけど否定はしない。やっぱり愛し合っているんだろうなあ。いいな~私も彼氏・・・じゃなくてもいいからそういう人が欲しいなあ。私は厨房で物凄いスピードで料理をさばいているお姉様を見る。
って何を考えているの私!!まるで私がお姉様に愛されたいみたいな・・・・それ、凄くいい・・・じゃなかった!!
周りから祝福の拍手が巻き起こる。こうしてお父さんとお母さんは寄りを戻して結婚することが決まった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それから数日後に第1王子主体の新体制を内外に広められたがスイーレル国は1ヶ月もしない内に滅んだ。理由はかつて妨害の為に放った魔物が王都を襲い王都にいた人間は全員逃げる間もなく食われたらしい。王族・貴族・平民区別なく全員が喰われた。だがその魔物、だけでなく今まで貴族が妨害の為に放った魔物達はとある町の料理を目当てにやって来た冒険者達が全て退治して回った。それだけでなく国に蔓延っていた犯罪者達も冒険者達の手によって捕縛、討伐されることとなる。それにより農業・漁業・犯罪率は回復・減少傾向にある。
そしてスイーレル国は隣国の『ハピネス幸国』と呼ばれる国に併合されることになりスイーレル国は完全消滅した。
第1王子、第2王子は歴史に名を残す事も無く存在は完全消滅した。元スイーレル国民にすら忘れ去られるのだった。
そしてスイーレル国消滅から半年たった現在、リュウゼンとヤエの夫婦は大繁盛するお店『好吃(ハオチー)』を共に切り盛りしていき、店前ではリンが踊りと歌を披露している。
そこにテティの姿はなかった。
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