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第37幕 ちょい休憩 ポセイドンと小太り少年との出会い その1

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「「「「はい?」」」」

「だ、か、ら、瓶くれ。要らなくなったやつでいいから。それか売ってくれ!」

ここはカタラークタの入り口の門前、兵隊職の中で一番楽な持ち場のはずが今日はそうではないようだ。
もうそろそろ昼休憩の時間だと思ってたら人間が来たから軽くパニックになった。
しかも、おかしな人間だった。

バカか、こいつ?そんな事のために敵国内まできたのか?

国の入り口を警備する兵隊の複数が唖然とした。

「ビンを何に使う気だ?」

警備兵の隊長はなんとか気を持ちなおさせ質問する。

「よくぞ聞いてくれた!」

待ってましたと言わんばかりに持ってきたカバンから何かを取り出す。

「瓶?」

「この瓶見てどう思う?」

「濁っているな。全然透明じゃないし形が少し。」

「そう!その通り!まあそれはそれで味わいがあっていいんだが、今欲しいのはこっちだ!」

カバンからもう1つ瓶を取り出した。

「ん?それは我らが作った瓶では?」

「そう!砂浜を歩いてたら漂着しているのを見つけてな!」

「アホだ!アホがいる!」

「アホとはなんだ!アホとは!」

「やべっ!!声出ちゃた!」

「まあいい、で、この瓶の使い道はこれだ!」

少年がさらにカバンから瓶を取り出す。その中には精巧に作られた船が入ってた。

「これは!どうやっていれたんだ?瓶を切ったのか?」

「確かにそういう手法もあるけどありゃ素人がやることさ。俺はバラバラのパーツを中で組み立てる方法でやってるこんな風に。」

その少年は目の前で軽くやって見せた。
武器を突き付けられている状態で良くできるもんだと感心してしまった。
周りいる騒ぎを聞きつけて来た野次馬の奴等も興味深そうに見てる。やってみたいと言い出した者までいる。

「人間が作った瓶じゃダメなんだ!あんたらの作った瓶ならこいつはもっと輝けるはず!」

さっきの船の入ってた瓶を頭上に掲げて叫んだ。

「騙されるな!!」

そう言うのはこの国の大臣を勤める男が騒ぎを聞きつけ割って入ってきた。

「きっとこのまま生かして帰せば人間の軍隊が攻めにくるぞ!こいつは殺すべきだ!お前達は忘れたのか?人間共が我々をどう扱ってきたのか?」

「相手は子供じゃないか!いくらなんでもそこまでする必要はないんじゃ?」

野次馬の一人の魚人が意見した。

「黙れ!人間を庇うか!この非国民が!ならお前はこの国から追放だ!」

「そんな!!」

「うるさい!警備兵そいつは同胞じゃない切り捨てろ!」

「し、しかし。」

警備兵が躊躇うが、

「やらんか!!」

警備兵の一人が魚人に斬りかかった。

「やめろ!!」

少年が大声で叫んだ。

「なんか知らんが。あんたは人間を嫌っているようだな、なら俺を斬ればいいだろ!」

「人間ごときが私に意見するか!斬れ!切り捨てろ!」




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