狂い咲く花、散る木犀

伊藤納豆

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10章

171話 *

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琳太郎の悪戯スイッチは一度ONになると、晴柊にですら止められないのである。


「あ゛、ん゛っ~~~!ひ、ゃっ、とめ、で………!!」


晴柊の左足首を掴み持ち上げ、強制的に足を開かせたまま、琳太郎は無造作に晴柊の勃起したモノに電気マッサージ器を押し当てていた。
ローションの音が振動に巻き込まれビチビチと音を立てている。


強すぎる快感に、晴柊は必死になって琳太郎の手を掴むが、電マが離れることは決してなかった。


「潮吹くまで止めねえ。こら、腰逃がすな。」

「むり、むりっ、あんん、ん、っ……ひ、あああぁ゙……!!」」


自然と腰を逃がすようにくねらせる晴柊の行動を見透かしたように、琳太郎が持ち上げていた足首を離し自分の肩に乗せると、空いた手で腰をがしりと掴んだ。
何度イッても、琳太郎の目的は潮吹きにシフトしたらしく、機械が離れることはなかった。


じっとしていられないと言うように、琳太郎の手を叩いてみたり足をバタつかせたりしてみるが、子犬がじゃれている程度で琳太郎にさして影響は及ぼさない。
この無力感と屈服感が、晴柊をより惨めに、そして被虐心を焚き付けていくのだ。


「ねぇ、ほんと、やだ、ぁ、あ、んぁ……!ほんとに、出ない゙の゙っ……!」


晴柊が琳太郎にイラつき始めたように、眉間に皺を寄せ睨んだ。余ほど辛いのだろう。自分の意見に全く聞く耳を持たない琳太郎に遠慮もしなくなったのか、反発した。
腹を自分の出した白濁で汚し、先走りなのかローションなのかもわからない粘液が晴柊のモノを照らしていた。


「生意気だな。そんな口聞けるんならまだ大丈夫だろ。」

「ぁんんっ!!?いや、ゃ、……ぁっ、あ゙、あんっ!!」


琳太郎の癪に障ったのか、亀頭を虐めていたマッサージ器の強さを上げた。どうやらまだ中段階だったらしく、震えがさらに強くなる。
晴柊の口からはしたない喘ぎ声が漏れる。可愛げもないと自分で分かっていながらも、取り繕うことなど不可能なほど、晴柊の頭の中はゆであがっていた。


苦しいのに気持ちい。でももうイけない。やがて晴柊は涙をわんわんと流しながら琳太郎に懇願した。


「もうやめでぐだざい゙……なんでもするからぁ……!」

「ふーん、なんでもな。」


気持ちよすぎて涙を流すことは珍しくはないが、ここまで子供のようにお願いするまでぐずぐずになることはあまりない。琳太郎はそんな晴柊の様子に機嫌をよくしたのか、電マのスイッチを止めるとベッドの脇に投げ捨て、晴柊の顔を持ち上げるように掴んだ。


「そんなに嫌だったのか?」


息を乱しながらくたっと脱力している晴柊に琳太郎が問いかけた。半ば怒っているような晴柊の目と目が合う。


「気持ちよかったくせに。」

「う、うるひゃい。」


頬を掴まれて呂律が回らない晴柊が悪態をついた。子供のように駄々をこねられてしまえば仕方ないと、琳太郎は今日のところは折れることにした。これもなかなか珍しいことではある。
琳太郎はたとえ丸くなったとはいえ、まだまだ頑固な一面は持ち合わせている男であった。


晴柊の身体をひょいと持ち上げベッドの上に座らせると、自分はベッドヘッドに背中をもたれさせ、ぼーっとする晴柊の腕を引いた。体勢を崩したように琳太郎の方に倒れこむ晴柊の頭を優しく押すようにして、自分のたちあがったソレに近づけさせる。


晴柊の鼻筋に沿うように、琳太郎の熱を持ったモノが押し当てられた。漂うオスの匂いと、しっとりとした熱を感じた晴柊は先ほどまで疲れ果てていたのがウソのように、ジクジクと尻の内側が疼いていくのを感じた。いつも嵌められているモノを目の前にして、ナカで突かれていることを思い出したかのように。


何を言われるまでもなく、ちろりと舌を出した晴柊は静かに琳太郎のソレを舐め始めた。
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