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第1章
第1話 クウォーターエルフの末路
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「はあ、疲れたのですわ・・・」
あたしは、ふかふかのベッドに横たわった。
「起きるのだ、これから、トゥリメーステレを守るんだ」
「トゥリメーステレ・・・?」
彼女は、あたしが研究所から助けた女の子だ。
紫色の髪をもつ、クウォーターエルフ。
尖った耳はない。
「ヒロイン救出なのですか?
そしたら、あたしは王子様なのですか?」
「お主は、何を思い浮かべている?」
「乙女ゲームなのですわよ」
「そうゆうことなら、好きにせい」
なぜか、アミーラちゃまは呆れている様子だった。
あたしは、トゥリメーステレちゃまが嫌。
助けなきゃよかったって思うくらい。
実はあたしには従弟と従兄と叔父と伯父がいて、その中であたしの伯父に猛アプローチ。
あたしの伯父をとられたら、親戚になっちゃうってこと?
そんなの許せない。
それだけは、それだけでも阻止したい。
あたしは叔母と伯父と叔父と従兄と従弟と従姉と従妹の八人暮らしだ。
あたしの伯父は、ジーオ。
ジーオ伯父様は、とにかく甘い。
そこら辺に売ってるスイーツよりも、甘いかもしれない。
「やあ、マル」
そんなこと考えたら、ジーオ伯父様が帰ってきた。
「ジーオ伯父様、香水の匂いが・・・。
もしかして、ニンニクなのですか?」
「そんなわけないだろう。
さっき、トゥリメーステレとデートしてたんだ」
やっぱり・・・。
嫌な予感は、当たっていた。
「そもそも、何故にそをんな名前をつけたのですか?」
トゥリメーステレは、最初は名前なんてなかった。
そんなところに、ジーオ伯父様が、つけたんだ。
「カッコイイだろ?
それに、あの子はエルフとのクウォーターだから、イタリア語で・・・。
イタリア語だったけ?」
あたしは、トゥリメーステレに嫉妬してる。
あたしのジーオ伯父様を、両親がいないあたしには、父親のような存在。
それを、トゥリメーステレだけのものになるんじゃないかって考えてしまうと・・・。
やっぱり、許せない。
「あら、マルディちゃん?
いたの?」
トゥリメーステレが、どこからか現れた。
「トゥリメーステレ・・・なのですか?」
「はい」
「ジーオ伯父様の後ろにたのですか?」
「はい」
「隠れていたのですか?」
「いいえ」
嫉妬心、丸だしなのは自分でもわかっている。
だけど、感情をうまくコントロールできそうにない。
「本当になのですか?」
「疑うの?」
「ちょっとだけ、ちょっとだけ、聞いただけなのですわよ」
「こら、こら、マル。
お客様には、挨拶だろ?」
「ジーオ伯父様は、何もわかってないのですわ!
何も・・・」
こうして、あたしは家を飛び出した。
「マルディ!?」
アミーラちゃまが、あたしについていった。
行く当てもなく、走っていくあたしに、アミーラちゃまはどこまでもついていく。
まるで、どこまでも走ってまで、追いつこうとしているかのように・・・。
「急に、どうしたんだ?
全然、お主らしくなかったぞ?」
この一言で、あたしはその場で足を止めた。
「あたしらしさって、何なのですか?」
「マルディ?」
「いつも、我慢していることがあたしらしさなのですか?
大丈夫じゃないのに、平気なふりして、笑顔でいることがなのですか?
ジーオ伯父様の前だからこそ、頑張って平常心を保とうとしたのですわよ・・・。
でも、だめだったのですわ・・・。
だめだったのですわよ・・・。
あたしは、あたしをだませない!」
あたしは、泣くことすらもできずにいる。
泣いたら、楽になるのかな?
もっと、むなしくなるのかな?
「アミーラちゃま、あたしの気持ちをわかってくれるのですか?
ジーオ伯父様はあたしを一番にかわいがってくれたのですわ。
だけど、これで終わっちゃうかもしれないのですわよ・・・」
アミーラちゃまは、何か考え込んでいた。
しばらく沈黙が続いてから、話し始めた。
「マルディは、どうしたい?」
「え?」
「マルディは、ジーオがいつかいなくなったりすると思うのかい?」
「結婚したり、彼女ができて同棲とかすれば、いなくなりそうで・・・」
ジーオ伯父様は、彼女も作ってこなかったし、結婚もしないで甥や姪のことをかわいがってくれた。
それが、どういった意味かなんてあたしにはわからない。
だけど、その関係が終わってしまうのが嫌でしょうがない。
ジーオ伯父様は、あたしだけのジーオ伯父様になってほしかった。
「お主はM、どうしてジーオを縛り付けるんだい?」
「あたしは、縛ってなんか・・・。
縄とか用意してないし・・・」
「そういう意味じゃなくて、ジーオも感情を持っている。
旅立ちたい時もある。
そんな時も、姪っ子であるお主を、気にかけてくれた。
だけど、マレディだっていつまでも幼稚なままでいていいわけじゃない。
マレディは、マレディで自立しよう・・・」
「自立なのですか・・・?
あたしが・・・?」
そんなことは、考えたこともなかった。
考えるわけがなかった。
ただ、ジーオ伯父様に甘えることだけを、生きがいとしていたあたしに。
「さ、帰ろ。
任務は、トゥリーメーステレを守ることじゃないのかい?」
ここで、あたしはふっくれ面になった。
「また、その話なのですか?
懲りないのですわね」
あたしは、ふかふかのベッドに横たわった。
「起きるのだ、これから、トゥリメーステレを守るんだ」
「トゥリメーステレ・・・?」
彼女は、あたしが研究所から助けた女の子だ。
紫色の髪をもつ、クウォーターエルフ。
尖った耳はない。
「ヒロイン救出なのですか?
そしたら、あたしは王子様なのですか?」
「お主は、何を思い浮かべている?」
「乙女ゲームなのですわよ」
「そうゆうことなら、好きにせい」
なぜか、アミーラちゃまは呆れている様子だった。
あたしは、トゥリメーステレちゃまが嫌。
助けなきゃよかったって思うくらい。
実はあたしには従弟と従兄と叔父と伯父がいて、その中であたしの伯父に猛アプローチ。
あたしの伯父をとられたら、親戚になっちゃうってこと?
そんなの許せない。
それだけは、それだけでも阻止したい。
あたしは叔母と伯父と叔父と従兄と従弟と従姉と従妹の八人暮らしだ。
あたしの伯父は、ジーオ。
ジーオ伯父様は、とにかく甘い。
そこら辺に売ってるスイーツよりも、甘いかもしれない。
「やあ、マル」
そんなこと考えたら、ジーオ伯父様が帰ってきた。
「ジーオ伯父様、香水の匂いが・・・。
もしかして、ニンニクなのですか?」
「そんなわけないだろう。
さっき、トゥリメーステレとデートしてたんだ」
やっぱり・・・。
嫌な予感は、当たっていた。
「そもそも、何故にそをんな名前をつけたのですか?」
トゥリメーステレは、最初は名前なんてなかった。
そんなところに、ジーオ伯父様が、つけたんだ。
「カッコイイだろ?
それに、あの子はエルフとのクウォーターだから、イタリア語で・・・。
イタリア語だったけ?」
あたしは、トゥリメーステレに嫉妬してる。
あたしのジーオ伯父様を、両親がいないあたしには、父親のような存在。
それを、トゥリメーステレだけのものになるんじゃないかって考えてしまうと・・・。
やっぱり、許せない。
「あら、マルディちゃん?
いたの?」
トゥリメーステレが、どこからか現れた。
「トゥリメーステレ・・・なのですか?」
「はい」
「ジーオ伯父様の後ろにたのですか?」
「はい」
「隠れていたのですか?」
「いいえ」
嫉妬心、丸だしなのは自分でもわかっている。
だけど、感情をうまくコントロールできそうにない。
「本当になのですか?」
「疑うの?」
「ちょっとだけ、ちょっとだけ、聞いただけなのですわよ」
「こら、こら、マル。
お客様には、挨拶だろ?」
「ジーオ伯父様は、何もわかってないのですわ!
何も・・・」
こうして、あたしは家を飛び出した。
「マルディ!?」
アミーラちゃまが、あたしについていった。
行く当てもなく、走っていくあたしに、アミーラちゃまはどこまでもついていく。
まるで、どこまでも走ってまで、追いつこうとしているかのように・・・。
「急に、どうしたんだ?
全然、お主らしくなかったぞ?」
この一言で、あたしはその場で足を止めた。
「あたしらしさって、何なのですか?」
「マルディ?」
「いつも、我慢していることがあたしらしさなのですか?
大丈夫じゃないのに、平気なふりして、笑顔でいることがなのですか?
ジーオ伯父様の前だからこそ、頑張って平常心を保とうとしたのですわよ・・・。
でも、だめだったのですわ・・・。
だめだったのですわよ・・・。
あたしは、あたしをだませない!」
あたしは、泣くことすらもできずにいる。
泣いたら、楽になるのかな?
もっと、むなしくなるのかな?
「アミーラちゃま、あたしの気持ちをわかってくれるのですか?
ジーオ伯父様はあたしを一番にかわいがってくれたのですわ。
だけど、これで終わっちゃうかもしれないのですわよ・・・」
アミーラちゃまは、何か考え込んでいた。
しばらく沈黙が続いてから、話し始めた。
「マルディは、どうしたい?」
「え?」
「マルディは、ジーオがいつかいなくなったりすると思うのかい?」
「結婚したり、彼女ができて同棲とかすれば、いなくなりそうで・・・」
ジーオ伯父様は、彼女も作ってこなかったし、結婚もしないで甥や姪のことをかわいがってくれた。
それが、どういった意味かなんてあたしにはわからない。
だけど、その関係が終わってしまうのが嫌でしょうがない。
ジーオ伯父様は、あたしだけのジーオ伯父様になってほしかった。
「お主はM、どうしてジーオを縛り付けるんだい?」
「あたしは、縛ってなんか・・・。
縄とか用意してないし・・・」
「そういう意味じゃなくて、ジーオも感情を持っている。
旅立ちたい時もある。
そんな時も、姪っ子であるお主を、気にかけてくれた。
だけど、マレディだっていつまでも幼稚なままでいていいわけじゃない。
マレディは、マレディで自立しよう・・・」
「自立なのですか・・・?
あたしが・・・?」
そんなことは、考えたこともなかった。
考えるわけがなかった。
ただ、ジーオ伯父様に甘えることだけを、生きがいとしていたあたしに。
「さ、帰ろ。
任務は、トゥリーメーステレを守ることじゃないのかい?」
ここで、あたしはふっくれ面になった。
「また、その話なのですか?
懲りないのですわね」
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