16 / 34
第1章 世界最強で超天然な叔父ライハイツ君と、最弱で真面目な甥っ子
過去編~研究所の記憶~第3話
しおりを挟む
研究員たちが集まり、俺の体を調べていた。
「やはり、電気の波動を感じるますね」
「ですが、電気が出せません」
「もしかしたら、奥の潜在的な部分で眠っているのかもしれません。
そこは、何としてでも引き出さなくてはなりません」
「ですが、そんな簡単に引き出せるのですか?
呪文とかも唱えられないみたいですし」
「たしかに、この子の詳しい家系図もわかっていませんし、祖父母の情報がないんですね」
「ということは・・・・?」
「我ら、研究所でも、この子には未知な部分が存在します」
「となると、自然的な方法で能力を引き出すことは、厳しい見込みですか?」
「厳しいってことは本来ならないかもしれませんが、正しい呪文もわからない、本人が能力を自覚していないとなりますと、そのような結果になります」
「そうか。
なら、無理やりにでも、能力を引き出せるようにするしかないな」
俺は、大人たちの会話を聞いていたけれど、何のことを言われているのかよくわからなかった。
幼い俺には、難しい内容でしかないのか、俺の方に研究所内での情報が共有されていないから、よくわからないのか。
だけど、いやな予感しかしなかった。
「君は、学校を休学しなさい」
研究員の一人が、俺の目を見て、そう言った。
「え?」
「君は、一度も留年することなく、進学を続けて、年上の人たちに囲まれている状態だ。
なら、一年や二年ぐらい、休学しても何の問題もないはずだ」
「はい・・・・?」
「中学一年生の学級なら、十年は休学してもいいくらいだ」
俺は喜んでいいのか、反応に困った。
「では、明日から休学しよう」
「はい」
俺は、この時は、あいつらに会わなくていいんだという安堵感もあった。
不安になるとしたら、これから、何が起こるのかわからないということだ。
この日から、俺は勉強をしなくなった。
休学が決まったんだし、勉強をしなくていいように感じたから。
次の日になると、研究員に言われた通りに、白い台の上に横になり、ベルトみたいなもので体を巻かれた。
そして、電気が流れた。
俺は、悲鳴をあげた。
「これは、まだ弱い方ですよ」
それでも、痛いものは痛かった。
「まだ、覚醒する様子がありません。
もっと、強い電気を流し込んだ方がいいかもしれません」
電気が止められ、俺は研究員に、体のあちこちに吸盤みたいなものをつけられた。
「お願いです、なんでもしますから、痛いのだけはやめてください!」
幼い俺は、必死に助けを求める気持ちで叫んだ。
「だめだ、能力を覚醒するまでは解放できない。
解放するまでは、電気をひたすら流し込む。
それしかないんだ」
「能力を解放する方法を自力で探します。
ですので、解放してください!」
「やはり、電気の波動を感じるますね」
「ですが、電気が出せません」
「もしかしたら、奥の潜在的な部分で眠っているのかもしれません。
そこは、何としてでも引き出さなくてはなりません」
「ですが、そんな簡単に引き出せるのですか?
呪文とかも唱えられないみたいですし」
「たしかに、この子の詳しい家系図もわかっていませんし、祖父母の情報がないんですね」
「ということは・・・・?」
「我ら、研究所でも、この子には未知な部分が存在します」
「となると、自然的な方法で能力を引き出すことは、厳しい見込みですか?」
「厳しいってことは本来ならないかもしれませんが、正しい呪文もわからない、本人が能力を自覚していないとなりますと、そのような結果になります」
「そうか。
なら、無理やりにでも、能力を引き出せるようにするしかないな」
俺は、大人たちの会話を聞いていたけれど、何のことを言われているのかよくわからなかった。
幼い俺には、難しい内容でしかないのか、俺の方に研究所内での情報が共有されていないから、よくわからないのか。
だけど、いやな予感しかしなかった。
「君は、学校を休学しなさい」
研究員の一人が、俺の目を見て、そう言った。
「え?」
「君は、一度も留年することなく、進学を続けて、年上の人たちに囲まれている状態だ。
なら、一年や二年ぐらい、休学しても何の問題もないはずだ」
「はい・・・・?」
「中学一年生の学級なら、十年は休学してもいいくらいだ」
俺は喜んでいいのか、反応に困った。
「では、明日から休学しよう」
「はい」
俺は、この時は、あいつらに会わなくていいんだという安堵感もあった。
不安になるとしたら、これから、何が起こるのかわからないということだ。
この日から、俺は勉強をしなくなった。
休学が決まったんだし、勉強をしなくていいように感じたから。
次の日になると、研究員に言われた通りに、白い台の上に横になり、ベルトみたいなもので体を巻かれた。
そして、電気が流れた。
俺は、悲鳴をあげた。
「これは、まだ弱い方ですよ」
それでも、痛いものは痛かった。
「まだ、覚醒する様子がありません。
もっと、強い電気を流し込んだ方がいいかもしれません」
電気が止められ、俺は研究員に、体のあちこちに吸盤みたいなものをつけられた。
「お願いです、なんでもしますから、痛いのだけはやめてください!」
幼い俺は、必死に助けを求める気持ちで叫んだ。
「だめだ、能力を覚醒するまでは解放できない。
解放するまでは、電気をひたすら流し込む。
それしかないんだ」
「能力を解放する方法を自力で探します。
ですので、解放してください!」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
氷漬けになったこの世界で
野うさぎ
ファンタジー
これは、主人公が自分を見つけるための物語。
この小説はなろう、カクヨム、エブリスタ、魔法のアイランド、野いちご、ベリーズカフェなどでも投稿されています。
はてなブログやライブドアブログというブログにも掲載しています。
異世界勇者~それぞれの物語~
野うさぎ
ファンタジー
この作品は、異世界勇者~左目に隠された不思議な力は~の番外編です。
※この小説はカクヨム、なろう、エブリスタ、野いちご、ベリーズカフェ、魔法のアイランドでも投稿しています。
ライブドアブログや、はてなブログにも掲載しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
異世界勇者~左目に隠された不思議な力は~
野うさぎ
ファンタジー
水属性の肩まで長い緑髪を持つ主人公の名は、ブオテジオーネ。
本人に自覚はないが、お人好しのために、若干の憑かれ体質だった。
氷の天罰を受けたりと、牛姫のムーウ、三匹の馬嬢、口から下が赤いリボンで巻かれたリボンちゃん、無の天罰を受けて透明人間へと化かしたラストリー、水の天罰の神様のワッサー、雷の天罰の神様のテュネーなどの個性豊かな者たちに守護されたブオテジオーネは、薄い緑髪を持つクォーターエルフの勇者の予言を受けた第四王女ニーノの護衛をするが、後に王様による嘘の予言だと発覚する。
この後は、本物の勇者である、背中まで長い薄い紫髪を持つリコルドを護衛しての旅が始まろうとしていたが、兵士に囲まれ、王様の気まぐれと魔力により、リコルドの護衛がブリオテジオーネを守護していた者たちに変えられてしまい、勇者パーティーを追放されてしまった。
勇者の護衛も解雇となり、守護する者たちがいなくなってしまったことに、これからどうしていけばいいのかと戸惑うものの、そこで青髪の勇者嬢が手を差し伸べてくれてー。
勇者と異世界転移した一般人の先が読めない物語。
※この作品は、なろう、カクヨム、エブリスタ、魔法のアイランド、野いちご、ベリーズカフェでも投稿しています。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる