41 / 46
4章 カリマとエリオン
39 勇者の幸せ、女の幸せ
しおりを挟む
カリマがラサ村を出て四年が経った。
ラサ村の少女はいつしか、六人の男達に引けを取らぬ戦士となった。
セオドアは、エリオンと親密に振る舞うカリマを睨みつけたが、戦闘における苦情は、控えるようになった。
エリオンは、正しい歴史を伝える者として、史師と崇められた。カリマたちエリオンに付き従う七人の戦士は、勇者と呼ばれた。
史師の教えは大陸中に広まり、人々は聖王と聖妃の愛を讃える。フランツ老が彫った聖妃の木像は、ゴンドレシアの教会に元からあった聖王像のとなりに、置かれるようになった。
大陸のほとんどの領地は、ネクロザールから取り返した。人々は勇者たちに祈り、夜明けを待ち続ける。
エリオンは、勇者たちに告げた。
「世界は正しい姿を取り戻しつつある。ネクロザールの支配地は、もはやエレアのみ!」
史師は笑みを浮かべる。
「これからは長い戦いとなる……みな、故郷へ戻るなり、大切な者に会うなり、各々憂いを断ち切ってから、進もうではないか」
セオドアは、反論した。
「いや、一気に攻めるべきです。私は魔王を滅ぼすまで、父母をはじめ一族の墓前に顔を見せない、と誓いました。ここで止まれば、魔王軍が勢力を取り戻し、攻め込んでくるかもしれません」
しかしエリオンは、セオドアの意見を退ける。
「私はお前たちに悔いなく生きてほしい。各領地は、お前たちの授けた策で、万全の態勢を取っている。万が一王軍が攻めても、案ずることはない」
話し合いの末、セオドアとニコス、そして幼い時からエリオンに従っていたジュゼッペ少年は、史師の元に留まり、カリマたち残り四人の勇者は、故郷に一時帰還することとなった。
村の館で勇者たちは帰り支度を始める。カリマは、魔法使いの少年を呼び止めた。
「ジュゼッペは、帰らなくていいの?」
ジュゼッペ少年は成長し、小柄なカリマと同じ背丈となった。
「僕のいるエレアは、ネクロザールの国だから……」
「そうか。ごめん……」
この四年間、ジュゼッペから討伐隊に加わった理由は聞いていない。
「僕さあ、小さい時から竜が見えて、どんな魔法も使えたんだ」
「羨ましいなあ」
「魔王は、魔法使いが好きなんだ」
「うん、魔王は何人魔法使いを抱えてるんだろ。やつらの魔法攻撃はきついよね。ジュゼッペ君のおかげで、助かってるよ」
カリマは最近の戦いを思い出す。本拠地エレアに近づくにつれ、魔王軍の魔法使いに苦しめられることが多くなってきた。
戦いの最中、いきなり炎の嵐が吹き荒れる。ジュゼッペが水の魔法で打ち消してくれなければ、セオドアですら立ち向かうことはできない。
「だから僕、子供の時、魔王軍にさらわれたんだ。それで将軍たちに言われるまま、魔法を使った。いっぱい燃やしたよ……家も人も」
カリマは顔を覆った。この少年と出会ったとき、まだ九歳だった。
思わず女は、ジュゼッペを抱きしめる。
「カリマ姉ちゃん、恥ずかしいからやめて」
ジュゼッペは、カリマの腕から抜け出した。
「ああ、ごめん」
小さい時から一緒なのでカリマはつい子供扱いするが、彼は十三歳の少年だ。
「僕、言われる通りに魔法を使うのがだんだん嫌になって、魔王軍を抜けて村に帰ったんだ……でも」
カリマは唇を引き締める。もし幸せに暮らしていたなら、この子はここにいるはずがない。
「僕が戻った時、村はもう炎に包まれて……村長さんも父ちゃんも母ちゃんも、みんな焼けて死んだ」
再びカリマはジュゼッペを硬く抱きしめる。
「やめてよ」
「だって、だって」
幼い身で軍を脱走したら、愛する者たちは皆、消えてしまった。どれほどの絶望が、子供を苦しめたことか。
「ジュゼッペ、教えてくれて、ありがとう」
「忘れてたけど、このエレアに戻って、少し思い出した」
ジュゼッペは、エリオンから炎の魔法を禁じられている。それは、村ごと炎に滅ぼされた辛い記憶が蘇るからだろう。
ジュゼッペは「恥ずかしいから」とカリマの腕から抜け出した。
カリマは「ごめんね。もう君は子供じゃないよね」と笑った。
ふと女勇者は、前から気になっていたことを、少年に尋ねる。
「もしかしてジュゼッペは、ネクロザールを見たことがあるの?」
「一度だけ。あまり覚えてないけど、すごく偉そうなおじさんだった。あ、声はかっこよかったよ。褒められて頭を撫でられたかも」
魔王軍に攫われたこの少年は、言われるがまま魔法を使い、戦で手柄を立てたのだろう。魔王が直々に子供を讃えるほど。
「大きな杖を持っていて、昔の人みたいな服着てた」
ネクロザールは、自らを聖王アトレウスの生まれ変わりと偽っている。昔風の服装は、聖王を真似したのだろう。
エリオンが言うには、聖王の時代、ゴンドレシア大陸には多くの魔法使いがいたようだ。
特異な力によって王となる魔法使いもいたが、彼らはしばしば己の力におごり領民を苦しめた。
聖王アトレウスは領民を救うため、善なる魔法使いを従えて、悪の魔法使いを討伐したと言われる。
「小さな子供をさらって魔法戦士にさせるなんて……絶対に聖王様の生まれ変わりのはずない!」
聖王アトレウスが本当に蘇れば、偽りの王ネクロザールを倒そうとするはずだ。
勇者たちが故郷に戻る前夜、カリマとエリオンは、村長の用意した部屋で荷を整えていた。
「エリオン様が故郷に帰るように言ってくれたのって、あたしのため?」
「お前だけのためではないが、カリマがあの青年に想いを残すのは不憫だからな」
カリマは途端に顔を赤らめた。
「エリオン様! あたし言ったよね! マルセルはただの幼馴染だって!」
「今にも泣き出しそうな顔が、何よりの証だ」
史師は、美しく成長した女勇者の頬に指を滑らす。
「……私は、誰ひとり失いたくない。しかし、命を保証してやることはできぬ。だからお前には、ひとときでも女の幸せを知ってほしいのだ」
カリマは耳まで真っ赤に染めて俯いた。
「あ、あたしはもう充分幸せだよ。エリオン様に会えて、魔王軍をやっつけ、町や村の人たち、みんな喜んでくれて……」
そっとエリオンはカリマを抱き寄せる。
「それは勇者としての幸せだ。が、女の幸せとは、想う男と添い遂げることだろう?」
「じゃ、じゃあ、エリオン様こそ幸せにならないと!」
カリマの身から温かさが遠のいた。顔を上げるとエリオンが、悲しげに眉を寄せている。
「お前は優しいな。が、私はもう、そのような幸せはいらぬ」
「もう? じゃあ、エリオン様はひとときでも、女として幸せだったの?」
「カリマ!」
師匠は目を釣り上げた。が、怒りは寂しげな微笑みに転ずる。
「私のことは気にするな……お前は充分我らと共に戦った。故郷に戻ってマルセルと夫婦になり、我らが魔王を討ち果たす日を待つがよい」
「冗談じゃないよ!」
今度はカリマが目を釣り上げる。
「あたしが逃げると思うな! 姉ちゃんの仇を討つまで、あたしはみんなと一緒だ!」
「わかった。では二月後に、この村で待っているからな」
月光が、女二人の笑顔を優しく照らした。
ジュゼッペを含めてここに集う勇者がみな、魔王に苦しめられた。
カリマは常にエリオンの傍にいるが、未だに、彼女が討伐隊を結成するまでどんな過去があったのか、聞かされていない。
(もしかしてエリオン様、好きな人を魔王軍に殺された?)
二か月後、カリマは約束通り、エレアのはずれの村に帰ってきた。
エリオンはカリマに会った途端、顔を曇らせた。
夜、館の部屋で二人きりになると、いきなり断言された。
「お前、マルセルと夫婦にならなかったのか?」
「エリオン様! あたし怒るよ!」
「いいのか? 二度とマルセルに会えなくても……今からでもラサ村に帰るがいい」
「いい加減にして! ねえ、もしホアキンがエリオン様と結婚したいって言ったら、どうする?」
緑色の目が大きく開かれる。宿の時間が止まった。
「……それは絶対にあり得ないから、答えようがない」
「あたしも同じだよ。大好きな人が目の前で殺され、助けず逃げ出したことを悔やんでる人に、言えないよ……奥さんになりたいなんて」
エリオンは、カリマの背中を優しくさすった。
「……すまなかった……」
「ううん、あたしこそごめんなさい……へへ、エリオン様に怒鳴ったなんてニコスに知られたら、槍でぶっ刺されるね」
魔王ネクロザールの本拠地を前にして、女二人は笑いあった。
ラサ村の少女はいつしか、六人の男達に引けを取らぬ戦士となった。
セオドアは、エリオンと親密に振る舞うカリマを睨みつけたが、戦闘における苦情は、控えるようになった。
エリオンは、正しい歴史を伝える者として、史師と崇められた。カリマたちエリオンに付き従う七人の戦士は、勇者と呼ばれた。
史師の教えは大陸中に広まり、人々は聖王と聖妃の愛を讃える。フランツ老が彫った聖妃の木像は、ゴンドレシアの教会に元からあった聖王像のとなりに、置かれるようになった。
大陸のほとんどの領地は、ネクロザールから取り返した。人々は勇者たちに祈り、夜明けを待ち続ける。
エリオンは、勇者たちに告げた。
「世界は正しい姿を取り戻しつつある。ネクロザールの支配地は、もはやエレアのみ!」
史師は笑みを浮かべる。
「これからは長い戦いとなる……みな、故郷へ戻るなり、大切な者に会うなり、各々憂いを断ち切ってから、進もうではないか」
セオドアは、反論した。
「いや、一気に攻めるべきです。私は魔王を滅ぼすまで、父母をはじめ一族の墓前に顔を見せない、と誓いました。ここで止まれば、魔王軍が勢力を取り戻し、攻め込んでくるかもしれません」
しかしエリオンは、セオドアの意見を退ける。
「私はお前たちに悔いなく生きてほしい。各領地は、お前たちの授けた策で、万全の態勢を取っている。万が一王軍が攻めても、案ずることはない」
話し合いの末、セオドアとニコス、そして幼い時からエリオンに従っていたジュゼッペ少年は、史師の元に留まり、カリマたち残り四人の勇者は、故郷に一時帰還することとなった。
村の館で勇者たちは帰り支度を始める。カリマは、魔法使いの少年を呼び止めた。
「ジュゼッペは、帰らなくていいの?」
ジュゼッペ少年は成長し、小柄なカリマと同じ背丈となった。
「僕のいるエレアは、ネクロザールの国だから……」
「そうか。ごめん……」
この四年間、ジュゼッペから討伐隊に加わった理由は聞いていない。
「僕さあ、小さい時から竜が見えて、どんな魔法も使えたんだ」
「羨ましいなあ」
「魔王は、魔法使いが好きなんだ」
「うん、魔王は何人魔法使いを抱えてるんだろ。やつらの魔法攻撃はきついよね。ジュゼッペ君のおかげで、助かってるよ」
カリマは最近の戦いを思い出す。本拠地エレアに近づくにつれ、魔王軍の魔法使いに苦しめられることが多くなってきた。
戦いの最中、いきなり炎の嵐が吹き荒れる。ジュゼッペが水の魔法で打ち消してくれなければ、セオドアですら立ち向かうことはできない。
「だから僕、子供の時、魔王軍にさらわれたんだ。それで将軍たちに言われるまま、魔法を使った。いっぱい燃やしたよ……家も人も」
カリマは顔を覆った。この少年と出会ったとき、まだ九歳だった。
思わず女は、ジュゼッペを抱きしめる。
「カリマ姉ちゃん、恥ずかしいからやめて」
ジュゼッペは、カリマの腕から抜け出した。
「ああ、ごめん」
小さい時から一緒なのでカリマはつい子供扱いするが、彼は十三歳の少年だ。
「僕、言われる通りに魔法を使うのがだんだん嫌になって、魔王軍を抜けて村に帰ったんだ……でも」
カリマは唇を引き締める。もし幸せに暮らしていたなら、この子はここにいるはずがない。
「僕が戻った時、村はもう炎に包まれて……村長さんも父ちゃんも母ちゃんも、みんな焼けて死んだ」
再びカリマはジュゼッペを硬く抱きしめる。
「やめてよ」
「だって、だって」
幼い身で軍を脱走したら、愛する者たちは皆、消えてしまった。どれほどの絶望が、子供を苦しめたことか。
「ジュゼッペ、教えてくれて、ありがとう」
「忘れてたけど、このエレアに戻って、少し思い出した」
ジュゼッペは、エリオンから炎の魔法を禁じられている。それは、村ごと炎に滅ぼされた辛い記憶が蘇るからだろう。
ジュゼッペは「恥ずかしいから」とカリマの腕から抜け出した。
カリマは「ごめんね。もう君は子供じゃないよね」と笑った。
ふと女勇者は、前から気になっていたことを、少年に尋ねる。
「もしかしてジュゼッペは、ネクロザールを見たことがあるの?」
「一度だけ。あまり覚えてないけど、すごく偉そうなおじさんだった。あ、声はかっこよかったよ。褒められて頭を撫でられたかも」
魔王軍に攫われたこの少年は、言われるがまま魔法を使い、戦で手柄を立てたのだろう。魔王が直々に子供を讃えるほど。
「大きな杖を持っていて、昔の人みたいな服着てた」
ネクロザールは、自らを聖王アトレウスの生まれ変わりと偽っている。昔風の服装は、聖王を真似したのだろう。
エリオンが言うには、聖王の時代、ゴンドレシア大陸には多くの魔法使いがいたようだ。
特異な力によって王となる魔法使いもいたが、彼らはしばしば己の力におごり領民を苦しめた。
聖王アトレウスは領民を救うため、善なる魔法使いを従えて、悪の魔法使いを討伐したと言われる。
「小さな子供をさらって魔法戦士にさせるなんて……絶対に聖王様の生まれ変わりのはずない!」
聖王アトレウスが本当に蘇れば、偽りの王ネクロザールを倒そうとするはずだ。
勇者たちが故郷に戻る前夜、カリマとエリオンは、村長の用意した部屋で荷を整えていた。
「エリオン様が故郷に帰るように言ってくれたのって、あたしのため?」
「お前だけのためではないが、カリマがあの青年に想いを残すのは不憫だからな」
カリマは途端に顔を赤らめた。
「エリオン様! あたし言ったよね! マルセルはただの幼馴染だって!」
「今にも泣き出しそうな顔が、何よりの証だ」
史師は、美しく成長した女勇者の頬に指を滑らす。
「……私は、誰ひとり失いたくない。しかし、命を保証してやることはできぬ。だからお前には、ひとときでも女の幸せを知ってほしいのだ」
カリマは耳まで真っ赤に染めて俯いた。
「あ、あたしはもう充分幸せだよ。エリオン様に会えて、魔王軍をやっつけ、町や村の人たち、みんな喜んでくれて……」
そっとエリオンはカリマを抱き寄せる。
「それは勇者としての幸せだ。が、女の幸せとは、想う男と添い遂げることだろう?」
「じゃ、じゃあ、エリオン様こそ幸せにならないと!」
カリマの身から温かさが遠のいた。顔を上げるとエリオンが、悲しげに眉を寄せている。
「お前は優しいな。が、私はもう、そのような幸せはいらぬ」
「もう? じゃあ、エリオン様はひとときでも、女として幸せだったの?」
「カリマ!」
師匠は目を釣り上げた。が、怒りは寂しげな微笑みに転ずる。
「私のことは気にするな……お前は充分我らと共に戦った。故郷に戻ってマルセルと夫婦になり、我らが魔王を討ち果たす日を待つがよい」
「冗談じゃないよ!」
今度はカリマが目を釣り上げる。
「あたしが逃げると思うな! 姉ちゃんの仇を討つまで、あたしはみんなと一緒だ!」
「わかった。では二月後に、この村で待っているからな」
月光が、女二人の笑顔を優しく照らした。
ジュゼッペを含めてここに集う勇者がみな、魔王に苦しめられた。
カリマは常にエリオンの傍にいるが、未だに、彼女が討伐隊を結成するまでどんな過去があったのか、聞かされていない。
(もしかしてエリオン様、好きな人を魔王軍に殺された?)
二か月後、カリマは約束通り、エレアのはずれの村に帰ってきた。
エリオンはカリマに会った途端、顔を曇らせた。
夜、館の部屋で二人きりになると、いきなり断言された。
「お前、マルセルと夫婦にならなかったのか?」
「エリオン様! あたし怒るよ!」
「いいのか? 二度とマルセルに会えなくても……今からでもラサ村に帰るがいい」
「いい加減にして! ねえ、もしホアキンがエリオン様と結婚したいって言ったら、どうする?」
緑色の目が大きく開かれる。宿の時間が止まった。
「……それは絶対にあり得ないから、答えようがない」
「あたしも同じだよ。大好きな人が目の前で殺され、助けず逃げ出したことを悔やんでる人に、言えないよ……奥さんになりたいなんて」
エリオンは、カリマの背中を優しくさすった。
「……すまなかった……」
「ううん、あたしこそごめんなさい……へへ、エリオン様に怒鳴ったなんてニコスに知られたら、槍でぶっ刺されるね」
魔王ネクロザールの本拠地を前にして、女二人は笑いあった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
会うたびに、貴方が嫌いになる
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。
アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
【短編完結】地味眼鏡令嬢はとっても普通にざまぁする。
鏑木 うりこ
恋愛
クリスティア・ノッカー!お前のようなブスは侯爵家に相応しくない!お前との婚約は破棄させてもらう!
茶色の長い髪をお下げに編んだ私、クリスティアは瓶底メガネをクイっと上げて了承致しました。
ええ、良いですよ。ただ、私の物は私の物。そこら辺はきちんとさせていただきますね?
(´・ω・`)普通……。
でも書いたから見てくれたらとても嬉しいです。次はもっと特徴だしたの書きたいです。
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる