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27 秘密の結婚
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話題が唐突に僕の結婚に変わった。父の質問に、僕の心臓が跳ね返る。
「結婚は延期します。彼女に前世の記憶がある限り、大史司長は結婚を認めないでしょう。しかし……」
拳を握りしめた。父の怒鳴り声に備えて。
「僕はメアリとは別れません。彼女には太子宮の侍女を務めてもらいます」
国王が大きくため息を吐く。全く表情が変わらないので、余計に恐ろしくなる。
「メアリに侍女はさせられない。王太子の婚約者である侍女など、他の侍従や侍女たちが扱いに困るだけだ」
「お願いします! 僕はメアリと共に生きたいんです!」
父の大きな指が、テーブルをトントンと叩く。
「今の若者は、教会で誓う前に共に暮らすとか……太子宮に若い婦人がたまに泊りに来ても、私にはわからないだろうな」
テーブルを叩く音が止まった。
「え? で、では父上」
……公然と一緒に暮らすのは認められないが、いわゆる「秘密の結婚」を黙認するということか。
「世論の変化を踏まえて、大史司長を説得するにしても、お前たちの結婚式まで最低五年は必要だ」
年代物の家具に囲まれた重厚な書斎が、薔薇色に輝きだした。
「父上! 認めてくださるのですか?」
「喜ぶのは早いぞ。頭の固い大史司長の意志を変えるのは難事だ。国民から前世持ちへの偏見を消すのは、さらなる難事だ」
「僕は、何年でも国民の理解が得られる日まで待ちます」
「待つのはお前だけではない。今お前がメアリを手放せば、令嬢は、良縁に恵まれよう。生まれ変わりだろうが、他教徒の富豪に嫁げば問題ない」
薔薇色の輝きに影が差す。僕がメアリを諦めれば、彼女は他の男と普通に幸せになれる……。
いや! メアリが他の男と結ばれ子供を産み、その子を抱き上げ微笑む……そんな未来、僕には耐えられない。
「僕は彼女に、普通にはない幸せを与えてみせます」
本当はそんな自信はない。身勝手だろうが、それでもメアリを離したくない。
「そうか……できれば前世持ちではなく、他の令嬢を選んでほしかったが」
父はクイーンマリーの香りに鼻をくぐらす。と、珍しいことに笑っている。
「しかし父親としては、息子に心から好きな女ができて嬉しく思う。お前に幸せを与えてくれたメアリ嬢には、感謝しかない」
意外であった。父は、僕を「王太子」ではなく「息子」と思っていたのか。
「僕こそ、栄えあるネールガンドに僕を生み、ここまで育ててくださった父上と母上に、感謝しております」
メアリとの婚約発表記者会見をしたとき以上の万能感が、全身を満たした。
僕はソファから腰を上げ、足取り軽く書斎のドアに向かう。
ドアノブに手をかけたところで、父が釘を刺した。
「いいか。教会が認めるまで、子供は絶対に作るな」
騒動から三日経った午後、ペンブルック伯一家が僕を訪ねてきた。
太子宮のこぢんまりとした応接間に入ると、メアリの姿に目が引き寄せられた。
いつも彼女は、紺色の落ち着いた古風なドレスに身を包んでいるが、この日の彼女は、明るいローズ色を軽やかにまとっていた。マラシア大陸風の大柄な花模様をあしらっている。
胸元を広く開けた流行りのデイドレス。白い肌が眩しい。思わず言葉を失う。
セバスチャンが、「殿下」と耳打ちした。
「よく訪ねてきてくれた。メアリ……似合っている」
かすれ声で賛辞を伝えた。
「おかしくないですか? 私、こういう服を着るのは初めてで……」
「きれいだ……」
時間が止まったように見つめあうが、またセバスチャンに耳打ちされ、我に返る。
「伯爵夫妻よ。久しぶりに、ディナーはどうか?」
この宮殿で、夫妻を交えて何度かディナーを取っている。
しかし僕の提案に、伯爵夫妻は困惑しているようだ。
「殿下は、とっくに婚約破棄されてもおかしくない我が娘を気に掛けてくださった。ネールガンドの臣民として、これほど幸福なことはございません」
ペンブルック伯の表情は幸福そうに見えない。
「殿下の温情に漬け込むようで心苦しいのですが、娘が殿下にお伝えしたいことがあるそうです。私どもは下がらせていただきますので」
夫人も頭を下げる。
「勝手ながらお願いします。できることなら、殿下に娘の願いを叶えていただければ幸いです」
メアリは夫妻の中央で身をすぼめ、真っ赤になっている。
近いうちに僕は伯爵夫妻に、メアリとの「秘密の結婚」を願うつもりだった。今日までどのように切り出したらいいか、ずっと頭を巡らせていた。
が、夫妻は娘一人を残して、帰るようだ。
これは……いいのか?
「伯爵よ。その……話し合いが長引いて、その……メアリを明日、伯爵邸に送ることになるかもしれないが……構わないか?」
「勝手ながら申し訳もございません。娘をお願いいたします」
ペンブルック伯は、今にも泣き出しそうだ。
メアリはますます肩をすぼませ俯いている。
この様子だと……メアリが望んでいるのか? 僕と……夜を過ごすことを。
「セバスチャン。今から僕と令嬢のディナーを用意してくれ。それと……令嬢がくつろげるよう客室を整えるように」
僕は、内心の動揺を抑え、努めて冷静に支持をした……つもりだ。
「かしこまりました。準備が整いましたら、お声がけします。それまでこちらでお待ちください」
王太子侍従長は、心得たと頷いた。
誰もいなくなった応接間。メアリと二人きりで過ごすのは二週間ぶりか。
彼女の手を取り、並んでソファに座る。
強く抱きしめ、唇を重ね合わせた。どれほどこの時を待っていたか。
「ま、待ってロバート様」
メアリは腕を突っぱね、逃れようとする。
「すまない。君に会えて嬉しくて、つい……」
焦ることはない。時間はある。明日の朝まで。
「その……あらためてお詫びを申し上げます」
「お詫び? 君は詫びるようなことを、なにもしていないだろう?」
「いいえ、ロバート様。私は、王家に嫁ぐ者として前世を捨てるべきでした。なのに私は前世に執着しとうとう捨てることが叶いませんでした。お詫びのしようもございません」
僕はメアリの頬に指を這わせた。
「言っただろう? 前世を消す必要はないと。いや、君は前世を大切にすべきだ」
「ロバート様はお優しすぎます」
メアリは俯き、身を震わせている。
こんなに愛らしい彼女が、魔王の手先であるはずがない。
生まれ変わりを認める僕は、エリオン教徒失格だろうか? いや、史師エリオンは、人から喜びを奪う方ではない。きっと許してくださるだろう。
「心配することはない。陛下は、結婚式ができるまで待てとおっしゃった」
「え? 陛下が?」
大きな緑色の眼が揺れている。
「正式な結婚まで何年もかかるだろうが、僕らは認められたんだ。子供はそれまでおあずけだけど」
「で、でも、それでは……」
「何年待っても認められなかったら、二人でこの国を出て子供を産めばいい」
「そ、そんな……」
「本当は君と一緒に暮らしたいが、それは難しいようだ。でも、時々君がこの宮に泊まるのは、目を瞑ってくれそうだよ」
メアリの顔を覗き込む。彼女はなぜか、悲しげに眉を寄せている。
やはり伯爵令嬢には、教会が認めない「秘密の結婚」は、抵抗があるのだろうか?
「君が嫌なら無理は言わない。でもこれからも、一緒に時を過ごしたい。そうだ。君の前世の話を聞きたいな」
「ああ、私は……ロバート様、いえ、殿下」
彼女は、突然すっとソファから立ち上がった。
先ほどまでの頼りなげに震えていた女は、どこかへ消えた。
厳かで高貴な伯爵令嬢がそこにいた。
「どうか、私との婚約を破棄してください」
「結婚は延期します。彼女に前世の記憶がある限り、大史司長は結婚を認めないでしょう。しかし……」
拳を握りしめた。父の怒鳴り声に備えて。
「僕はメアリとは別れません。彼女には太子宮の侍女を務めてもらいます」
国王が大きくため息を吐く。全く表情が変わらないので、余計に恐ろしくなる。
「メアリに侍女はさせられない。王太子の婚約者である侍女など、他の侍従や侍女たちが扱いに困るだけだ」
「お願いします! 僕はメアリと共に生きたいんです!」
父の大きな指が、テーブルをトントンと叩く。
「今の若者は、教会で誓う前に共に暮らすとか……太子宮に若い婦人がたまに泊りに来ても、私にはわからないだろうな」
テーブルを叩く音が止まった。
「え? で、では父上」
……公然と一緒に暮らすのは認められないが、いわゆる「秘密の結婚」を黙認するということか。
「世論の変化を踏まえて、大史司長を説得するにしても、お前たちの結婚式まで最低五年は必要だ」
年代物の家具に囲まれた重厚な書斎が、薔薇色に輝きだした。
「父上! 認めてくださるのですか?」
「喜ぶのは早いぞ。頭の固い大史司長の意志を変えるのは難事だ。国民から前世持ちへの偏見を消すのは、さらなる難事だ」
「僕は、何年でも国民の理解が得られる日まで待ちます」
「待つのはお前だけではない。今お前がメアリを手放せば、令嬢は、良縁に恵まれよう。生まれ変わりだろうが、他教徒の富豪に嫁げば問題ない」
薔薇色の輝きに影が差す。僕がメアリを諦めれば、彼女は他の男と普通に幸せになれる……。
いや! メアリが他の男と結ばれ子供を産み、その子を抱き上げ微笑む……そんな未来、僕には耐えられない。
「僕は彼女に、普通にはない幸せを与えてみせます」
本当はそんな自信はない。身勝手だろうが、それでもメアリを離したくない。
「そうか……できれば前世持ちではなく、他の令嬢を選んでほしかったが」
父はクイーンマリーの香りに鼻をくぐらす。と、珍しいことに笑っている。
「しかし父親としては、息子に心から好きな女ができて嬉しく思う。お前に幸せを与えてくれたメアリ嬢には、感謝しかない」
意外であった。父は、僕を「王太子」ではなく「息子」と思っていたのか。
「僕こそ、栄えあるネールガンドに僕を生み、ここまで育ててくださった父上と母上に、感謝しております」
メアリとの婚約発表記者会見をしたとき以上の万能感が、全身を満たした。
僕はソファから腰を上げ、足取り軽く書斎のドアに向かう。
ドアノブに手をかけたところで、父が釘を刺した。
「いいか。教会が認めるまで、子供は絶対に作るな」
騒動から三日経った午後、ペンブルック伯一家が僕を訪ねてきた。
太子宮のこぢんまりとした応接間に入ると、メアリの姿に目が引き寄せられた。
いつも彼女は、紺色の落ち着いた古風なドレスに身を包んでいるが、この日の彼女は、明るいローズ色を軽やかにまとっていた。マラシア大陸風の大柄な花模様をあしらっている。
胸元を広く開けた流行りのデイドレス。白い肌が眩しい。思わず言葉を失う。
セバスチャンが、「殿下」と耳打ちした。
「よく訪ねてきてくれた。メアリ……似合っている」
かすれ声で賛辞を伝えた。
「おかしくないですか? 私、こういう服を着るのは初めてで……」
「きれいだ……」
時間が止まったように見つめあうが、またセバスチャンに耳打ちされ、我に返る。
「伯爵夫妻よ。久しぶりに、ディナーはどうか?」
この宮殿で、夫妻を交えて何度かディナーを取っている。
しかし僕の提案に、伯爵夫妻は困惑しているようだ。
「殿下は、とっくに婚約破棄されてもおかしくない我が娘を気に掛けてくださった。ネールガンドの臣民として、これほど幸福なことはございません」
ペンブルック伯の表情は幸福そうに見えない。
「殿下の温情に漬け込むようで心苦しいのですが、娘が殿下にお伝えしたいことがあるそうです。私どもは下がらせていただきますので」
夫人も頭を下げる。
「勝手ながらお願いします。できることなら、殿下に娘の願いを叶えていただければ幸いです」
メアリは夫妻の中央で身をすぼめ、真っ赤になっている。
近いうちに僕は伯爵夫妻に、メアリとの「秘密の結婚」を願うつもりだった。今日までどのように切り出したらいいか、ずっと頭を巡らせていた。
が、夫妻は娘一人を残して、帰るようだ。
これは……いいのか?
「伯爵よ。その……話し合いが長引いて、その……メアリを明日、伯爵邸に送ることになるかもしれないが……構わないか?」
「勝手ながら申し訳もございません。娘をお願いいたします」
ペンブルック伯は、今にも泣き出しそうだ。
メアリはますます肩をすぼませ俯いている。
この様子だと……メアリが望んでいるのか? 僕と……夜を過ごすことを。
「セバスチャン。今から僕と令嬢のディナーを用意してくれ。それと……令嬢がくつろげるよう客室を整えるように」
僕は、内心の動揺を抑え、努めて冷静に支持をした……つもりだ。
「かしこまりました。準備が整いましたら、お声がけします。それまでこちらでお待ちください」
王太子侍従長は、心得たと頷いた。
誰もいなくなった応接間。メアリと二人きりで過ごすのは二週間ぶりか。
彼女の手を取り、並んでソファに座る。
強く抱きしめ、唇を重ね合わせた。どれほどこの時を待っていたか。
「ま、待ってロバート様」
メアリは腕を突っぱね、逃れようとする。
「すまない。君に会えて嬉しくて、つい……」
焦ることはない。時間はある。明日の朝まで。
「その……あらためてお詫びを申し上げます」
「お詫び? 君は詫びるようなことを、なにもしていないだろう?」
「いいえ、ロバート様。私は、王家に嫁ぐ者として前世を捨てるべきでした。なのに私は前世に執着しとうとう捨てることが叶いませんでした。お詫びのしようもございません」
僕はメアリの頬に指を這わせた。
「言っただろう? 前世を消す必要はないと。いや、君は前世を大切にすべきだ」
「ロバート様はお優しすぎます」
メアリは俯き、身を震わせている。
こんなに愛らしい彼女が、魔王の手先であるはずがない。
生まれ変わりを認める僕は、エリオン教徒失格だろうか? いや、史師エリオンは、人から喜びを奪う方ではない。きっと許してくださるだろう。
「心配することはない。陛下は、結婚式ができるまで待てとおっしゃった」
「え? 陛下が?」
大きな緑色の眼が揺れている。
「正式な結婚まで何年もかかるだろうが、僕らは認められたんだ。子供はそれまでおあずけだけど」
「で、でも、それでは……」
「何年待っても認められなかったら、二人でこの国を出て子供を産めばいい」
「そ、そんな……」
「本当は君と一緒に暮らしたいが、それは難しいようだ。でも、時々君がこの宮に泊まるのは、目を瞑ってくれそうだよ」
メアリの顔を覗き込む。彼女はなぜか、悲しげに眉を寄せている。
やはり伯爵令嬢には、教会が認めない「秘密の結婚」は、抵抗があるのだろうか?
「君が嫌なら無理は言わない。でもこれからも、一緒に時を過ごしたい。そうだ。君の前世の話を聞きたいな」
「ああ、私は……ロバート様、いえ、殿下」
彼女は、突然すっとソファから立ち上がった。
先ほどまでの頼りなげに震えていた女は、どこかへ消えた。
厳かで高貴な伯爵令嬢がそこにいた。
「どうか、私との婚約を破棄してください」
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