読書感想文

三浦しをん『月魚』

感想-1

角川文庫
微妙によくわからないあらすじじゃねぇかこれは(またかよ)。

これ、長野作品同様、初の三浦しをん作品でした。

いまや何十回読んだかわからんくらい読みすぎて、文庫カバーと本屋でくれる紙カバーがぼろっくそで、このあらすじを書く際に開いたら、マジで凄くぼろくて「カバー大丈夫か、破けてないか？」という感じ。

確か2000年くらいに発売だったんすよね、これ。三浦しをん第二作目で、全然売れてない時代の三浦しをん作品。文学賞すら全然狙えなかったやつですが。

実は私の中でBEST OF 1冊、多分一番好きな小説なんです。私に影響を及ぼしたNo.1作家の、No.1小説。

今思い返せばこれもJUNE系。しかし学生時代はそもそもそっち系の言葉を知らなかったので、後にBLと言われ二次創作出来まくりだったとき、純粋にわからんかった。わからんかったが二次創作読んじゃうくらい好きな小説。

こうね、色んな作家を読んで行けば、この頃の三浦さんが何故文学賞を取れないか、まぁわかるんですよ。
ただねぇ、もう自由に書いているなぁ、あぁもう好きなんだなこの人、書くことが。みたいなのを読み解ける。文学賞は二の次です！みたいな(笑)

直木を取った「まほろ駅前多田便利軒」以降、若干大衆文学じみてきましたが、その辺の作品から三浦さんを読み始めた方には是非とも、デビュー当時の作品も薦めたい。中でも「月魚」。JUNE系だけあって賛否両論ですが、私にはぴたっとハマった一冊です。

三浦しをんさんの思いはまずここまでとして、月魚。

文庫を推したのには理由があり、文庫書き下ろしが実はありまして。
文庫書き下ろしがないと、小説家変態教師の話で締め括られています(笑)これ若干、私には不完全燃焼感が残っちゃう。

あのー、三浦さんを読んでね、「人物描写」って考えさせられたんすよね。

生きてるねぇ。

「物語」もありますが、なにより「人物」とは別の物として一人歩きが出来る、そんな書き方が出来てるなと思いまして尊敬なんですよね(笑)

あの、二次創作推奨らしいんですが、初めて三浦さんが月魚二次創作を発見したさい、「きっと二人も喜んでるんじゃないかなぁ」みたいな感想をエッセイで書いていて、
酷く他人行儀だな(笑)と思ったと同時に、
「あぁ、三浦さんの手から真志喜と瀬名垣は離れているんだな」と思いました。

いや、つらつら書きましたが内容ね。