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Somebody else_?
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「あの子、学校でどうなの?君と一年も喋らなかったみたいだけど」
「え、あ、はぁ…」
ぐっと引っ張られ、目線が合う。
彼は…先程までは全く見せなかった、意地の悪いような口元の笑いで「これからも見守ってやってね?」と、まるで呪詛のように囁いた。
パッと離し、また人の良さそうな作り笑顔で「ごめんね、広いから迷わず帰ってね」と手を振り家に戻って行った。
…いや、迷うも何も目の前、門ですやん…。
けどずっと感じていた。この家に入った瞬間からだ。
なんだろうか、この違和感は。なんだか、示唆…いや、誇示…いや、喧嘩を売られたような気分だな。
考えてもみろ、今日初めて話したクラスメートが心配して送りに来るとか、あり得るかっつーの、直前まで元気だったわけだし。
なんだか…あの目が救いを求めていたような気がしてきた。
悪いな、マモル。
そう思いながら洸太はふと、屋敷内、いうてバカデカいわけでもない。一周くらいは散歩でもして帰ろうと思い付いた。
なんか気に入らねぇんだよ、全部が。
多分ずっと、抱き続けていた感情だ。
俺は公園で思ったんだ。なんで、誰か一人くらい声を掛けない、お前も言わない、親もどうしてんだよ、と。
一周するまでもなかった。
その部屋は玄関からさっきの客間、そして曲がった一番端にあった。
窓から見える勉強机の上には、精巧に作られたアンティークの人形がポツンと置いてある。
側に掛けられた葵の制服。
鏡に映った横向きのベッドの背凭れには、まるで人形のような感情のない顔をした葵が、あの青いドレスを着てただ座っている。
隣には、ウサギか何かの…古いぬいぐるみ。でも、新しい服が着せられていた。
それらが平衡感覚を狂わせる。
丁度、あの父親が入ってきたようだ。
綻ぶような笑顔で「似合うじゃないか葵」と葵の側に寄るのが見えそうで、洸太は思わずその場にしゃがみ込んだ。
明かりの影でわかる、父親はベッドの人形に自然な動作で馬乗り、「ピンヒールもいいな」と言った。
あのドレスの他に合わせてあったのはヒールだが丸っこかった。だからより、他はドレスよりもロリータ服感があったのだ。
影が、腰元あたりでしゅっと紐を抜く音。
そういえばリボンがついていたな、それが引き抜かれ手が差し伸べられている。
葵がその手に手を乗せると、衣擦れの音がする、多分手を拘束したのだ、それをまたリボンにし、父が葵に抱きつく影と、ジッパーの音がした。
洸太は徐々に、そう、現象が見える位置に自分が移動をしていることに気付いた。
「…パッドが、」と言う小さい声「こっちの方がいいか?」と言う父親が胸あたりを指でグリグリしているのまでが視界に入る。
葵が顔を歪め「痛い、」と顔を背けるのに、「だろ?」と、父が葵の胸元から何かをぺりっと剥がしたのが見えた。
「赤くなってる、針、抜けてないかな?」
剥がした…シールのようなものを眺めた父が「うん、大丈夫だな」とその白い胸元に顔を近付けた瞬間、ふと、葵と目が合ってしまった。
彼は明らかにこちらへにやっと笑い、物言わずそのリボンが付いた手を…下に伸ばしたのは確認出来た。
父は夢中で「良い子だね、可愛いね」と早口で言い葵を舐め回している、それは聴覚でもわかるもので。
ドレスは剥がれ落ちて行く、白くて…本当に人形のような姿だった。胸はないし女ほど肉感もない身体。
物も言わない、表情は変えないが少しずつ赤みがかってくるその様は綺麗で、本能か、洸太のズボンはキツくなっていく。
ふと父の顔が、丁度スカートの根本あたりに埋められると、葵はスカートの裾でそれを隠し「お父さん、見ない方が、」と恥じらいと焦りの声を上げたが「喋んなっつってんだろうが!!!」と、びっくりした、あの紳士じみた父の印象が一気に崩れた瞬間だ。
それにビクッとした葵を他所に、エセ紳士は猫撫で声でスカートをめくり「ダメじゃないか、パンティが取れそうだ」と葵を見つめている。
それが無言の合図なのか、葵は初めて動いた、変態親父を背にしてベッドの背凭れを掴む。
変態親父は、スカートの中からひゅっと…所謂女性の紐パンを放り投げ、自身も恐らく、股間を出した背中。
手元は見えないが多分、葵の中を弄っているのだろう、動かず声も上げない葵が背凭れを力強く握っているのが見える。
「あのコウタくん?が選んだやつにしたんだね、」
それからまるで煽るように、沢山の卑猥な言葉を吐き出す変態ジジイ。
男ならわかる、変態ジジイが焦点を合わせゆっくりぐっと彼の中に焦れったく、少し時間をかけて入り込んで行き、葵が背凭れに頭を擦り付け俯いた。
洸太は前後不覚悟状態でその壁に凭れ、自分も抜きながら葵が「やっぱ、少年はキツくていいな、」だの「お前もそうだよな?」だの……極めつけは「そんなにあの、“コウタくん”が…選んでくれたやつ、気に入った?」だのと…最早罵倒されているのを聞いている。
ギシギシと心が軋む。
葵の耐えた息遣いが、微かに聞こえる。歯を噛む音すら聞こえそうで。
『こうちゃん、こうちゃん、』
無邪気に…可愛らしい笑顔でいたあの子がと、滲んでにじり消されて行く。
また手を差し伸べれば良いだろ、声を掛ければ良いだろう、でも、あの後こうなっているんだよ…。
倫理観が弾け飛ぶ音がして背筋が寒くなって行く。はぁはぁと涙まで零れ、洸太は一人ぐっと、膝を抱えた。
「え、あ、はぁ…」
ぐっと引っ張られ、目線が合う。
彼は…先程までは全く見せなかった、意地の悪いような口元の笑いで「これからも見守ってやってね?」と、まるで呪詛のように囁いた。
パッと離し、また人の良さそうな作り笑顔で「ごめんね、広いから迷わず帰ってね」と手を振り家に戻って行った。
…いや、迷うも何も目の前、門ですやん…。
けどずっと感じていた。この家に入った瞬間からだ。
なんだろうか、この違和感は。なんだか、示唆…いや、誇示…いや、喧嘩を売られたような気分だな。
考えてもみろ、今日初めて話したクラスメートが心配して送りに来るとか、あり得るかっつーの、直前まで元気だったわけだし。
なんだか…あの目が救いを求めていたような気がしてきた。
悪いな、マモル。
そう思いながら洸太はふと、屋敷内、いうてバカデカいわけでもない。一周くらいは散歩でもして帰ろうと思い付いた。
なんか気に入らねぇんだよ、全部が。
多分ずっと、抱き続けていた感情だ。
俺は公園で思ったんだ。なんで、誰か一人くらい声を掛けない、お前も言わない、親もどうしてんだよ、と。
一周するまでもなかった。
その部屋は玄関からさっきの客間、そして曲がった一番端にあった。
窓から見える勉強机の上には、精巧に作られたアンティークの人形がポツンと置いてある。
側に掛けられた葵の制服。
鏡に映った横向きのベッドの背凭れには、まるで人形のような感情のない顔をした葵が、あの青いドレスを着てただ座っている。
隣には、ウサギか何かの…古いぬいぐるみ。でも、新しい服が着せられていた。
それらが平衡感覚を狂わせる。
丁度、あの父親が入ってきたようだ。
綻ぶような笑顔で「似合うじゃないか葵」と葵の側に寄るのが見えそうで、洸太は思わずその場にしゃがみ込んだ。
明かりの影でわかる、父親はベッドの人形に自然な動作で馬乗り、「ピンヒールもいいな」と言った。
あのドレスの他に合わせてあったのはヒールだが丸っこかった。だからより、他はドレスよりもロリータ服感があったのだ。
影が、腰元あたりでしゅっと紐を抜く音。
そういえばリボンがついていたな、それが引き抜かれ手が差し伸べられている。
葵がその手に手を乗せると、衣擦れの音がする、多分手を拘束したのだ、それをまたリボンにし、父が葵に抱きつく影と、ジッパーの音がした。
洸太は徐々に、そう、現象が見える位置に自分が移動をしていることに気付いた。
「…パッドが、」と言う小さい声「こっちの方がいいか?」と言う父親が胸あたりを指でグリグリしているのまでが視界に入る。
葵が顔を歪め「痛い、」と顔を背けるのに、「だろ?」と、父が葵の胸元から何かをぺりっと剥がしたのが見えた。
「赤くなってる、針、抜けてないかな?」
剥がした…シールのようなものを眺めた父が「うん、大丈夫だな」とその白い胸元に顔を近付けた瞬間、ふと、葵と目が合ってしまった。
彼は明らかにこちらへにやっと笑い、物言わずそのリボンが付いた手を…下に伸ばしたのは確認出来た。
父は夢中で「良い子だね、可愛いね」と早口で言い葵を舐め回している、それは聴覚でもわかるもので。
ドレスは剥がれ落ちて行く、白くて…本当に人形のような姿だった。胸はないし女ほど肉感もない身体。
物も言わない、表情は変えないが少しずつ赤みがかってくるその様は綺麗で、本能か、洸太のズボンはキツくなっていく。
ふと父の顔が、丁度スカートの根本あたりに埋められると、葵はスカートの裾でそれを隠し「お父さん、見ない方が、」と恥じらいと焦りの声を上げたが「喋んなっつってんだろうが!!!」と、びっくりした、あの紳士じみた父の印象が一気に崩れた瞬間だ。
それにビクッとした葵を他所に、エセ紳士は猫撫で声でスカートをめくり「ダメじゃないか、パンティが取れそうだ」と葵を見つめている。
それが無言の合図なのか、葵は初めて動いた、変態親父を背にしてベッドの背凭れを掴む。
変態親父は、スカートの中からひゅっと…所謂女性の紐パンを放り投げ、自身も恐らく、股間を出した背中。
手元は見えないが多分、葵の中を弄っているのだろう、動かず声も上げない葵が背凭れを力強く握っているのが見える。
「あのコウタくん?が選んだやつにしたんだね、」
それからまるで煽るように、沢山の卑猥な言葉を吐き出す変態ジジイ。
男ならわかる、変態ジジイが焦点を合わせゆっくりぐっと彼の中に焦れったく、少し時間をかけて入り込んで行き、葵が背凭れに頭を擦り付け俯いた。
洸太は前後不覚悟状態でその壁に凭れ、自分も抜きながら葵が「やっぱ、少年はキツくていいな、」だの「お前もそうだよな?」だの……極めつけは「そんなにあの、“コウタくん”が…選んでくれたやつ、気に入った?」だのと…最早罵倒されているのを聞いている。
ギシギシと心が軋む。
葵の耐えた息遣いが、微かに聞こえる。歯を噛む音すら聞こえそうで。
『こうちゃん、こうちゃん、』
無邪気に…可愛らしい笑顔でいたあの子がと、滲んでにじり消されて行く。
また手を差し伸べれば良いだろ、声を掛ければ良いだろう、でも、あの後こうなっているんだよ…。
倫理観が弾け飛ぶ音がして背筋が寒くなって行く。はぁはぁと涙まで零れ、洸太は一人ぐっと、膝を抱えた。
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