27 / 48
ノットイコール
7
しおりを挟む
考えていたら「おい、どうぞ」と江崎が戻ってきた。
ぼんやり考え事をしながらシャワーを借りる。中出しされた残りももう少し綺麗にした。それに、無になりそう。
自分があまりにふらっと帰ってきたのかもしれない、「逆上せたか」と言われて「ふん、」とそぞろになる。
そのまま江崎の側に座り、考え事をしていると「何考えてんの」と聞かれ、我に返った。
「…なんだろう」
「複雑だよなぁ、お前って」
がしがしと頭を撫でられ、イライラしたようにがっつりとキスをされた。
「戻って来いよ」
はっとすれば次は、まるで溶かすような甘いキスで、「俺抱きたいって言ったと思うんだけど」と、キラキラした目がそこにある。
「どーしてセックス以外で身を預けられないわけ?いつも」
「俺って、なんなんだろ、」と言ったら言ったで二口食べられ喋れない、腰が抜けそうだなと思った絶妙なタイミングでキャッチされ、ぐいっと立たされる。
結局ベッドへ押し倒された。
じっと眺めながら上を脱がされると、腕に痕がついていた。
それを伏し目で眺めた江崎は動きを一度止め、首筋に来てはぁぁ、と息を抑えている。
身体を触り、脱ぎながら「何された」と聞く江崎の声は、驚きの低さだった。
それは、腹に響く声。
「どんな、ことを」
「……縛られて……髪の毛、を、掴まれて、」
身体を甘やかすようなキス。
ゆっくり、じっとり、少し怖い。いつもより焦れったくソフトタッチで。
「最悪だな」
まるで、大切な、壊れそうなものを扱うような…そんな愛撫の仕方。
「…新さんは…いつも、こうやって、女の子を抱くの?」
「は?」
更に脱がされ、足に触れた江崎は「……足も震えてんじゃん」と、温度は変えない音声、忌々しそうだと感じて。
いつの間にか下へ下へ…そして、熱くなりかけたそれをなぜる熱い舌に、一気に溶けそう。身体が、頭が、もう、自分は形など保てない、捩れる、それで良いと痺れるのに。
「イっ……けない、」
「…お前は女じゃないからなぁっ」
ゆっくり、その状態が続きっぱなしになった。
辛い、どうしてか、もう、なんだっていいよ、身悶える。壊してくれと願うのに。
「お前が一番長くなるし、」
「……確かに、いつも、長い…」
「体力差かなぁ。
それが…いつまでもって、たまに思うよ」
側に寄り、「全く」と噛むようなキス。
「素直で可愛くて仕方ねぇよな、」
痛そうだな、ゆっくりなと、淡々と解されていくのに「…も、大丈夫、だから、」とつい急かす。
「ずっと、イキそうでっ、」
「一番…感度は、良好だ」
喉を撫でる癖。
躊躇うようにぐっと入ってきたそれに「うぅっ、」と声が出る。痛みも少し染み、多分軽くイッた。
急に息が苦しくなっていく。
「苦しそうよな、お前」
そう言う本人だって、はぁはぁ、と息を切らしている。
「やっべぇっ、…イキそ、」
江崎がそれで更にぐっと、まるで包み込むように頭を抱え、抱擁を強くしてきた。
あぁ、気持ちい。
…あぁ、死にたい。
背筋が震えて「はぁっ、」と声が出てしまった。
「お前とは、ねぇ」
見つめ合う、互いに息は切れ切れなのに、どうしようもなく感情が溢れ、自然とキスをする。
「一緒に、イケんのがいいんだわ、……おんなじ、感情で、身体で、どっちがどっちかわかんねぇのが、マジで、」
目がしょぼしょぼしてくる、一気に雪崩れ込むような眠気に、「…はくじょ、で、ごめん、」とだけは伝えられた。
ぐっと、暖かい感情に包まれる。
息が収まったかどうか、わからない。
けれど次に意識がぼんやり…起きてくれば「あ、起きた?」と、江崎はソファでタバコを吸っていた。
それほど時間は経っていなさそう。
「悪ぃ、気が散るから電源切ったけど、平良からめっちゃ着信来てんぞ」
「…忘れて」
たっ。
急に起きてしまった、がんっと鋭い頭痛と耳鳴りに、「うぅっ…」と頭を抱える羽目になる。
「あーあー急に起きるな」
タバコを揉み消した江崎が、飲んでいたペットボトルを持ち帰り「マジ怖ぇぞ、恐怖の数字だぞ」と側に腰掛けた。
大きな背中の、龍の刺青。
指でなぞると「くすぐってぇなぁ!」と江崎が身を捩らせる。
「思ってたけど、タトゥー似合ってない」
「うるっせぇわ、刺青と言え」
「セイさんなら薬を差し出せばダイジョブですよきっと。連絡するの忘れたから新さんに埋められたとでも…俗っぽいとこあるから、あの人」
「その通りだなっ、ははっ、マトリのくせにバカだなあいつも」
「連絡なしはなかったけど…うーん…電源入れるのヤだな…。
でも、無音よりはましですよね…きっと」
「…無音?」
頭を撫でてくる江崎に「話してませんでしたっけ?」と言いながら水を催促すると、口移ししてくれた。
「退学になったヤツ…なんだけど。半井が家来たってやつ」
「…自殺の件?」
「そう。半井はドラム」
「……あいつか!あいつが無音?」
「いや俺。学校欠席したから。混濁してて、多分通話は押したらしく…そんで、入院した」
「…………あ、うん言ってた言ってたやっぱ自殺の件だな、あぁうんそうだったな、」
なんか、変な反応。
「…その反応…やっぱり言ってませんでしたか?」
「え、」
「調べました?」
「…ぇええ、まぁ、はい」
「まぁいいですよ。
あれよりましだと思うんだけど…セイさんこんな人だったんだ…」
「…お前らって、付き合ってる認識?」
「いや、」
「だよなぁ。付き合ってたら真っ直ぐお家に帰るわなぁ」
「…あの人俺も新さんもおもちゃだと思ってますよ」
「なるほど。子供っておもちゃ失くすと泣くもんな」
寒かったのか、布団に倒され抱き締められる。
抱き締め返し、「龍、捕獲」と甘えれば「全く、」と、江崎は笑ってくれた。
ぼんやり考え事をしながらシャワーを借りる。中出しされた残りももう少し綺麗にした。それに、無になりそう。
自分があまりにふらっと帰ってきたのかもしれない、「逆上せたか」と言われて「ふん、」とそぞろになる。
そのまま江崎の側に座り、考え事をしていると「何考えてんの」と聞かれ、我に返った。
「…なんだろう」
「複雑だよなぁ、お前って」
がしがしと頭を撫でられ、イライラしたようにがっつりとキスをされた。
「戻って来いよ」
はっとすれば次は、まるで溶かすような甘いキスで、「俺抱きたいって言ったと思うんだけど」と、キラキラした目がそこにある。
「どーしてセックス以外で身を預けられないわけ?いつも」
「俺って、なんなんだろ、」と言ったら言ったで二口食べられ喋れない、腰が抜けそうだなと思った絶妙なタイミングでキャッチされ、ぐいっと立たされる。
結局ベッドへ押し倒された。
じっと眺めながら上を脱がされると、腕に痕がついていた。
それを伏し目で眺めた江崎は動きを一度止め、首筋に来てはぁぁ、と息を抑えている。
身体を触り、脱ぎながら「何された」と聞く江崎の声は、驚きの低さだった。
それは、腹に響く声。
「どんな、ことを」
「……縛られて……髪の毛、を、掴まれて、」
身体を甘やかすようなキス。
ゆっくり、じっとり、少し怖い。いつもより焦れったくソフトタッチで。
「最悪だな」
まるで、大切な、壊れそうなものを扱うような…そんな愛撫の仕方。
「…新さんは…いつも、こうやって、女の子を抱くの?」
「は?」
更に脱がされ、足に触れた江崎は「……足も震えてんじゃん」と、温度は変えない音声、忌々しそうだと感じて。
いつの間にか下へ下へ…そして、熱くなりかけたそれをなぜる熱い舌に、一気に溶けそう。身体が、頭が、もう、自分は形など保てない、捩れる、それで良いと痺れるのに。
「イっ……けない、」
「…お前は女じゃないからなぁっ」
ゆっくり、その状態が続きっぱなしになった。
辛い、どうしてか、もう、なんだっていいよ、身悶える。壊してくれと願うのに。
「お前が一番長くなるし、」
「……確かに、いつも、長い…」
「体力差かなぁ。
それが…いつまでもって、たまに思うよ」
側に寄り、「全く」と噛むようなキス。
「素直で可愛くて仕方ねぇよな、」
痛そうだな、ゆっくりなと、淡々と解されていくのに「…も、大丈夫、だから、」とつい急かす。
「ずっと、イキそうでっ、」
「一番…感度は、良好だ」
喉を撫でる癖。
躊躇うようにぐっと入ってきたそれに「うぅっ、」と声が出る。痛みも少し染み、多分軽くイッた。
急に息が苦しくなっていく。
「苦しそうよな、お前」
そう言う本人だって、はぁはぁ、と息を切らしている。
「やっべぇっ、…イキそ、」
江崎がそれで更にぐっと、まるで包み込むように頭を抱え、抱擁を強くしてきた。
あぁ、気持ちい。
…あぁ、死にたい。
背筋が震えて「はぁっ、」と声が出てしまった。
「お前とは、ねぇ」
見つめ合う、互いに息は切れ切れなのに、どうしようもなく感情が溢れ、自然とキスをする。
「一緒に、イケんのがいいんだわ、……おんなじ、感情で、身体で、どっちがどっちかわかんねぇのが、マジで、」
目がしょぼしょぼしてくる、一気に雪崩れ込むような眠気に、「…はくじょ、で、ごめん、」とだけは伝えられた。
ぐっと、暖かい感情に包まれる。
息が収まったかどうか、わからない。
けれど次に意識がぼんやり…起きてくれば「あ、起きた?」と、江崎はソファでタバコを吸っていた。
それほど時間は経っていなさそう。
「悪ぃ、気が散るから電源切ったけど、平良からめっちゃ着信来てんぞ」
「…忘れて」
たっ。
急に起きてしまった、がんっと鋭い頭痛と耳鳴りに、「うぅっ…」と頭を抱える羽目になる。
「あーあー急に起きるな」
タバコを揉み消した江崎が、飲んでいたペットボトルを持ち帰り「マジ怖ぇぞ、恐怖の数字だぞ」と側に腰掛けた。
大きな背中の、龍の刺青。
指でなぞると「くすぐってぇなぁ!」と江崎が身を捩らせる。
「思ってたけど、タトゥー似合ってない」
「うるっせぇわ、刺青と言え」
「セイさんなら薬を差し出せばダイジョブですよきっと。連絡するの忘れたから新さんに埋められたとでも…俗っぽいとこあるから、あの人」
「その通りだなっ、ははっ、マトリのくせにバカだなあいつも」
「連絡なしはなかったけど…うーん…電源入れるのヤだな…。
でも、無音よりはましですよね…きっと」
「…無音?」
頭を撫でてくる江崎に「話してませんでしたっけ?」と言いながら水を催促すると、口移ししてくれた。
「退学になったヤツ…なんだけど。半井が家来たってやつ」
「…自殺の件?」
「そう。半井はドラム」
「……あいつか!あいつが無音?」
「いや俺。学校欠席したから。混濁してて、多分通話は押したらしく…そんで、入院した」
「…………あ、うん言ってた言ってたやっぱ自殺の件だな、あぁうんそうだったな、」
なんか、変な反応。
「…その反応…やっぱり言ってませんでしたか?」
「え、」
「調べました?」
「…ぇええ、まぁ、はい」
「まぁいいですよ。
あれよりましだと思うんだけど…セイさんこんな人だったんだ…」
「…お前らって、付き合ってる認識?」
「いや、」
「だよなぁ。付き合ってたら真っ直ぐお家に帰るわなぁ」
「…あの人俺も新さんもおもちゃだと思ってますよ」
「なるほど。子供っておもちゃ失くすと泣くもんな」
寒かったのか、布団に倒され抱き締められる。
抱き締め返し、「龍、捕獲」と甘えれば「全く、」と、江崎は笑ってくれた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
首輪 〜性奴隷 律の調教〜
M
BL
※エロ、グロ、スカトロ、ショタ、モロ語、暴力的なセックス、たまに嘔吐など、かなりフェティッシュな内容です。
R18です。
ほとんどの話に男性同士の過激な性表現・暴力表現が含まれますのでご注意下さい。
孤児だった律は飯塚という資産家に拾われた。
幼い子供にしか興味を示さない飯塚は、律が美しい青年に成長するにつれて愛情を失い、性奴隷として調教し客に奉仕させて金儲けの道具として使い続ける。
それでも飯塚への一途な想いを捨てられずにいた律だったが、とうとう新しい飼い主に売り渡す日を告げられてしまう。
新しい飼い主として律の前に現れたのは、桐山という男だった。
学校の脇の図書館
理科準備室
BL
図書係で本の好きな男の子の「ぼく」が授業中、学級文庫の本を貸し出している最中にうんこがしたくなります。でも学校でうんこするとからかわれるのが怖くて必死に我慢します。それで何とか終わりの会までは我慢できましたが、もう家までは我慢できそうもありません。そこで思いついたのは学校脇にある市立図書館でうんこすることでした。でも、学校と違って市立図書館には中高生のおにいさん・おねえさんやおじいさんなどいろいろな人が・・・・。「けしごむ」さんからいただいたイラスト入り。
HalcyoN
二色燕𠀋
BL
夫の死を夢で知り海岸に行くと、海に1体の死体が漂っていた。
それが夫であると悟り、夫のもとに行こうと、いつの間にか鳥になっていた。
by アルキュオネー(ウィキペディアより少しいじり転載)
別編:TransienT
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。
ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。
だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる