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本編
~Girls side~第13話
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秋になって、以前言っていた大輝の学力テストの時期になった。
大輝と朋美は仲睦まじく、二人でテストを受けに行っているはずだ。
嫉妬することはないが、羨ましいと思う感情はある。
私も行けば良かった。
テストそのものは無駄だけど二人と過ごす時間は無駄じゃない。
三人の絆は、結ばれることによりかなり強固なものになったと思う。
しかし、最近になって少し気になることがある。
それは、行為に及ぶ際に大輝が浮かない顔をすることが多くなったことだ。
私、もしかして臭いかな。
試しに自分で嗅いでみたりしたが、自分じゃわからない。
じゃあ朋美が?
大輝が席を外した時に、二人でお互いのを嗅ぎ合うという奇妙なプレイに及んだこともあったが、特にそういうこともなかった。
だとすると、大輝自身の問題ということになる。
いや、断定するのは早計かもしれない。
しかし私たちに不満を持っているという様には見えなかったのだが、希望的観測とも言えなくはないか。
自惚れは身を滅ぼすこともあるのだ。
簡単に言うなら、大輝の興が乗らない状態というのが見て取れるという感じ。
心から楽しんで行為に臨んでいる様には見えず、大輝のそれも元気がない。
今のところ中断したりということはなかったが、これから先もそうとは限らない。
中断するところまで行くとさすがに、由々しき事態と言える。
私の最近の悩みは専らこれだった。
今日は大輝と朋美が二人で出かけるというのを事前に聞いていたし、朋美にはそれとなく原因を探ってもらう様頼んでおいた。
『手応えは十分だと思う。ありがとう春海』
大輝からメールがくる。
まぁ、予定通りだ。
大輝はやれば出来る子。
あの必死さ、一生懸命さが輝きの源だ。
『当然でしょ。誰が教えてると思ってるの』
敢えて素っ気なく返す。
素っ気ない文面を見ても、大輝は私が喜んでいることをわかっているだろう。
さて、これで恐らく夕方か夜までは大輝からの連絡も、朋美からの連絡も来ないだろう。
二人は今頃デートしてるだろうし。
大輝のことを、神界で相談してみることにする。
ベッド横たわって、意識を手放して魂の一部を抜き取った。
「スルーズか、こんなに頻繁に来るとは珍しいな」
ご無沙汰でも頻繁にきても珍しいって、どうしたらいいのか。
「今日はちょっと用事がね。フレイヤが何処にいるか知ってる?」
ヘイムダルは掃除の手を止め、思案する。
「一週間ほど前に、一度ノルンと話しているのを見かけたな。それ以来見ていない気がする」
「そうか、邪魔したね」
私はそそくさとヴァルハラに行く。
わからないと言ってる者を相手にしていても埒があかない。
「あれ、スルーズ?またきたんだ?どうかしたの?」
ノルンも私を珍しいと言う。
まぁ、行ったっきりの代名詞みたいな扱いになってるんだろう。
「こんにちは、ノルン。フレイヤを探してるんだけど、何処にいるか知ってる?」
「ああ、こないだきたよ?世間話して帰ってったけど。フレイヤに相談?」
「うん。ノルンでもわかるならそれでもいいんだけどさ」
「何何?言ってみそ」
みそ、ってちょっと古いよ。
今日日使ってる人を見ない。
「率直に言うけど、セックスって週何回くらいするのが理想的なの?」
「は?セックス?」
ノルンが固まる。
「そう、セックス。こないだあの体でやっと……」
「ちょちょちょ、ちょっと待って!スルーズ開けっぴろげすぎだよ!女子力低いと思う!!」
「別に恥ずかしいことじゃないじゃん。元はただの生殖行為なんだし」
「そうだけど、今は性の象徴というか究極というか……ああ、だからフレイヤなの?フレイヤは愛の女神だけど……ああ、エロスの象徴でもあったっけ」
明らかに狼狽した様子のノルンだったが、すぐに元の顔色に戻ってフレイヤの居場所をサーチする。
「えーと、あれ、ノーアトゥーンにいるみたい。何でまた……」
ノーアトゥーン?
船造ってるとこだよね、確か。
「珍しいとこにいるね。まぁいっか、それだけわかれば十分。ありがとう」
ノルンに礼を言い、ノーアトゥーンへワープする。
ここからだと結構距離あるし、のんびり飛んでる時間はない。
巨大な船が、海に浮かんでいる。
港に停泊している無数の船。
これだけ見ると何処かに攻め込むのか?なんて印象を受けるが、そうではない。
船で優雅にディナーを、みたいな文化はこっちにもある。
祭りだとか、神同士の懇親会みたいな催しに使ったりもする。
そういう船を、ここノーアトゥーンでまとめて作っているのだ。
「ん?スルーズ?珍しい」
私の姿を見つけた豊饒神ニョルズが声をかけてきた。
むさい中年の風貌の彼だが、見た目と裏腹に中身はかなり繊細に出来ている。
悪口を言おうものなら、その場で号泣してしまうほどに。
「久しぶり。いきなりでごめんだけど、フレイヤいる?ノルンがここにいるって教えてくれたんだけど」
「ああ、館にいるよ。会っていくよね?」
「入っていい?中の物には触らない様にするから」
「ははは、そうしてくれ」
以前……と言ってもかなり前だがニョルズの館に入った時、船を見ていたのだが、その珍しさからつい船に手を触れてしまったことがあった。
繊細な素材で作られた、人や神が乗る為に作られたものではない、言わば展示用の船は、私の力に耐えられず粉々になった、という経緯がある。
「ああああああ…俺の二百年の努力が粉に……」
酷く落胆して涙を零すニョルズが気の毒になり、覚えている限り同じものをさっと作ってみせたが、本人は納得しなかった。
「大丈夫……また作ればいいさ……時間はいくらでもあるからね」
涙目で笑うニョルズにそれ以上言及することも出来ず、それ以来ノーアトゥーンにはきていなかった。
ニョルズは私を館に誘う。
ノックとかしたらこのドア消し飛んだりしないかな、なんて心配をしていたら、ニョルズがドアを開けた。
「フレイヤ、お客さんだよ」
居間でお茶を飲んでいたフレイヤが、私を見て目を丸くした。
「スルーズ?私に用事なの?」
「そうなんだ……ここで話して大丈夫かな、この件」
「もしかして、あっちな感じの用事?」
「うん。主に夜の運動会的な」
「下品な言い回しだけど、私結構好きよ」
フレイヤは笑って館を出る。
私もそれに倣ってフレイヤに着いて行った。
ニョルズはどういう話になるのか理解したらしく、フレイヤの飲んでいたお茶を片付け始めた様だ。
館から少し離れて、海辺に二人で腰掛ける。
「で?どうしたの?」
フレイヤが私を見た。
相変わらず綺麗だなぁ。
かつて男を虜にしまくった美の女神。
愛の女神であり、エロスの象徴とも言われたその美貌は今も変わっていない。
「えーとね」
私は、フレイヤに全部説明した。
最近大輝が元気がないことなど。
「ふーん、その坊や…まだ十四歳だっけ?スルーズ、いつからショタ趣味になったの?」
「いやいや、向こうじゃ同い年だから。こっちの物差しで言われたら、向こうの人間なんか父親の睾丸の中にすらいない計算だよ」
「なるほど、そういう楽しみ方もあるか。で、彼がセックスに前向きでない理由、だったわね」
「うん。何か心当たりない?」
「そうねぇ……考えられるとしたら……不安、かしらね」
「不安…」
「セックスは元々生殖行為でしょ?子孫を残す為の本能行動よね」
「そうだね」
快楽を伴う生殖行為。
それゆえ、長年人間の間でセックスの研究が成されてきている。
「彼は今の段階では快楽よりも、責任感とか不安が勝ってしまっているんじゃないかな」
年頃的にそう考えてるのは致し方ないのかもしれない。
となれば、やはり吐き出させるしかないか。
「もっとも、私ならありとあらゆる快楽を教え込んであげることも出来るわよ、その坊やに」
淫靡な雰囲気を漂わせるフレイヤ。
エロの百科事典みたいな女だ。
確かにそれも可能なんだろう。
「フレイヤ。あんたが被虐趣味の持ち主だったなんてね…忠告しとくけど、そんなことしたら…暫くそんな淫らな妄想が出来ない様ぶっ壊すから」
淫靡なオーラを、私の漆黒のオーラが飲み込む。
「や、やだわぁ、冗談に決まってるじゃない。本気にしないでよぉ」
フレイヤは私の怖さを十分知っている。
昔、フレイヤが私の男にちょっかいをかけた事があった。
男は頑として応じなかったが、フレイヤは割としつこくアプローチをかけていたらしい。
私みたいな脳筋にはバレない、などと高をくくっていた様だが、見事に私にバレた。
密告者がいたのだ。
そのとき、私はフレイヤに怒りをそのままぶつけ、フレイヤの肉体が髪の毛数本を残して消滅した。
再生するのに二五〇年近くかかったと言っていたかな。
今度はその程度では済まさない。
「随分前のことだけど、覚えてるよね?もちろん相談に乗ってくれたことには感謝するよ。けど、あの子に手を出すなら……」
フレイヤは恐怖で固まっている。
「全ての恩を忘れて、お前を叩き潰す」
「わ、わかってるから。大丈夫よ。あなたの性格はこれでもわかってるつもりよ。媚びるつもりはないけど、そっち方面の相談ならいつでも受けるわよ」
怯えるフレイヤの頭をポンポンと叩き、ニコリと笑う。
「ありがと。いつかあんたの相手してもいいと思ってるよ、私は。今のパーティーには女の子もいるしね」
そう言って私はヴァルハラに戻った。
「フレイヤには会えた?」
ノルンが声をかけてくる。
「ああ、会えたよ。あの子に手を出す様なこと言ってたから脅かしといたけど」
「さっきの冷気、やっぱスルーズだったのね……」
その様子を見ていたのか想像したのか、ノルンは苦笑いを浮かべた。
「それより、向こうで何か深刻なことになってるっぽいけど、戻らなくて大丈夫?」
話を聞く傍らで向こうの様子を探ってくれていたのか。
本当に頭が下がる思いだ。
「ありがと。この礼はまたいつかね」
「そんなのいいよ、頑張ってね」
現実世界に戻ると、朋美からメールがきていた。
『大輝が理由話し始めてる。今どこ?』
割と切迫してるみたいだ。
電車じゃ間に合わない。
無駄に長居しすぎたな。
手早く鞄を整えて靴を履き、意識を集中する。
あんまり使いたくなかったけど、ワープするしかないか。
大輝の気配を探ると、朋美が大輝の近くにいることがわかった。
「よし」
部屋から私の姿がかき消える。
いつの間に出かけたのかとママから聞かれそうだが、言い訳は後で考えよう。
目を開けると、そこは公園だった。
大輝と朋美がベンチに座っているのが見えた。
どうやら私は、大輝の背後にワープしたらしい。
「実際満足できるほど楽しめてなかったってのはある。気が乗らなかったのも事実だ。結局俺は、その後のこととか考えてビビっちゃってるんだと思う」
まだ話途中らしく、聞き逃した部分はあとで朋美から聞いても問題なさそうだ。
「まぁ、子供とか出来たら、ってのは私も考えることあるけど……」
朋美も大輝の話を聞いて、思うところはある様だった。
私みたいなとんでもチート能力を持っている相手がいるから二人にそういう心配はないのだが、もちろんそれを明かす訳にはいかない。
不安にさせてしまっている原因は私にもあるのだ。
「本当にごめん」
大輝が謝り、沈黙が支配する。
フレイヤが言ってたことは、概ね当たりだった。
さすがはエロ女神。
今後も頼りにさせてもらおう。
「話は、わかった。そんな心配までしてくれてたなんて、そんな風に思わせていたなんて、ごめんなさい」
大輝に声をかける。
私の位置が掴めていないのか、キョロキョロしている。
朋美も同様だった。
二人がこっちに気付く。
「春海……」
どちらからともなく言う。
安堵した表情の朋美と、驚愕の表情の大輝。
「いつからそこにいたんだ?」
「ごめんね、大輝が話し始める、割と最初からだね」
うっそでーす。
ノルンが教えてくれなかったら、今も多分この体は眠り続けてるはずだ。
「敵わねぇなぁ」
ごめんね、本当のことまだ言う訳にいかないんだ。
「本当は、報告聞いてお疲れ様会でも、って思ってきてみたの。あと、もう一つ謝らないといけないことがあるんだけど」
「謝ること?」
怪訝そうな顔をする。
「実はね、大輝がさっき言ってたこと、気付いてた。だから朋美から探りを入れてもらう様に頼んだの。私だと核心突いちゃって、大輝から全てを引き出す結果にならないと思って。それだと大輝自身が吐き出せないから、吐き出せる様にって」
取って付けた様な理由だと思ったが、大輝は信用してくれた様だった。
少し良心が痛む。
「そうだったのか……」
深く考え込む大輝。
今まさに大輝も朋美も騙している私こそ、反省するべきではある。
「ごめん、春海。覚悟決めたとか言っといて、あんなこと」
ああ、もう謝らないで……。
顔には出さないけど罪悪感で潰されちゃう。
「大輝が優しいことは知っていたし、ある程度心配してくれているのはわかってた。けど、ちょっと想定外な範囲だったってだけなんだよね」
「うん、それに……私たちの覚悟に、無理やりついて来て、なんて言うことはしないよ?」
朋美が続く。
朋美だって、相当な覚悟を持ってこの関係に至ったはずだ。
「俺、どうしたら良いんだ?」
本当にわからないんだろうか。
もう答えは出てそうな気がするけど。
「大輝は、どうしたいの?」
けど今日ばっかりは甘えも許してあげよう。
「大輝はさ、自分のことなんて二の次なんだよね、いつも」
自己犠牲みたいなのに憧れるお年頃ではあるのだろう。
けど、それが美しいと感じるのは他人事だからだ。
実際近しい間柄の人間にそれをやられると、見ている方は気が気じゃない。
「自分のことを大事に出来ない人に、誰かを心から大事にすることは出来ないよ?」
私は、大輝の足りない部分を補おうと思った。
「他人を大事にするにはさ、結局自分がある程度万全である必要があると思わない?」
誰かを守るにせよ、見守るにせよ、どちらにしても本人がちゃんとしていなければ成立しない。
「それにね、大輝は理性的であろうと、自分を押し殺そうとしてるみたいだけど、その実すっごい我が儘なんだよ?気付いてる?」
多分これは大輝には気付いていない部分だと思う。
彼の我が儘な部分。
それは、自分が納得しないことは楽しめない。
最悪やらない。
「心外って顔してる。けどね、大輝ってさ、自分が納得してないことは絶対しないでしょ。あ、勘違いしないでね?責めてるんじゃないの」
それはそれで立派なことではある。
流されて生きるよりは、ずっといいと私も思う。
「もちろん、理解があるつもりだから私たちはそれに合わせていけるけど、そうじゃない人もいるとは思う。今知り合ってないだけで。納得する暇もなく、前に進まないといけないことだって、これからいくらでも出てくるよ」
納得どころか、考える余裕すらないことだってあるだろう。
そうした時に、自分自身を嫌いになってしまったりしない様に。
「それが、一線超えることに繋がったわけだね」
私は頷き、大輝を見る。
「大輝の言う様に、リスクは伴うよね。私たち女の子の側の負担も大きいとは思う、そうなるときは」
妊娠とかも、男側の理解があったとしても実際に負担を負うのは女だ。
「そこが、一番の問題で、俺の不安材料ではあるな」
「んー……というかね、そうなったら逃げちゃいそうな自分自身が不安なんじゃない?違う?」
大輝は基本的に逃げないタイプだ。
しかし、自分の常識や信念が通用しない場合。
どうすることも出来ないと気付いてしまったその時。
恐らく彼は逃げてしまう。
ただ、彼は少し思い違いをしている。
「逃げちゃっても、いいと私は思う」
ふっと笑って大輝に言う。
朋美も、え?って顔をしている。
「は?良いわけないだろ?」
当然の、決まりきった返しが来る。
「まぁ聞いてよ。だって、私が大輝を、逃がすと思う?」
ふふん、と大輝を見下ろす。
大輝は唖然としたが、すぐにはっとした。
「地の果てまでだって追いかけるし、それこそ逃げ回る間に休む暇なんか与えないもん。そしたら体力勝負で絶対大輝は私に捕まるよ。そうでしょ?」
追いかけっこになれば、たとえ天地がひっくり返ろうと大輝は私に敵わない。
何処に逃げようと、私が彼を見逃したりはしない。
「それにね」
私は、大輝の近くに行って大輝の頭を抱きかかえた。
「私が、大輝を離すわけないじゃない。言ったでしょ?大輝は私の人生の全部だって」
大輝の息が熱を持った。
少し、胸の辺りに湿り気を感じた。
大輝が泣いているのがわかる。
「ごめんね、不安にさせて。もっと早く言ってあげるべきだったよね」
頭を抱えたまま、その頭を撫でる。
私の反対側から朋美も、大輝の頭を抱く。
「何かあっても、三人なら乗り越えられるって、私は今でも思ってるよ」
大輝の嗚咽が聞こえてくる。
私たちは、それが聞こえないフリをしながら頭を撫でつけていた。
こうして大輝の不安は氷解して行った。
「さて、じゃ改めて」
「まずは学力テスト、お疲れ様!」
私と朋美の仕切りでお疲れ様会を開催する。
大輝がここまで頑張ってくれたこと、とても嬉しく思う。
私は前もってパパに、会場の手配をお願いしておいた。
パパの会社の系列のホテルの一室を貸してくれることになり、好きに使っていいと言うことになった。
三人がそれぞれに好きなものを食べて、多少の歓談を楽しむ。
「大輝、もう大丈夫?」
私は飲み物をテーブルに置き、大輝の腕にしがみつく。
少しびっくりして目を丸くしていた。
「ああ、大丈夫だよ。本当、ありがとう」
爽やかな表情で答える大輝。
これから何が起こるのか、わかってないんだろうな。
「朋美、大丈夫だってさ」
目配せをすると、朋美も大輝にしがみついた。
「よーし」
「え?」
二人で大輝を抱えて、ベッドに放り込む。
私も朋美も、飢えた獣の様な顔になっている。
怯えた様子を一瞬見せていたが、観念してウェルカムなエサになった。
これからは思う存分楽しめることだし、もう遠慮はしない。
大輝と朋美は仲睦まじく、二人でテストを受けに行っているはずだ。
嫉妬することはないが、羨ましいと思う感情はある。
私も行けば良かった。
テストそのものは無駄だけど二人と過ごす時間は無駄じゃない。
三人の絆は、結ばれることによりかなり強固なものになったと思う。
しかし、最近になって少し気になることがある。
それは、行為に及ぶ際に大輝が浮かない顔をすることが多くなったことだ。
私、もしかして臭いかな。
試しに自分で嗅いでみたりしたが、自分じゃわからない。
じゃあ朋美が?
大輝が席を外した時に、二人でお互いのを嗅ぎ合うという奇妙なプレイに及んだこともあったが、特にそういうこともなかった。
だとすると、大輝自身の問題ということになる。
いや、断定するのは早計かもしれない。
しかし私たちに不満を持っているという様には見えなかったのだが、希望的観測とも言えなくはないか。
自惚れは身を滅ぼすこともあるのだ。
簡単に言うなら、大輝の興が乗らない状態というのが見て取れるという感じ。
心から楽しんで行為に臨んでいる様には見えず、大輝のそれも元気がない。
今のところ中断したりということはなかったが、これから先もそうとは限らない。
中断するところまで行くとさすがに、由々しき事態と言える。
私の最近の悩みは専らこれだった。
今日は大輝と朋美が二人で出かけるというのを事前に聞いていたし、朋美にはそれとなく原因を探ってもらう様頼んでおいた。
『手応えは十分だと思う。ありがとう春海』
大輝からメールがくる。
まぁ、予定通りだ。
大輝はやれば出来る子。
あの必死さ、一生懸命さが輝きの源だ。
『当然でしょ。誰が教えてると思ってるの』
敢えて素っ気なく返す。
素っ気ない文面を見ても、大輝は私が喜んでいることをわかっているだろう。
さて、これで恐らく夕方か夜までは大輝からの連絡も、朋美からの連絡も来ないだろう。
二人は今頃デートしてるだろうし。
大輝のことを、神界で相談してみることにする。
ベッド横たわって、意識を手放して魂の一部を抜き取った。
「スルーズか、こんなに頻繁に来るとは珍しいな」
ご無沙汰でも頻繁にきても珍しいって、どうしたらいいのか。
「今日はちょっと用事がね。フレイヤが何処にいるか知ってる?」
ヘイムダルは掃除の手を止め、思案する。
「一週間ほど前に、一度ノルンと話しているのを見かけたな。それ以来見ていない気がする」
「そうか、邪魔したね」
私はそそくさとヴァルハラに行く。
わからないと言ってる者を相手にしていても埒があかない。
「あれ、スルーズ?またきたんだ?どうかしたの?」
ノルンも私を珍しいと言う。
まぁ、行ったっきりの代名詞みたいな扱いになってるんだろう。
「こんにちは、ノルン。フレイヤを探してるんだけど、何処にいるか知ってる?」
「ああ、こないだきたよ?世間話して帰ってったけど。フレイヤに相談?」
「うん。ノルンでもわかるならそれでもいいんだけどさ」
「何何?言ってみそ」
みそ、ってちょっと古いよ。
今日日使ってる人を見ない。
「率直に言うけど、セックスって週何回くらいするのが理想的なの?」
「は?セックス?」
ノルンが固まる。
「そう、セックス。こないだあの体でやっと……」
「ちょちょちょ、ちょっと待って!スルーズ開けっぴろげすぎだよ!女子力低いと思う!!」
「別に恥ずかしいことじゃないじゃん。元はただの生殖行為なんだし」
「そうだけど、今は性の象徴というか究極というか……ああ、だからフレイヤなの?フレイヤは愛の女神だけど……ああ、エロスの象徴でもあったっけ」
明らかに狼狽した様子のノルンだったが、すぐに元の顔色に戻ってフレイヤの居場所をサーチする。
「えーと、あれ、ノーアトゥーンにいるみたい。何でまた……」
ノーアトゥーン?
船造ってるとこだよね、確か。
「珍しいとこにいるね。まぁいっか、それだけわかれば十分。ありがとう」
ノルンに礼を言い、ノーアトゥーンへワープする。
ここからだと結構距離あるし、のんびり飛んでる時間はない。
巨大な船が、海に浮かんでいる。
港に停泊している無数の船。
これだけ見ると何処かに攻め込むのか?なんて印象を受けるが、そうではない。
船で優雅にディナーを、みたいな文化はこっちにもある。
祭りだとか、神同士の懇親会みたいな催しに使ったりもする。
そういう船を、ここノーアトゥーンでまとめて作っているのだ。
「ん?スルーズ?珍しい」
私の姿を見つけた豊饒神ニョルズが声をかけてきた。
むさい中年の風貌の彼だが、見た目と裏腹に中身はかなり繊細に出来ている。
悪口を言おうものなら、その場で号泣してしまうほどに。
「久しぶり。いきなりでごめんだけど、フレイヤいる?ノルンがここにいるって教えてくれたんだけど」
「ああ、館にいるよ。会っていくよね?」
「入っていい?中の物には触らない様にするから」
「ははは、そうしてくれ」
以前……と言ってもかなり前だがニョルズの館に入った時、船を見ていたのだが、その珍しさからつい船に手を触れてしまったことがあった。
繊細な素材で作られた、人や神が乗る為に作られたものではない、言わば展示用の船は、私の力に耐えられず粉々になった、という経緯がある。
「ああああああ…俺の二百年の努力が粉に……」
酷く落胆して涙を零すニョルズが気の毒になり、覚えている限り同じものをさっと作ってみせたが、本人は納得しなかった。
「大丈夫……また作ればいいさ……時間はいくらでもあるからね」
涙目で笑うニョルズにそれ以上言及することも出来ず、それ以来ノーアトゥーンにはきていなかった。
ニョルズは私を館に誘う。
ノックとかしたらこのドア消し飛んだりしないかな、なんて心配をしていたら、ニョルズがドアを開けた。
「フレイヤ、お客さんだよ」
居間でお茶を飲んでいたフレイヤが、私を見て目を丸くした。
「スルーズ?私に用事なの?」
「そうなんだ……ここで話して大丈夫かな、この件」
「もしかして、あっちな感じの用事?」
「うん。主に夜の運動会的な」
「下品な言い回しだけど、私結構好きよ」
フレイヤは笑って館を出る。
私もそれに倣ってフレイヤに着いて行った。
ニョルズはどういう話になるのか理解したらしく、フレイヤの飲んでいたお茶を片付け始めた様だ。
館から少し離れて、海辺に二人で腰掛ける。
「で?どうしたの?」
フレイヤが私を見た。
相変わらず綺麗だなぁ。
かつて男を虜にしまくった美の女神。
愛の女神であり、エロスの象徴とも言われたその美貌は今も変わっていない。
「えーとね」
私は、フレイヤに全部説明した。
最近大輝が元気がないことなど。
「ふーん、その坊や…まだ十四歳だっけ?スルーズ、いつからショタ趣味になったの?」
「いやいや、向こうじゃ同い年だから。こっちの物差しで言われたら、向こうの人間なんか父親の睾丸の中にすらいない計算だよ」
「なるほど、そういう楽しみ方もあるか。で、彼がセックスに前向きでない理由、だったわね」
「うん。何か心当たりない?」
「そうねぇ……考えられるとしたら……不安、かしらね」
「不安…」
「セックスは元々生殖行為でしょ?子孫を残す為の本能行動よね」
「そうだね」
快楽を伴う生殖行為。
それゆえ、長年人間の間でセックスの研究が成されてきている。
「彼は今の段階では快楽よりも、責任感とか不安が勝ってしまっているんじゃないかな」
年頃的にそう考えてるのは致し方ないのかもしれない。
となれば、やはり吐き出させるしかないか。
「もっとも、私ならありとあらゆる快楽を教え込んであげることも出来るわよ、その坊やに」
淫靡な雰囲気を漂わせるフレイヤ。
エロの百科事典みたいな女だ。
確かにそれも可能なんだろう。
「フレイヤ。あんたが被虐趣味の持ち主だったなんてね…忠告しとくけど、そんなことしたら…暫くそんな淫らな妄想が出来ない様ぶっ壊すから」
淫靡なオーラを、私の漆黒のオーラが飲み込む。
「や、やだわぁ、冗談に決まってるじゃない。本気にしないでよぉ」
フレイヤは私の怖さを十分知っている。
昔、フレイヤが私の男にちょっかいをかけた事があった。
男は頑として応じなかったが、フレイヤは割としつこくアプローチをかけていたらしい。
私みたいな脳筋にはバレない、などと高をくくっていた様だが、見事に私にバレた。
密告者がいたのだ。
そのとき、私はフレイヤに怒りをそのままぶつけ、フレイヤの肉体が髪の毛数本を残して消滅した。
再生するのに二五〇年近くかかったと言っていたかな。
今度はその程度では済まさない。
「随分前のことだけど、覚えてるよね?もちろん相談に乗ってくれたことには感謝するよ。けど、あの子に手を出すなら……」
フレイヤは恐怖で固まっている。
「全ての恩を忘れて、お前を叩き潰す」
「わ、わかってるから。大丈夫よ。あなたの性格はこれでもわかってるつもりよ。媚びるつもりはないけど、そっち方面の相談ならいつでも受けるわよ」
怯えるフレイヤの頭をポンポンと叩き、ニコリと笑う。
「ありがと。いつかあんたの相手してもいいと思ってるよ、私は。今のパーティーには女の子もいるしね」
そう言って私はヴァルハラに戻った。
「フレイヤには会えた?」
ノルンが声をかけてくる。
「ああ、会えたよ。あの子に手を出す様なこと言ってたから脅かしといたけど」
「さっきの冷気、やっぱスルーズだったのね……」
その様子を見ていたのか想像したのか、ノルンは苦笑いを浮かべた。
「それより、向こうで何か深刻なことになってるっぽいけど、戻らなくて大丈夫?」
話を聞く傍らで向こうの様子を探ってくれていたのか。
本当に頭が下がる思いだ。
「ありがと。この礼はまたいつかね」
「そんなのいいよ、頑張ってね」
現実世界に戻ると、朋美からメールがきていた。
『大輝が理由話し始めてる。今どこ?』
割と切迫してるみたいだ。
電車じゃ間に合わない。
無駄に長居しすぎたな。
手早く鞄を整えて靴を履き、意識を集中する。
あんまり使いたくなかったけど、ワープするしかないか。
大輝の気配を探ると、朋美が大輝の近くにいることがわかった。
「よし」
部屋から私の姿がかき消える。
いつの間に出かけたのかとママから聞かれそうだが、言い訳は後で考えよう。
目を開けると、そこは公園だった。
大輝と朋美がベンチに座っているのが見えた。
どうやら私は、大輝の背後にワープしたらしい。
「実際満足できるほど楽しめてなかったってのはある。気が乗らなかったのも事実だ。結局俺は、その後のこととか考えてビビっちゃってるんだと思う」
まだ話途中らしく、聞き逃した部分はあとで朋美から聞いても問題なさそうだ。
「まぁ、子供とか出来たら、ってのは私も考えることあるけど……」
朋美も大輝の話を聞いて、思うところはある様だった。
私みたいなとんでもチート能力を持っている相手がいるから二人にそういう心配はないのだが、もちろんそれを明かす訳にはいかない。
不安にさせてしまっている原因は私にもあるのだ。
「本当にごめん」
大輝が謝り、沈黙が支配する。
フレイヤが言ってたことは、概ね当たりだった。
さすがはエロ女神。
今後も頼りにさせてもらおう。
「話は、わかった。そんな心配までしてくれてたなんて、そんな風に思わせていたなんて、ごめんなさい」
大輝に声をかける。
私の位置が掴めていないのか、キョロキョロしている。
朋美も同様だった。
二人がこっちに気付く。
「春海……」
どちらからともなく言う。
安堵した表情の朋美と、驚愕の表情の大輝。
「いつからそこにいたんだ?」
「ごめんね、大輝が話し始める、割と最初からだね」
うっそでーす。
ノルンが教えてくれなかったら、今も多分この体は眠り続けてるはずだ。
「敵わねぇなぁ」
ごめんね、本当のことまだ言う訳にいかないんだ。
「本当は、報告聞いてお疲れ様会でも、って思ってきてみたの。あと、もう一つ謝らないといけないことがあるんだけど」
「謝ること?」
怪訝そうな顔をする。
「実はね、大輝がさっき言ってたこと、気付いてた。だから朋美から探りを入れてもらう様に頼んだの。私だと核心突いちゃって、大輝から全てを引き出す結果にならないと思って。それだと大輝自身が吐き出せないから、吐き出せる様にって」
取って付けた様な理由だと思ったが、大輝は信用してくれた様だった。
少し良心が痛む。
「そうだったのか……」
深く考え込む大輝。
今まさに大輝も朋美も騙している私こそ、反省するべきではある。
「ごめん、春海。覚悟決めたとか言っといて、あんなこと」
ああ、もう謝らないで……。
顔には出さないけど罪悪感で潰されちゃう。
「大輝が優しいことは知っていたし、ある程度心配してくれているのはわかってた。けど、ちょっと想定外な範囲だったってだけなんだよね」
「うん、それに……私たちの覚悟に、無理やりついて来て、なんて言うことはしないよ?」
朋美が続く。
朋美だって、相当な覚悟を持ってこの関係に至ったはずだ。
「俺、どうしたら良いんだ?」
本当にわからないんだろうか。
もう答えは出てそうな気がするけど。
「大輝は、どうしたいの?」
けど今日ばっかりは甘えも許してあげよう。
「大輝はさ、自分のことなんて二の次なんだよね、いつも」
自己犠牲みたいなのに憧れるお年頃ではあるのだろう。
けど、それが美しいと感じるのは他人事だからだ。
実際近しい間柄の人間にそれをやられると、見ている方は気が気じゃない。
「自分のことを大事に出来ない人に、誰かを心から大事にすることは出来ないよ?」
私は、大輝の足りない部分を補おうと思った。
「他人を大事にするにはさ、結局自分がある程度万全である必要があると思わない?」
誰かを守るにせよ、見守るにせよ、どちらにしても本人がちゃんとしていなければ成立しない。
「それにね、大輝は理性的であろうと、自分を押し殺そうとしてるみたいだけど、その実すっごい我が儘なんだよ?気付いてる?」
多分これは大輝には気付いていない部分だと思う。
彼の我が儘な部分。
それは、自分が納得しないことは楽しめない。
最悪やらない。
「心外って顔してる。けどね、大輝ってさ、自分が納得してないことは絶対しないでしょ。あ、勘違いしないでね?責めてるんじゃないの」
それはそれで立派なことではある。
流されて生きるよりは、ずっといいと私も思う。
「もちろん、理解があるつもりだから私たちはそれに合わせていけるけど、そうじゃない人もいるとは思う。今知り合ってないだけで。納得する暇もなく、前に進まないといけないことだって、これからいくらでも出てくるよ」
納得どころか、考える余裕すらないことだってあるだろう。
そうした時に、自分自身を嫌いになってしまったりしない様に。
「それが、一線超えることに繋がったわけだね」
私は頷き、大輝を見る。
「大輝の言う様に、リスクは伴うよね。私たち女の子の側の負担も大きいとは思う、そうなるときは」
妊娠とかも、男側の理解があったとしても実際に負担を負うのは女だ。
「そこが、一番の問題で、俺の不安材料ではあるな」
「んー……というかね、そうなったら逃げちゃいそうな自分自身が不安なんじゃない?違う?」
大輝は基本的に逃げないタイプだ。
しかし、自分の常識や信念が通用しない場合。
どうすることも出来ないと気付いてしまったその時。
恐らく彼は逃げてしまう。
ただ、彼は少し思い違いをしている。
「逃げちゃっても、いいと私は思う」
ふっと笑って大輝に言う。
朋美も、え?って顔をしている。
「は?良いわけないだろ?」
当然の、決まりきった返しが来る。
「まぁ聞いてよ。だって、私が大輝を、逃がすと思う?」
ふふん、と大輝を見下ろす。
大輝は唖然としたが、すぐにはっとした。
「地の果てまでだって追いかけるし、それこそ逃げ回る間に休む暇なんか与えないもん。そしたら体力勝負で絶対大輝は私に捕まるよ。そうでしょ?」
追いかけっこになれば、たとえ天地がひっくり返ろうと大輝は私に敵わない。
何処に逃げようと、私が彼を見逃したりはしない。
「それにね」
私は、大輝の近くに行って大輝の頭を抱きかかえた。
「私が、大輝を離すわけないじゃない。言ったでしょ?大輝は私の人生の全部だって」
大輝の息が熱を持った。
少し、胸の辺りに湿り気を感じた。
大輝が泣いているのがわかる。
「ごめんね、不安にさせて。もっと早く言ってあげるべきだったよね」
頭を抱えたまま、その頭を撫でる。
私の反対側から朋美も、大輝の頭を抱く。
「何かあっても、三人なら乗り越えられるって、私は今でも思ってるよ」
大輝の嗚咽が聞こえてくる。
私たちは、それが聞こえないフリをしながら頭を撫でつけていた。
こうして大輝の不安は氷解して行った。
「さて、じゃ改めて」
「まずは学力テスト、お疲れ様!」
私と朋美の仕切りでお疲れ様会を開催する。
大輝がここまで頑張ってくれたこと、とても嬉しく思う。
私は前もってパパに、会場の手配をお願いしておいた。
パパの会社の系列のホテルの一室を貸してくれることになり、好きに使っていいと言うことになった。
三人がそれぞれに好きなものを食べて、多少の歓談を楽しむ。
「大輝、もう大丈夫?」
私は飲み物をテーブルに置き、大輝の腕にしがみつく。
少しびっくりして目を丸くしていた。
「ああ、大丈夫だよ。本当、ありがとう」
爽やかな表情で答える大輝。
これから何が起こるのか、わかってないんだろうな。
「朋美、大丈夫だってさ」
目配せをすると、朋美も大輝にしがみついた。
「よーし」
「え?」
二人で大輝を抱えて、ベッドに放り込む。
私も朋美も、飢えた獣の様な顔になっている。
怯えた様子を一瞬見せていたが、観念してウェルカムなエサになった。
これからは思う存分楽しめることだし、もう遠慮はしない。
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