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第二幕 廃龍の墓所と相棒
十話 新たな家族は、あたしの相棒
しおりを挟むここ暫く、とっても忙しい。
お掃除に、洗濯に、なにより、炊事に。
「黒闇鴉族」の『アル』やら、「黒猫人族」の『カール』が、お家に戻って来てるんだ。 ウーさんのお仕事を手伝っているって聞いてるんだけど、まぁ、いろんなお仕事あるもんね。 アルは羽根が有るから遠くの国まで御使いやら、お知らせやらを持って帰ってくる。 カールは獣人族の国々を回って、なんやかんや遣っているらしい。
どっちにも言える事なんだけど、お家に帰って来た時、とっても疲れている。 ついでに、腹ペコ。 つまり、あたしが美味しいものを大量に準備しないといけないって事。 一日二回の食事がお肉祭りになるって事よね。
アルは結構いい奴でね、森の中ではなかなか手に入れられない香辛料やら海塩やらを持って帰ってきてくれる。 その上、ちょっとしたお土産なんかもね。 ついでだからって、何時もそう云っては、お土産を呉れるから、こっちもお礼がてら美味しい物を作るんだよ。 お礼のつもりね。 旨いって言って喰ってくれるから、良し!
それにね、アルがウーさんに頼まれている、遠い国の新聞がまた、楽しみでもあるんだ。
ウーさん一通り読んだ後、あたしにくれるんだよ、その古新聞。 文字が一杯書いてあって、エリーゼ姉さんが良く文字を読む練習に使ってたのも有るんだけど、あたしの楽しみはね、載っているお料理のレシピとか、お洋服の広告だったわけよ。
美味しそうなお料理のレシピは存分に使わせてもらっているし、何ならアル達に意見を聞いて黒の森の食材で再現したりしてる。 まぁまぁ、食べれるよ? ほんとだよ? カールもケチを付けつつ、普通に喰ってるもん。
広告の方は、あたしの『大切な物入れ』に、切り抜いて入れてあるんだ。 綺麗な靴とか、下着とか…… そんな、『絵』が乗ってるやつ。 服なんかは、ちょっと無理よ。 だって、あたし兎人族よ? お尻に穴の開いているデザインの服なんて、人族の間じゃ無理だもん。 カールは新聞持ってきてくんないし、判らんもん。
美味しい料理をするんなら、それなりの素材も必要って事で、あたしは今日も狩りに行く。 うん、行くよ。 大食漢が二人帰ってきてるんだもん。 飲み物は、奴らが色んな所から持ち帰ってくるから、別にこっちで用意する必要は無いんだ。 だって、無理だもん。 ワインとか、ウイスキーとか言われたって……
アルコール? なんてモノは、人の手に依る物だしね。 強いて言えば、特定の魔物の毒袋の中に生成される、弱毒がそれにあたるそうなんだけど…… 捨ててるね。
―――― だって、変な匂いがするんだもん。
あれ、簡単に火が付くし、あぶねーもん。 飲みたくねぇよ、あんなもん。 そっか、一回レルネーに聞いて見よ。 あの子だったら、弱毒だし、飲むかもしれないしね。 うん、今度そいつを狩った時に回収しておくか。 さて、食材庫の中身が、ちょっと心細くなってきた。
―――― 狩りの時間だよね。
――― § ――― § ―――
リンドンと初めての狩り。 罠を仕掛けた場所の巡回だけど、十分に警戒をしていこう! あたしが、周囲の警戒をする為に、ウーさんに教えてもらった【探知】の術式を、左手で紡ぐ。 ちょろちょろ出ていく魔力でもって時間を掛けて描き出していくんだ。
〈ウーカルさん。 それ…… 探知術式ですかい?〉
「うん、そう。 危険の無いようにって、狩りをするときには、必ず描けってウーさんに言いつけられているんだよ」
〈……なんなら、わっちがやりますよ?〉
「ほえ?」
〈ウーカルさんに魔力を分けて貰ってばかりじゃ、なんか悪いし、それにウーカルさんを護る事を、あの魔人に”誓約”しているんでッ!〉
「そ、そう? なら、やってみてくれる? で、あたしにどうやって伝えるの?」
〈そりゃ、ウーカルさんの魔力を貰っているから、『繋がり』はあるんで、それに乗せて、状況をお知らせしますんで〉
「へぇ、そんな事…… 出来るんだ。 便利だね」
〈そりゃね。 出来ますよ。 なんだかんだ言って、【念話】の通りも良いんですし〉
「あぁ、そうっか。 リンドンってば、頭の中に話しかけてくるんで、普通にお話してたっけ」
〈そりゃ、森の中ですし、静かにしなきゃならんですね。 けど、なんの疑問も無く、普通に受け入れて呉れちゃってますからね、ウーカルさん〉
「まぁね。 うち、変な人ばっかりだから、案外 驚かなかったね。 んじゃ、宜しく!」
紡ぎかけの魔法陣は破棄して、リンドンに周囲の警戒を任せてみた。う~ん、なんじゃこれ? ”見える”範囲が、あたしの数倍はあるよ。 それに、とっても細かい事まで、意識さえ向ければ手に取るように判る。 ははっ! こりゃスゲー!
「リンドン!! 凄いよ!! ほんと、凄い! 遠くまで良く見えるし、良く状況が判る!!」
〈ウーカルさん…… 貴女の魔力の質だったら、こんなの当たり前…… なのに? 魔法……下手っすか?〉
「う~ん、どうなんだろ? 気が付いていると思うけど、あたしの両手の魔力放出口は潰されているから、まともに魔法陣を紡げないんだ。 ちょろちょろ魔力じゃ、ウーさんの使うような大きな魔法は使えないしね」
〈……そうですか。 そうですよね。 こんなに痛んでいたんじゃ、そうなりますかね。 それでも、繊細な魔力操作は出来てますよ? それが、判らんのです〉
「あぁ、ウーさんに鍛えられたから。 ほら、家の魔道具って、ウーさんが作ったから、それを使うのに、必要だったし。 最初は、水玉から水を出すのにも苦労したんだよ…… まぁ…… ねぇ…… そんな感じ」
〈うむ…… 生活系は魔術は、出来ると。 大きな魔法陣は紡げないと。 攻撃系の魔法は結構大きな術式を組み上げるから…… えっ? でも、あの時やってませんでした?」
「あの時? あぁ、リンドンを”へし折った”時の事?」
〈ええ、【結界】やら、【魔力反射】やら、重層して幾つも幾つも発動していましたし…… 墓所の中から、でかい音が響いてましたぜ? だから、ウーカルさんは魔法が特異なのかなと……」
ありゃ? えっと? それ、多分あたしじゃ無い。 あたしの中の”ウーカルさん”。 あの人ならやりかねない。 妖魔並みの御仁だからね。
「それ、多分、ウーカルさん。 あたしの中のもう一人の御仁。 あの人なら遣りかねない。 普段は眠っているんだ。 あんま、起きて来てほしくない。 だって、あの人が起きると、血生臭くなるんだもん」
〈……そ、そうっすか。 なんとなく…… 理解しやしたッ! そうですよね。 姐さんは、優しい人ですもんね〉
「ん? 姐さん? なにそれ?」
〈ウーカルさんの中に”ウーカルさん”が居るんで、ちょっと呼び難くて…… 姐さんって呼んで、構わないっすか?〉
「ん~ まッ、いいか!! いいよ、リンドン。 あんたが呼びやすいように呼んで。 なにかあった時に、直ぐに伝えてくれるんなら、呼びやすい方がいいもんね!」
〈姐さん…… 有難うございます! よし、よく見るぞ!〉
「はははは、変な奴ッ!」
リンドンは云った通り、あたしに十分な周辺の状況を教えてくれた。 よく見なきゃ判んない様な、木の実とか、毒草やら迄ね。 レヌレーへのお土産に、毒草を色々と採取出来たのも、とっても良かったよ。 リンドン、訳が判らないって感じだったけどね。
――― だって、警戒してって云ったら近寄って採取するんだもんね、あたし。
まぁ、周辺状況は手に取るように判るようになって、『狩り』は、とてもやり易くなったよ。 罠を仕掛けてある場所も一発で見つけられるしね。 ほら、時々見失っちゃう時あったんだもん。 何か所か見回って、大きい奴用の罠にネブ=ドロン大猪が掛かっているのが見えた。
「ネブ=ドロン大猪が掛かってる。 やったね!」
〈でかいっすね、姐さん〉
「そうでもないよ? 大きいのは大きいけど。 リンドン、出番だよ」
〈なんでやります? 火炎ですかい? 雷撃ですかい?」
「ん? 魔法じゃないよ? こうすんの」
気配を消して、罠に掛かってブモブモ云ってるネブ=ドロン大猪の死角に入って、リンドンを一閃。 戦斧の部分でネブ=ドロン大猪の首を断ち割ってみた。 ほら、前の手斧じゃこんなの出来んかったし、これでリンドンの穂先の調子も見れるからね。
〈 ぎゃぁぁぁぁぁ!! 〉
振り回したリンドンから凄い悲鳴が上がる。 えっ? あんた、私の武器だよ? 当然、こう使うよね? ネブ=ドロン大猪の首はあっさりと断ち割れる。 吹き出す血潮には触れないように、全力で回避ステップを踏んでっと。 あれ、被ったらキッツイもん。 こんな森の中で、あんなことに成っちゃたら、どうにも、こうにも……
満足するまで、無防備になっちゃうからねッ!
〈ね、姐さん!〉
「なに?」
〈い、いきなりはッ!! わ、わっちは!! こ、心の準備ってもんがッ!!!」
「ハルバードって奴の調子を見るのに、一番いい方法だよ? うん、とってもいい! 戦斧は切れ味抜群だね! 仕掛けてある罠を何か所か巡って、槍とハンマーも試してみたいッ!!」
〈わ、判りました。 なんで、姐さん…… 魔法が苦手か…… 戦闘力……あるんすね〉
「ん? 兎人族だよ、あたし。 身体能力は、魔法よりも物理に振ってるし、鍛えたもん」
〈……着てる服、魔導士の装束ですぜ?〉
「これは拾った奴。 野良着にするのにちょうど良かったからね。 ほら、【隠形】の術式が符呪されて居るしさ」
〈……そ、そうっすか。 姐さんは、物理特化……物理特化…… よし、刻み込んだっすよ〉
「じゃぁ、ネブ=ドロン大猪を解体して、枝肉にしてから、罠を仕掛けなおして次! 次、行こう!!」
〈はいな、姐さん!〉
首を落としたネブ=ドロン大猪は、奇麗に解体して、お肉は『魔法の鞄』に突っ込んだ。 でね、ここでもリンドンの魔法は役に立つのよ。 今まで捨ててた内臓でも、可食部が有るって教えてくれた。 そんで、それもでかい葉っぱに包んで、一緒に『魔法の鞄』に突っ込んだよ。
血もね…… 空き瓶に注ぎ込んだ。 これ、毒だから。 きっつい毒だからね。
ほら、レルネーへのお土産よ。 あの子だったら、美味しく飲んでくれるかもねッ!
未だかつてない程、順調に『狩り』は進んだよ。 危険度が格段に落ちた。 リンドンが先回りして、色んな事を教えてくれたから、念には念を入れて、影からのバックアタックなんぞ出来たから、罠に掛かった獲物以外にも、結構多くの魔物が狩れたよ。
―――『魔法の鞄』も結構一杯になる程ね。
ほくほく顔で、帰路に付くんだ。 途中、色んな木の実を採取していってね。 魔物を見つけても、狩らない。 必要な分だけはもう狩ったからね。 森の恵みは、過剰に取ってもいい事ないんもん。 まぁ、木の実とか、葉っぱはいくらでもだけどね。
そっちの知識も、さすがは樹人族…… いや、千年聖樹だね。 香辛料に使えそうなベリー類やら、今までは怖くて採れなかったキノコ類なんかも、リンドンが効能やら可食部分やらを、教えてくれたから採れる様になった。
まぁ、毒系統も一緒に採取するけど、そっちは別の場所に保管して、あとでレルネーに上げるんだ! お土産、お土産。 森の多彩な恵みに感謝を。 精霊様の息吹に、尊崇を。 ボボール爺さんが云っていた、本当の森の恵みってもんを、リンドンが教えてくれたよ。
「リンドン、ありがとね」
〈どうしたんです? 姐さん〉
「あたし今まで、森の恵みを受け取ってなかった。 リンドンのおかげだよ」
〈……いえいえ。 わっちは、姐さんと御一緒出来て、嬉しいすっよ。 こんなにも簡単に移動できて、森の中を見て回れるなんて、夢の様っす。 一か所に縛られた、長い時…… もう、こんな風に森を感じる事なんて無いと思ってました。 お礼を云うのは、わっちの方です。 姐さん! これからも、宜しくお願いします!! 全力で、姐さんを護りますから!〉
「あはッ! 嬉しいねぇ…… リンドンも仲間になったね。 あたしの大切な仲間だよ」
「あぁ…… 姐さん…… ありがてぇ…… ありがてぇ……」
お家が見えて来た。 さて、食材は大量に仕入れた。 これでまた、美味しいご飯が作れるよ。 ボボール爺さんの根っこにある、食材庫の洞に狩ってきたブツを入れる。 新鮮なうちに喰うモノは別に、お肉たちは洞の奥にあるフックにつるして、壁にある冷気魔法の起動陣に手を添えてと。
ちょこっと魔力を紡ぎ出したら、冷気魔法が発動するの。 これで、結構持つのよ、お肉がッ。
アル達が 『次のお仕事』 に、行くまでの間の食材…… まぁ、溜まったかな? 一日の狩りで、こんだけの得物は、ほんと珍しいと思うよ。 リンドンのおかげだね。
ちなみに、毒系統の得物はレルネーの所に持ってった。 ついでにリンドンを紹介した。 まぁ、二人とも、『びっくり』してたのは、ご愛敬。 一人は伝説になっている、ラミアー種 の沼毒蛇、もう一人は樹人族の中でも特異な千年聖樹の中身。 黒の森が闇深い場所であっても、此の取り合わせが顔を合わせる事なんか無いもん。
その間に居るのが…………
何の変哲も無い、兎人族の白子ってのがね。
はぁ…… あたしも、なんか特別な存在だったら、いいのになぁ……
普通でありきたりの、只の兎人族の女なんだもんね。
よし、いい女になるぞ!
ボソッとそう漏らすと、二人が、なんか変な視線をあたしに向けて来たよ…… なんでだ?
――― ウーカルの何処が、普通なんだ????
――― 誰が、ありきたりの兎人族なんっすか???
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