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1.I want you to notice.
第十一話
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ユリウスはふんっと鼻で笑う。そして、身をぐっとアレクセイに近づけた。目と鼻の先、視線と視線が交差する。アレクセイの動揺する瞳を眺め、満足そうに笑うユリウス。しかし、すぐにアレクセイが不思議そうな顔をした。
「ユリウスさん? 顔が赤いような。これ、レモン水ですか? 香りが……」
「あ? ここの店はいつもレモン水だが」
「顔が真っ赤になってますが……熱は? 本当にどうしました?」
「んだよ?」
アレクセイの顔が珍しく少しずつ離れていき、ユリウスはぐいっと顔を近づけた。額を触りたいのにとアレクセイが言うが、ユリウスは聞く耳を持たなかった。終いにはユリウスは面白おかしくアレクセイの腰に抱きついて、ケラケラと笑った。
驚くアレクセイはそっとユリウスの腰を掴むと彼の手を離す。しかし、それはいたちごっことなる。
「ゆり坊、アレクセイ、すまねぇな。話の途中でお客様から注文入っちまって。なんだ? 珍しいな。じゃれてるのか?」
「いえ……。ユリウスさん、アルのお父さんが戻ってきましたよ」
何度も張り付いてくるユリウスを剥がしながらアレクセイは息をつく。しかし、面白がってくっついて来るユリウスにアレクセイは眉をひそめた。
「ユリウスさん?」
頬をつければ、アレクセイが焦ることが分かり、ユリウスは更に楽しそうに笑う。
「ん? ここにあった度数の高い酒を知らねぇか? レモンの入った透明な奴だ。お客さんのやつなんだが」
「え? もしかして……」
アレクセイはユリウスが飲んだ空のコップを差し出した。
「ゆり坊、なんつーもんを飲んだ!? それは酒初心者が飲むもんじゃねぇ!」
「あ?」
名前を呼ばれ、ユリウスはアルの父親を見る。アレクセイが眉をひそめて、深いため息をつく。
「味や匂いでわからなかったんですか。具合は大丈夫ですか?」
「水だっただろ、水」
「まったく、簡単に酔っ払ってやがる。匂いは確かにいつも出すレモン水っぽいが、普通飲んだら気が付くだろ!」
空になったコップを眺め、アルの父親はため息をついた。けらけらと笑い出したユリウスに、彼は「ダメだこりゃ」と呟く。
「すまねぇ、アレクセイ。折角来てくれたところだが、ゆり坊を領地まで送ってやってくれ。公爵様だしよ、酔ったゆり坊に何かあったら困る。もしかして、こっちで宿を?」
「はい。確かアルが取っていた首都の宿があります」
「場所は?」
「大丈夫です。昨日下見はしたので、ここから近いですし。覚えていますよ」
すると、アルの父親はほっと安堵した様子を見せた。ユリウスはふわふわとした思考のまま、アレクセイの腰に引っ付いた。
「ばかやろー。お前はまだご飯食べてないだろ」
「あなたもまだ食べていないでしょうが」
「お前、アレクセイのいう事をきちんと聞けよ」とアルの父親。
「んだと」
「ああもう、しっかりしてください。貴方、触れられるのが嫌いでしょう」
「逆はいいんだよ」
理不尽な、とアレクセイがぼやいた。
周りの視線を気にしながら、アレクセイは取れそうになっていたファー付きの帽子を整え、「行きますよ」と声をかけた。
「ご飯まだだろう? すまねぇな」
「いえ。慣れていますから」
アレクセイは小さく笑うと、じゃれつくユリウスを抱き上げた。ユリウスはくすぐったく感じ、くすくすと笑った。そして、身をよじって逃げようとする。
「ユリウスさん、背中に手を回せますか? 俺の背中へ」
「あ?」
「まったく、困った公爵領主だな。領地の魔物も雪解け合図に増えてくるだろ。気を付けてくれよ。ゆり坊がいるから、なんとかなっているかもしれねぇが。こいつももう三十近いからな。若いもんが次頑張ってやってくれ」
「はい。ユリウスさん、俺の背中に手をまわしてください」
ユリウスがアレクセイの言われるままに背中に抱き着いた。アレクセイはユリウスを背負い、「金額は後からアルに渡します」と伝えた。
「いいって事よ。ゆり坊の元気な姿が見れるだけで俺はいいんだ」
「それは……」
「おい、ゆり坊。お前はアレクセイと一緒にこれから宿へ帰るからな?」
「おー」
こりゃだめだと笑うアルの父親の声。
「こんなひねくれたやつだが、頼んだぜ。本当はとてもシャイでピュアなんだ」
「爺がピュアとかシャイとか言うと似合わねぇな」
「ははっ」
ユリウスのツッコミにアレクセイが思わず笑ってしまう。アルの父親も「うるせぇ!」と怒鳴って笑った。彼に見送られ、街の外に出れば、いつしか冒険者たちで城下町は賑わっていた。ユリウスはその姿を羨ましそうに眺めていた。
「領地もこうできたらいいな」
「うまくいきますよ」
「んん……」
「眠いですか?」
「気持ち悪い」
「えっ!? もう少し我慢できますか? 人気のないところに……宿が近いか」
アレクセイが足を急かし、慌ててたどり着いたのは元々泊まる宿だった。
首都の中でも大きい宿だ。最上階の一番良い部屋らしい。体調不良だと勘違いされ、そのまま宿に通された。アレクセイはベッドの上にユリウスを下ろし、ぐったりとしている姿を見つめる。そして、ごみ袋を手渡す。
「大丈夫ですか? なんで、酒だって気が付かなかったです?」
「気持ち悪い……」
「吐きますか?」
ふるふると首を横に振るユリウス。胸の奥が誰かに強く掴まれているように、胃の奥がねじれたように痛む。小さく咳き込めば、アレクセイが優しく背中をさする。
「アルはまだ帰って来ないですし……」
「アレクセイ」
「はい?」
「お前、グスタン国の人たちが笑顔でやっていける場所があったらどうする?」
「どうしたんです、急に」
「いいから、お前の意見が聞きたい」
激しく咳き込むユリウスを眺めていたアレクセイだったが、小さく息をついて、「そりゃ嬉しいですよ」とほほ笑む。ユリウスはほっとしたように微笑むと、「やっぱりお前だな」と頷いた。
「どうしたんです。本当に」
ぜぇと息を吐き、口元を抑えていたユリウス。目を瞑るユリウスは、「お前でいい」とだけ言う。
「アルには依頼書提出をお願いした」
「はい?」
「ワイン醸造の増築を目指す政策。五年前にブドウ畑を増やしたんだ。少しずつ収穫が増えているし、目標数も今回でクリアできた」
「ああ。ワインの質が好評でしたからね。売り上げにも繋がります。元々一日の寒暖が激しい地域でしたから。それに高地で太陽も良く見かけます」
こくこくと頷くユリウス。ただ、未だに口元を抑えたまま。
「来月にはもっと土壌が良くなる。そして、夏に剣の大会を開く。ついでに祭も。そこで人を増やす」
「ギルドのことも言ってましたね」
「ああ。秋に大きなギルドを呼びつける。医薬品を取り扱うギルドも今回で来た。やっとここまで来た」
アレクセイは背中をさすりながら、「やっと夢が叶いそうですね」とほほ笑んだ。ユリウスは咳き込んだ。
「本当はもっとゆっくりやろうと思ってた」
「ユリウスさん?」
「なあ、アレクセイ。雪解けしたら、お前は俺と婚約するんだろ」
「はい。貴方と一緒になれたらと思います」
ユリウスがくすりと笑う。その表情は酷く安心したもので、アレクセイも自然とほほ笑んでいた。
「来年度、雪解けと共に少しずつ人を増やす。んで、お前には色々教えたいことがあってな」
「それは……」
「そのためにお前の髪を黒く染めた。そして、馬車引きも街に馴染ませた。まずは孤児を引き取り、ぶどう栽培を手伝わせる。その子たちが大きくなっていけば……。大人たちは少し問題があるから、慎重にいきたい。ゲホッ」
「ユリウスさん?」
アレクセイが眉をひそめる。そして、みるみるうちにそれは驚きの表情へ変わった。ユリウスが困ったように笑う。ばれたかと言わんばかりの顔。そっと手を離せば、手のひらには血が付着していた。アレクセイが大きく目を見開いた。
「大丈夫だ。木を生やす時に魔力を使いすぎてるだけだから」
「何日経ったと!?」
「ばぁか。大丈夫だって。お前は魔術師じゃねぇからわからねぇんだよ」
からからと笑うユリウスは手に魔力を込めて、手のひらの血痕を消した。生活魔法で洗浄したのだ。
「魔力を使うのをやめてください!」
「使わねぇって。あー、お前を揶揄うのおもしろい」
ユリウスはんふふと笑うと、ベッドに転がった。アレクセイはぐっと唇を噛み締めて、「本当に無理はしないでください」とだけ言う。
「無理か……」
「はい。本当にやめてください」
ユリウスはくすくすと笑う。
「じゃあ、お前が好きなもの教えてくれよ」
「俺のですか」
「ああ。参考にするから」
不思議そうな顔をするアレクセイ。それもそうか、とユリウスは思う。
「言葉が変だったな。お前が好きなものが知りたいんだ」
だから、お前の好きなものを教えてくれよとユリウスは目を瞑った。
「ユリウスさん? 顔が赤いような。これ、レモン水ですか? 香りが……」
「あ? ここの店はいつもレモン水だが」
「顔が真っ赤になってますが……熱は? 本当にどうしました?」
「んだよ?」
アレクセイの顔が珍しく少しずつ離れていき、ユリウスはぐいっと顔を近づけた。額を触りたいのにとアレクセイが言うが、ユリウスは聞く耳を持たなかった。終いにはユリウスは面白おかしくアレクセイの腰に抱きついて、ケラケラと笑った。
驚くアレクセイはそっとユリウスの腰を掴むと彼の手を離す。しかし、それはいたちごっことなる。
「ゆり坊、アレクセイ、すまねぇな。話の途中でお客様から注文入っちまって。なんだ? 珍しいな。じゃれてるのか?」
「いえ……。ユリウスさん、アルのお父さんが戻ってきましたよ」
何度も張り付いてくるユリウスを剥がしながらアレクセイは息をつく。しかし、面白がってくっついて来るユリウスにアレクセイは眉をひそめた。
「ユリウスさん?」
頬をつければ、アレクセイが焦ることが分かり、ユリウスは更に楽しそうに笑う。
「ん? ここにあった度数の高い酒を知らねぇか? レモンの入った透明な奴だ。お客さんのやつなんだが」
「え? もしかして……」
アレクセイはユリウスが飲んだ空のコップを差し出した。
「ゆり坊、なんつーもんを飲んだ!? それは酒初心者が飲むもんじゃねぇ!」
「あ?」
名前を呼ばれ、ユリウスはアルの父親を見る。アレクセイが眉をひそめて、深いため息をつく。
「味や匂いでわからなかったんですか。具合は大丈夫ですか?」
「水だっただろ、水」
「まったく、簡単に酔っ払ってやがる。匂いは確かにいつも出すレモン水っぽいが、普通飲んだら気が付くだろ!」
空になったコップを眺め、アルの父親はため息をついた。けらけらと笑い出したユリウスに、彼は「ダメだこりゃ」と呟く。
「すまねぇ、アレクセイ。折角来てくれたところだが、ゆり坊を領地まで送ってやってくれ。公爵様だしよ、酔ったゆり坊に何かあったら困る。もしかして、こっちで宿を?」
「はい。確かアルが取っていた首都の宿があります」
「場所は?」
「大丈夫です。昨日下見はしたので、ここから近いですし。覚えていますよ」
すると、アルの父親はほっと安堵した様子を見せた。ユリウスはふわふわとした思考のまま、アレクセイの腰に引っ付いた。
「ばかやろー。お前はまだご飯食べてないだろ」
「あなたもまだ食べていないでしょうが」
「お前、アレクセイのいう事をきちんと聞けよ」とアルの父親。
「んだと」
「ああもう、しっかりしてください。貴方、触れられるのが嫌いでしょう」
「逆はいいんだよ」
理不尽な、とアレクセイがぼやいた。
周りの視線を気にしながら、アレクセイは取れそうになっていたファー付きの帽子を整え、「行きますよ」と声をかけた。
「ご飯まだだろう? すまねぇな」
「いえ。慣れていますから」
アレクセイは小さく笑うと、じゃれつくユリウスを抱き上げた。ユリウスはくすぐったく感じ、くすくすと笑った。そして、身をよじって逃げようとする。
「ユリウスさん、背中に手を回せますか? 俺の背中へ」
「あ?」
「まったく、困った公爵領主だな。領地の魔物も雪解け合図に増えてくるだろ。気を付けてくれよ。ゆり坊がいるから、なんとかなっているかもしれねぇが。こいつももう三十近いからな。若いもんが次頑張ってやってくれ」
「はい。ユリウスさん、俺の背中に手をまわしてください」
ユリウスがアレクセイの言われるままに背中に抱き着いた。アレクセイはユリウスを背負い、「金額は後からアルに渡します」と伝えた。
「いいって事よ。ゆり坊の元気な姿が見れるだけで俺はいいんだ」
「それは……」
「おい、ゆり坊。お前はアレクセイと一緒にこれから宿へ帰るからな?」
「おー」
こりゃだめだと笑うアルの父親の声。
「こんなひねくれたやつだが、頼んだぜ。本当はとてもシャイでピュアなんだ」
「爺がピュアとかシャイとか言うと似合わねぇな」
「ははっ」
ユリウスのツッコミにアレクセイが思わず笑ってしまう。アルの父親も「うるせぇ!」と怒鳴って笑った。彼に見送られ、街の外に出れば、いつしか冒険者たちで城下町は賑わっていた。ユリウスはその姿を羨ましそうに眺めていた。
「領地もこうできたらいいな」
「うまくいきますよ」
「んん……」
「眠いですか?」
「気持ち悪い」
「えっ!? もう少し我慢できますか? 人気のないところに……宿が近いか」
アレクセイが足を急かし、慌ててたどり着いたのは元々泊まる宿だった。
首都の中でも大きい宿だ。最上階の一番良い部屋らしい。体調不良だと勘違いされ、そのまま宿に通された。アレクセイはベッドの上にユリウスを下ろし、ぐったりとしている姿を見つめる。そして、ごみ袋を手渡す。
「大丈夫ですか? なんで、酒だって気が付かなかったです?」
「気持ち悪い……」
「吐きますか?」
ふるふると首を横に振るユリウス。胸の奥が誰かに強く掴まれているように、胃の奥がねじれたように痛む。小さく咳き込めば、アレクセイが優しく背中をさする。
「アルはまだ帰って来ないですし……」
「アレクセイ」
「はい?」
「お前、グスタン国の人たちが笑顔でやっていける場所があったらどうする?」
「どうしたんです、急に」
「いいから、お前の意見が聞きたい」
激しく咳き込むユリウスを眺めていたアレクセイだったが、小さく息をついて、「そりゃ嬉しいですよ」とほほ笑む。ユリウスはほっとしたように微笑むと、「やっぱりお前だな」と頷いた。
「どうしたんです。本当に」
ぜぇと息を吐き、口元を抑えていたユリウス。目を瞑るユリウスは、「お前でいい」とだけ言う。
「アルには依頼書提出をお願いした」
「はい?」
「ワイン醸造の増築を目指す政策。五年前にブドウ畑を増やしたんだ。少しずつ収穫が増えているし、目標数も今回でクリアできた」
「ああ。ワインの質が好評でしたからね。売り上げにも繋がります。元々一日の寒暖が激しい地域でしたから。それに高地で太陽も良く見かけます」
こくこくと頷くユリウス。ただ、未だに口元を抑えたまま。
「来月にはもっと土壌が良くなる。そして、夏に剣の大会を開く。ついでに祭も。そこで人を増やす」
「ギルドのことも言ってましたね」
「ああ。秋に大きなギルドを呼びつける。医薬品を取り扱うギルドも今回で来た。やっとここまで来た」
アレクセイは背中をさすりながら、「やっと夢が叶いそうですね」とほほ笑んだ。ユリウスは咳き込んだ。
「本当はもっとゆっくりやろうと思ってた」
「ユリウスさん?」
「なあ、アレクセイ。雪解けしたら、お前は俺と婚約するんだろ」
「はい。貴方と一緒になれたらと思います」
ユリウスがくすりと笑う。その表情は酷く安心したもので、アレクセイも自然とほほ笑んでいた。
「来年度、雪解けと共に少しずつ人を増やす。んで、お前には色々教えたいことがあってな」
「それは……」
「そのためにお前の髪を黒く染めた。そして、馬車引きも街に馴染ませた。まずは孤児を引き取り、ぶどう栽培を手伝わせる。その子たちが大きくなっていけば……。大人たちは少し問題があるから、慎重にいきたい。ゲホッ」
「ユリウスさん?」
アレクセイが眉をひそめる。そして、みるみるうちにそれは驚きの表情へ変わった。ユリウスが困ったように笑う。ばれたかと言わんばかりの顔。そっと手を離せば、手のひらには血が付着していた。アレクセイが大きく目を見開いた。
「大丈夫だ。木を生やす時に魔力を使いすぎてるだけだから」
「何日経ったと!?」
「ばぁか。大丈夫だって。お前は魔術師じゃねぇからわからねぇんだよ」
からからと笑うユリウスは手に魔力を込めて、手のひらの血痕を消した。生活魔法で洗浄したのだ。
「魔力を使うのをやめてください!」
「使わねぇって。あー、お前を揶揄うのおもしろい」
ユリウスはんふふと笑うと、ベッドに転がった。アレクセイはぐっと唇を噛み締めて、「本当に無理はしないでください」とだけ言う。
「無理か……」
「はい。本当にやめてください」
ユリウスはくすくすと笑う。
「じゃあ、お前が好きなもの教えてくれよ」
「俺のですか」
「ああ。参考にするから」
不思議そうな顔をするアレクセイ。それもそうか、とユリウスは思う。
「言葉が変だったな。お前が好きなものが知りたいんだ」
だから、お前の好きなものを教えてくれよとユリウスは目を瞑った。
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