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殿下、どうしましょう?
8 ……え? ※
しおりを挟む「じゃあ、セス。私の顔の上に跨って?」
「……え?」
何を言っているのかわからなくて俺は思わず聞き返してしまった。
……か、顔? 今、顔って言った?? 顔の上にまたがる?!
動揺する俺を他所にレオナルド殿下はベッドに横になったまま、俺にもう一度言った。
「セス、私のして欲しいことをしてくれるんだろう? さぁ、私の顔の上で四つん這いになって跨って。あ、ちなみにお尻を私の頭の方に向けて跨ってね?」
レオナルド殿下はウキウキとした様子で俺に言った。
……やっぱり聞き間違いじゃなかった。でも、顔の上にっ?!
「れ、レオ、本気で??」
「ああ、勿論だとも」
レオナルド殿下は問いかける俺の言葉にすぐさま返事をした。
……レオの顔の上に跨るなんて、服を着てても恥ずかしいのに今は裸でっ。でも、して欲しいことしてあげるって言ったし。うぅぅぅぅっ。
「セス、してくれないの?」
レオナルド殿下は寂し気に言い、俺は咄嗟に「あ、やります!」と答えてしまった。
「じゃあ、どうぞ」
レオナルド殿下は楽し気に言った。
……うぅーっ、なんですぐ答えちゃうんだ、俺! でも……すごく恥ずかしいけどレオと約束したんだから!!
俺は恥ずかしさを何とか押し込めて、俺はレオナルド殿下の言う通り、寝転がる体の上に跨った。
そうすればレオナルド殿下の顔の上に俺のモノがぶら下がり、俺の顔の近くにはすでに元気にそそり立つレオナルド殿下の性器が。
……こ、これ、やっぱり恥ずかしぃっ! レ、レオの息がかかりそうっ。
俺は顔から火が出そうなほど恥ずかしくて身を焦がしてしまいそうだった。
でもそんな俺を他所にレオナルド殿下はうっとりとした声で呟いた。
「あぁ、なんていい眺めだ」
……そんなところ眺めないでくださいッ!!
俺の心は全力でそう叫ぶけれど、それを声に出す前にレオナルド殿下は俺の尻を両手でがっちりと掴むと俺の性器をパクリと口に含んだ。
「あっ、ちょっ、ひゃぁぁっ!」
予告もなく食べられた俺は声を上げる。でもレオナルド殿下は気にせず、俺の性器を美味しそうに舐る。温かく湿った口腔内に蠢くレオナルド殿下の舌。
こんなの腰砕けになってしまうに決まってる。
「あっ、はぅっ! んんーっ!」
びくびくっと体が勝手に震えて、俺は腰を上げたまま倒れるようにレオナルド殿下の体にのしかかる。それでもレオナルド殿下は口淫を止めてくれない。
ぴちゃぴちゃじゅるじゅるとやらしい音を立てて、咥えて舐め続ける。
おかげで与え続けられる気持ちよさから、また頭がぽやぽやしてくる。でも相変わらずお腹の中は疼いてて。
……気持ちいいけど、ものたりない。
そう思った俺の目の前にはレオナルド殿下のビキビキに筋の立った剛直がそこにある。俺が今一番欲しいモノ。だから俺は無意識にレオナルド殿下のそれに食らいついていた。
「んっ」
俺はぱくりっとレオナルド殿下の性器を唇で食み、舌を這わせる。するとレオナルド殿下の腰がぴくっと微かに動いた。けど俺は気にせずにレオナルド殿下が俺にしてくれるように大きくて太い性器を口で、舌で、舐め咥える。
「んっ、ふっ、ふーっ」
……レオの、いつも大きい。でもこれが俺の中に入って、俺を満たしてくれる。
そう思うと余計にお腹の奥が疼いてきた。欲しい、欲しいと体が叫ぶ。
『きゅうきゅうっ』
俺の中のうさぎも切なく鳴いている。
けれど、そんな俺にレオナルド殿下は言った。
「ああ、セス。気持ちいいよ。……私ももっと気持ちよくしてあげるからね」
レオナルド殿下はそう言うと体を少しずらすと俺のお尻を両手でかぱっと開くと、晒された後孔に躊躇いもなく舌をつけた。
「ひぇぁ!?」
そんなところを舐められると思っていなかった俺は変な声が出てしまう。けれどレオナルド殿下は構わずに舐め、事もあろうか舌を中に突っ込んできた。
「ひゃ、ああっ、れ、レオ! ダメ、汚いからぁっ!!」
俺は逃れようと腰を動かすけどレオナルド殿下にがっしりと掴まえられていて逃げられない。
「大丈夫。さっき、お風呂で、綺麗にしただろう?」
レオナルド殿下はぴちゃぴちゃっと舐めながら俺に言った。けれど。
……そういう問題じゃない! 綺麗にしたって、そこは綺麗じゃない!
そう思うけれど舌で中を舐められて、その刺激に俺は声が出ない。出るのは嬌声と吐息だけ。
「あっ、はあぁっ、はぁっ、ああっ!」
……き、気持ちい。……気持ちいいけど、それじゃない。俺が欲しいのは。
目の前にはガチガチに勃っているレオナルド殿下の剛直。
欲しいものがすぐ目の前にあるのに貰えない。まるでおあずけをされてるみたい。
だから俺は燻ぶり続けている体を持て余し、とうとう涙ながらに懇願した。
「レオ、も、これ、欲しいっ。舌はもぉやだぁっ」
俺がレオナルド殿下の股間に顔を埋めながら言うと、レオナルド殿下はようやく俺のお尻から顔を離した。
「セス、私のが欲しい?」
問いかけられて俺は「ん、ほしい」と素直に答える。するとレオナルド殿下は「はぁー」と大きく息を吐くと俺の体をころんっと仰向けに寝転がせてその上に覆いかぶさってきた。その青い瞳を見れば、欲情に染まっている。
「セスは可愛すぎて時々困ってしまうな」
レオナルド殿下は欲情を瞳に宿したまま、困ったように笑った。でも俺のどこが可愛かったのかよくわからない。とにかく今は。
「レオ、早くちょうだい」
俺が強請ればレオナルド殿下は「仰せのままに」と微笑み、俺の膝裏を持ち上げた。そして俺の両足をかぱりっと開くと、レオナルド殿下の唾液に濡れた後孔に容赦なく剛直を奥までずぷりっと突き入れる。ぬちぬちっと中まで入って、その刺激に俺は声を上げた。
「あぁーっ!」
声を上げると共に俺は歓喜するように体を震わせ、そして早々にもびゅくっと自分の腹の上に射精してしまった。
「セス、挿れただけでイった?」
レオナルド殿下は俺に尋ねるけど、気持ちよさに声が出ない。ただただ快楽にびくびくっと体を震わせ、やっと欲しいものが手に入って、じわりっと体が満たされる。でも達したばかりの俺をレオナルド殿下は更に追い詰めた。
「あっ! あっ、ま、まってぇ!!」
俺は咄嗟に声を上げるけれどレオナルド殿下は俺の言葉を聞かずに、ずぶっずぶっと何度も俺の中を抉る。
「どうして? 私のコレが欲しかったんだろう?」
レオナルド殿下は少し意地悪な顔をして俺に言いながら腰を深く動かす。けれど、今の俺の体には刺激が強すぎる。
「あっあぅっ、んぁ! だ、だめっ、もぉ、お、奥っ、ぐりぐり、しないでっ」
「ん? もっとして欲しいのかな?」
俺は止めてと訴えるようにレオナルド殿下の腕に縋ったのに、意地悪な顔をしたまま腰の動きを止めてくれない。むしろどんどん激しくなっている。
……うぅぅっっ、気持ち良すぎて、体がバラバラになりそうっっ。
だから俺は懇願した。
「れ、レオッ、レオ、ナルド、も、だめ」
俺が頼む様に言えばレオナルド殿下はぴたりっと動きを止めてくれた。だから俺はホッと息を吐く。これで終わりだと思って。けれど、それは甘い考えだった。
「セス。今のはセスが悪い」
「へ?」
何が? と思った時には、レオナルド殿下はぐいっと俺の腰を持ち上げた。そして、パンッパンッと激しく腰を打ち付け始めた。ゴリゴリとそそり立った剛直に擦られ、奥を抉るように突かれ、激しい抽挿に俺は目の前に星が飛びそうになる。
「あっ、やっ! はっ、あああっ!!」
俺は腰を反らせ、ぎゅうっとシーツを握る。でも、そんなもので耐えられるわけもなく、奥の奥を突かれて俺は体をびくんっと震わせて、快楽の渦に呑まれた。
そしてそれはレオナルド殿下も。
「あああーーーーっ!」
「ぐっ、はぁっ……セス」
俺に腰を押しつけて、レオナルド殿下は俺の中で達した。びゅくびゅくっと精液を中に叩きつけられて、俺は「んっ」と小さく唸る。
そして二人して荒い息を整えるが、レオナルド殿下は俺を見てある事に気がついた。
「セス、出さずにイったのか」
ぴくぴくっと震えるだけの俺の性器を見てレオナルド殿下は呟いた。でも、未だ快楽の渦に呑まれている俺には返事をする余裕はなくて。レオナルド殿下はそんな俺を見ながら、ゆっくりと腰を動かして俺の中からずるりと出て行った。そして、中にたくさん出された精液も一緒に出て行く。
その感覚さえも今の俺には刺激で。いつも以上にぽやんっとした頭では何も考えられなかった。一つの感想しか。
……しゅ、しゅごぃぃぃ。
『むきゅーぅっ』
俺の中のうさぎもへたり込むような鳴き声を出し、俺ははひはひっと息をしながら思う。だが体力も気力も使い果たした俺は睡魔に襲われ、そのままうとうとっと瞼が落ちていく。
そんな中、レオナルド殿下は俺の頬を撫でながら言った。
「セス、私の我儘を聞いてくれてありがとう」
そうレオナルド殿下が俺を見つめながら言うのを最後に俺はかくんっと意識を手放した。
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