84 / 114
おまけ
泣いた理由は?3
しおりを挟む
それから十五年後、年が明ける前の冬。
レオナルドとセスの仲違いが一件落着した後の事。
「お義父さん、私の勝ちですね?」
パチリと暖炉の薪が燃える音が響く中、レオナルドはニコニコしながらチェス盤を前に言った。そしてレオナルドの前には、城に滞在していたウィルが座っており、むっすりと不機嫌顔だった。
「でぇい! 俺をお義父さんと呼ぶな!」
「勝負に勝ったら呼んでいいと言ったじゃないですか」
「誰も一回勝負とは言ってない!」
「いいでしょう。何回勝負にしますか?」
レオナルドは笑いながら答えた。その涼し気な顔にはありありと『何回でも勝ちますけどね?』と書かれていた。だから余計にウィルはイラっとしてしまう。
……くっそぉ、セスと仲直りしたからって調子に乗りやがって。やっぱり許すんじゃなかった!
しかし、そこに紙袋を手にセスが戻ってきた。
「ただいま~」
「「セス!」」
ウィルとレオナルドは同時にセスを呼び、セスは二人に声をかけた。
「あれ? 二人でゲームしてたの?」
セスはチェス盤を見て言ったが、ウィルはハッとして慌ててチェス盤を片付けた。レオナルドに負けたとセスにバレたくなかったからだ。
「あ、ああ、まあな。ところで、その紙袋はどうしたんだ?」
「あ、これ? 今日は街に行って部屋の片づけをしてきたんだけど、リッキーに会ってパンを貰ったんだ」
「リッキーと?」
「うん。またお城に住むことになったって言ったら、『またしばらくは買いにこれなくなるな』って言って、くれたんだ~。でも、なんだかちょっと泣きそうな顔してたんだよね。なんでだろ?」
セスは首を傾げて不思議そうに答えた。しかしウィルにはありありとリッキーの気持ちがわかってしまった。
……リッキーの奴、セスの事まだ好きだったんだな。
しかしリッキーの気持ちを知らない、というか気がついていないセスは首を傾げたままだった。
「別にもう二度と買いに行けない訳じゃないのになぁ」
……そういう事じゃないんだが。このセスの鈍感さはどこから来ているのか。
「「ふぅっ」」
ウィルとレオナルドはほぼ同時にため息を吐いた。そして同時に互いを見る。どうやら同じことを思っていたらしい、と互いの表情を読み取って察した。
「レオナルド殿下? 父さん?」
「いや、なんでもないよ」
「ああ、そうだぞ」
セスに声をかけられ、二人は慌てて答えた。
「そう? ところで……母さんとフェニが見当たらないけど」
「ああ、二人は母上に呼び出されていてね」
レオナルドはそう言うと席を立った。
「セス、一緒にフェニを救出に行こうか。母上にもみくちゃにされているかもしれないから」
「確かに」
レオナルドの母で王妃のカレンは、セスそっくりのフェニを可愛がっている。フェニが怯えるぐらいに。
「では、お義父さん。ゲームの続きはまた後で」
「フンッ、次は俺が勝つ!」
ウィルは息巻いて言ったがレオナルドは終始笑顔のままだった。
「じゃあ、父さん。俺達、行ってくるね」
セスはそう言うとパンの香りがする紙袋をテーブルに置き、レオナルドはセスと共に部屋を出て行った。そして一人残ったウィルは、頬杖をついてふぅっと息を吐く。
……誰にもやらんつもりだったんだがなぁ。
しかしレオナルドと共に出て行ったセスの笑顔を思い出せば、ウィルは何も言えない。そしてレオナルドがセスの為に、馬鹿な事をして身を引こうとした事を思い出せば、レオナルドを認めない訳にもいかなかった。
……レオナルドの奴、最初からセスに言えばよかったんだ。まあセスの事を想って、言えなかったあいつの気持ちもわからなくもないけどな。俺も似た経験があるし。
ウィルはチェスの駒をついついっと突きながら、自分の過去を思い出した。
『時忘れ』の花粉を被った時、婚約者だったリーナに別れて欲しいとウィルは頭を下げて頼んだ。『時忘れ』を被った自分では、子供は望めないからだ。
勿論、別れを告げることが辛くなかったわけがない。でもそれ以上に、愛しい人から子供をもつ権利を奪いたくはなかった。そして不死鳥の涙を飲んだセスに、レオナルドもきっと同じような事を考えたのだろう。不妊ではなくなったセスを想って。
……気に食わんが、俺とあいつってそういう所が似てるんだよなぁ。まあセスを泣かした理由にはならんけど。ああ、もう一発ぐらい殴ってりゃ良かった。
ウィルはむすっとした顔でぐっと拳を握ったが、しかし。別れを切り出したウィルもリーナに泣いて怒られた口なので、レオナルドばかりを批判はできなかった。
『二人じゃ幸せになれないって言うの?! 私は貴方といて幸せなのに、その幸せをあなたが奪うの!?』
そうリーナに泣かれた時の事をウィルは忘れられない。
「あれ以上の口説き文句はないよなぁ。さすがリーナさんと言うか」
ウィルはふふっと笑って、その後の事を思い返す。
結局、告白を受けたウィルはリーナと結婚することに決めて、それからしばらくは二人で幸せに暮らしていた。いつでも新婚みたいな気分で。
けれど、結婚十年目に思わぬことが起こった。ウィル達の元にセスがやってきたからだ。
柔らかくて弱くて目が離せない大切な大切な生き物、それが最初のセスの印象だった。
けれどその小さな生き物は段々笑うようになって、喋るようになって、立つようになって。気がつけば、あっという間に成長して、大人になってしまった。
もっと色々な事を教えて、色々なものを与えたかったのに。もっとじっくり傍で見守りたかったのに。
……親ってのは切ないもんだな。後生大事に育てても、いつかは手放さなきゃいけないんだから。
ウィルは寂しさを誤魔化すように、しんしんっと雪が降る窓の外を眺めた。だがヒヤッとした寒さに「くしゅん」と小さなくしゃみをする。
「うぅっ、冷えてきたな」
ぶるっと身を震わせて呟いた。
……何か、上着でも取ってこようかな。
ウィルはそう思って椅子から立ち上がろうとした。だがちょうどその時、ノックもなしにドアが開き、ウィルが視線を向けるとそこには出て行ったはずのセスが立っていた。
「セス? ……迎えに行ったんじゃないのか?」
「うん、そうだけど。ひざ掛けを持ってきたの」
セスはそう言うと、ウィルに近寄ってあったかいひざ掛けを被せた。
「寒いかと思って。父さん、いつも薄着だし」
「俺の為に?」
ウィルが尋ねるとセスはにこっと笑うだけだった。
「じゃあ父さん。俺、今度こそフェニを迎えに行ってくるね」
セスはそれだけを言うと足早に部屋を出て行った。外でレオナルドが待っているからだろう。ドアはパタンっと閉められ、ウィルは暖かなひざ掛けをぐっと握った。
セスの優しさに体だけじゃなく、心まで温まる。
「はぁ……また幸せの借金が増えちまったな。俺は一体どうやって返せばいいのか」
ウィルはふふっと笑ったが、その目尻にはきらりと輝くものがあった。
「俺をお父さんにしてくれて、ありがとうな。セス」
そうぽつりと呟いた言葉は薪が爆ぜる音にかき消えた。
おわり
*****************
ここからはおまけ↓↓↓↓
とある日のウィルとちびっ子セス。
「なあ、セス。弟妹が欲しいって思ったりするか?('ω')」
「きょーだい? ……ううん(._.)」
(あれ? 欲しいって言うかと思ったんだけどな。でもセスが生まれてきてくれただけで奇跡みたいなものだから、弟妹が欲しいって言われても困るんだが(-_-;))
「そうか」
「うん。だってきょーだいができたらおとーしゃん、ひとり占めできなくなっちゃうもん(´・ω・`)」
(ズキュゥゥゥンッ!!Σ(゜Д゜))
「だからべつに……おとーしゃん? どうしたの、おムネをおさえて?(´・ω・)?」
「(呼吸困難中)ハァーハァーッ、いや、何でもないんだ(;´Д`)」
(セスは俺を萌え殺す気か?! なに、俺をひとり占めしたいって!! んもーっ、これまでもこれからもセスの専属お父さんでいるよ!!(●´ω`●))
セスへの愛がまた深まったウィルなのであった……(笑)
***********
「父の日」って父親に感謝する日なのに、逆になってしまいました。でもウィルが幸せそうなので、許してください(笑)
おまけは実験的に顔文字付きにしてみましたが、どうだったかな?
楽しく読んで頂けたら嬉しいです。
お気に入り登録、ありがとうございます!(*´▽`*)/
レオナルドとセスの仲違いが一件落着した後の事。
「お義父さん、私の勝ちですね?」
パチリと暖炉の薪が燃える音が響く中、レオナルドはニコニコしながらチェス盤を前に言った。そしてレオナルドの前には、城に滞在していたウィルが座っており、むっすりと不機嫌顔だった。
「でぇい! 俺をお義父さんと呼ぶな!」
「勝負に勝ったら呼んでいいと言ったじゃないですか」
「誰も一回勝負とは言ってない!」
「いいでしょう。何回勝負にしますか?」
レオナルドは笑いながら答えた。その涼し気な顔にはありありと『何回でも勝ちますけどね?』と書かれていた。だから余計にウィルはイラっとしてしまう。
……くっそぉ、セスと仲直りしたからって調子に乗りやがって。やっぱり許すんじゃなかった!
しかし、そこに紙袋を手にセスが戻ってきた。
「ただいま~」
「「セス!」」
ウィルとレオナルドは同時にセスを呼び、セスは二人に声をかけた。
「あれ? 二人でゲームしてたの?」
セスはチェス盤を見て言ったが、ウィルはハッとして慌ててチェス盤を片付けた。レオナルドに負けたとセスにバレたくなかったからだ。
「あ、ああ、まあな。ところで、その紙袋はどうしたんだ?」
「あ、これ? 今日は街に行って部屋の片づけをしてきたんだけど、リッキーに会ってパンを貰ったんだ」
「リッキーと?」
「うん。またお城に住むことになったって言ったら、『またしばらくは買いにこれなくなるな』って言って、くれたんだ~。でも、なんだかちょっと泣きそうな顔してたんだよね。なんでだろ?」
セスは首を傾げて不思議そうに答えた。しかしウィルにはありありとリッキーの気持ちがわかってしまった。
……リッキーの奴、セスの事まだ好きだったんだな。
しかしリッキーの気持ちを知らない、というか気がついていないセスは首を傾げたままだった。
「別にもう二度と買いに行けない訳じゃないのになぁ」
……そういう事じゃないんだが。このセスの鈍感さはどこから来ているのか。
「「ふぅっ」」
ウィルとレオナルドはほぼ同時にため息を吐いた。そして同時に互いを見る。どうやら同じことを思っていたらしい、と互いの表情を読み取って察した。
「レオナルド殿下? 父さん?」
「いや、なんでもないよ」
「ああ、そうだぞ」
セスに声をかけられ、二人は慌てて答えた。
「そう? ところで……母さんとフェニが見当たらないけど」
「ああ、二人は母上に呼び出されていてね」
レオナルドはそう言うと席を立った。
「セス、一緒にフェニを救出に行こうか。母上にもみくちゃにされているかもしれないから」
「確かに」
レオナルドの母で王妃のカレンは、セスそっくりのフェニを可愛がっている。フェニが怯えるぐらいに。
「では、お義父さん。ゲームの続きはまた後で」
「フンッ、次は俺が勝つ!」
ウィルは息巻いて言ったがレオナルドは終始笑顔のままだった。
「じゃあ、父さん。俺達、行ってくるね」
セスはそう言うとパンの香りがする紙袋をテーブルに置き、レオナルドはセスと共に部屋を出て行った。そして一人残ったウィルは、頬杖をついてふぅっと息を吐く。
……誰にもやらんつもりだったんだがなぁ。
しかしレオナルドと共に出て行ったセスの笑顔を思い出せば、ウィルは何も言えない。そしてレオナルドがセスの為に、馬鹿な事をして身を引こうとした事を思い出せば、レオナルドを認めない訳にもいかなかった。
……レオナルドの奴、最初からセスに言えばよかったんだ。まあセスの事を想って、言えなかったあいつの気持ちもわからなくもないけどな。俺も似た経験があるし。
ウィルはチェスの駒をついついっと突きながら、自分の過去を思い出した。
『時忘れ』の花粉を被った時、婚約者だったリーナに別れて欲しいとウィルは頭を下げて頼んだ。『時忘れ』を被った自分では、子供は望めないからだ。
勿論、別れを告げることが辛くなかったわけがない。でもそれ以上に、愛しい人から子供をもつ権利を奪いたくはなかった。そして不死鳥の涙を飲んだセスに、レオナルドもきっと同じような事を考えたのだろう。不妊ではなくなったセスを想って。
……気に食わんが、俺とあいつってそういう所が似てるんだよなぁ。まあセスを泣かした理由にはならんけど。ああ、もう一発ぐらい殴ってりゃ良かった。
ウィルはむすっとした顔でぐっと拳を握ったが、しかし。別れを切り出したウィルもリーナに泣いて怒られた口なので、レオナルドばかりを批判はできなかった。
『二人じゃ幸せになれないって言うの?! 私は貴方といて幸せなのに、その幸せをあなたが奪うの!?』
そうリーナに泣かれた時の事をウィルは忘れられない。
「あれ以上の口説き文句はないよなぁ。さすがリーナさんと言うか」
ウィルはふふっと笑って、その後の事を思い返す。
結局、告白を受けたウィルはリーナと結婚することに決めて、それからしばらくは二人で幸せに暮らしていた。いつでも新婚みたいな気分で。
けれど、結婚十年目に思わぬことが起こった。ウィル達の元にセスがやってきたからだ。
柔らかくて弱くて目が離せない大切な大切な生き物、それが最初のセスの印象だった。
けれどその小さな生き物は段々笑うようになって、喋るようになって、立つようになって。気がつけば、あっという間に成長して、大人になってしまった。
もっと色々な事を教えて、色々なものを与えたかったのに。もっとじっくり傍で見守りたかったのに。
……親ってのは切ないもんだな。後生大事に育てても、いつかは手放さなきゃいけないんだから。
ウィルは寂しさを誤魔化すように、しんしんっと雪が降る窓の外を眺めた。だがヒヤッとした寒さに「くしゅん」と小さなくしゃみをする。
「うぅっ、冷えてきたな」
ぶるっと身を震わせて呟いた。
……何か、上着でも取ってこようかな。
ウィルはそう思って椅子から立ち上がろうとした。だがちょうどその時、ノックもなしにドアが開き、ウィルが視線を向けるとそこには出て行ったはずのセスが立っていた。
「セス? ……迎えに行ったんじゃないのか?」
「うん、そうだけど。ひざ掛けを持ってきたの」
セスはそう言うと、ウィルに近寄ってあったかいひざ掛けを被せた。
「寒いかと思って。父さん、いつも薄着だし」
「俺の為に?」
ウィルが尋ねるとセスはにこっと笑うだけだった。
「じゃあ父さん。俺、今度こそフェニを迎えに行ってくるね」
セスはそれだけを言うと足早に部屋を出て行った。外でレオナルドが待っているからだろう。ドアはパタンっと閉められ、ウィルは暖かなひざ掛けをぐっと握った。
セスの優しさに体だけじゃなく、心まで温まる。
「はぁ……また幸せの借金が増えちまったな。俺は一体どうやって返せばいいのか」
ウィルはふふっと笑ったが、その目尻にはきらりと輝くものがあった。
「俺をお父さんにしてくれて、ありがとうな。セス」
そうぽつりと呟いた言葉は薪が爆ぜる音にかき消えた。
おわり
*****************
ここからはおまけ↓↓↓↓
とある日のウィルとちびっ子セス。
「なあ、セス。弟妹が欲しいって思ったりするか?('ω')」
「きょーだい? ……ううん(._.)」
(あれ? 欲しいって言うかと思ったんだけどな。でもセスが生まれてきてくれただけで奇跡みたいなものだから、弟妹が欲しいって言われても困るんだが(-_-;))
「そうか」
「うん。だってきょーだいができたらおとーしゃん、ひとり占めできなくなっちゃうもん(´・ω・`)」
(ズキュゥゥゥンッ!!Σ(゜Д゜))
「だからべつに……おとーしゃん? どうしたの、おムネをおさえて?(´・ω・)?」
「(呼吸困難中)ハァーハァーッ、いや、何でもないんだ(;´Д`)」
(セスは俺を萌え殺す気か?! なに、俺をひとり占めしたいって!! んもーっ、これまでもこれからもセスの専属お父さんでいるよ!!(●´ω`●))
セスへの愛がまた深まったウィルなのであった……(笑)
***********
「父の日」って父親に感謝する日なのに、逆になってしまいました。でもウィルが幸せそうなので、許してください(笑)
おまけは実験的に顔文字付きにしてみましたが、どうだったかな?
楽しく読んで頂けたら嬉しいです。
お気に入り登録、ありがとうございます!(*´▽`*)/
105
お気に入りに追加
4,065
あなたにおすすめの小説
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
竜王陛下、番う相手、間違えてますよ
てんつぶ
BL
大陸の支配者は竜人であるこの世界。
『我が国に暮らすサネリという夫婦から生まれしその長子は、竜王陛下の番いである』―――これが俺たちサネリ
姉弟が生まれたる数日前に、竜王を神と抱く神殿から発表されたお触れだ。
俺の双子の姉、ナージュは生まれる瞬間から竜王妃決定。すなわち勝ち組人生決定。 弟の俺はいつかかわいい奥さんをもらう日を夢みて、平凡な毎日を過ごしていた。 姉の嫁入りである18歳の誕生日、何故か俺のもとに竜王陛下がやってきた!? 王道ストーリー。竜王×凡人。
20230805 完結しましたので全て公開していきます。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる