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殿下、ちょっと待って!!

3 またもや一緒に入浴 ※

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「セス、お兄ちゃんって言ってみて?」

 レオナルド殿下が唐突に言うもんだから、俺はほとんどオウム返しのように返事をした。

「ん? お兄ちゃん?」
「うん……なかなかいい響きだね」

 なんだかレオナルド殿下が満足気。
 レオナルド殿下、そういえば一番下だもんなぁ。弟か妹とか欲しかったのかも。

「レオナルドお兄ちゃん」

 何となく言ってみると、レオナルド殿下の体がピキッと強張ったのがわかった。

 なんで??

「レオナルド殿下?」

 恐る恐るゆっくり振り向こうとしたら、その途中でレオナルド殿下に耳をかじっと噛まれた。

「ひゃわ!」
「私が兄なら、セスはいけない弟だな。こんなに私を誘惑して」

 レオナルド殿下がスリッと俺のお尻に猛ったイチモツを擦りつけてくる。

 いや、今のどこでスイッチが入りましたッ!?

「んっ、な、俺、誘惑なんてっ」

 言い返す俺の足をレオナルド殿下はがしっと掴むと、左右にパカリッと広げた。

「あ!」
「前をこんなにしてるのに誘惑してないって? 十分いやらしいよ」

 レオナルド殿下は後ろから俺の股間を覗いて囁いた。俺のそこもぴょんと勃っている。

 だって仕方ないだろう? さっきから後ろにレオナルド殿下の勃起したのが俺のお尻につんつん当たってたんだから!! そりゃ、ムラムラするよ。こっちはピチピチの成人男子なんだぞっ!

 と、心の中で喚いてみるものの、レオナルド殿下に言えるはずもなく、俺は手ですぐに自分の股間を隠した。

 何度も見られてるし、舐められたこともあるけど、やっぱり恥ずかしい。俺が耳まで真っ赤にするとレオナルド殿下は俺の耳をべろんっと舐めて、それから「はぁ、堪らない」って熱い息を吹きかけた。

「セス、体をこっちに向けて」
「え!」
「セスの顔が見たい。お願い、ね?」

 レオナルド殿下にお願いされて俺はおずおずと体をくるんと回転させた。目の前にはレオナルド殿下の顔がある。

「セス」

 レオナルド殿下は俺の顔を両手で包むと、俺の顔を上に向かせて、唇に優しいキスをした。
 ちゅっちゅっと啄んで俺の唇を食み食みする。

 気持ちいいけど、どろどろに甘くてねっとりとした大人のキスを知ってしまった俺には、なんだか物足りない。もっとキスして欲しくて俺は舌を出してレオナルド殿下の唇をペロッと舐めてみた。

 するとレオナルド殿下は俺の要望に気が付き、深いキスをしてくれた。

「んっ、ふっ、んんっ」

 俺の甘えるような声が浴室に響く。恥ずかしい、でも気持ちいい。もっと、気持ち良くなりたい。俺は知らぬ間にすりすりとレオナルド殿下のモノに自分のモノを擦りつけていた。

「はっ……セス、私をこんなに誘惑していけない子だ」
「んっ、だってぇ……」

 レオナルド殿下が俺に色々としたからじゃないか、こんな風になったのはレオナルド殿下のせいですよ! と心の中で俺が呟く。

 でも言えない俺の額にレオナルド殿下はキスをすると、俺の腰をぐっと引き寄せた。

「ふふ、セスにのぼせそうだ。今日はもう遅いから手早く済ませるよ」

 そう言うと俺と自分の性器をひとまとめにして、じゅぶじゅぶとお湯の中で扱かれた。バキバキに硬いレオナルド殿下の性器と一緒に扱かれて、俺の体は気持ち良さに痺れる。

「ああっ、殿下ぁっ!!」

 ……レオナルド殿下の硬いちんこが俺のに擦れて気持ちいっ。レオナルド殿下の手、おっきくて堪んないよーっ。

 俺ははふはふっしながら、レオナルド殿下の首に手を回してぎゅっと抱き着いた。

「セス、可愛いね」

 レオナルド殿下は俺の耳元で囁き、心の奥も腹の奥もズクンッて疼く。

「セス」
「んっ! んぷっ、んぅーーっ」

 ぱくりと食べられるように唇を塞がれて、俺は上手く息が出来なくて乱れてしまう。
 浴室の中は、お風呂のお湯がちゃぷちゃぷっと揺れる音、俺達の荒い息、そして唇同士が重なり合う音が響いて、すっかり淫靡な雰囲気だ。

 なのに、レオナルド殿下がくいくいっと腰まで動かして、俺の性器に擦りつけてくるから俺はあっさりと果てた。

「んんーーーーーっ!!」

 唇を塞がれたまま体を震わせて、俺はびゅびゅぅと精液をお湯の中に吐き出した。けど、レオナルド殿下は扱くのを止めてくれなかった。

「んっぷっ! ゃぁ、だやだっ、レオ! も、もぉ俺、イってるからぁッ! ちょっと待ってぇ!!」

 俺はレオナルド殿下の胸を押して肉厚な唇から逃れると叫んだ。達したばかりの体にレオナルド殿下の扱きは辛い刺激だった。

「はっはっ、ごめっ、セス。我慢してっ」
「うあぁぁっ!」
「くっ」

 レオナルド殿下はぎゅうぅっと掴んで絞り上げるように扱いた。そして、ようやくびゅううっと白濁を吐き出した。俺は搾り取られるような感覚に目の前がチカチカして、体がガクガクする。

「はぁあっはぁっ」

 俺は涎を零しながら呼吸をした。お湯の中に浸かっているのもあって、頭がぼんやりする。背中に回されたレオナルド殿下の手がなかったらお湯の中に溺れていたかもしれない。

「ごめん、セス。大丈夫?」
「はぁっはっ、ん、だーじょぶ」

 俺は舌ったらずの口調で答えた。

 ……うぅ、色んな意味でのぼせてきたかも。お湯を汚しちゃった。

「我慢できなかった、ごめんね、セス」
「ん、だーじょぶ、だからぁ」

 俺が答えるとレオナルド殿下は俺の頬にキスをして、優しく微笑んだ。

「お風呂から上がろうか、セス」

 レオナルド殿下は俺の脇の下に両手を入れて言った。

「ぅん……」

 俺が返事をすると、力が入らない俺をレオナルド殿下は小さな子供みたいに抱え上げてくれた。そして、蛇口を捻って綺麗なお湯で身体を流すと、そのまま脱衣所に出てタオルで丁寧に拭いてくれた。
 その後は寝間着も着せてくれて……まさに至れり尽くせり。

 王子様にして貰うのはどうかとも思ったが、体に力が入らないので仕方がない。使用人さん達にして貰うのは恥ずかしいし。

 それから俺はレオナルド殿下に抱っこされたまま風呂場から私室に戻り、ベッドに下ろしてもらった。ベッドの上にはランス殿下に貰った卵が置かれている。
 食堂に行く前にレオナルド殿下の従者であるノーベンさんに私室に持っていくよう頼んでいたので、ベッドの上に置いておいてくれたのだろう。

 卵の下にはクッションも付けてくれている。さすができる従者ノーベンさんだ。

 ……けど割れない卵ってランス殿下は言っていたけれど、本当かな?

 俺は改めて、まじまじと卵を見つめる。デコレーションされている以外は、至って普通の卵だ。

 ……一体、何の卵だったんだろう? もう五十年以上経っているって話だけど、中はどうなってるのかな? もしかして中で何かが死んでいるのだろうか? うーん、でもなんとなくだけど、そういう感じはしないんだよなぁ。というか、中身が死んでたら卵も腐っちゃうよね? どうなってるのかなー? 不思議な卵だなぁ。

 見れば見るほど、不思議になってくる。

 でも、見つめる俺をレオナルド殿下は引き寄せた。

「セス、そんな不気味な卵は放っておきなさい」
「……不気味って」

 貴方のお兄さんが持ってきたモノですよ?

「ランス兄上の収集癖には困ったものだ。セスもいらなかったら正直に言っていいんだからね? でないと、また持ってくるから」
「それは、まあ、そうなんでしょうけど」

 けれど、あのランス殿下を見て、どうやって断れというのだろう。難し過ぎやしないか?

 俺はそう思いつつも、卵をツンツンッと触ってみる。

「何の卵だったのかなぁ?」

 産んた親はどうしてしまったんだろう? こんな大きな卵だったら、親もそれなりの大きさだったに違いないだろうけど。自分の卵が人の手に渡るなんて思っていなかっただろうなぁ。
 俺はそんな事を思いながら、今度は手の平で卵をヨシヨシしてみる。

「お?」

 意外に手触りが良くて、気持ちがいい。ツルツルとしつつ、手にフィットする密着感、何とも言えない感触だ。

 ……うーん、何とも言えない触りゴコチ。

 でも、面白くてヨシヨシと触り続けているとレオナルド殿下が俺の手首を掴んで、卵から離した。

「触るのは、そこまで」
「ええ?」
「こんな得体のしれない卵……」
「でも、ランス殿下に頂いたものですし」
「セス」

 レオナルド殿下は有無を言わさない様子で俺に言った。ここらへんで引いておかないと、後々面倒になりそうだ。

「はーい」

 俺が素直に返事をするとレオナルド殿下は卵をクッションごと持ち上げてテーブルの上に置いた。そしてすぐにベッドに戻ってくる。

「さあ、もう寝よう。セスも明日は仕事だろう?」
「はい」
「さぁ、こっちにおいで」

 レオナルド殿下はベッドの上に上がり、横になると掛け毛布を持ち上げて俺を呼んだ。

 最初は恥ずかしかったけれど、今では慣れたもので俺はいそいそとレオナルド殿下の傍に身を寄せる。風呂上がりな事もあって、ほかほかと温かい。今日もぐっすりと眠れそうだ。

「セス、おやすみ。いい夢を」

 レオナルド殿下は俺のおでこにキスをして、体をぎゅっと抱きしめてくれる。
 その絶対的な安心感に包まれて、俺はすぐに眠たくなる。

 ぬくぬく、あったかい……。

「ん……、おや、すみなさい、れぉ」

 たった数秒の間に俺はストンッと眠りに落ちた。




 でも翌朝、俺は驚くことになるーーーー。
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