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殿下、何してるんですか!?

7 そんな事、聞かないでください! ※

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 早々に絶頂を迎え、息を乱す俺にレオナルド殿下は微笑んだ。

「早かったね。それに濃いな……最近してなかったから、溜めてた?」

 レオナルド殿下に聞かれて、ぽやんっとしている俺は素直に答える。普段だったらこんな事答えないけれど。

「う、ん」
「自慰もしてなかったの?」
「して、ない」
「もしかして私にすごく触って欲しかった?」
「ん、さわってほしかった」

 俺が言うとレオナルド殿下は男らしく満足げに口角を上げた。そして体を起こすと乳首と性器から身を離した。

「素直で良い子だ」

 レオナルド殿下は褒めるように俺の頬をするっと撫でた。そしてちり紙を取って俺の体と手に付いた精液を拭いた。レオナルド殿下にさせて申し訳ない、と思いつつ俺は見つめるしかできなかった。だって、まだ体が動かない。
 でもそんな動けない俺を見つめ返し、レオナルド殿下は俺のお尻に手を伸ばした。

「セス、私も気持ち良くなりたいな」
「あっんぅ!」

 声を上げた時には、くちゅっと俺の後孔にレオナルド殿下の指先をつっこまれていた。レオナルド殿下の指は俺の中を探るようにぐるっと一回転する。

「んぅぅぅっ」

 俺はその刺激に声を漏らした。でも、そんな俺を見ながらレオナルド殿下は顔色を変えた。

「……濡れてる?」

 言葉に出されて俺は恥ずかしさのあまり、体を捻り、ゴロンっとうつ伏せに転がって枕で顔を隠した。同時に俺の中を探っていたレオナルド殿下の指がちゅるっと抜けた。

「セス、自分で解したの?」

 レオナルド殿下に聞かれたけど、俺は答えられなかった。
 今日は俺から色々しようと思っていた。だから、風呂に入ってその時に自分で解して例のクリームを塗っておいたのだ。

 でも、それをレオナルド殿下に気付かれて、口に出して言われると恥ずかしいっ!

 俺はむぎゅうっと枕を掴んで、顔をふかふかの枕に突っ伏す。

「セス……もしかして他の人にさせたんじゃないだろうね?」

 レオナルド殿下に思わぬことを言われて俺は枕から顔を出して、すぐに反論した。

「させる訳ないでしょ!」

 俺は少し体を起こしてレオナルド殿下に振り返って言った。だがレオナルド殿下はこちらを見てにっこりと笑っていた。

 ……あ、騙された。

「だよね? という事は、私の為に自分で解してくれたのかな?」

 レオナルド殿下はそう言うと、俺のお尻をもにっと両手で掴むと左右に割った。そしてぐぷっと右手の親指を入れて俺のお尻の具合を確かめるように触る。
 レオナルド殿下の太い親指が入ってきて、俺は反射的にむきゅっと親指を食い締めた。でもそれでも気にしないで入ってきた親指は中をぐにぐにと押しては中を引っ掻く。

「ねぇ、セス。どうなの?」
「あっ! あんんっ、そ、そぅ」
「しっかり解れてる。自分でいっぱい広げたの?」

 くちゅくちゅっと俺の中をかき混ぜると、左手の親指も入れてきた。ぐにぃっと左右に広げられて俺の腰がじんっと疼く。早く中に欲しいって、言っているみたいに。
 そして中に入れ込んでいたクリームが溶けて、広げられた後孔からとろりっと外に垂れるのがわかった。それをじっとレオナルド殿下が見ているのも。

 ううー、恥ずかしぃ。もー、聞かないでよぉ。

「ね、自分でこんなに広げたの? セス」
「んっ、だって、レオの……おっきぃからぁっ」

 観念した俺が、ぎゅうっと枕を握りしめて肩越しに振り返って言うとレオナルド殿下は嬉しそうに微笑んだ。

「可愛い事を言ってくれるね。……でも、今度からはしなくていいよ。ここを解すのも私の楽しみの一つだから」

 レオナルド殿下はそう言うと親指を入れたまま、ちゅっと俺のお尻にキスをした。

 そう言うもんなのか? 解れてた方がすぐに入れられて楽だと思ったのに。

 俺はそう思ったが、レオナルド殿下がそう言うならそうなのだろう。今度からはあまり触らないでおこう、と俺は思った。

 でも次の瞬間、ぬるっと熱いものが俺の後孔に入れられて俺は思わず悲鳴を上げた。

「殿下、何してるんですかッ!」

 恥ずかしさに胸が熱くなる。
 気が付けば、レオナルド殿下の舌が俺のお尻の穴を舐めていた。

「やっ! そんな汚いとこッ!」

 俺は腰を揺らそうとするが、レオナルド殿下は俺の腰をがっちりと掴んでいて離さなかった。べろべろと舐められて、くにっと舌で穴を突かれる。

 恥ずかしいったらない。

「もぉ、やだぁ!」

 俺は涙目になって叫んだ。そこでようやくレオナルド殿下の舌から解放された。

「クリームで解れているとはいえ、よく濡らしておかないとね?」

 それだったら、クリームを足せばいいじゃんっ! と思ったが、恥ずかしさで俺は言葉が出なかった。

 お尻の穴を舐められるなんて……っ。自分でしたから綺麗だとはわかってはいるけど。

 ぐずっと泣きそうになるが、レオナルド殿下が膝立ちになって俺はそれどころじゃなくなった。

「さて、自分で解してくれたセスの期待に応えて、すぐに挿れてあげるね?」

 レオナルド殿下はそう言うと、膝立ちのまま寝間着のズボンと下穿きを下ろした。いつの間にか勃っていたそこはぶるんっと出てきて、すでに臨戦態勢の状態だった。
 ビキビキに血管が脈打つように浮き上がっていて、赤黒くて、太かった。
 何度見てもすごいって思う。そして俺で興奮してくれてるんだって思うと、胸がドキドキしてきゅーって締め付けられた。

「セス、お尻をあげて」

 レオナルド殿下に言われて、いそいそと俺は素直に腰を上げる。レオナルド殿下にお尻を突き出す格好になってすごく恥ずかしい。お尻を見て下さいって言っているみたいで、まだ慣れない。

 でもそんな俺のお尻をよしよし、と褒めるように撫でて、レオナルド殿下は左手で俺の尻たぶをむにっと掴んだ。そして親指でお尻の後孔を広げると、そこにレオナルド殿下の性器の熱い先っぽがむちゅっと当たった。

 ひゅんっと胸の奥がときめく。

「セス、挿れるよ」

 レオナルド殿下はそう告げると、ぐぷぷぷぷっと俺の中に熱い剛直を入れ込んできた。内壁を硬いもので擦られて、俺は嬌声を上げる。

「あああああーーっ」
「ああっ、セス……気持ちいいよ」

 レオナルド殿下はうっとりした声で言い、奥までいれた腰をぐいーっと引き、また奥まで入れ込んだ。そうされるとレオナルド殿下の性器が俺の中を擦って、俺は体が震えるぐらい気持ちいい。
 レオナルド殿下はもう知っているのだ、どうすれば俺が感じちゃうのか。

「あっあっ、レオッ、レオっ!」
「気持ちいいんだね? もっと気持ち良くしてあげる」

 レオナルド殿下はそう言うと俺の腰を両手でぐっと掴み、早く腰を動かし始めた。ぱちゅぱちゅっと淫らな音が響き始める。ギッギッとベッドが苦し気に軋み、俺の体も揺れる。

「ああ、きもちぃいっ!」
「私もだよ、セス」

 レオナルド殿下は体を倒してくると俺の体に覆いかぶさり、俺の背にぴったりと体をくっつけた。そして腕を俺の肩に回すとしっかりと掴んで、さっきよりも腰をずくっずくっと深く入れてきた。まるで獣の交尾だ。

「あぁっ、はっ、あっ、あああーっ!」

 気持ち良くて目の前に星が飛ぶ。もう何も考えられない。気持ち良くて、俺の性器はたらたらっと先走りの汁を零しながら激しい動きに合わせて揺れ動き、俺の腹にぺちぺちっと当たっていた。

 はあはあっと熱いレオナルド殿下の息が俺のうなじにかかる。

「セス」

 甘い、堪らないって声で囁かれたら、ひとたまりもない。

「あっ、いっちゃうっ、あっ、あああああーーー!」

 俺は触ってもないのに、びゅくびゅくっと精液をシーツに吐き出した。そして俺の中にいるレオナルド殿下の太いモノをぎゅうっと締め付けた。

「ぐぅっ……セスッ」

 小さく呻いた後、レオナルド殿下の性器が俺の中で震えて、中に吐き出される感覚が腹の中で広がった。

 き……きもちぃ、はふぅぅっ、れおの、おなかに、いっぱい。ちゅごい。

 酸素不足の頭は、いつも正常に動かない。

「セス」
「はへっ?」

 酸素をはふはふっ吸っていた俺にレオナルド殿下はそっと手を回し、べろっと俺の唇を舐めるようにキスをした。
 ちらっとレオナルド殿下を見ると色っぽい男の顔で俺を見て、キスがしたいって目が訴えている。俺はその目に抗う方法もなくて、自らレオナルド殿下の唇に顔を寄せた。

「んぅむ」

 むちゅっ、ちゅっちゅっとお互いに顔を寄せてキスをする。
 だけどうつ伏せの態勢で、顔を捻ってキスをしていた俺は段々苦しくなって、ゴロンっと仰向けになった。

 ……ああ、これで楽にいっぱいキスができる。

 俺はレオナルド殿下の顔を両手で包みこんで、ちゅっちゅっと何度も優しいキスをした。

 キス、気持ちいいな。……レオもそう思ってくれると嬉しいな。

 息が整ってきた俺がそんな事を思いながらうっすらと目を開けると、レオナルド殿下も瞳を開けて俺を優しく見つめていた。優しい色合いのサファイアの瞳。
 俺だけを一心に見つめる瞳はこの世で一番綺麗だと思う。

「セス、愛してるよ」

 レオナルド殿下は唇を離すと俺に甘く囁いて、ぎゅっと抱きしめた。
 汗ばんだ体とレオナルド殿下の匂いに、俺の頭は痺れたように身体に力が入らなくなる。

 俺は心の中を温かい液体が占領して、いつの間にか心の中にあったもちゃもちゃが消えていた。






***あとがき***

二日連続で、ただただイチャイチャしているだけのお話で良かったのだろうか……(汗)
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