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森のおともだち
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あるところに、メイちゃんという女の子がいました。
メイちゃんは、おとうさんとおかあさんにいじめられていました。
だから、いつもおなかがペコペコで、お洋服もボロボロ。
メイちゃんはとてもやさしい子でしたが、とてもさみしかったのです。
ある日、メイちゃんは、一人で森へさんぽに行きました。
おかあさんに「森に行ってはいけないよ」と言われていましたが、メイちゃんはずっと行ってみたかったのです。
森はとてもしずかでした。
メイちゃんがあるくと、落ち葉がかさかさと音をたてます。
「とってもすてきな音!」
音がなるのが楽しくて、メイちゃんはスキップをしながらどんどん森の奥へとすすんでいきました。
しばらく行くと、はっぱとはちがう音がきこえてきました。
どうやらだれかのはなし声のようです。
「だれかいるの?」
耳をすませると、たくさんの声がきこえます。
メイちゃんはにぎやかな声が気になってしかたありません。
ドキドキしながら、声のするほうへ向かいました。
すこしあるくと、なんと、森のどうぶつたちがパーティーをひらいていました。
あのにぎやかな声は、くまやうさぎ、りすやとりなど、たくさんのどうぶつたちが楽しそうにおはなししている声だっだのです。
おいしそうなごちそうや、どうぶつたちが身につけているはっぱと木の実の首飾りに、メイちゃんはとっても嬉しくなりました。
「わあすてき!」
メイちゃんが笑うと、どうぶつたちがメイちゃんのまわりにあつまってきました。
「森のパーティーへようこそ。きみの名前はなあに?」
「わたしはメイっていうの。とっても楽しそうな声が聞こえたわ。わたしもパーティーに参加していいかしら?」
「もちろんだよ」
どうぶつたちは、メイちゃんがきたことをよろこびました。
すると、一羽のうさぎがメイちゃんになにかをさしだしました。
それは、赤と黄色と茶色のはっぱでつくった、とてもきれいな冠でした。
「さあ、メイちゃんへのプレゼントよ! すこししゃがんでみて」
はっぱの冠は、メイちゃんにぴったりでした。
どうぶつたちはパチパチと手をたたき、にっこり笑いました。
メイちゃんも嬉しくて、にっこり笑いました。
「これでメイちゃんとぼくたちはおともだちだね」
「おともだち?」
「そうだよ。いっしょにあそんで、いっしょにわらったら、もうおともだちだよ」
ともだちがいなかったメイちゃんは、すこしだけ照れましたが、とてもよろこびました。
それからメイちゃんとどうぶつたちは、日が暮れるまでいっしょにあそびました。
ごちそうをたくさん食べたので、おなかはいっぱいです。
かわいい首飾りもつけたので、お洋服がとってもすてきになりました。
おうちの中にいたときは、こんなに楽しいことがあるなんて知りませんでした。
メイちゃんは、もうさみしくありません。
これからもずっとおともだちです。
おしまい。
メイちゃんは、おとうさんとおかあさんにいじめられていました。
だから、いつもおなかがペコペコで、お洋服もボロボロ。
メイちゃんはとてもやさしい子でしたが、とてもさみしかったのです。
ある日、メイちゃんは、一人で森へさんぽに行きました。
おかあさんに「森に行ってはいけないよ」と言われていましたが、メイちゃんはずっと行ってみたかったのです。
森はとてもしずかでした。
メイちゃんがあるくと、落ち葉がかさかさと音をたてます。
「とってもすてきな音!」
音がなるのが楽しくて、メイちゃんはスキップをしながらどんどん森の奥へとすすんでいきました。
しばらく行くと、はっぱとはちがう音がきこえてきました。
どうやらだれかのはなし声のようです。
「だれかいるの?」
耳をすませると、たくさんの声がきこえます。
メイちゃんはにぎやかな声が気になってしかたありません。
ドキドキしながら、声のするほうへ向かいました。
すこしあるくと、なんと、森のどうぶつたちがパーティーをひらいていました。
あのにぎやかな声は、くまやうさぎ、りすやとりなど、たくさんのどうぶつたちが楽しそうにおはなししている声だっだのです。
おいしそうなごちそうや、どうぶつたちが身につけているはっぱと木の実の首飾りに、メイちゃんはとっても嬉しくなりました。
「わあすてき!」
メイちゃんが笑うと、どうぶつたちがメイちゃんのまわりにあつまってきました。
「森のパーティーへようこそ。きみの名前はなあに?」
「わたしはメイっていうの。とっても楽しそうな声が聞こえたわ。わたしもパーティーに参加していいかしら?」
「もちろんだよ」
どうぶつたちは、メイちゃんがきたことをよろこびました。
すると、一羽のうさぎがメイちゃんになにかをさしだしました。
それは、赤と黄色と茶色のはっぱでつくった、とてもきれいな冠でした。
「さあ、メイちゃんへのプレゼントよ! すこししゃがんでみて」
はっぱの冠は、メイちゃんにぴったりでした。
どうぶつたちはパチパチと手をたたき、にっこり笑いました。
メイちゃんも嬉しくて、にっこり笑いました。
「これでメイちゃんとぼくたちはおともだちだね」
「おともだち?」
「そうだよ。いっしょにあそんで、いっしょにわらったら、もうおともだちだよ」
ともだちがいなかったメイちゃんは、すこしだけ照れましたが、とてもよろこびました。
それからメイちゃんとどうぶつたちは、日が暮れるまでいっしょにあそびました。
ごちそうをたくさん食べたので、おなかはいっぱいです。
かわいい首飾りもつけたので、お洋服がとってもすてきになりました。
おうちの中にいたときは、こんなに楽しいことがあるなんて知りませんでした。
メイちゃんは、もうさみしくありません。
これからもずっとおともだちです。
おしまい。
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