上 下
31 / 86
第四章 竜夢 ~即時取得~

蒼天マティス

しおりを挟む
 しばらく、階段を上り続けると
 階段状の床が徐々に緩やかなスロープ状
 になって行きやがて真っ平らな階層に
 二人は登りつめていた。
 それまで通路として、
 進むばかりだったこのダンジョンが、
 開けた円形の広間のような
 場所にたどり着いた。

「ケヤッハアァ!!」

 と、同時にルロイにとってひどく
 聞き覚えのある奇声が鼓膜を叩いてきた。

「えっ、ギャ……ギャリックさん?」

「いよう、ロイじゃねぇか」

 円形の広間に、炎のように逆立つ
 オレンジ色の髪をした戦士が一人。
 その背後の奥まった場所には上の
 階層へ進む小さな階段が見える。
 ギャリックは親し気にルロイを呼ぶ。
 がその表情は残忍そうに
 獲物を見定める獣のそれであった。

「冒険者ギルドに居ないと思ったら、
 こんなところに……」

「最近また面白れぇ奴が、
 レッジョに来たらしいじゃなぇか。
 ここに戻ってからは
 滾る機会が多くて嬉しいぜぇ」

「そうですか」

「オメェとは久々の再会だし、
 俺としちゃ酒でも飲みながら
 オメェと積もる話もしてぇ……」

「はぁ……」

「だが、そいつは殺すぅ!」

 ギャリックは長剣を構え、
 有無を言わせずマティスへ
 獰猛に笑って見せる。
 お構いなしすぎてルロイは
 意味不明に口を開けるばかりである。

「えっ、なんでぇ!」

「決まってんだろ、オラァ!
 強い者との殺し合いにこそ、
 戦士は滾るからよぉ!」

 狼狽したルロイの言葉にも、
 頭に血が上ったギャリックには
 全く効き目がなかった。
 マティスは無感情にハルバードを
 構えて眼前のイカレ外道を威嚇する。

「何だか知らんが、耳障りだ。
 すぐに黙らせてやる」

「ヒャハハァ、死ねやー!」

 ギャリックがマティスの顔面へ
 打ち込もうと、
 剣を上段に振り上げた隙に
 マティスはギャリックの腹部を
 ハルバードで突きを入れる。
 ギャリックはその切っ先をはたき斬る。
 マティスは右へ踏み出し、
 ギャリックの剣を回り込むようにして
 皮鎧へ突きを入れる。
 ギャリックがバランスを崩した隙に、
 今度はマティスがギャリックの
 顔面を狙って突きを入れる。
 ギャリックは怯まず、
 右足を右斜め前方に踏み出し
 腕を交差させる構えでマティスの
 突きを受け流しつつ、
 そのまま剣を頭上へもっていき
 マティスの頭に斬りかかる。
 激流のごときギャリックの
 攻防の切り替えの早さ。
 無論、マティスも負けてはいない。
 マティスはハルバードを頭上で
 回転させ難なく斬撃を跳ねのける。
 それから両者は何度か刃を打ち合い、
 互いの対決は拮抗状態になっていった。
 やがて、両者は一歩引き合い得物を
 構えつつも互いの様子を窺っている。

「俺ぁ、『蒼天マティス』と一発
 殺りあってみたかったのよぉ!」

 ギャリックが心底嬉しそうに
 笑って見せる。

「蒼天?」

「フン、今や昔の名だ」

「ヘヒャ、なんでぇロイ。
 お前、まさか知らねぇのか?」

 『蒼天マティス』
 ひと昔前、レッジョでも
 他の地域でも名の知れた
 マティスの英雄としての称号だった。
 蒼いワイバーンに跨る竜騎士で、
 数多の戦場やダンジョンを
 蒼い飛竜と共に疾駆した傭兵であり、
 武人であり、もちろん
 冒険者だったこともある。
 飛竜と共に大空を駆け、戦う神速の姿が
 まるで空の青みと同化して見えたため、
 あるいはその自由奔放でとらわれなき
 生きざまが空のようであると。
 人々は畏敬の念を込めて『蒼天』の
 称号でマティスを呼んだものであった。
 そんなマティスも一人の女性と結ばれ
 娘が生まれると角が取れたのか、
 次第に冒険者稼業から遠のいていった。
 代わりに、マティスは日がな一日
 愛竜に跨って空を
 駆けることに没頭していった。
 冒険者としてはもう軽く一生分、
 自分と家族を養うに足る金額を
 稼いだのだ。
 残りの人生を遊んで暮らそうが
 勝手ではある。
 が、マティスはそれ以来
 自分を訪ねてくる人とも
 めっきり会わず、自分の家族さえも
 遠ざける様になっていったという。
 その後風の噂でマティスは、
 人里離れた山のどこかに
 籠ってスピードに取り憑かれ、
 愛竜と空を駆けることに
 狂ってしまったという。
 そんな、無責任でぼやけた噂が
 レッジョの冒険者界隈で人々の
 耳に入ったのを最後に、
 レッジョでマティスの名が
 語られることはなかった。
 それから何年かが過ぎ去り、
 もはやレッジョの人々は
 『蒼天マティス』の存在を半ば
 忘れかけていたのだった。
 そして今―――――
 その『蒼天マティス』は忌々しく、
 ギャリックを睨んでいた。
 ギャリックが説明してみせたことに、
 ルロイは納得してみせたものの、
 やはり釈然としない何かが残った。

「解せません。マティスさんは
 レッジョに来たばかり、あなたの発言は
 マティスさんがここにいると
 分かっていたかのようじゃ
 ありませんか?」

「ヒャア!さっすがロイ。
 察しがいいじゃねぇか……
 だが、知りたきゃ力づくで
 吐かせてみやがれぁ!」

 再びギャリックが剣を構え、
 マティスに襲い掛かる。
 対するマティスはどういう訳か
 どこか目の焦点が定まらず、
 上の空なのだった。
 流石に連戦で疲れが
 溜まっているのだろうか。
 ルロイの心配をよそに
 マティスはなにやらブツブツと
 呟いている。
 ギャリックはというと、
 そのマティスの無関心そうな態度を
 自らへの侮辱と受け取ったらしい。

「アヴェヤァア!
 よそ見してんじゃねええぇ、
 ぶっ殺しぃぃ!」

 怒髪天のギャリックの斬撃が
 マティスに襲い掛かる。

「マティスさん!」

 ギャリックは完全にマティスの
 懐へと入り込んだ。
 この間合いではリーチの長い
 ハルバードでの反撃は無理であった。
 あっけない幕切れ、
 ルロイは思わず目をつぶった。
 次の瞬間、ギャリックの驚嘆めいた
 奇声がルロイの耳に響く。

「ノッヒャアァ――――――」

 再び目を見開いたルロイは、
 事態を飲み込むのに
 ひと呼吸分はかかった。

「しゅ……瞬間移動しやがった!だと」

 ギャリックから見て、
 三歩、四歩ほどややよろめいた姿勢で
 マティスは後ろに下がっていた。
 思わずギャリックが口にした言葉と
 同じことをルロイもまた考えていた。

「今フレッチの声が聞こえた気が
 したんだが……これは」

 マティスにさえ、
 自分の身に起きた事態が
 飲み込めていないらしかった。
 加えて魔法を使った痕跡もなし。
 しばらくの沈黙の後、解せない表情の
 マティスが愉快そうに乾いた声で
 笑い始める。

「ハハハ……そうか、そういうことか」

「なっ……なんだってんでぇ!」

 ギャリックが苛立たし気に声を荒げる。
 マティスは上の階層があるはずの
 天井のある一転、その先を見ていた。

「今まで微かだったものが、
 いまや明白に感じるぞ。俺の近くに
 フレッチはこのすぐ上にいる。
 俺に力を与えてくれているのが分かるぞ」

「それは、つまり……」

「竜騎士の力の源は竜。
 竜との絆と言い換えても良い。
 フレッチが近くにいる。
 それだけじゃない。
 空への憧憬とフレッチとの鍛錬が、
 ここでの度重なる闘争本能の高ぶりが、
 俺を新境地へと高めてくれた。
 さっきのあれはその賜物なのだ」

 これまでにない
 晴れやかな顔でマティスは、
 つい今しがた得た境地を
 語って聞かせる。
 が、ギャリックにとってみれば
 戯言にしか聞こえないであろう。

「ゲヒャ……さっきから何言ってやがる」

 ギャリックが我慢しきれなくなり
 マティスに斬りかかるも、
 その刃は空を切る。

「飛竜教の教えを真の竜騎士とは、
 常に自由であり自由そのもの。
 ゆえに、時空を越えることさえ可能」

「後ろだと!」

 ギャリックのすぐ後ろに
 マティス背を向け立っている。
 まるで、マティスがギャリックの体を
 すり抜けて移動したかのように見えるが、
 目の錯覚ではない。
 一瞬にして消え、
 そして一瞬にして別の空間に
 今度は音もなく現れる。

「どうだ?面白かろう……」

 ギャリックに背を向けたまま、
 マティスは高揚したそれでいて、
 穏やかな声で言い切った。

 瞬間移動―――――

「そんな、人間技じゃない」

 ルロイが見た戦鬼たちとの
 マティスの戦いぶりも十分
 人間離れしていたが、魔法でもなしに
 呼吸でもするかのように
 瞬間移動するなど聞いたこともない。
 マティスは、ギャリックへ向き直り
 ハルバードを中段へ構え直す。
 冷厳な青い双眸が光を帯びる。

「飛竜の力の加護を受けし、
 真の竜騎士の力思い知るがいい」

 翻ってギャリックは、
 憤怒の表情で顔を赤黒く染めたか
 と思うと病的に顔面の筋肉を引きつらせ、
 病的な笑みを浮かべていた。

「―――――っ面白えぇぇ!」

 高揚したギャリックが
 もはや剣術もなしに
 本能と勢いで剣を振るう。
 が、やまたもマティスは背を向けた
 ギャリックの背後に現れる。

「ポァックルルゥウ、この野郎!」

 ギャリックが振り返り、
 その言葉を言い終えぬ内にマティスは
 ハルバードの石突で、
 ギャリックの鳩尾を突く。
 鎧越しに嫌な音が響く。

「――――無駄だ」

 もはや勝負とは言えなかった。
 信じられない面持ちで口を開きながら、
 ギャリックは床に突っ伏す。

「流石だな、『蒼天マティス』」

 石床に突っ伏したギャリックは、
 血を吐きながら呻く。
 苦悶の表情を浮かべながら、
 どこかその表情は満ち足りた
 晴れやかなものに見えた。

「実はな、俺ぁ……あんたを殺すよう
 あんたの娘に頼まれたんだ」

「そうかい……」

「『そうかい』だって……へへっ、
 何をやらかしたか知らないが、
 あんたぁ相当恨まれてると見たぜ。
 俺が言うのもなんだが、
 きっと、まともな死に方しねぇぜ」

「負け犬の遠吠えか、好きに言うが良い。
 俺は全てを超越したのだ」

 マティスの眼前に、
 既にギャリックの存在など無きに等しく、
 次の階層への階段に注がれていた。
 ようやく愛竜に会えると、
 マティスは一歩を踏み出す。

「オメェよ、確かにスゲェよ。
 けど……もっと他人を愛すること
 覚えた方がいいぜ」

 もはや息は絶え絶えだったが、
 ギャリックの声色には諦観と感嘆
 二つの感情が同時に響いていた。
 マティスは、立ち止まり何かを
 思索するように目をつむっていた。
 この期に及んで最後の未練を断ち切る
 心の準備をしているようにも思えた。
 やがて、ギャリックは静かに目を閉じた。

「ギャリックさん!」

「気絶しただけだ」

 マティスが厳かに告げる。
 そして、忌々し気につばを吐き捨て
 歩みを進める。

「馬鹿野郎が……」

 怒りをにじませた
 マティスの感情の矛先は、
 ギャリックに対してかそれとも
 自身に対するものなのか。
 マティスの背後を見据えながら
 駆けてゆくルロイの脳裏に、
 一瞬苦悶するマティスの姿が
 なぜか見えた気がしたのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

プロミネンス~~獣人だらけの世界にいるけどやっぱり炎が最強です~~

笹原うずら
ファンタジー
獣人ばかりの世界の主人公は、炎を使う人間の姿をした少年だった。 鳥人族の国、スカイルの孤児の施設で育てられた主人公、サン。彼は陽天流という剣術の師範であるハヤブサの獣人ファルに預けられ、剣術の修行に明け暮れていた。しかしある日、ライバルであるツバメの獣人スアロと手合わせをした際、獣の力を持たないサンは、敗北してしまう。 自信の才能のなさに落ち込みながらも、様々な人の励ましを経て、立ち直るサン。しかしそんなサンが施設に戻ったとき、獣人の獣の部位を売買するパーツ商人に、サンは施設の仲間を奪われてしまう。さらに、サンの事を待ち構えていたパーツ商人の一人、ハイエナのイエナに死にかけの重傷を負わされる。 傷だらけの身体を抱えながらも、みんなを守るために立ち上がり、母の形見のペンダントを握り締めるサン。するとその時、死んだはずの母がサンの前に現れ、彼の炎の力を呼び覚ますのだった。 炎の力で獣人だらけの世界を切り開く、痛快大長編異世界ファンタジーが、今ここに開幕する!!!

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

「聖女に丸投げ、いい加減やめません?」というと、それが発動条件でした。※シファルルート

ハル*
ファンタジー
コミュ障気味で、中学校では友達なんか出来なくて。 胸が苦しくなるようなこともあったけれど、今度こそ友達を作りたい! って思ってた。 いよいよ明日は高校の入学式だ! と校則がゆるめの高校ということで、思いきって金髪にカラコンデビューを果たしたばかりだったのに。 ――――気づけば異世界?  金髪&淡いピンクの瞳が、聖女の色だなんて知らないよ……。 自前じゃない髪の色に、カラコンゆえの瞳の色。 本当は聖女の色じゃないってバレたら、どうなるの? 勝手に聖女だからって持ち上げておいて、聖女のあたしを護ってくれる誰かはいないの? どこにも誰にも甘えられない環境で、くじけてしまいそうだよ。 まだ、たった15才なんだから。 ここに来てから支えてくれようとしているのか、困らせようとしているのかわかりにくい男の子もいるけれど、ひとまず聖女としてやれることやりつつ、髪色とカラコンについては後で……(ごにょごにょ)。 ――なんて思っていたら、頭頂部の髪が黒くなってきたのは、脱色後の髪が伸びたから…が理由じゃなくて、問題は別にあったなんて。 浄化の瞬間は、そう遠くはない。その時あたしは、どんな表情でどんな気持ちで浄化が出来るだろう。 召喚から浄化までの約3か月のこと。 見た目はニセモノな聖女と5人の(彼女に王子だと伝えられない)王子や王子じゃない彼らのお話です。 ※残酷と思われるシーンには、タイトルに※をつけてあります。 29話以降が、シファルルートの分岐になります。 29話までは、本編・ジークムントと同じ内容になりますことをご了承ください。 本編・ジークムントルートも連載中です。

蒼星伝 ~マッチ売りの男の娘はチート改造され、片翼の天使と成り果て、地上に舞い降りる剣と化す~

ももちく
ファンタジー
|神代《かみよ》の時代から、創造主:Y.O.N.Nと悪魔の統括者であるハイヨル混沌は激しい戦いを繰り返してきた。 その両者の戦いの余波を受けて、惑星:ジ・アースは4つに分かたれてしまう。 それから、さらに途方もない年月が経つ。 復活を果たしたハイヨル混沌は今度こそ、創造主;Y.O.N.Nとの決着をつけるためにも、惑星:ジ・アースを完全に暗黒の世界へと変えようとする。 ハイヨル混沌の支配を跳ね返すためにも、創造主:Y.O.N.Nのパートナーとも呼べる天界の主である星皇が天使軍団を率い、ハイヨル混沌軍団との戦いを始める。 しかし、ハイヨル混沌軍団は地上界を闇の世界に堕とすだけでなく、星皇の妻の命を狙う。 その計画を妨害するためにも星皇は自分の妾(男の娘)を妻の下へと派遣する。 幾星霜もの間、続いた創造主:Y.O.N.Nとハイヨル混沌との戦いに終止符を打つキーマンとなる星皇の妻と妾(男の娘)は互いの手を取り合う。 時にはぶつかり合い、地獄と化していく地上界で懸命に戦い、やがて、その命の炎を燃やし尽くす……。 彼女達の命の輝きを見た地上界の住人たちは、彼女たちの戦いの軌跡と生き様を『蒼星伝』として語り継ぐことになる。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔力無し転生者の最強異世界物語 ~なぜ、こうなる!!~

月見酒
ファンタジー
 俺の名前は鬼瓦仁(おにがわらじん)。どこにでもある普通の家庭で育ち、漫画、アニメ、ゲームが大好きな会社員。今年で32歳の俺は交通事故で死んだ。  そして気がつくと白い空間に居た。そこで創造の女神と名乗る女を怒らせてしまうが、どうにか幾つかのスキルを貰う事に成功した。  しかし転生した場所は高原でも野原でも森の中でもなく、なにも無い荒野のど真ん中に異世界転生していた。 「ここはどこだよ!」  夢であった異世界転生。無双してハーレム作って大富豪になって一生遊んで暮らせる!って思っていたのに荒野にとばされる始末。  あげくにステータスを見ると魔力は皆無。  仕方なくアイテムボックスを探ると入っていたのは何故か石ころだけ。 「え、なに、俺の所持品石ころだけなの? てか、なんで石ころ?」  それどころか、創造の女神ののせいで武器すら持てない始末。もうこれ詰んでね?最初からゲームオーバーじゃね?  それから五年後。  どうにか化物たちが群雄割拠する無人島から脱出することに成功した俺だったが、空腹で倒れてしまったところを一人の少女に助けてもらう。  魔力無し、チート能力無し、武器も使えない、だけど最強!!!  見た目は青年、中身はおっさんの自由気ままな物語が今、始まる! 「いや、俺はあの最低女神に直で文句を言いたいだけなんだが……」 ================================  月見酒です。  正直、タイトルがこれだ!ってのが思い付きません。なにか良いのがあれば感想に下さい。

魔王召喚 〜 召喚されし歴代最強 〜

四乃森 コオ
ファンタジー
勇者によって魔王が討伐されてから千年の時が経ち、人族と魔族による大規模な争いが無くなっていた。 それでも人々は魔族を恐れ、いつ自分たちの生活を壊しに侵攻してくるのかを心配し恐怖していた ───── 。 サーバイン戦闘専門学校にて日々魔法の研鑽を積んでいたスズネは、本日無事に卒業の日を迎えていた。 卒業式で行われる『召喚の儀』にて魔獣を召喚する予定だっのに、何がどうなったのか魔族を統べる魔王クロノを召喚してしまう。 訳も分からず契約してしまったスズネであったが、幼馴染みのミリア、性格に難ありの天才魔法師、身体の頑丈さだけが取り柄のドワーフ、見習い聖騎士などなどたくさんの仲間たちと共に冒険の日々を駆け抜けていく。 そして・・・スズネと魔王クロノ。 この二人の出逢いによって、世界を巻き込む運命の歯車がゆっくりと動き出す。 ■毎週月曜と金曜に更新予定です。

処理中です...