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第三章 滅びた小国と魔女の記憶

3-4.近くて遠い恋の果て(Ⅱ)※

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 どこか狡猾に言って、ラルフは再び胸に舌を這わせた。もう一度舐られたのだから、そこはあまりにも敏感だった。
 ねっとりと、乳頭を舐られるとまるで電流を流されたかのようで。ネーベルの脳裏はチカチカとした。

「あっ……ぁああ」

 別に引いていない。恥ずかしかっただけ。そう伝えようとした気持ちは直ぐに消し飛んでしまった。与えられる快楽はあまりにも鮮烈で、鼻にかかった甘い嬌声はひっきりなしに漏れる。

「厭らしくて可愛い声だな」

 ──もっと鳴かせたくなる。なんて甘やかに呟いたと同時、彼がぎゅっと密着し、割れ目に何か硬質なものが押し当てられたのを感じた。
 ショーツ越しにそれは当たる。下衣の下──彼の身体の一部。間違い無く彼の屹立だろうと想像は容易い。まるで性行為でもしているよう。彼は腰を揺らして、ネーベルにその存在を知らしめるかのように擦り付ける。
 蜜口よりもっと上──突起した部分に引っかかると仄かな快楽が生まれる。ネーベルは思わず逃れるように腰を引こうとするが、ラルフは腰を捕らえ、尚も割れ目にグニグニと雄芯を押しつけた。

「あぁ……あん、んぅ……だめラルフ」

「だめじゃねぇだろ。そう言ってる顔してねぇって自覚あるか?」

 まるで、もっとしてくれと言っているみたいだ。そんなに蕩けさせて、俺を煽る厭らしい顔だ。と、ラルフはネーベルの耳元で意地悪く囁く。

「こうやって俺に嵌められるの想像してみな。こうして胸を──揉みながら」

 腰をゆらしつつ、ラルフはネーベルの胸を丸く揉みしだいたかと思えば──

「お前の中にしっかり嵌めてかき混ぜて……」

 彼はネーベルの太股を撫で、やがてその手はショーツの上に辿り着く。下腹部を撫でたかと思えば、親指で股の割れ目の始まりをクリっと触れる。そこには先程の突起物──ネーベルは目をみはって悲鳴にも似た嬌声も漏らした。

「こうやって嵌めながら気持ち良いとこを沢山擦るんだよ。そんで……俺の精液、何回も中で受け止めてもらう」

 ──なぁネーベル。と、恐ろしい程甘やかにかれてネーベルは目をみはって戦慄いた。
 問われても返事なんてする余裕もなかった。何せ、今も彼は雄芯を擦り付けつつも、膨らんだ淫芽を親指でクリクリと転がしているのだから。

「ひゃ……ん、ぅ……ぁあ、らる、ふ……そこ」

「ん?」

 嗜虐心を存分に含んだ狡猾なおもてだった。ラルフは小首を傾げてネーベルを見下ろす。

「そこ、何か変……」

 未だ淫芽を擦る彼の手をやんわりと掴んで言うと、彼はネーベルの頬に唇を寄せた。

「もっとしっかり触ってもいいか?」

 そうかれるが、やはり良いとは直ぐ言えない。別に嫌ではないが、恥ずかしいだけで……。ネーベルが黙って彼を見上げる。するとラルフは唇を綻ばせた。

「嫌ともいわない。じゃあいいんだな」

 そう告げて直ぐだった。彼は身体を起こして、ショーツの上から割れ目をなぞる。ツゥ……と無骨な指が動く様はこそばゆい。しかし、背筋がゾワゾワとして、それだけはないと思い知る。すると、彼は蜜口の周りを丸く描く。

「なぁ、ネーベル」

 愛おしげに呼ばれて、ネーベルは震えながら彼を見上げた。

「お前のここ、すげぇ濡れそぼってるんじゃねぇの。厭らしい汁、下着から漏れてる」

 そう言って彼は指を離すと、ネーベルの目の前に指を持っていき、ぬらりと濡れた指を見せつける。指と指を擦り付けると、ヌチュ……と粘着質な音が僅かにした。そして、指と指を離せば、銀色の糸を引く。

「あっ……あ」

 こうも目の前で見せつけられると、羞恥でどうにかなりそうだった。

「さっきのアレそんなに気持ち良かったか? それとも俺に嵌められるの想像したらこうなった?」

 それでもラルフは意地悪くく。
 確かにそうだ。あんな事を言われて想像してしまった。だが、まさかこんな事になっているとは誰が思うものか。ネーベルは目尻を真っ赤に染めてふるふると首を横に振るう。

「嘘つけ。興奮はしたんだろ」

 そうじゃなきゃこうならない。あっさりと彼は言い──濡れそぼった指を顔の前まで持っていき──彼は淫蜜で濡れた指をペロリと舐めた。その様が妙に艶めかしくも淫靡に映り、羞恥のあまりネーベルは悲鳴を上げる。

「そ、そんなの舐めないで……」

「ん。美味しいが」

 ラルフはしれっとした口調で言うが、絶対そんな訳がない。ネーベルはふるふると首を横に振り乱した。

「いくらでも舐めてられるが……」

 そう言って直ぐ、彼はネーベルの脚を掴んで股の間に顔を埋めた。

「ああ、やっぱすげぇ染みてるじゃん……」

 恍惚を含んだ声でそう言って、彼はショーツのクロッチを摘まんで横にずらす。熱を帯びたそこが、外気に触れると妙にひんやりとした。しかし、彼の目の前であられもない場所を晒している事に羞恥が破裂し、まなじりに涙が滲む。

「……ぁ、……あ」

 声なんか出ない──しかし、次の瞬間、ネーベルの背筋に途方もない快楽が暴れ回った。眼下の光景はあまりに浅ましかった。彼が淫蜜を啜るよう、蜜孔の周りを舐り始めたのだから……。

「ひゃ……あぅ、んっ──あん! だ、め……」

 そんな場所を舐めたら汚い。羞恥で涙が後から後へと伝う。それでも、後から後へと途方もない快楽が突き抜けた。
 ヌルリとした彼の下が固く閉じた孔を突き、僅かに抜き差しされる。かと思えば、蜜孔の周りを丸く舐り、溢れ出る蜜をジュッ……と音を立てて貪られる。

「は……ぅ、んぁ……ぁあ、らる、ふ……」

 だめ。こんな場所を舐めたらだめだと言いたいが、ネーベルの唇は嬌声を漏らすばかりで、空回りする。
 しかし、彼の下が少し上に上がった途端──ピリッとした官能で背筋が戦慄き、ネーベルの背は弓なりにしなった。
 先程気になった突起だ。彼はその周りをなぞるように舐る。しかし、なんだかもどかしいような気もした。当然のように浅ましく思う。先程、下着越しから擦られた時は、弾けるような快楽だった。それに、先程彼の舌が僅かに触れた時も……。
 もどかしい。ネーベルは身を捩った途端──彼は唇を離し、ドレスの裾を捲り上げて、ネーベルの腰を抱えた。
 突然の事で驚いてしまった。未だ生理的に滲み溢れた涙は頬に伝ったまま。ネーベルが橄欖石ペリドットの瞳をみはると、彼はクスっと笑みを溢す。しかし、この格好はさすがに恥ずかしい。まるで彼の顔の前に陰部を差し出しているかのような形だから……。

「真面目なお前は、恥ずかしいともっと厭らしく感じそうだよな?」

 人狼ではあるが、まるで悪魔のような囁きだった。
 果たして、何をされてしまうのか分からない。恥ずかしいとダメだと抵抗したいのに、腰の奥から腹まで甘く痺れてしまって力なんて入らない。

「あ、嫌ぁ……ラルフ、恥ずかしい」

 嫌嫌と首を横に振るが、腹の中から蕩けた熱い感触は止まらない。それにこの格好では自分からも秘所が丸見えだった。
 苺金髪ストロベリーブロンドの薄い茂みの向こうに僅かに見える双丘は、淫蜜でテラテラと光っていた。また、包皮から飛び出て僅かな主張をする淫芽はふっくらと腫れており、蜜で濡れて妖しい光沢があった。まるで熟れた桃の果実のように陰唇は薄紅に充血している。
 恥ずかしくて仕方ない。穴があるなら隠れたい。そのくらいに思うのも束の間──僅かに舌を出したラルフは、包皮を更に押し開く。

「ここもしっかり味見しないとな」

 吐息がくすぐり、ピリリとした。その刹那──彼の舌は淫芽にねっとりと絡みついたのだ。途方も無い官能にネーベルは思わず瞼を伏せる。瞼の裏は真っ白だった。弓なりに背がしなり、脚はガクガクと震え上がる。

 達してしまった──そうすぐ理解した。先日読んだ本に書かれた、淫靡なシーンをすぐに思い浮かべて、これがそうなのだと分かったのだ。しかし、一度達してしまうと、そこは酷く敏感だ。それにも関わらず、ラルフは嬲るように淫芽をねっとりと転がす。

「ひゃ、ぁあああ! あんっ……あああ! だめ、らるふ、だめ!」

 もはや悲鳴に近しい声が溢れ落ちて止まらない。絶頂は押しては返す波の如くひっきりなしに訪れる。おかしくなる。頭が馬鹿になりそうだった。彼の頭を押して、この底なしの快楽から逃れようと手を伸ばすが、力が全く入らない。これでは、まるで彼の髪を撫でているようで……。

「いっぱい達して、厭らしい蜜漏らして、もっとしてって言ってるみたいだな」

 淫芽を啄むような口付けを与えつつ、ラルフは意地悪く言う。
 それに加え、彼は蜜口を指で撫で始めた。かと思えば、クプ……と、彼の指が沈んで行く。全く痛くはない。それでも僅かな圧迫感がある。しかし絶え間無い快楽でもはや、それどころではない。だが、次第に新たな刺激が自分の胎内で加わった事をネーベルは悟る。橄欖石ペリドットの瞳を丸くみはった彼女は、ひっ──と胸を震わせた。

 蜜孔から程近い場所。彼の第二関節ほどの沈めた場所だろうか。腹の方に抉られるように触れられると、脳裏に星が散らばるような途方も官能が這いずり回る。

「ん、ああっ……らる、ふ、そこ……」

 もはや嬌声に押しつぶされて、まともに喋れやしない。舌っ足らずにネーベルが彼に問うと、ラルフは少し狡猾に笑む。

「気持ちいいのか? ここ、少しザラザラしてるな」

 その感触を確かめるように、ラルフが指を動かしたと同時。ネーベルは全身を戦慄かせた。

「あっ……あぁあああ! あああ!」

 まるで粗相でもしてしまったかのような解放感だった。悲鳴にも似た嬌声と共に、液体がビシャビシャと噴き出したのである。
 絶頂の余韻は残るが、これは間違い無く粗相してしまっただろう……。何せラルフも目を丸くして呆然としているのだから。
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