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第五章 彼の正体
5-1.苦手克服※
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──夏至祭からひと以上の時間が経過した。
針葉樹林の頭上は抜けるような青空が広がっているものの、遠くには積乱雲がもくもくと立ち上っている。まさに夏の盛りではあるが、夕刻ともなれば吹き抜ける風が冷たくなりはじめたもので、季節の移ろいを感じさせる。
夏は短く、秋だって決して長くも無い。あと二ヶ月も経過すれば、雪がちらつき始めるとラウラが言った言葉を思い返し、レイヤは針葉樹の隙間から覗く青空を見上げた。
そうなる前にこの集落と別れなくてはならない。自分達は旅人なのだから……。そう思うと、どこか侘しく思えてしまうもので、レイヤはしょんぼりとしつつ籠を持って一人森の奥へと進んで行った。
夏は森のそこら中にベリーが実っている。一人摘みに出掛けるのがこのところの日課になっており、レイヤはもくもくとした積乱雲が迫って来るもの気にせずぼんやりと歩を進め無心になってベリーの収穫をしていた。
いつに発つのかエリアスとは未だはっきりと話していない。夏至祭に話した予定ではもうとっくに旅立って居る頃合いというのに、未だにこの集落に留まっているのだ。
雪が降り始める前に、ソルヤナに着くべきだろうに。と、思う反面でやはりラウラやモーゼフとの離別は悲しいもので、レイヤはぼんやりとまた空を見上げた。
先程晴天だった空が、重苦しい灰色のものに変わってしまっている事に気付き、まるで自分の心模様のようだと他人事のように思う。それでもかなり集落から離れてしまったと気付くのは直ぐで、レイヤは急ぎ踵を返す。
しかし、気付くのが一足遅かった所為か、ぽつぽつと雨粒が空から落ち始めてしまった。バケツをひっくり返すような豪雨に変わるには時間も掛からず、びしょ濡れになってしまったレイヤは途方に暮れて菩提樹の大木の下で雨水をたっぷり含んだカンサリスプクの裾を絞る。
この地方の夏至後の雨は一時的なものだ。それも大粒の豪雨が叩き付ける。それが毎日のように起きるもので、いい加減慣れてしまうもので、レイヤは菩提樹の幹に背を預けぼんやりと空を見上げた。
(鳴らなきゃいいけど……)
そう願った矢先だった。暗雲は唸りを上げてピカリと空を光らせた。
それから一拍二拍と経過してから、地鳴りにも似た雷鳴が轟き、レイヤは蹲って耳を塞ぐ。
どうにも昔から雷の音が嫌いだった。
永久凍土の夏は雨が降ろうが、雷が鳴る方が稀だった。滅多に聞かないという事もあるが、どうにも腹の奥までズンと響くこの音が不安を駆り立てる。
早く通り過ぎろ。と思いつつ、耳を塞ぐが──次第に光と音に時差が無くなってきた。
耳を塞いでいようが、ドン! と烈しい音が空気を揺さぶり、レイヤは畏怖に震えるが、やがてこちらに向かって駆けてくる足音に気付き、レイヤはふと顔を上げる。
「また遠くまで行って! びしょ濡れじゃないか!」
声を張り上げやって来たのはエリアスだった。彼は蹲るレイヤの元まで駆け寄ると、そっと抱き寄せ隣に腰掛ける。
「ごめん……」
無心になってベリーを摘んでいたら、遠くまで来てしまった。と、耳を塞いだまま謝ると、エリアスは唇を綻ばせて肩を抱く。
「雷が怖いんでしょ。夏至が過ぎれば天気が変わりやすいんだからちゃんと空は見て……」
咎めるように言われるが、〝雷を怖がっている〟と言われて、無性に恥ずかしくなってしまった。レイヤは頬を赤く染めてエリアスを睨む。
「別に……怖いとかじゃ無くて、煩いんだもん」
ツンと言うが、途端に地を揺るがす程の烈しい雷鳴が響き渡り、レイヤはビクリと震えて身を縮めた。
「それ、怖がってるじゃん。可愛いね」
エリアスはどこか悪戯気に笑んで、耳を塞ぐレイヤの頤を摘まむ。そして端正な顔を近付けたかと思えば、やんわりとレイヤの唇を塞いだ。
「……いい事思いついたから、僕が雷の克服を手伝ってあげようか?」
嫌な予感しかしない。レイヤが耳を塞いだまま目を細める。
「どうやって……」
「ん、耳はしっかり塞いでて」
耳を塞ぐレイヤの手の上に彼は手を重ねて、彼は再びレイヤの唇を奪う。それと同時にズシンとした雷鳴が轟きレイヤが身を縮めるが……同時に唇を割って彼の舌が入ってきた。
角度を変えて貪るように舌を吸われると、耳の中いっぱいに淫靡な水音がくちゅくちゅと響く。それに羞恥が煽られてカッとレイヤの頬に夥しい熱が攻め寄せた。
歯列をなぞり、舌を絡ませると今度はピチャピチャと厭らしい音に替わり果て、次第に背筋が甘く痺れ出す。
まさか、これが雷鳴の克服とは……。その間も地響きにも似た雷鳴の轟きが響くが、確かにこれなら、頭いっぱいに響くキスの音に気が行ってしまう。
「ん……はっ……ぅう」
角度を変えて貪るような口付けは次第に烈しいものへと変わり果てた。彼はレイヤの手の上にかぶせていた手を離して、強く抱き寄せると対面して膝の上へと座らせる。
もはや雷鳴が気にならない程。頭の中は淫靡な水音に支配され背筋が甘く戦慄き始めた。
「あっ……んぅ、ぁ……えりあす」
隙間から漏れた声は自分でもびっくりする程甘えたものに変わり果てていた。彼は、背に回した手を滑らせ、濡れた服の上からレイヤの胸をまさぐった。
「──んぅうう!」
形を確かめるようにやんわりと揉みしだかれ、レイヤが一際大きく震えると緩やかに口付けを解く。
「胸、少し張ってるね……月の障りはもうすぐなの?」
訊かれて、レイヤはたちまち紅潮する。なぜにそんな事が分かるのか。自分の身体を熟知されているかのようで、妙に恥ずかしい。いたたまれない程に顔を赤くしたレイヤは僅かに潤んだ瞳で彼を睨んで頷いた。
「やっぱり。おなかは痛かったりしない?」
「五日くらい前に少しだけ痛かったけど今は別に。多分二日か三日のうちになるとおもう」
目を細めて答えると、彼はレイヤを対面で跨がらせて、胸に触れていた手を腰に回す。そうして瞼や頬にキスの雨を降らせるが、それがこそばゆく感じて、耳に当てていた手を離してしまうなり、ドン! と雷鳴が轟き思わずエリアスにしがみついてしまった。
しかし、ひしと抱きついた途端に硬い感触が股に当たり、レイヤは目を丸く瞠る。
「エリアス、硬くなって……」
興奮を訴えている証拠だ。キスをしただけなのに、彼の欲を奮い立たせる興奮要素なんてあったのだろうか。レイヤはおずおずと彼を見ると、エリアスは首まで顔を赤くして目を泳がせる。
「ダメだね、甲斐性無くて……君が可愛すぎて続き、したくなっちゃったや……」
続きとは間違い無く交接だ。レイヤは恥ずかしくなって唇をモゴモゴと動かした。
……あれ以降、他愛も無い会話をしている最中、なぜかそんな甘い雰囲気になってしまい二人で快楽を貪るように肌を重ねた事が幾度かあった。破瓜の時は激痛を伴ったが、意外にも二回目以降は痛みも無くなり、抽送も出来るようになって慣れてきた。しかし、それをする時は、決まって夫妻が寝静まった後だ。声を必死に殺し、彼に嬌声を絡め取られるように口付けされて交わっているものだが……。
「……外で?」
訝しげに訊くと、彼はこくりと頷いた。
「ん……ここなら君の可愛い声が存分に聞けるかなとか考えちゃった」
「でも、誰か探しに来たら……」
戸惑いつつ答えると、彼はレイヤの頬に唇を寄せて強く抱き寄せ、後ろ髪を撫でる。
「大雨が降りそうだって分かってたからね、皆家の中さ。それに僕が探しに行ったのラウラさんもモーゼフさんも分かってるしね。こんな森の深くじゃ誰も来やしないよ」
「で、でも……」
万が一にも見つかってしまったらどうするのか。と訊いたと同時──ヌルリとした感触が耳を擽る。
「──ぁ!」
彼はレイヤの後頭部を抱き寄せ、覆い被さるように背を折り曲げてねっとりと外耳を舐め始めたのだ。ぴちゃ……と、淫靡な水音が鼓膜を揺さぶり、たちまち腹の奥に官能を作り上げる。
首まで紅潮したレイヤは身を捩る。しかし、下衣越しに主張する彼の欲望が下着の中に秘された芽を擽ってレイヤはビクビクと身悶えた。
「僕のが気持ち良い場所に当たっちゃったの?」
ゾッとする程甘やかに囁かれると、全身の熱がドッと上がった。
「あんっ、違う……そうじゃ……」
ぎゅっと彼に抱きつくが、それでも背筋に這う甘やかな痺れは止まらない。レイヤがプルプルと首を横に振るうが、彼はクスクスと軽い笑いを溢す。
「嘘吐き。僕のに気持ち良い場所に当ててない? 腰動いてるよ。キスだけで濡れそぼってるんじゃないかな」
違う。そう言いたいのに、それでも、身体に巻き上がった熱が止まらない。エリアスから身体を離そうとした須臾──彼は、スカートの中に手を滑らせて、下着の上からレイヤの尻をぎゅっと掴んだ。そうして前後に揺さぶられると、彼のものと快楽の芽が擦れて、頭の中に星がまたたくような快楽がひらめいた。
「──あんっ、ん、ぁあ!」
「あぁ。可愛い声出しちゃってさ。レイヤが嘘を吐いてないか確かめさせてよ」
そう言ったのも束の間。下着の隙間から手を入れて彼は後方からクレバスを指でなぞるなり、唇に弧を描いた。
「嘘吐き。ぬるぬるした気持ち良い証拠、もう出てきちゃってるよ。僕の指、簡単に入っちゃうんじゃないかな」
少しばかり悪戯気に言われ、レイヤは首を横に振る。しかし抵抗する間もなく、彼の無骨な指がくぷ……と胎内に埋め込まれるのを感じてレイヤは大きく目を瞠る。
「はぁ、ん……ぁああ!」
「ああ、ほら簡単に僕の指を飲み込んじゃった。必死にきゅうきゅう締め付けて可愛いね。すごく、中に嵌めたいよ」
ゆるゆると指を回して、彼は悪戯気に訊く。しかし、入り口付近のある一点を押されると、鮮烈な官能が走る。
しかし、何度もそこを押されるうちに、貪欲にも、もっと太いものでかき混ぜられたい欲求に駆られ、レイヤは邪念を払うようにブンブンと首を横に振った。
「はぅ……ん、ぁ、えりあす……」
既に呂律も回らなくなった甘えた声で彼に縋るが、エリアスは妖艶に笑むだけだ。
「ちょっと前まで処女だったのに、こんなに濡らして厭らしくなっちゃったね。キスした時から興奮していたの?」
どうされたいの? と低く耳元で囁かれ、レイヤは唇を噛んだ。確かに蕩けるようなキスをされた時から腹の疼きを自覚していた。
望んでいなくても身体が快楽を期待してしまったのだろうか。
こんな淫らな事はダメなのに。と、どこか背徳感を覚える反面、更なる快楽を期待しているのか尚も身体の奥からジュンと潤いが広がってくる事が分かる。
欲しい。今すぐに彼の熱で満たされたい。そうは思うが、言葉にするのが恥ずかしくて堪らない。恨めしげに彼を見上げると、エリアスは濡れた髪を掻き分けてどこか妖艶な面でレイヤを見下ろした。
「物欲しそうな顔しても、黙っていたら分からないよ?」
極めて優しい口調だが、明らかに言わせようとしている。くちくちと入り口近くを丸くなぞられると、貪欲にももっと奥に欲しくなってしまう。レイヤは震える唇を僅かに開いた。
「……エリアスの欲しい」
そう告げたと同時、瞬く間に指を抜かれ、激しく唇を奪われた。角度を変えて何度も貪った後、彼は恍惚とした瞳でレイヤを射貫く。
「うん。僕もレイヤが欲しくて堪らないよ」
少し立とう。と、促されて、立ち上がると、背後から抱きついたにショーツをずらされた。雨と遠ざかる雷鳴の中、ベルトが外れる音が後方から響いて一拍後、熱い塊が蜜口に当てられる。
「……ん、僕との身長差じゃ……ちょっとこの体勢じゃキツイかな」
上手に嵌められるかな。なんて苦笑交じりに言うが、腰を落とした彼は入り口近くで僅かに抽送する。しかし、どうにも上手に挿らない。頭二つ分近い身長差があるのだから、当たり前のように腰の位置も違う。レイヤはつま先立ちして、彼が挿りやすいように腰を突き立てた途端だった。ズンと彼の欲望が媚肉を掻き分けて奥まで入り、悲鳴じみた甲高い嬌声を上げた。
「ごめんね……すんなり挿っちゃったけど……これ、足が辛いでしょ」
大丈夫? と、訊かれて、レイヤが首を振るとエリアスはそのままゆるゆると抽送を始めた。
「でも背伸びしててじゃ、君が辛いかもしれないからね」
──早く気持ち良くなろうね。と、言うや否や、彼は後ろからレイヤの胸を揉みしだき、指紋が擦り付きそうな程に胸の飾りをグニグニと転がした。
抽送は緩やかなものだったが、次第に烈しさを増し皮膚と皮膚がぶつかり合う、浅ましい音が次から次へと奏でられた。
「あんっ……あぁ……」
──もっと深く。もっと奥で感じたい。そう思ってしまうなんて厭らしいのだろう。情けなさと羞恥にレイヤは益々顔を紅潮させるが、背後の彼は覆い被さってレイヤの耳元でクスクスと笑みを溢す。
「レイヤ……腰が動いてるね。気持ち良い?」
少しばかり悪戯気に言われるが、レイヤはこくこくと頷くと、彼は抽送を深く小刻みなものにする。そうして、腹に回していた手を滑らせて、股の間で膨れた小さな芽を見つけると、丸くなぞるようにクリクリと転がした。するとまたも快楽は鮮明となり、レイヤは悲鳴のような嬌声を張り上げる。
「あぅ──あん、あぁああああ!」
「レイヤの可愛い顔がどろどろになっちゃうくらい、ここをしゃぶりたかったな。今日は出来なくて残念だよ。また今度ゆっくり舐めてもいい?」
何かの拷問だろうか。耳元で吐息混じりに言われると、カッと身体が熱くなり、羞恥で眦から大粒の涙が伝い落ちた。しかし、こう言われて指を舌でするように動かされると舐られる感触を思い出してしまう。口の中に含まれて舌でちろちろとされ続ければ粗相をしてしまいそうになってしまう事や、孔に口を付けて淫蜜を掻き出される心地だって鮮明だ。
どうにも彼は口で愛でるのが好きなようで、レイヤがもう嫌だと大泣きしない限り延々と口淫を続ける程だ。初めての時に散々舐った事で癖になったのだろうか。定かではないが、口淫時の反応をたいそう気に入っている。
「あんっ……あぅ、ああ、いやっ。そこ、そんなに舐めたらっ」
いっちゃう。とブンブンと首を横に振れば、追い打ちをかけるように抽送を深くされた。
「今日は舐めてないよ。こうやって嵌めながら可愛いクリトリス舐めれたらいいのにね」
もはや舐められているのか、触られているのか分からなくなってしまう。指紋が擦り付きそうな程にクニクニと転がされて間もなく、レイヤの脳裏に絶頂の白い波が浮かび上がる。波が弾けたと同時に彼は余裕の無い吐息を溢した。
「──っ!」
途端に、木に預けていた手を引き剥がされて、背後からぎゅっと抱き締められるが、彼は急ぎ途端に肉棒を膣内から引き摺り出す。それから一拍二拍と経って、快楽の余韻を含んだ彼の荒い呼吸がうなじを擽った。
針葉樹林の頭上は抜けるような青空が広がっているものの、遠くには積乱雲がもくもくと立ち上っている。まさに夏の盛りではあるが、夕刻ともなれば吹き抜ける風が冷たくなりはじめたもので、季節の移ろいを感じさせる。
夏は短く、秋だって決して長くも無い。あと二ヶ月も経過すれば、雪がちらつき始めるとラウラが言った言葉を思い返し、レイヤは針葉樹の隙間から覗く青空を見上げた。
そうなる前にこの集落と別れなくてはならない。自分達は旅人なのだから……。そう思うと、どこか侘しく思えてしまうもので、レイヤはしょんぼりとしつつ籠を持って一人森の奥へと進んで行った。
夏は森のそこら中にベリーが実っている。一人摘みに出掛けるのがこのところの日課になっており、レイヤはもくもくとした積乱雲が迫って来るもの気にせずぼんやりと歩を進め無心になってベリーの収穫をしていた。
いつに発つのかエリアスとは未だはっきりと話していない。夏至祭に話した予定ではもうとっくに旅立って居る頃合いというのに、未だにこの集落に留まっているのだ。
雪が降り始める前に、ソルヤナに着くべきだろうに。と、思う反面でやはりラウラやモーゼフとの離別は悲しいもので、レイヤはぼんやりとまた空を見上げた。
先程晴天だった空が、重苦しい灰色のものに変わってしまっている事に気付き、まるで自分の心模様のようだと他人事のように思う。それでもかなり集落から離れてしまったと気付くのは直ぐで、レイヤは急ぎ踵を返す。
しかし、気付くのが一足遅かった所為か、ぽつぽつと雨粒が空から落ち始めてしまった。バケツをひっくり返すような豪雨に変わるには時間も掛からず、びしょ濡れになってしまったレイヤは途方に暮れて菩提樹の大木の下で雨水をたっぷり含んだカンサリスプクの裾を絞る。
この地方の夏至後の雨は一時的なものだ。それも大粒の豪雨が叩き付ける。それが毎日のように起きるもので、いい加減慣れてしまうもので、レイヤは菩提樹の幹に背を預けぼんやりと空を見上げた。
(鳴らなきゃいいけど……)
そう願った矢先だった。暗雲は唸りを上げてピカリと空を光らせた。
それから一拍二拍と経過してから、地鳴りにも似た雷鳴が轟き、レイヤは蹲って耳を塞ぐ。
どうにも昔から雷の音が嫌いだった。
永久凍土の夏は雨が降ろうが、雷が鳴る方が稀だった。滅多に聞かないという事もあるが、どうにも腹の奥までズンと響くこの音が不安を駆り立てる。
早く通り過ぎろ。と思いつつ、耳を塞ぐが──次第に光と音に時差が無くなってきた。
耳を塞いでいようが、ドン! と烈しい音が空気を揺さぶり、レイヤは畏怖に震えるが、やがてこちらに向かって駆けてくる足音に気付き、レイヤはふと顔を上げる。
「また遠くまで行って! びしょ濡れじゃないか!」
声を張り上げやって来たのはエリアスだった。彼は蹲るレイヤの元まで駆け寄ると、そっと抱き寄せ隣に腰掛ける。
「ごめん……」
無心になってベリーを摘んでいたら、遠くまで来てしまった。と、耳を塞いだまま謝ると、エリアスは唇を綻ばせて肩を抱く。
「雷が怖いんでしょ。夏至が過ぎれば天気が変わりやすいんだからちゃんと空は見て……」
咎めるように言われるが、〝雷を怖がっている〟と言われて、無性に恥ずかしくなってしまった。レイヤは頬を赤く染めてエリアスを睨む。
「別に……怖いとかじゃ無くて、煩いんだもん」
ツンと言うが、途端に地を揺るがす程の烈しい雷鳴が響き渡り、レイヤはビクリと震えて身を縮めた。
「それ、怖がってるじゃん。可愛いね」
エリアスはどこか悪戯気に笑んで、耳を塞ぐレイヤの頤を摘まむ。そして端正な顔を近付けたかと思えば、やんわりとレイヤの唇を塞いだ。
「……いい事思いついたから、僕が雷の克服を手伝ってあげようか?」
嫌な予感しかしない。レイヤが耳を塞いだまま目を細める。
「どうやって……」
「ん、耳はしっかり塞いでて」
耳を塞ぐレイヤの手の上に彼は手を重ねて、彼は再びレイヤの唇を奪う。それと同時にズシンとした雷鳴が轟きレイヤが身を縮めるが……同時に唇を割って彼の舌が入ってきた。
角度を変えて貪るように舌を吸われると、耳の中いっぱいに淫靡な水音がくちゅくちゅと響く。それに羞恥が煽られてカッとレイヤの頬に夥しい熱が攻め寄せた。
歯列をなぞり、舌を絡ませると今度はピチャピチャと厭らしい音に替わり果て、次第に背筋が甘く痺れ出す。
まさか、これが雷鳴の克服とは……。その間も地響きにも似た雷鳴の轟きが響くが、確かにこれなら、頭いっぱいに響くキスの音に気が行ってしまう。
「ん……はっ……ぅう」
角度を変えて貪るような口付けは次第に烈しいものへと変わり果てた。彼はレイヤの手の上にかぶせていた手を離して、強く抱き寄せると対面して膝の上へと座らせる。
もはや雷鳴が気にならない程。頭の中は淫靡な水音に支配され背筋が甘く戦慄き始めた。
「あっ……んぅ、ぁ……えりあす」
隙間から漏れた声は自分でもびっくりする程甘えたものに変わり果てていた。彼は、背に回した手を滑らせ、濡れた服の上からレイヤの胸をまさぐった。
「──んぅうう!」
形を確かめるようにやんわりと揉みしだかれ、レイヤが一際大きく震えると緩やかに口付けを解く。
「胸、少し張ってるね……月の障りはもうすぐなの?」
訊かれて、レイヤはたちまち紅潮する。なぜにそんな事が分かるのか。自分の身体を熟知されているかのようで、妙に恥ずかしい。いたたまれない程に顔を赤くしたレイヤは僅かに潤んだ瞳で彼を睨んで頷いた。
「やっぱり。おなかは痛かったりしない?」
「五日くらい前に少しだけ痛かったけど今は別に。多分二日か三日のうちになるとおもう」
目を細めて答えると、彼はレイヤを対面で跨がらせて、胸に触れていた手を腰に回す。そうして瞼や頬にキスの雨を降らせるが、それがこそばゆく感じて、耳に当てていた手を離してしまうなり、ドン! と雷鳴が轟き思わずエリアスにしがみついてしまった。
しかし、ひしと抱きついた途端に硬い感触が股に当たり、レイヤは目を丸く瞠る。
「エリアス、硬くなって……」
興奮を訴えている証拠だ。キスをしただけなのに、彼の欲を奮い立たせる興奮要素なんてあったのだろうか。レイヤはおずおずと彼を見ると、エリアスは首まで顔を赤くして目を泳がせる。
「ダメだね、甲斐性無くて……君が可愛すぎて続き、したくなっちゃったや……」
続きとは間違い無く交接だ。レイヤは恥ずかしくなって唇をモゴモゴと動かした。
……あれ以降、他愛も無い会話をしている最中、なぜかそんな甘い雰囲気になってしまい二人で快楽を貪るように肌を重ねた事が幾度かあった。破瓜の時は激痛を伴ったが、意外にも二回目以降は痛みも無くなり、抽送も出来るようになって慣れてきた。しかし、それをする時は、決まって夫妻が寝静まった後だ。声を必死に殺し、彼に嬌声を絡め取られるように口付けされて交わっているものだが……。
「……外で?」
訝しげに訊くと、彼はこくりと頷いた。
「ん……ここなら君の可愛い声が存分に聞けるかなとか考えちゃった」
「でも、誰か探しに来たら……」
戸惑いつつ答えると、彼はレイヤの頬に唇を寄せて強く抱き寄せ、後ろ髪を撫でる。
「大雨が降りそうだって分かってたからね、皆家の中さ。それに僕が探しに行ったのラウラさんもモーゼフさんも分かってるしね。こんな森の深くじゃ誰も来やしないよ」
「で、でも……」
万が一にも見つかってしまったらどうするのか。と訊いたと同時──ヌルリとした感触が耳を擽る。
「──ぁ!」
彼はレイヤの後頭部を抱き寄せ、覆い被さるように背を折り曲げてねっとりと外耳を舐め始めたのだ。ぴちゃ……と、淫靡な水音が鼓膜を揺さぶり、たちまち腹の奥に官能を作り上げる。
首まで紅潮したレイヤは身を捩る。しかし、下衣越しに主張する彼の欲望が下着の中に秘された芽を擽ってレイヤはビクビクと身悶えた。
「僕のが気持ち良い場所に当たっちゃったの?」
ゾッとする程甘やかに囁かれると、全身の熱がドッと上がった。
「あんっ、違う……そうじゃ……」
ぎゅっと彼に抱きつくが、それでも背筋に這う甘やかな痺れは止まらない。レイヤがプルプルと首を横に振るうが、彼はクスクスと軽い笑いを溢す。
「嘘吐き。僕のに気持ち良い場所に当ててない? 腰動いてるよ。キスだけで濡れそぼってるんじゃないかな」
違う。そう言いたいのに、それでも、身体に巻き上がった熱が止まらない。エリアスから身体を離そうとした須臾──彼は、スカートの中に手を滑らせて、下着の上からレイヤの尻をぎゅっと掴んだ。そうして前後に揺さぶられると、彼のものと快楽の芽が擦れて、頭の中に星がまたたくような快楽がひらめいた。
「──あんっ、ん、ぁあ!」
「あぁ。可愛い声出しちゃってさ。レイヤが嘘を吐いてないか確かめさせてよ」
そう言ったのも束の間。下着の隙間から手を入れて彼は後方からクレバスを指でなぞるなり、唇に弧を描いた。
「嘘吐き。ぬるぬるした気持ち良い証拠、もう出てきちゃってるよ。僕の指、簡単に入っちゃうんじゃないかな」
少しばかり悪戯気に言われ、レイヤは首を横に振る。しかし抵抗する間もなく、彼の無骨な指がくぷ……と胎内に埋め込まれるのを感じてレイヤは大きく目を瞠る。
「はぁ、ん……ぁああ!」
「ああ、ほら簡単に僕の指を飲み込んじゃった。必死にきゅうきゅう締め付けて可愛いね。すごく、中に嵌めたいよ」
ゆるゆると指を回して、彼は悪戯気に訊く。しかし、入り口付近のある一点を押されると、鮮烈な官能が走る。
しかし、何度もそこを押されるうちに、貪欲にも、もっと太いものでかき混ぜられたい欲求に駆られ、レイヤは邪念を払うようにブンブンと首を横に振った。
「はぅ……ん、ぁ、えりあす……」
既に呂律も回らなくなった甘えた声で彼に縋るが、エリアスは妖艶に笑むだけだ。
「ちょっと前まで処女だったのに、こんなに濡らして厭らしくなっちゃったね。キスした時から興奮していたの?」
どうされたいの? と低く耳元で囁かれ、レイヤは唇を噛んだ。確かに蕩けるようなキスをされた時から腹の疼きを自覚していた。
望んでいなくても身体が快楽を期待してしまったのだろうか。
こんな淫らな事はダメなのに。と、どこか背徳感を覚える反面、更なる快楽を期待しているのか尚も身体の奥からジュンと潤いが広がってくる事が分かる。
欲しい。今すぐに彼の熱で満たされたい。そうは思うが、言葉にするのが恥ずかしくて堪らない。恨めしげに彼を見上げると、エリアスは濡れた髪を掻き分けてどこか妖艶な面でレイヤを見下ろした。
「物欲しそうな顔しても、黙っていたら分からないよ?」
極めて優しい口調だが、明らかに言わせようとしている。くちくちと入り口近くを丸くなぞられると、貪欲にももっと奥に欲しくなってしまう。レイヤは震える唇を僅かに開いた。
「……エリアスの欲しい」
そう告げたと同時、瞬く間に指を抜かれ、激しく唇を奪われた。角度を変えて何度も貪った後、彼は恍惚とした瞳でレイヤを射貫く。
「うん。僕もレイヤが欲しくて堪らないよ」
少し立とう。と、促されて、立ち上がると、背後から抱きついたにショーツをずらされた。雨と遠ざかる雷鳴の中、ベルトが外れる音が後方から響いて一拍後、熱い塊が蜜口に当てられる。
「……ん、僕との身長差じゃ……ちょっとこの体勢じゃキツイかな」
上手に嵌められるかな。なんて苦笑交じりに言うが、腰を落とした彼は入り口近くで僅かに抽送する。しかし、どうにも上手に挿らない。頭二つ分近い身長差があるのだから、当たり前のように腰の位置も違う。レイヤはつま先立ちして、彼が挿りやすいように腰を突き立てた途端だった。ズンと彼の欲望が媚肉を掻き分けて奥まで入り、悲鳴じみた甲高い嬌声を上げた。
「ごめんね……すんなり挿っちゃったけど……これ、足が辛いでしょ」
大丈夫? と、訊かれて、レイヤが首を振るとエリアスはそのままゆるゆると抽送を始めた。
「でも背伸びしててじゃ、君が辛いかもしれないからね」
──早く気持ち良くなろうね。と、言うや否や、彼は後ろからレイヤの胸を揉みしだき、指紋が擦り付きそうな程に胸の飾りをグニグニと転がした。
抽送は緩やかなものだったが、次第に烈しさを増し皮膚と皮膚がぶつかり合う、浅ましい音が次から次へと奏でられた。
「あんっ……あぁ……」
──もっと深く。もっと奥で感じたい。そう思ってしまうなんて厭らしいのだろう。情けなさと羞恥にレイヤは益々顔を紅潮させるが、背後の彼は覆い被さってレイヤの耳元でクスクスと笑みを溢す。
「レイヤ……腰が動いてるね。気持ち良い?」
少しばかり悪戯気に言われるが、レイヤはこくこくと頷くと、彼は抽送を深く小刻みなものにする。そうして、腹に回していた手を滑らせて、股の間で膨れた小さな芽を見つけると、丸くなぞるようにクリクリと転がした。するとまたも快楽は鮮明となり、レイヤは悲鳴のような嬌声を張り上げる。
「あぅ──あん、あぁああああ!」
「レイヤの可愛い顔がどろどろになっちゃうくらい、ここをしゃぶりたかったな。今日は出来なくて残念だよ。また今度ゆっくり舐めてもいい?」
何かの拷問だろうか。耳元で吐息混じりに言われると、カッと身体が熱くなり、羞恥で眦から大粒の涙が伝い落ちた。しかし、こう言われて指を舌でするように動かされると舐られる感触を思い出してしまう。口の中に含まれて舌でちろちろとされ続ければ粗相をしてしまいそうになってしまう事や、孔に口を付けて淫蜜を掻き出される心地だって鮮明だ。
どうにも彼は口で愛でるのが好きなようで、レイヤがもう嫌だと大泣きしない限り延々と口淫を続ける程だ。初めての時に散々舐った事で癖になったのだろうか。定かではないが、口淫時の反応をたいそう気に入っている。
「あんっ……あぅ、ああ、いやっ。そこ、そんなに舐めたらっ」
いっちゃう。とブンブンと首を横に振れば、追い打ちをかけるように抽送を深くされた。
「今日は舐めてないよ。こうやって嵌めながら可愛いクリトリス舐めれたらいいのにね」
もはや舐められているのか、触られているのか分からなくなってしまう。指紋が擦り付きそうな程にクニクニと転がされて間もなく、レイヤの脳裏に絶頂の白い波が浮かび上がる。波が弾けたと同時に彼は余裕の無い吐息を溢した。
「──っ!」
途端に、木に預けていた手を引き剥がされて、背後からぎゅっと抱き締められるが、彼は急ぎ途端に肉棒を膣内から引き摺り出す。それから一拍二拍と経って、快楽の余韻を含んだ彼の荒い呼吸がうなじを擽った。
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