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第二章 抗戦
第55話 #新生JIA #アンダーワールド
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その後、メアリーさんからJIAの技術などを聞いた。
それらの技術の殆どが一般公開されていないだけで、実はその技術はかなり進んでいるらしい。
主にアメリカとイギリスがその最先端を進んでいるらしいが、ロシアを含めその開発水準を把握出来ていない国も幾つかあるとの事だった。
一般に知られていない技術の中で、例えばステルス機能がある。
戦闘機や偵察機、戦車や軍艦などにもそれらは搭載され、レーダーにも感知され難いのは勿論、目視もされ難い代物だ。
驚く事に、知られたくない建物や施設等、勿論JIAの本部や支部にも使用されているらしい。
そして、その技術は日々進化しており、メアリーさんがこの家へ乗り入れた車両も、先月搭載されたステルスBOOABAA型と言うらしい。
これは、電磁パルス攻撃に耐える事の出来るシールド 素材が最新の物で、ごく最近になって開発された素材の物と変更されたと言う。
もしかしたら……。
俺が静電気みたいなので携帯を壊そうとしたのって、電磁パルスみたいなのかも?
「そう言えば、悠斗くんに凄く会いたがってる人が居るんだけど」
「え? 僕にですか?」
「あ、悠斗くん、僕って言った!」
「え? ええ、何か変ですか?」
「何だか可愛いわねー」
そう言って俺を見るが、ちょっとハズいんですけど?
「それより会いたいって人は⁉」
「あ、ええ、灰原さん覚えてる?」
「ええ! 勿論ですよ!」
灰原さんと言うのは、数年前に俺達が伊豆旅行へ行った時に、沙織さんに頼まれて運転手をしてくれた人だ。
印象としては大人の男って感じ?
滅茶苦茶凄そうな車に乗って来てくれたっけ。
タイヤも六輪だったし。
「彼が凄く会いたがってたわよ?」
「そうなんですか! 僕も会いたいですよ~」
「あ、また言った!」
「な、何ですか……」
そりゃ、年上の人に俺とかちょっと失礼かと思って、言葉選んだだけだけど?
「んー何だか新鮮ね!」
「そうですか?」
「うんうん!」
そう言って目を輝かせた。
もう何でもいいや。
「で、灰原さんは何処にいるんです?」
「今も本部に居るんじゃ無いかなー」
「JIA本部? どこだろ」
「最近悠斗くん、警察に連絡したでしょ?」
「警察に?」
「ええ」
そう言えば、あいつらを車ごと海へ投げ込んだ時だ!
「あ……ええ、まあ」
「あの処理は勿論そのまま警察が行なったけど、事後処理はJIAの彼が担当したのよ」
「えっ? そうだったんですか?」
「そりゃそうよーあんな状況、考えられないじゃない」
「う……ま、まあ」
確かに車が入り込むには不自然な場所だと思う。
「その時、私に連絡が来てね」
「そうだったんですね」
「悠斗がしでかした! って、嬉しそうに話してたわよ」
「し、しでかしたって……」
「そりゃそうでしょー?」
「すみません……やり過ぎました」
溺れさせる深さじゃ無かったけど、まあ、やり過ぎたかな……。
「でも、四人は薬物常習者だったし、警察にしたら有難かったとは思うわよ」
「そ、そうですか?」
「ね、それってどうやったの?」
「それ?」
「私ね、まだ資料見てないから状況が分からないのよー」
「ああ、実はラリった四人組を車ごと海へ……」
「現状は聞いたんだけどね」
「あ、そっか……」
「どうやってそんな事したの?」
そうだよね……。
確かにやり過ぎた感はあるし、メアリーさんには正直に言わなきゃいけないよね?
「えと、国道走ってたから事故起こしたら大変かと思って、上へ弾いてからもう少し空へ上げて、その後海岸へ落としたんだだけど……」
「なっ……何でっ⁉」
「あ、だから危ないと思って」
「いえ、なにで?」
「なにでって……この手、で?」
「えーっ!」
メアリーさんが驚いて見ているが、でもまあ、これが普通のリアクションだよね?
裏の人だし隠す事もしないで、そのまま話しちゃったけどヤバかった?
「てか、悠斗くん空飛べるの⁉」
「あ、いえいえ! 高くジャンプ出来るだけ」
「高くって、どの位? ちょっと跳んでみて!」
「え、ここじゃ駄目ですよ!」
「そうなの⁉ 何処なら出来るの?」
「だって、かなり高くだったし」
「どの位?」
「えと、あの時は五千メートルかな?」
「――っ⁉」
メアリーさんは驚いて声が出ない様だ。
まあ、高くジャンプ出来るっても限度超えてますよね?
ええ、分かります。
あ、五千メートル上がるとかなり寒いです。
お勧めはしません。
「ちょっと、悠斗くん! その身体見せてくれる?」
「えっ? えーっ⁉」
思わず退け反った。
身体見せろって……。
そりゃ風呂場で倒れて皆に素っ裸見られたけど、メアリーさんにまで見せるの⁉
「ハズイよ!」
「って、脱いでって事じゃ無いけど!」
「あ、そう?」
「ちょっと触らせて!」
そう言ってメアリーさんが俺の身体を触りだした。
腕や脚、お腹や肩など弄っているが、くすぐったくなって来た。
「ちょ、くすぐったいよ!」
「あ、ごめん! でも、違いが分かんない……」
「まあ、俺も出来るか微妙だったけど、やってみたら出来たし?」
「普通はやってみても出来ない事よね?」
「あ、うん……多分」
そりゃそうだよね。
「ね、他に何が出来るの⁉」
「他に? 早く走ったり?」
「どの位⁉」
「あ、計った事無いけど走る車よりは……」
「な……他にはっ⁉」
「他に……あ、例えば家族や知り合いの居場所が分かる!」
「え? どういう事?」
「んー、今はみんなが上の露天風呂に居るとか、近くに誰か来たなーとか」
「な、どうやってっ⁉」
「こう、頭の中に位置が出るの。自分では脳内レーダーって呼んでるんだけど」
「脳内レーダー?」
「何て言うのかな、ぐるぐるアースが頭にある感じ?」
「ぐるぐるアースって、ウェブサイトアプリの?」
「うんうん。他にも、こうやってメアリーさんのステータスや染色体情報、遺伝子情報が読み取れるよ?」
「え……私の?」
「そそ、スキルも分かるんだよねーこれ」
「スキル?」
「あーメアリーさん、三か国語も話せるんだ! バイリンガルって奴? 凄いですね!」
「え……それが分かるの⁉」
「ええ、まあ」
すると、力を落とした様にため息をついた。
「はあ……」
「あ……どうかしました?」
「いえ……何だか凄い子だったのね」
「あ、僕?」
「うん……前にグレイが化け物じゃ無いだろうなとか言ってたけど、こんな事になるなんて……」
「化け物って……」
しかもグレイって誰よ?
聞き覚えあるけど……グレイ……あ!
まさか、宇宙人⁉
メアリーさん宇宙人と知り合いなのっ⁉
秘密組織ってやっぱり異星人と交流があったのか!
まあでも、こんな俺って化け物かー。
こんなの地球人じゃ無いよな。
化け物って言われても仕方ないかも?
「あ、いえ! ごめん!」
「あ、良いんですよ。でも、メアリーさん宇宙人と知り合いだったんですね」
「え? えーっ?」
そうだよな……俺は地球育ちのエランドール生まれなんだよね。
そう思って左手の指輪を見ながら右手の腕輪に触れた。
すると、音も無く俺の両脇に盾と剣が現れた。
「これは俺を守護する盾と剣なんですよ」
「え……どこから……?」
「普段は見えないけど、常に俺の傍で守護しているんです」
「そ……んな……」
「あ、つい最近なんですけどね、これ使える様になったの」
「それで沙織さんは帰ってしまったのね……」
「あ、いえいえ! これを使えるようになったのは、沙織さん達が帰った後なんです!」
「え? じゃあ、本当にごく最近ってか、昨日⁉」
「あ、使えるようになったのって、今朝じゃん!」
「え……」
何だか色々あり過ぎて……。
「その盾と剣は何に使うの?」
「んー取り敢えずは異星人襲来の時?」
「でも、異星人ってそれで倒せるの?」
メアリーさんは疑心暗鬼の様だ。
まあ、実は俺だって倒せるとは思って無いけど、倒さなきゃSPイベントが消える訳だ。
「そこが問題なんですよねー」
「え……」
「やっぱさ、ドデカい宇宙船とかで来ると思いません⁉」
「ええ、まあ」
「しかも、十とか二十とかの編隊で来るらしいし」
「そんなに⁉」
そんな事をセレスが言っていた。
海の水とか大気を奪いに来るとか?
「まあ、そこをイーリスと一緒に考えようと思ってたんですよ」
「イーリスってあのピンクの子?」
「ええ、あいつ、ああ見えて凄いんです」
「そ、そうなの?」
まあ、メアリーさんのリアクションは分かるよ。
あのイーリスが凄いレアキャラだって事は、エランドールの人じゃ無いと分かって貰えないよね。
でも、あいつこそ今のこの地球で、一番の能力者じゃないかな?
「あいつこそ化け物なんですけどねー」
「えーっ!」
「あいつね、時空を捻じ曲げて移動するんですよ?」
「時空をっ⁉ どういう事っ⁉」
「あ、詳しい事は分かんないですけど」
「そ、そう……」
「でも、あいつが来た奴らを時空に止めて、そこを俺がバーンって……」
あ、俺って言っちゃった!
時空に止めるとか訳分かんないよね?
「バーンって……」
あ、そっち?
でもその反応は分かります。
「あいつが、ピーンで僕がバーン、らしいです」
「そう……なの?」
「ただ、これだけじゃ何だか心細いから、ちゃんとあいつと計画を練ろうかと思ってたんです」
「そうね、それが良いと思う!」
ですよねー?
俺も来週だと思うと落ち着いて居られない。
「でもね、実際にこうして悠斗くんと会って話して見て、あなたの事が少しだけ分かった気がします」
「え?」
「私も沙織さんをよく知ってる訳じゃ無いけど、あの人は絶対に悠斗くんを誰よりも大切に想ってる」
「あ、はい……」
「そんな悠斗くんが、その力を間違えた使い方する訳無いわよね」
「え、ええ……まあ」
ドキッとした。
ムカついてあいつらを海へ投げ込んじゃったし……。
「悠斗くんのご両親が、新JIAへの資金提供をする会社の代表をしているのは話しましたよね?」
「あ、詳しくは聞いてませんけど大まかには」
「その会社の本社を日本へ移転させ、海外本社は支社となり、ご両親は帰国します」
「あ、そうなんですか!」
父さんたち帰って来るんだ!
愛美と一緒に居られて良かったじゃん、父さん。
「沙織さんが戻った際の計画は、既に出来上がっていましたからね」
「そうだったんですか」
「新JIAとなった事で、ご両親への保護指令が発動され、同時に資金源となる会社を海外へ起こす事になったのです」
「ああ、そこはチラッと聞いてます」
「そうでしたね。各国の組織に対応する為、どうしても資金源になる会社が必要となったのです」
「そうでしたか」
「この度、沙織さん方が戻られた事により、JIAとしては第二フェーズへ移行しました」
「それが、両親の帰国とか?」
「はい。本社の移転とご両親の帰国、愛美さんの啓聖大学への入学です」
「愛美が俺の大学へ?」
「あ、蜜柑も入って貰います」
「ああ、そうなるんですね」
やっぱりそのまま蜜柑が愛美のボディーガードって訳か。
まあ、愛美と一緒に居てくれるし俺としても安心だよ。
「悠斗くん、きちんと話しておきますけど……」
「あ、はい?」
「JIAは悠斗くんを護る為にあるという事です」
「え……えーっ⁉」
そんな秘密組織が俺の為にっ⁉
「沙織さんと悠菜さんが異世界へ戻った後、悠斗くんを保護する為に沙織さんが用意した組織なんですよ」
「や、やっぱそう言う事なの⁉」
「その為、数多くの海外組織とも連携をとっています。以前のJIAのコネクションを利用してますけど、それも含めて沙織さんがJIAを買収したのです」
「そうだったんだ……」
「まあ、この様子だと、悠斗くんを護る為と言っても、その身では無くて事後処理が主な仕事になるでしょうけどね」
そう言ってメアリーさんは微笑んだ。
ああ、海岸へ投げたあいつらとか……。
「あ、そっか……何だかすみません」
「いえいえ、ご家族皆さんを護る為にもJIAは存在しているのですけどね」
「それで蜜柑を愛美に……」
「新JIAとしての彼女の初任務が、愛美さんの保護でしたね」
「そうだったんですか」
「まあ、オレンジにしても初任務だったんですけどね」
「オレンジ?」
「ええ、あの子のコードネームはオレンジなんです」
「え……何だか安易じゃない?」
「ま、まあ、沙織さんが命名したんですけど」
「あははは! あの人らしいや!」
思わず今までの沙織さんの天然ぷりを思い出して笑ってしまった。
「やっぱり安易ですよね⁉」
「ええ、凄く」
「ですよね……」
「あ、メアリーさんもコードネームなんです?」
「ええ、そうなんです。あ、灰原さんはグレイって言うんですよ」
「えーっ! そうだったんですか!」
「ええ」
「さっき、メアリーさんがグレイが言ってたとか言うから、宇宙人と知り合いなのかと思いましたよ!」
「え? ああ! それでさっき変な事言ってたんだ⁉」
「うん!」
そうだったのかー!
グレイだから灰原さんかー!
やっぱり安易じゃない?
「新しくなった今のJIA職員、みんなが悠斗くんの成人を心待ちにしてたんですよ」
「えーっ!」
「とは言っても、上層部を知っている方々だけですけどね~」
「あ、そうなんだ」
「特にグレイ、そしてケントとイオも早く会いたがってますよ」
「ああ、他にも居るんですね!」
「ええ! イオなんて、悠斗くんをずっとストーカーしてるんですよ?」
「えーっ⁉ ストーカー⁉」
な、何だとーっ⁉
ヤバい所見られてないか⁉
「勿論、悠斗くんの保護が目的なんですけどね」
「あ、ああ……」
「イオは優秀な通信部員で、あちこちに設置してある監視カメラを独自で解析出来ちゃいます」
「へ、へー……」
絶対にヤバいでしょ?
「そうそう! 大学のフードコートで絡んで来た男達!」
「え?」
「あれらを交わしてたの動画で見たわよ!」
「あ、あれっ⁉」
「凄い反射神経だとは思ったけどね~まさか、序の口だったとは」
「あ、あははは……」
沙織さんにちょっかい出してたからなあいつら。
あの時は何だか無性にムカついた。
「イオは開発にも興味を持って色々やってるようですけどねー」
「そうなんですね」
「ええ、口癖は生悠斗に早く会いたいー、ですよ」
生悠斗って……。
「ぼ、僕も早く会いたいです」
「あーやっぱり新鮮!」
「え?」
「悠斗くん、私の前ではずっと僕って言ってくれない?」
「え……えー」
そこは考えておきます。
「私ね、イギリス支部にずっと居たから、日本の男の子と話した事あまり経験なくってー」
「あ、ああ……そっすか」
メアリーさん……こう見えてうちの母さんより年上かな?
「あ、そう言えば悠斗くん」
「はい?」
「西園寺さんと知り合ったのはどういう経緯で?」
「え? 西園寺さん?」
「ええ」
確か最初に会ったのは、大学のフードコートだったよね?
「えーと、最初は五十嵐さんと偶然知り合って、その後、大学で五十嵐さんに再会した時に紹介されたんだけど」
「あー五十嵐さんですか……最初に彼女と会ったのはどちらで?」
五十嵐さんはコンビニじゃない?
あ、いや違う!
大学のフードコートでぶつかりそうになった時か!
「彼女とは大学のフードコートだった!」
「そうですか……」
「どうかしました?」
「西園寺財閥がJIAの職員をボディーガードやセキュリティとして、以前から派遣雇用としているのはお話ししましたよね?」
「ええ。あ……あーっ!」
西園寺財閥って!
西園寺さんの⁉
そうだ!
だからあんなリムジンだったり、お婆さんが大学の理事長だったり!
「な、なにか?」
「西園寺さんって、もしかして西園寺財閥ーっ⁉」
「え……そこ? てか、今気づいたのっ⁉」
「あ、はい……今気づいた」
「うそっ!」
「いや……セレブだなーとは思ってたけど、財閥のご令嬢とは……」
「五十嵐さんだって財閥とはいかない迄も、それでも地元では有名なご令嬢でしょう?」
「えーっ⁉ そうだったの? 有名だったのか……」
「ええ……知らなかったの?」
「そりゃ、冷蔵庫三台もあるとか聞いてたけどさ……」
「冷蔵庫?」
そうだよ、彼女達に初めて会った時……。
冷蔵庫が家に何台もあるって聞いて金持ちは違うなーって……。
「あ、いえ……」
「悠斗くん、案外鈍感なのね……何だか意外だわ」
イヤーッ!
そう言わないでーっ!
それらの技術の殆どが一般公開されていないだけで、実はその技術はかなり進んでいるらしい。
主にアメリカとイギリスがその最先端を進んでいるらしいが、ロシアを含めその開発水準を把握出来ていない国も幾つかあるとの事だった。
一般に知られていない技術の中で、例えばステルス機能がある。
戦闘機や偵察機、戦車や軍艦などにもそれらは搭載され、レーダーにも感知され難いのは勿論、目視もされ難い代物だ。
驚く事に、知られたくない建物や施設等、勿論JIAの本部や支部にも使用されているらしい。
そして、その技術は日々進化しており、メアリーさんがこの家へ乗り入れた車両も、先月搭載されたステルスBOOABAA型と言うらしい。
これは、電磁パルス攻撃に耐える事の出来るシールド 素材が最新の物で、ごく最近になって開発された素材の物と変更されたと言う。
もしかしたら……。
俺が静電気みたいなので携帯を壊そうとしたのって、電磁パルスみたいなのかも?
「そう言えば、悠斗くんに凄く会いたがってる人が居るんだけど」
「え? 僕にですか?」
「あ、悠斗くん、僕って言った!」
「え? ええ、何か変ですか?」
「何だか可愛いわねー」
そう言って俺を見るが、ちょっとハズいんですけど?
「それより会いたいって人は⁉」
「あ、ええ、灰原さん覚えてる?」
「ええ! 勿論ですよ!」
灰原さんと言うのは、数年前に俺達が伊豆旅行へ行った時に、沙織さんに頼まれて運転手をしてくれた人だ。
印象としては大人の男って感じ?
滅茶苦茶凄そうな車に乗って来てくれたっけ。
タイヤも六輪だったし。
「彼が凄く会いたがってたわよ?」
「そうなんですか! 僕も会いたいですよ~」
「あ、また言った!」
「な、何ですか……」
そりゃ、年上の人に俺とかちょっと失礼かと思って、言葉選んだだけだけど?
「んー何だか新鮮ね!」
「そうですか?」
「うんうん!」
そう言って目を輝かせた。
もう何でもいいや。
「で、灰原さんは何処にいるんです?」
「今も本部に居るんじゃ無いかなー」
「JIA本部? どこだろ」
「最近悠斗くん、警察に連絡したでしょ?」
「警察に?」
「ええ」
そう言えば、あいつらを車ごと海へ投げ込んだ時だ!
「あ……ええ、まあ」
「あの処理は勿論そのまま警察が行なったけど、事後処理はJIAの彼が担当したのよ」
「えっ? そうだったんですか?」
「そりゃそうよーあんな状況、考えられないじゃない」
「う……ま、まあ」
確かに車が入り込むには不自然な場所だと思う。
「その時、私に連絡が来てね」
「そうだったんですね」
「悠斗がしでかした! って、嬉しそうに話してたわよ」
「し、しでかしたって……」
「そりゃそうでしょー?」
「すみません……やり過ぎました」
溺れさせる深さじゃ無かったけど、まあ、やり過ぎたかな……。
「でも、四人は薬物常習者だったし、警察にしたら有難かったとは思うわよ」
「そ、そうですか?」
「ね、それってどうやったの?」
「それ?」
「私ね、まだ資料見てないから状況が分からないのよー」
「ああ、実はラリった四人組を車ごと海へ……」
「現状は聞いたんだけどね」
「あ、そっか……」
「どうやってそんな事したの?」
そうだよね……。
確かにやり過ぎた感はあるし、メアリーさんには正直に言わなきゃいけないよね?
「えと、国道走ってたから事故起こしたら大変かと思って、上へ弾いてからもう少し空へ上げて、その後海岸へ落としたんだだけど……」
「なっ……何でっ⁉」
「あ、だから危ないと思って」
「いえ、なにで?」
「なにでって……この手、で?」
「えーっ!」
メアリーさんが驚いて見ているが、でもまあ、これが普通のリアクションだよね?
裏の人だし隠す事もしないで、そのまま話しちゃったけどヤバかった?
「てか、悠斗くん空飛べるの⁉」
「あ、いえいえ! 高くジャンプ出来るだけ」
「高くって、どの位? ちょっと跳んでみて!」
「え、ここじゃ駄目ですよ!」
「そうなの⁉ 何処なら出来るの?」
「だって、かなり高くだったし」
「どの位?」
「えと、あの時は五千メートルかな?」
「――っ⁉」
メアリーさんは驚いて声が出ない様だ。
まあ、高くジャンプ出来るっても限度超えてますよね?
ええ、分かります。
あ、五千メートル上がるとかなり寒いです。
お勧めはしません。
「ちょっと、悠斗くん! その身体見せてくれる?」
「えっ? えーっ⁉」
思わず退け反った。
身体見せろって……。
そりゃ風呂場で倒れて皆に素っ裸見られたけど、メアリーさんにまで見せるの⁉
「ハズイよ!」
「って、脱いでって事じゃ無いけど!」
「あ、そう?」
「ちょっと触らせて!」
そう言ってメアリーさんが俺の身体を触りだした。
腕や脚、お腹や肩など弄っているが、くすぐったくなって来た。
「ちょ、くすぐったいよ!」
「あ、ごめん! でも、違いが分かんない……」
「まあ、俺も出来るか微妙だったけど、やってみたら出来たし?」
「普通はやってみても出来ない事よね?」
「あ、うん……多分」
そりゃそうだよね。
「ね、他に何が出来るの⁉」
「他に? 早く走ったり?」
「どの位⁉」
「あ、計った事無いけど走る車よりは……」
「な……他にはっ⁉」
「他に……あ、例えば家族や知り合いの居場所が分かる!」
「え? どういう事?」
「んー、今はみんなが上の露天風呂に居るとか、近くに誰か来たなーとか」
「な、どうやってっ⁉」
「こう、頭の中に位置が出るの。自分では脳内レーダーって呼んでるんだけど」
「脳内レーダー?」
「何て言うのかな、ぐるぐるアースが頭にある感じ?」
「ぐるぐるアースって、ウェブサイトアプリの?」
「うんうん。他にも、こうやってメアリーさんのステータスや染色体情報、遺伝子情報が読み取れるよ?」
「え……私の?」
「そそ、スキルも分かるんだよねーこれ」
「スキル?」
「あーメアリーさん、三か国語も話せるんだ! バイリンガルって奴? 凄いですね!」
「え……それが分かるの⁉」
「ええ、まあ」
すると、力を落とした様にため息をついた。
「はあ……」
「あ……どうかしました?」
「いえ……何だか凄い子だったのね」
「あ、僕?」
「うん……前にグレイが化け物じゃ無いだろうなとか言ってたけど、こんな事になるなんて……」
「化け物って……」
しかもグレイって誰よ?
聞き覚えあるけど……グレイ……あ!
まさか、宇宙人⁉
メアリーさん宇宙人と知り合いなのっ⁉
秘密組織ってやっぱり異星人と交流があったのか!
まあでも、こんな俺って化け物かー。
こんなの地球人じゃ無いよな。
化け物って言われても仕方ないかも?
「あ、いえ! ごめん!」
「あ、良いんですよ。でも、メアリーさん宇宙人と知り合いだったんですね」
「え? えーっ?」
そうだよな……俺は地球育ちのエランドール生まれなんだよね。
そう思って左手の指輪を見ながら右手の腕輪に触れた。
すると、音も無く俺の両脇に盾と剣が現れた。
「これは俺を守護する盾と剣なんですよ」
「え……どこから……?」
「普段は見えないけど、常に俺の傍で守護しているんです」
「そ……んな……」
「あ、つい最近なんですけどね、これ使える様になったの」
「それで沙織さんは帰ってしまったのね……」
「あ、いえいえ! これを使えるようになったのは、沙織さん達が帰った後なんです!」
「え? じゃあ、本当にごく最近ってか、昨日⁉」
「あ、使えるようになったのって、今朝じゃん!」
「え……」
何だか色々あり過ぎて……。
「その盾と剣は何に使うの?」
「んー取り敢えずは異星人襲来の時?」
「でも、異星人ってそれで倒せるの?」
メアリーさんは疑心暗鬼の様だ。
まあ、実は俺だって倒せるとは思って無いけど、倒さなきゃSPイベントが消える訳だ。
「そこが問題なんですよねー」
「え……」
「やっぱさ、ドデカい宇宙船とかで来ると思いません⁉」
「ええ、まあ」
「しかも、十とか二十とかの編隊で来るらしいし」
「そんなに⁉」
そんな事をセレスが言っていた。
海の水とか大気を奪いに来るとか?
「まあ、そこをイーリスと一緒に考えようと思ってたんですよ」
「イーリスってあのピンクの子?」
「ええ、あいつ、ああ見えて凄いんです」
「そ、そうなの?」
まあ、メアリーさんのリアクションは分かるよ。
あのイーリスが凄いレアキャラだって事は、エランドールの人じゃ無いと分かって貰えないよね。
でも、あいつこそ今のこの地球で、一番の能力者じゃないかな?
「あいつこそ化け物なんですけどねー」
「えーっ!」
「あいつね、時空を捻じ曲げて移動するんですよ?」
「時空をっ⁉ どういう事っ⁉」
「あ、詳しい事は分かんないですけど」
「そ、そう……」
「でも、あいつが来た奴らを時空に止めて、そこを俺がバーンって……」
あ、俺って言っちゃった!
時空に止めるとか訳分かんないよね?
「バーンって……」
あ、そっち?
でもその反応は分かります。
「あいつが、ピーンで僕がバーン、らしいです」
「そう……なの?」
「ただ、これだけじゃ何だか心細いから、ちゃんとあいつと計画を練ろうかと思ってたんです」
「そうね、それが良いと思う!」
ですよねー?
俺も来週だと思うと落ち着いて居られない。
「でもね、実際にこうして悠斗くんと会って話して見て、あなたの事が少しだけ分かった気がします」
「え?」
「私も沙織さんをよく知ってる訳じゃ無いけど、あの人は絶対に悠斗くんを誰よりも大切に想ってる」
「あ、はい……」
「そんな悠斗くんが、その力を間違えた使い方する訳無いわよね」
「え、ええ……まあ」
ドキッとした。
ムカついてあいつらを海へ投げ込んじゃったし……。
「悠斗くんのご両親が、新JIAへの資金提供をする会社の代表をしているのは話しましたよね?」
「あ、詳しくは聞いてませんけど大まかには」
「その会社の本社を日本へ移転させ、海外本社は支社となり、ご両親は帰国します」
「あ、そうなんですか!」
父さんたち帰って来るんだ!
愛美と一緒に居られて良かったじゃん、父さん。
「沙織さんが戻った際の計画は、既に出来上がっていましたからね」
「そうだったんですか」
「新JIAとなった事で、ご両親への保護指令が発動され、同時に資金源となる会社を海外へ起こす事になったのです」
「ああ、そこはチラッと聞いてます」
「そうでしたね。各国の組織に対応する為、どうしても資金源になる会社が必要となったのです」
「そうでしたか」
「この度、沙織さん方が戻られた事により、JIAとしては第二フェーズへ移行しました」
「それが、両親の帰国とか?」
「はい。本社の移転とご両親の帰国、愛美さんの啓聖大学への入学です」
「愛美が俺の大学へ?」
「あ、蜜柑も入って貰います」
「ああ、そうなるんですね」
やっぱりそのまま蜜柑が愛美のボディーガードって訳か。
まあ、愛美と一緒に居てくれるし俺としても安心だよ。
「悠斗くん、きちんと話しておきますけど……」
「あ、はい?」
「JIAは悠斗くんを護る為にあるという事です」
「え……えーっ⁉」
そんな秘密組織が俺の為にっ⁉
「沙織さんと悠菜さんが異世界へ戻った後、悠斗くんを保護する為に沙織さんが用意した組織なんですよ」
「や、やっぱそう言う事なの⁉」
「その為、数多くの海外組織とも連携をとっています。以前のJIAのコネクションを利用してますけど、それも含めて沙織さんがJIAを買収したのです」
「そうだったんだ……」
「まあ、この様子だと、悠斗くんを護る為と言っても、その身では無くて事後処理が主な仕事になるでしょうけどね」
そう言ってメアリーさんは微笑んだ。
ああ、海岸へ投げたあいつらとか……。
「あ、そっか……何だかすみません」
「いえいえ、ご家族皆さんを護る為にもJIAは存在しているのですけどね」
「それで蜜柑を愛美に……」
「新JIAとしての彼女の初任務が、愛美さんの保護でしたね」
「そうだったんですか」
「まあ、オレンジにしても初任務だったんですけどね」
「オレンジ?」
「ええ、あの子のコードネームはオレンジなんです」
「え……何だか安易じゃない?」
「ま、まあ、沙織さんが命名したんですけど」
「あははは! あの人らしいや!」
思わず今までの沙織さんの天然ぷりを思い出して笑ってしまった。
「やっぱり安易ですよね⁉」
「ええ、凄く」
「ですよね……」
「あ、メアリーさんもコードネームなんです?」
「ええ、そうなんです。あ、灰原さんはグレイって言うんですよ」
「えーっ! そうだったんですか!」
「ええ」
「さっき、メアリーさんがグレイが言ってたとか言うから、宇宙人と知り合いなのかと思いましたよ!」
「え? ああ! それでさっき変な事言ってたんだ⁉」
「うん!」
そうだったのかー!
グレイだから灰原さんかー!
やっぱり安易じゃない?
「新しくなった今のJIA職員、みんなが悠斗くんの成人を心待ちにしてたんですよ」
「えーっ!」
「とは言っても、上層部を知っている方々だけですけどね~」
「あ、そうなんだ」
「特にグレイ、そしてケントとイオも早く会いたがってますよ」
「ああ、他にも居るんですね!」
「ええ! イオなんて、悠斗くんをずっとストーカーしてるんですよ?」
「えーっ⁉ ストーカー⁉」
な、何だとーっ⁉
ヤバい所見られてないか⁉
「勿論、悠斗くんの保護が目的なんですけどね」
「あ、ああ……」
「イオは優秀な通信部員で、あちこちに設置してある監視カメラを独自で解析出来ちゃいます」
「へ、へー……」
絶対にヤバいでしょ?
「そうそう! 大学のフードコートで絡んで来た男達!」
「え?」
「あれらを交わしてたの動画で見たわよ!」
「あ、あれっ⁉」
「凄い反射神経だとは思ったけどね~まさか、序の口だったとは」
「あ、あははは……」
沙織さんにちょっかい出してたからなあいつら。
あの時は何だか無性にムカついた。
「イオは開発にも興味を持って色々やってるようですけどねー」
「そうなんですね」
「ええ、口癖は生悠斗に早く会いたいー、ですよ」
生悠斗って……。
「ぼ、僕も早く会いたいです」
「あーやっぱり新鮮!」
「え?」
「悠斗くん、私の前ではずっと僕って言ってくれない?」
「え……えー」
そこは考えておきます。
「私ね、イギリス支部にずっと居たから、日本の男の子と話した事あまり経験なくってー」
「あ、ああ……そっすか」
メアリーさん……こう見えてうちの母さんより年上かな?
「あ、そう言えば悠斗くん」
「はい?」
「西園寺さんと知り合ったのはどういう経緯で?」
「え? 西園寺さん?」
「ええ」
確か最初に会ったのは、大学のフードコートだったよね?
「えーと、最初は五十嵐さんと偶然知り合って、その後、大学で五十嵐さんに再会した時に紹介されたんだけど」
「あー五十嵐さんですか……最初に彼女と会ったのはどちらで?」
五十嵐さんはコンビニじゃない?
あ、いや違う!
大学のフードコートでぶつかりそうになった時か!
「彼女とは大学のフードコートだった!」
「そうですか……」
「どうかしました?」
「西園寺財閥がJIAの職員をボディーガードやセキュリティとして、以前から派遣雇用としているのはお話ししましたよね?」
「ええ。あ……あーっ!」
西園寺財閥って!
西園寺さんの⁉
そうだ!
だからあんなリムジンだったり、お婆さんが大学の理事長だったり!
「な、なにか?」
「西園寺さんって、もしかして西園寺財閥ーっ⁉」
「え……そこ? てか、今気づいたのっ⁉」
「あ、はい……今気づいた」
「うそっ!」
「いや……セレブだなーとは思ってたけど、財閥のご令嬢とは……」
「五十嵐さんだって財閥とはいかない迄も、それでも地元では有名なご令嬢でしょう?」
「えーっ⁉ そうだったの? 有名だったのか……」
「ええ……知らなかったの?」
「そりゃ、冷蔵庫三台もあるとか聞いてたけどさ……」
「冷蔵庫?」
そうだよ、彼女達に初めて会った時……。
冷蔵庫が家に何台もあるって聞いて金持ちは違うなーって……。
「あ、いえ……」
「悠斗くん、案外鈍感なのね……何だか意外だわ」
イヤーッ!
そう言わないでーっ!
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