落ちこぼれ元錬金術師の禁忌

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そこからまた数時間して、無事に朝日を拝むことが出来た。
アレからリオンは一度も起き出さなかったので、やっぱり寝ぐずりだったのだろう。
リオンごと俺を抱え込むディクセル様の腕から抜け出して、グッと一つ、伸びをする。
………やっぱりベッドは最優先だな。

「………んっ、朝か………。」
「おはようございます、ディクセル様。」
「おはよう、ミリ。」

ディクセル様が手招きしたから、俺は特に疑問に思うことなく顔を寄せる。
何か用なのかな？
そう思うよりも早く、少し身体を起こしたディクセル様に頬にキスをされる。
カッと、身体中に熱が籠るのが自分でも分かった。

「慣れろよ、ミリ。今日から遠慮しないから。」

あわあわとしてしまう俺にディクセル様はそう言ってもう一度頬にキスをすると、未だスヤスヤと夢の中に居るリオンの額にキスをしてから俺と同じように伸びをしてから起き上がった。
リオンは今朝早くの騒動が響いているのか、この中でも未だに夢の中だ。
どうしようかな………。
このまま寝かせてあげたいけど、起きて俺もディクセル様も居ないってなると拗ねるよな………。

「もう少し寝かせてやりたいが、今日は出掛ける予定立てたしな。」
「ですねぇ。あ、今日託児所寄って良いですか？」
「良いけど、どうした？」

ベッドの上で胡坐をかいて肩を回すディクセル様に、俺は予定の追加を告げる。
昨日一応顔合わせはしたけど、本格的に書類書いてないからディクセル様は厳密には保護者じゃない。
ギルドカードはもう持ってるって言ってたから、それを身分証明書にして保護者申請してもらおう。
それを簡単に説明すると、ディクセル様は二つ返事で了承してくれた。

「じゃあ尚更リオンは起こすか。可哀想だが、途中で起きてぐずられても困るしな。」

ミリは支度しておいで。
ディクセル様はそう言って、リオンを起こしにかかってくれた。
まぁ、朝ご飯の準備とかあるから正直ありがたい。
全員一緒のタイミングで食べれたら、すごく楽だし。

「じゃあ、お願いします。」
「ああ。リーオン。起きて。ご飯にしよう。」
「んんぅっ………」

ねんねモードのリオンを起こすのはめちゃくちゃ苦労するのだけど、まぁ、これからちょくちょくお付き合いしていく苦労だ。
今の内にありがたく朝ご飯の準備に取り掛からせてもらおう。
もうすぐで兄さんとフィニス様も起き出すかもしれない。
昨日はすごくお世話になったから、今朝こそはちゃんと朝ご飯を作るんだ！

グッと力こぶを作って（作れてない）、気合を入れる。

メニューを何にするかは昨日の内から決めていた。
パンと目玉焼きとベーコンだ。