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「ミリ、調子はどうだい?」
「フィニス様!今の所は、問題ないよ。」
兄さんに相談したら、やはりホムンクルスのことは良く分からないという返事が返ってきた。
しかし、とあるダンジョン街に兄の知り合いの錬金術師が居て、その人がホムンクルスの権威とも言われる程の人だからその人に聞いてみるから待ってて欲しいと言われた。
だから待ってはいるんだけど………。
「ただ、やっぱり大きくなるのが早い気がする。」
ホムンクルスに血を与え続けて早二ヶ月。
本来完全なホムンクルスになるまでは40週………約十ヶ月くらい?は掛かる筈。
なのにもう大きさは目に見えて大きくなっていて、もうヒトのカタチをし始めている。
これって、早過ぎるんじゃないかなと不安になる。
「うーん………俺には良く分からないけど、最初が早かったから、不安にはなるよね。」
小隊長さん………フィニス様はそう言って俺にお弁当を渡してくれた。
兄さんが名目上フィニス様の為にと、実際には俺の為に用意してくれたお弁当だ。
ディクセル様が通っていた時はカミラから反感を買われやすい状況だったから渡すに渡せなかったが、フィニス様にはカミラの取り巻きとなってしまった騎士様達はフィニス様には近寄れないから丁度良いと思ったらしい。
最初からディクセル様じゃなくてフィニス様すれば良かったと最初に貰った時に書いてあったお手紙に書いてあったけど、俺はそうは思わない。
ディクセル様がグイグイ来るのは苦手だったけど、それでもいつだってドキドキさせられた。
これはきっと初恋でこの先一生、俺の宝物になるだろう。
そしてこの子は、罪のカタチでありながらその宝物を容易に可視化してくれる存在となるだろう。
「無事に生まれてくれたらそれに越したことはないけど………」
俺はそう呟きながら、装置のガラス板をそっと撫でる。
すくすくと育つと言えば聞こえは良いが、もとより短命なホムンクルスがこうも成長をするのは不安しか抱けない。
もしかしたら、数日しか生きられないかもしれない。
それは嫌だな。
寂しいし、苦しい。
「大丈夫だよ。ミリがこんなにも愛しているんだから。さ、ご飯を食べよう。今日のお弁当も美味しそうだよ。」
フィニス様が優しく笑って俺にお弁当を渡してくれた。
胃が小さく量を食べられない俺に丁度良い多さの、お野菜もお肉もバランス良く入った美味しそうなお弁当。
俺と、ホムンクルスの為に用意されたお弁当。
「食べる。」
「うん、食べよう。しっかり食べて、ホムンクルスに血をあげなきゃね。」
「うん。多分もう少ししたらご飯の時間だから。」
血をあげるタイミングは色が白濁したら。
あげるのを止めるタイミングは、全身が赤く濁ったら。
なんとなくでやっている行動だけど、どうやらこれが一番うまくいってるっぽいのは分かる。
あー、でももしかしたらあげ過ぎなのかな?
「は?」
「ん?………え?」
そう思いながらいそいそとお弁当を食べる準備をしていると、ずっと装置を見詰めていたフィニス様が突然小さな声を上げた。
何かあったのだろうか?
お弁当を溢さないように脇に置き、俺も振り向いて装置を見詰め………絶句した。
―――ナカに居るホムンクルスが、さっきの二倍の大きさになっていたのだ。
「フィニス様!今の所は、問題ないよ。」
兄さんに相談したら、やはりホムンクルスのことは良く分からないという返事が返ってきた。
しかし、とあるダンジョン街に兄の知り合いの錬金術師が居て、その人がホムンクルスの権威とも言われる程の人だからその人に聞いてみるから待ってて欲しいと言われた。
だから待ってはいるんだけど………。
「ただ、やっぱり大きくなるのが早い気がする。」
ホムンクルスに血を与え続けて早二ヶ月。
本来完全なホムンクルスになるまでは40週………約十ヶ月くらい?は掛かる筈。
なのにもう大きさは目に見えて大きくなっていて、もうヒトのカタチをし始めている。
これって、早過ぎるんじゃないかなと不安になる。
「うーん………俺には良く分からないけど、最初が早かったから、不安にはなるよね。」
小隊長さん………フィニス様はそう言って俺にお弁当を渡してくれた。
兄さんが名目上フィニス様の為にと、実際には俺の為に用意してくれたお弁当だ。
ディクセル様が通っていた時はカミラから反感を買われやすい状況だったから渡すに渡せなかったが、フィニス様にはカミラの取り巻きとなってしまった騎士様達はフィニス様には近寄れないから丁度良いと思ったらしい。
最初からディクセル様じゃなくてフィニス様すれば良かったと最初に貰った時に書いてあったお手紙に書いてあったけど、俺はそうは思わない。
ディクセル様がグイグイ来るのは苦手だったけど、それでもいつだってドキドキさせられた。
これはきっと初恋でこの先一生、俺の宝物になるだろう。
そしてこの子は、罪のカタチでありながらその宝物を容易に可視化してくれる存在となるだろう。
「無事に生まれてくれたらそれに越したことはないけど………」
俺はそう呟きながら、装置のガラス板をそっと撫でる。
すくすくと育つと言えば聞こえは良いが、もとより短命なホムンクルスがこうも成長をするのは不安しか抱けない。
もしかしたら、数日しか生きられないかもしれない。
それは嫌だな。
寂しいし、苦しい。
「大丈夫だよ。ミリがこんなにも愛しているんだから。さ、ご飯を食べよう。今日のお弁当も美味しそうだよ。」
フィニス様が優しく笑って俺にお弁当を渡してくれた。
胃が小さく量を食べられない俺に丁度良い多さの、お野菜もお肉もバランス良く入った美味しそうなお弁当。
俺と、ホムンクルスの為に用意されたお弁当。
「食べる。」
「うん、食べよう。しっかり食べて、ホムンクルスに血をあげなきゃね。」
「うん。多分もう少ししたらご飯の時間だから。」
血をあげるタイミングは色が白濁したら。
あげるのを止めるタイミングは、全身が赤く濁ったら。
なんとなくでやっている行動だけど、どうやらこれが一番うまくいってるっぽいのは分かる。
あー、でももしかしたらあげ過ぎなのかな?
「は?」
「ん?………え?」
そう思いながらいそいそとお弁当を食べる準備をしていると、ずっと装置を見詰めていたフィニス様が突然小さな声を上げた。
何かあったのだろうか?
お弁当を溢さないように脇に置き、俺も振り向いて装置を見詰め………絶句した。
―――ナカに居るホムンクルスが、さっきの二倍の大きさになっていたのだ。
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