4 / 6
4
しおりを挟む
次におかしいなって思ったのは教室に居た時。
その時は自習で、俺は尊の席に行って尊と一緒に俺のスマホで動画を見ていた。
とはいえ音を出したら怒られるから、去年尊がスリーコインズで買ったイヤホンを使ってだけど。
安いリール式のイヤホンはそんなに伸びる訳じゃないから、椅子に半分ずつ座って二人で分け合って聞くと丁度良い。
でも尊が椅子から落ちそうだったから、腰に手を回して俺の方へと寄せながら支えてやる。
「ねぇ和史!」
そんな感じでいつものように見ていたら、突然長谷川さんに肩を叩かれた。
ビックリしてイヤホンを外しながら振り返れば、何故か怒ったような顔の長谷川さんが。
なんでそんなに怒ってんの?
「なに?」
「なにじゃなくて、自習中動画見てるんなら私と見ようよ!」
………え?なんで?
別に自習中なにしようが良くない?
しかも前に分かったんだけど、長谷川さんが見たい動画と俺が見る動画のジャンル合わないし。
「そうだね、付き合ってるんだし。ごめんね長谷川さん、和史くんを宜しく。」
「え?」
「別に太田くんに言われる筋合いないんだけど!?いこ!和史!」
めっちゃ腕引っ張られて痛いんだけど、それよりも尊が長谷川さんの所に行けと言われたことの方が辛い。
なんで?
なんでそんなこと言うの?
「帰ったら家で続き見よう?付き合ってるなら、ちゃんと彼女を優先させてあげなきゃ。ね?」
「………うん」
「和史!」
ちょっと納得できないけど、宥めるようにそう言われては納得せざるを得ない。
仕方ないから俺は再生中だった動画を止めて、長谷川さんの席に向かった。
あーあ、いいとこだったのに。
「アレ?さっきのイヤホンは?」
丁度長谷川さんの隣の席の奴が別の所に移動していて椅子が空いていたから取り敢えずそこに座った瞬間、満足そうな長谷川さんがありがとうも無しにそう言った。
なに?
俺わざわざ尊の席から来てあげたんだけど。
「あのイヤホン尊のだから。」
「えー、可愛かったのに。太田くんが買ったの?」
「そうだけど、なに?」
察して欲しいみたいな態度にイライラする。
尊の使い方が良いから長持ちしそうだけど、スリーコインズにある安物なんだから勝手に買えば良い。
なんか、長谷川さんってもっと大人しい子かと思ってたのに結構図々しいよな。
「聞いただけじゃん!そんな言い方しなくても………」
「あー、ごめんね。で?何見るの?」
なんか、恋人関係ってすごいつまんない。
尊と一緒に居る方が、ずっとずっと楽しかった。
その時は自習で、俺は尊の席に行って尊と一緒に俺のスマホで動画を見ていた。
とはいえ音を出したら怒られるから、去年尊がスリーコインズで買ったイヤホンを使ってだけど。
安いリール式のイヤホンはそんなに伸びる訳じゃないから、椅子に半分ずつ座って二人で分け合って聞くと丁度良い。
でも尊が椅子から落ちそうだったから、腰に手を回して俺の方へと寄せながら支えてやる。
「ねぇ和史!」
そんな感じでいつものように見ていたら、突然長谷川さんに肩を叩かれた。
ビックリしてイヤホンを外しながら振り返れば、何故か怒ったような顔の長谷川さんが。
なんでそんなに怒ってんの?
「なに?」
「なにじゃなくて、自習中動画見てるんなら私と見ようよ!」
………え?なんで?
別に自習中なにしようが良くない?
しかも前に分かったんだけど、長谷川さんが見たい動画と俺が見る動画のジャンル合わないし。
「そうだね、付き合ってるんだし。ごめんね長谷川さん、和史くんを宜しく。」
「え?」
「別に太田くんに言われる筋合いないんだけど!?いこ!和史!」
めっちゃ腕引っ張られて痛いんだけど、それよりも尊が長谷川さんの所に行けと言われたことの方が辛い。
なんで?
なんでそんなこと言うの?
「帰ったら家で続き見よう?付き合ってるなら、ちゃんと彼女を優先させてあげなきゃ。ね?」
「………うん」
「和史!」
ちょっと納得できないけど、宥めるようにそう言われては納得せざるを得ない。
仕方ないから俺は再生中だった動画を止めて、長谷川さんの席に向かった。
あーあ、いいとこだったのに。
「アレ?さっきのイヤホンは?」
丁度長谷川さんの隣の席の奴が別の所に移動していて椅子が空いていたから取り敢えずそこに座った瞬間、満足そうな長谷川さんがありがとうも無しにそう言った。
なに?
俺わざわざ尊の席から来てあげたんだけど。
「あのイヤホン尊のだから。」
「えー、可愛かったのに。太田くんが買ったの?」
「そうだけど、なに?」
察して欲しいみたいな態度にイライラする。
尊の使い方が良いから長持ちしそうだけど、スリーコインズにある安物なんだから勝手に買えば良い。
なんか、長谷川さんってもっと大人しい子かと思ってたのに結構図々しいよな。
「聞いただけじゃん!そんな言い方しなくても………」
「あー、ごめんね。で?何見るの?」
なんか、恋人関係ってすごいつまんない。
尊と一緒に居る方が、ずっとずっと楽しかった。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
片桐くんはただの幼馴染
ベポ田
BL
俺とアイツは同小同中ってだけなので、そのチョコは直接片桐くんに渡してあげてください。
藤白侑希
バレー部。眠そうな地味顔。知らないうちに部屋に置かれていた水槽にいつの間にか住み着いていた亀が、気付いたらいなくなっていた。
右成夕陽
バレー部。精悍な顔つきの黒髪美形。特に親しくない人の水筒から無断で茶を飲む。
片桐秀司
バスケ部。爽やかな風が吹く黒髪美形。部活生の9割は黒髪か坊主。
佐伯浩平
こーくん。キリッとした塩顔。藤白のジュニアからの先輩。藤白を先輩離れさせようと努力していたが、ちゃんと高校まで追ってきて涙ぐんだ。
可愛い男の子が実はタチだった件について。
桜子あんこ
BL
イケメンで女にモテる男、裕也(ゆうや)と可愛くて男にモテる、凛(りん)が付き合い始め、裕也は自分が抱く側かと思っていた。
可愛いS攻め×快楽に弱い男前受け
罰ゲームで告白したら、一生添い遂げることになった話
雷尾
BL
タイトルの通りです。
高校生たちの罰ゲーム告白から始まるお話。
受け:藤岡 賢治(ふじおかけんじ)野球部員。結構ガタイが良い
攻め:東 海斗(あずまかいと)校内一の引くほどの美形
初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる