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28.過去にあったこと(前編)
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アーネスト様の6歳の誕生パーティーで、俺は初めてアーネスト様と出会った。
アーネスト様はその頃から神童と名高い第一王子で、正妃を母親に持つことからいっても、次期王太子は確実だろうと噂されていた。
実際に目にしたアーネスト様は、光り輝く銀色の髪と深い海のような青い瞳が凛々しい、幼いながらに完璧な王子様だった。その凛とした佇まいに、俺は一目でアーネスト様に恋に落ち、その日は興奮で眠れなかったほどだ。
アーネスト様の婚約者に選ばれたと知った時は本当にうれしくて、二人で庭園を歩いたり、仲よくお茶を楽しんだりすることを想像しては、期待に胸を膨らませていた。
婚約者に決まってから初めて王宮へ招かれた俺は、再びアーネスト様と再会した。
アーネスト様はあまり饒舌な方ではなく、表情も殆ど動かさない子供で、仲よくなりたかった俺は、一生懸命自分のことや家族のこと、好きな花や食べ物のことなんかを話した。
けれど、俺がどんな話をしてもアーネスト様は少しも喜ばず、それどころか不快感を堪えるように眉を寄せていて、やがて一言だけ口を開いた。
「―――――――君は、うるさいな」
俺はアーネスト様の不興を買ったことを悟り、ごめんなさいと謝って俯いた。
そんなことが何度も続くと、王宮ですれ違う人達の反応が少しずつ嫌なものになっていくのがわかる。ひそひそと囁かれる言葉は侮蔑と悪意に満ちていて、幼い俺は酷く傷付けられる。
それでも、婚約者を辞めたいと思ったことは、不思議と10年間一度もなかった。
周囲がささやくように、俺は美しくも賢くもない。ただ、アーネスト様を振り向かせたくてしがみついているだけだ。アーネスト様は完璧な存在だから、間違いなど犯さないはず。だから、自分が疎まれるのはきっと自分が至らないせい。
そんな風に諦めを抱きつつも、俺は一種の安心を得ていた。態度とは裏腹に、アーネスト様は何年経っても俺を婚約者から外そうとはなさらなかったからだ。
きっとそれは、俺自身の価値ではなく、俺に流れるファンネ王家の血と公爵家の身分のお陰なのだろう。けれど、それがある限り、アーネスト様が俺を完全に排除することはない。
アーネスト様との関係が一向に改善しないことを案じて、両親は何度も婚約を辞退したかったら言いなさいと言ってくれたけど、俺は激しく拒絶した。
もしもこのまま振り向いて頂けないとしても、俺はアーネスト様を愛してる。側にいられるなら手段を選ばない。もしもアーネスト様が俺に望んでくれるなら、どんなことだってするだろう。
いずれ俺はアーネスト様の伴侶になる。王太子妃として彼を支え、いずれはアーネスト様の子供を産む。その未来は、絶対に誰にも譲らない。
けれど、学園に入りマリクが現れたことで、状況は一変した。
彼はまるで妖精のように、木の上から舞い落ちる花びらと共にアーネスト様の前に落ちてきて、アーネスト様の腕の中に収まった。
それを見て、俺は激しい不快感に包まれる。事故とはいえ、あんな風にアーネスト様に抱きとめて頂けるなんて、婚約者の俺だってなかったのに。
アーネスト様は身分や礼儀作法に厳しいお方だ。不敬だと叱られて、酷い目に遭ってしまえばいい。
そう思ったのに、アーネスト様はマリクを抱え上げたままじっと顔を見つめていらっしゃった。
「助けて下さって、ありがとうございます」
花が綻ぶように、マリクが笑う。良く見ると、ものすごく綺麗な少年だった。艶やかな黒髪。零れ落ちそうに大きくて丸い瞳もまるで上等な黒曜石のようで、どちらもこの国では滅多に見ることがない。
「………そうか、怪我がなくて良かった」
そう言って、アーネスト様はほんの少し唇を綻ばせて笑った。俺の全身に衝撃が走る。それは、さっき感じた不快感なんかとは比べものにならない、強烈な嫉妬だった。
絶対に許せない。こいつを学園から追い出して、思い知らせてやる。
俺は怒りに身を震わせながら、じっとマリクを憎悪の瞳で見つめ続けていた。
俺はより効果的にマリクを追いつめる手段を探るため、手始めに人を使ってマリクのことを調べさせた。
何ということはない貧乏男爵の嫡男。貴族と言っても名ばかりの最下層に位置しているくせに、身の程も知らずにアーネスト様に纏わりつくなんて、本当に許せない。
俺が策を練っているとも知らず、マリクは何度もアーネスト様に接触してきた。
わざと転んで助け上げて頂こうとしたり、必要以上に近付いて馴れ馴れしく話し掛けたり、あまつさえ花瓶の水をアーネスト様の上着に零し、みすぼらしいハンカチを渡したりする。
その度にアーネスト様はマリクに鷹揚に接し、ハンカチを受け取った時などははっきりと笑みを浮かべたりなさった。信じられない。俺には、一度だってそんな顔を向けて下さらなかったのに。
「アーネスト様、そんな粗末なハンカチなどお使いにならないで下さい」
俺は耐えかねて、自分のハンカチをアーネスト様に差し出した。美しい刺繍の施された、最高級のハンカチだ。
だけど、アーネスト様は俺の手をうるさげに払った。ハンカチが床に落ちる。
「余計なことをするな。鬱陶しい」
ショックで、俺は凍り付く。冷たい態度はいつも通りで、今更傷つくようなことではなかったけど、今自分は完全にマリクに負けた。そのことをまざまざと見せつけられたことが、本当に苦しかった。
「……申し訳ありません。出過ぎたことを致しました」
俺は初めて、アーネスト様を恨んだ。こんなに想ってきたのに、美しいだけで品格も礼節もない下級貴族なんかを選んだアーネスト様を許すことができなかった。
(そんなアーネスト様なんて……もう好きじゃない!)
そう思った瞬間、カチリとなにかのスイッチが切れた音がした。
それは、急激な変化だ。世界の全てが今までとは違って見えて、俺は驚く。
あれほど離れがたかったアーネスト様は色褪せ、単に薄情な浮気男に見えた。同時に、今までされてきたことへの理不尽さ、耐えてきた冷遇への怒りが増幅する。
それと半比例して、マリクに抱いていた嫉妬や憎悪は急激に勢いをなくし、むしろ好意のようなものさえ感じるようになっていた。
(こんな男、マリクに熨斗付けてくれてやろう)
婚約11年目にして、俺はようやっと目が覚めた。
今まで無駄にしてきた人生を、今日から取り戻すのだ。
アーネスト様はその頃から神童と名高い第一王子で、正妃を母親に持つことからいっても、次期王太子は確実だろうと噂されていた。
実際に目にしたアーネスト様は、光り輝く銀色の髪と深い海のような青い瞳が凛々しい、幼いながらに完璧な王子様だった。その凛とした佇まいに、俺は一目でアーネスト様に恋に落ち、その日は興奮で眠れなかったほどだ。
アーネスト様の婚約者に選ばれたと知った時は本当にうれしくて、二人で庭園を歩いたり、仲よくお茶を楽しんだりすることを想像しては、期待に胸を膨らませていた。
婚約者に決まってから初めて王宮へ招かれた俺は、再びアーネスト様と再会した。
アーネスト様はあまり饒舌な方ではなく、表情も殆ど動かさない子供で、仲よくなりたかった俺は、一生懸命自分のことや家族のこと、好きな花や食べ物のことなんかを話した。
けれど、俺がどんな話をしてもアーネスト様は少しも喜ばず、それどころか不快感を堪えるように眉を寄せていて、やがて一言だけ口を開いた。
「―――――――君は、うるさいな」
俺はアーネスト様の不興を買ったことを悟り、ごめんなさいと謝って俯いた。
そんなことが何度も続くと、王宮ですれ違う人達の反応が少しずつ嫌なものになっていくのがわかる。ひそひそと囁かれる言葉は侮蔑と悪意に満ちていて、幼い俺は酷く傷付けられる。
それでも、婚約者を辞めたいと思ったことは、不思議と10年間一度もなかった。
周囲がささやくように、俺は美しくも賢くもない。ただ、アーネスト様を振り向かせたくてしがみついているだけだ。アーネスト様は完璧な存在だから、間違いなど犯さないはず。だから、自分が疎まれるのはきっと自分が至らないせい。
そんな風に諦めを抱きつつも、俺は一種の安心を得ていた。態度とは裏腹に、アーネスト様は何年経っても俺を婚約者から外そうとはなさらなかったからだ。
きっとそれは、俺自身の価値ではなく、俺に流れるファンネ王家の血と公爵家の身分のお陰なのだろう。けれど、それがある限り、アーネスト様が俺を完全に排除することはない。
アーネスト様との関係が一向に改善しないことを案じて、両親は何度も婚約を辞退したかったら言いなさいと言ってくれたけど、俺は激しく拒絶した。
もしもこのまま振り向いて頂けないとしても、俺はアーネスト様を愛してる。側にいられるなら手段を選ばない。もしもアーネスト様が俺に望んでくれるなら、どんなことだってするだろう。
いずれ俺はアーネスト様の伴侶になる。王太子妃として彼を支え、いずれはアーネスト様の子供を産む。その未来は、絶対に誰にも譲らない。
けれど、学園に入りマリクが現れたことで、状況は一変した。
彼はまるで妖精のように、木の上から舞い落ちる花びらと共にアーネスト様の前に落ちてきて、アーネスト様の腕の中に収まった。
それを見て、俺は激しい不快感に包まれる。事故とはいえ、あんな風にアーネスト様に抱きとめて頂けるなんて、婚約者の俺だってなかったのに。
アーネスト様は身分や礼儀作法に厳しいお方だ。不敬だと叱られて、酷い目に遭ってしまえばいい。
そう思ったのに、アーネスト様はマリクを抱え上げたままじっと顔を見つめていらっしゃった。
「助けて下さって、ありがとうございます」
花が綻ぶように、マリクが笑う。良く見ると、ものすごく綺麗な少年だった。艶やかな黒髪。零れ落ちそうに大きくて丸い瞳もまるで上等な黒曜石のようで、どちらもこの国では滅多に見ることがない。
「………そうか、怪我がなくて良かった」
そう言って、アーネスト様はほんの少し唇を綻ばせて笑った。俺の全身に衝撃が走る。それは、さっき感じた不快感なんかとは比べものにならない、強烈な嫉妬だった。
絶対に許せない。こいつを学園から追い出して、思い知らせてやる。
俺は怒りに身を震わせながら、じっとマリクを憎悪の瞳で見つめ続けていた。
俺はより効果的にマリクを追いつめる手段を探るため、手始めに人を使ってマリクのことを調べさせた。
何ということはない貧乏男爵の嫡男。貴族と言っても名ばかりの最下層に位置しているくせに、身の程も知らずにアーネスト様に纏わりつくなんて、本当に許せない。
俺が策を練っているとも知らず、マリクは何度もアーネスト様に接触してきた。
わざと転んで助け上げて頂こうとしたり、必要以上に近付いて馴れ馴れしく話し掛けたり、あまつさえ花瓶の水をアーネスト様の上着に零し、みすぼらしいハンカチを渡したりする。
その度にアーネスト様はマリクに鷹揚に接し、ハンカチを受け取った時などははっきりと笑みを浮かべたりなさった。信じられない。俺には、一度だってそんな顔を向けて下さらなかったのに。
「アーネスト様、そんな粗末なハンカチなどお使いにならないで下さい」
俺は耐えかねて、自分のハンカチをアーネスト様に差し出した。美しい刺繍の施された、最高級のハンカチだ。
だけど、アーネスト様は俺の手をうるさげに払った。ハンカチが床に落ちる。
「余計なことをするな。鬱陶しい」
ショックで、俺は凍り付く。冷たい態度はいつも通りで、今更傷つくようなことではなかったけど、今自分は完全にマリクに負けた。そのことをまざまざと見せつけられたことが、本当に苦しかった。
「……申し訳ありません。出過ぎたことを致しました」
俺は初めて、アーネスト様を恨んだ。こんなに想ってきたのに、美しいだけで品格も礼節もない下級貴族なんかを選んだアーネスト様を許すことができなかった。
(そんなアーネスト様なんて……もう好きじゃない!)
そう思った瞬間、カチリとなにかのスイッチが切れた音がした。
それは、急激な変化だ。世界の全てが今までとは違って見えて、俺は驚く。
あれほど離れがたかったアーネスト様は色褪せ、単に薄情な浮気男に見えた。同時に、今までされてきたことへの理不尽さ、耐えてきた冷遇への怒りが増幅する。
それと半比例して、マリクに抱いていた嫉妬や憎悪は急激に勢いをなくし、むしろ好意のようなものさえ感じるようになっていた。
(こんな男、マリクに熨斗付けてくれてやろう)
婚約11年目にして、俺はようやっと目が覚めた。
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