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19.王都へおでかけ
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その日の昼過ぎ、俺達はフロラインの貴族街に足を踏み入れた。
アーネストはお忍びで来たがったけど、俺は断固反対した。今コイツと2人きりになるのは絶対まずいし、色んな意味で護衛の方々には大勢いて頂きたい。俺の心の平穏と安全のために。是非。
俺の意見に伯母上も強く同意して、馬車を2台と護衛の兵士を沢山貸してくれた。20人で足りるかしら、と真剣な顔で言われたので、丁寧にご辞退申し上げて、7人に来て頂いた。みんな買物の護衛なんかをお願いするには申し訳ないような、選りすぐりの精鋭ばかりで恐縮するけど、俺じゃなくアーネストがいるからだよな、うん。
物流が盛んなファンネの王都、それも裕福な層が集まる貴族街は、店構えも立派で華やかな建物ばかりが並んでいる。
ほんとは庶民むけのところにも行きたいんだけど、危険も増えるし、今回は我慢するしかない。
「レニたんは何が見たいの?」
アーネストにそう聞かれたが、俺はあんまり物欲がないから、たいして欲しいものはなかった。そもそも何の店があるのかすら、よくわかってないしな。
旅行中なら、記念になるものを買い求めたりするんだろうが、お許しがあれば数年はここに居据わるつもりでいるから、そういう意味でもなかなか思いつかない。
「何かオススメのものはある?」
護衛の人に声を掛けると、今流行っているパティスリーや小物店、老舗の家具を扱う店なんかを幾つか教えてくれる。
俺はまず勧められたパティスリーに赴き、メイドたちへのお土産を確保してから、小物の店に行くことにした。
案内された菓子店は、ほんとにお菓子を扱っているのかと思うような出立ちで、ショーウィンドウにはいかにも観賞用って感じの派手な飴細工が飾られている。ぱっと見美術品みたいだ。
それでも、中に入れば焼かれている菓子の甘い匂いが店内に漂い、幸せな気分になった。これは期待が高まるな。
中に入ると、店内は身なりのいい女性や、お遣いにきたメイドや従僕みたいな雰囲気の人たちが沢山並んでいた。さすがはこのフロラインで流行の店と言われるだけはあるってことか。
俺たちの身分を護衛の人が店員に耳打ちすると、飛び上がった店員が店主を呼びに行き、これまた転げるような勢いで店主が飛んできた。
店主は少しばかり恰幅が良い体格で、転ばないでねと心配になる。ほんとは身分を明かさずに買い物だけして帰りたいけど、公爵家の使用人はとにかく数が多いから、注文して届けて貰うようにしないとお店に迷惑がかかる。
「ようこそおいで下さいました!こちらで御用をお伺いさせて頂きます」
そう言って案内されたのは、店の二階の応接室だ。貴族の中でもほんとに高位の身分の人だけここに通されるらしい。
少しばかり待たされた後、お茶や試食用のお菓子がずらりと並べられた銀のトレイが運ばれてくる。
どれも一口サイズのものが数個ずつで、焼き菓子からクリームでデコレーションされたケーキなどがあり、パーティーでよく見かけるやつみたいだ。
ここから気になるものを選んで好きなだけ味見することができる。流石、貴族向けの店は気前がいい。
「どれにしようかな。全部は絶対無理だけど、ケーキは全種類いきたいなあ」
メイドたちに配るものは、温度管理がしやすくて日持ちがするものがいいから、やっぱりクッキーとかフィナンシェなんかがいいんじゃないかと思う。でも、ぶっちゃけ公爵家のお菓子もかなりレベル高いから、そっちも味見してからじゃないと決められない。
さりとて、おばあさまや伯母上に買って帰るケーキを適当にはできないし、どれを諦めるべきかすごく悩ましい。
「俺も手伝うよ、レニたん」
たいして甘いものには興味がないはずのアーネストが、珍しくそんなことを提案してくる。
興味がないと言っても、自分から買い求めたりはしないだけで、茶会や執務の合間などでは普通に食べていたから、舌は肥えているだろう。手に取っているのは大抵焼き菓子で、ケーキなどにはあまり手を付けているのを見た記憶がなく、焼き菓子の方が好きなんだろうと俺は勝手に思っていた。
「じゃあ、ケーキは俺が食べるから、焼き菓子はお前が担当で」
さっそく食べようとケーキにフォークを伸ばすと、アーネストが俺に先んじて目当てのケーキを取り、俺の口の前に運んでくる。
「はい、あーんして♡レニたん」
「ぜってぇやだ。頭沸いてんのか」
俺は断固として口を開くまいとしたが、そのまま唇にケーキを押し当てられ、思わず口を開けてしまった。文句を言いたくても、口に物が入っているうちは喋れない。
(なにこれ、めっちゃうまっ)
ミルキーなのに軽いクリーム、ふわふわのスポンジ。フルーツの程よい酸味も申し分ない。これはめちゃくちゃ美味しいぞ!
あまりのうまさに、モグモグするたびに頬が緩む。美味しいは正義だ。
飲みこむと、絶妙なタイミングでテンポ良く次のケーキが口元に来る。俺は自然と勢いに合わせてケーキに喰い付いてしまっていた。うまい、うまい。
4個目のケーキを差しだされる頃になって、俺はようやっと我に返る。
「…………いや、自分で食うわ!!!!!!」
何を夢中になってムシャムシャ食っているんだよ!あまりの美味さにめっちゃ普通に食ってたよ。人の理性まで奪うとは、超人気店のケーキ、恐るべし。
「チッ」
「舌打ちすんじゃねー!舌打ちしてーのは俺なんだわ!よくもまあホイホイ絶妙なタイミングで出せるな!思わず食っちまっただろーが!」
「秘技、わんこそば?みたいな?」
出たな、謎語録。犬の側がなんだって?俺が犬だって言いたいのか、このやろう。
「いやー、レニたんがハムスターみたいにあんまり可愛く食べるから、止まらなくなってね?途中から普通に食べてくれたから、いいのかなって」
「ハムスター並の知能で悪かったな、チクショー!」
バカにしやがって!やっぱりこいつ、意地悪なのは変わってないのでは!?モラハラなイジメが、セクハラなイジメになっただけなんでは!?!?!?
「怒んないで、レニたん。怒ってるレニたんもテラかわゆいけど、店主めちゃくちゃびびってるからさあ」
気付くと、あんなに血色が良かった店主さんが、プルプル震えながら顔面蒼白になってた。
いくら直接粗相したわけではないとはいえ、自分の店で隣国の王太子と公爵令息が揉め始めたら普通に怖い。いつどんな理不尽な理由で矛先が向けられるかわからないし。
憤懣やる方ないが、哀れな店主のためにもここは俺が大人になってやらねば。お茶でも飲んで、気持ちを落ち着けよう。
「あ、レニたん、口にクリームついてる」
ベロン。
俺が気を緩めた隙に、アーネストは俺の唇を思い切り舐めた。ペロッ、とか可愛いものじゃなくて、べろんって。ベロン………。
「テメーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!ころす!もう、ころす!お前を殺して俺も死ぬ!!!!!!!!!!」
遂に一線を越えてアーネストの襟首を掴み上げた俺を、護衛達は慌てて止めにかかった。店長は膝から床に頽れて神に祈り、アーネストだけが恍惚の表情を晒す。キモい!キモい!!!!
「推しと心中、どんとこい!」
神様、俺の声、聞いてますか?
どうかどうか、コイツを早く何とかしてください!!!!
アーネストはお忍びで来たがったけど、俺は断固反対した。今コイツと2人きりになるのは絶対まずいし、色んな意味で護衛の方々には大勢いて頂きたい。俺の心の平穏と安全のために。是非。
俺の意見に伯母上も強く同意して、馬車を2台と護衛の兵士を沢山貸してくれた。20人で足りるかしら、と真剣な顔で言われたので、丁寧にご辞退申し上げて、7人に来て頂いた。みんな買物の護衛なんかをお願いするには申し訳ないような、選りすぐりの精鋭ばかりで恐縮するけど、俺じゃなくアーネストがいるからだよな、うん。
物流が盛んなファンネの王都、それも裕福な層が集まる貴族街は、店構えも立派で華やかな建物ばかりが並んでいる。
ほんとは庶民むけのところにも行きたいんだけど、危険も増えるし、今回は我慢するしかない。
「レニたんは何が見たいの?」
アーネストにそう聞かれたが、俺はあんまり物欲がないから、たいして欲しいものはなかった。そもそも何の店があるのかすら、よくわかってないしな。
旅行中なら、記念になるものを買い求めたりするんだろうが、お許しがあれば数年はここに居据わるつもりでいるから、そういう意味でもなかなか思いつかない。
「何かオススメのものはある?」
護衛の人に声を掛けると、今流行っているパティスリーや小物店、老舗の家具を扱う店なんかを幾つか教えてくれる。
俺はまず勧められたパティスリーに赴き、メイドたちへのお土産を確保してから、小物の店に行くことにした。
案内された菓子店は、ほんとにお菓子を扱っているのかと思うような出立ちで、ショーウィンドウにはいかにも観賞用って感じの派手な飴細工が飾られている。ぱっと見美術品みたいだ。
それでも、中に入れば焼かれている菓子の甘い匂いが店内に漂い、幸せな気分になった。これは期待が高まるな。
中に入ると、店内は身なりのいい女性や、お遣いにきたメイドや従僕みたいな雰囲気の人たちが沢山並んでいた。さすがはこのフロラインで流行の店と言われるだけはあるってことか。
俺たちの身分を護衛の人が店員に耳打ちすると、飛び上がった店員が店主を呼びに行き、これまた転げるような勢いで店主が飛んできた。
店主は少しばかり恰幅が良い体格で、転ばないでねと心配になる。ほんとは身分を明かさずに買い物だけして帰りたいけど、公爵家の使用人はとにかく数が多いから、注文して届けて貰うようにしないとお店に迷惑がかかる。
「ようこそおいで下さいました!こちらで御用をお伺いさせて頂きます」
そう言って案内されたのは、店の二階の応接室だ。貴族の中でもほんとに高位の身分の人だけここに通されるらしい。
少しばかり待たされた後、お茶や試食用のお菓子がずらりと並べられた銀のトレイが運ばれてくる。
どれも一口サイズのものが数個ずつで、焼き菓子からクリームでデコレーションされたケーキなどがあり、パーティーでよく見かけるやつみたいだ。
ここから気になるものを選んで好きなだけ味見することができる。流石、貴族向けの店は気前がいい。
「どれにしようかな。全部は絶対無理だけど、ケーキは全種類いきたいなあ」
メイドたちに配るものは、温度管理がしやすくて日持ちがするものがいいから、やっぱりクッキーとかフィナンシェなんかがいいんじゃないかと思う。でも、ぶっちゃけ公爵家のお菓子もかなりレベル高いから、そっちも味見してからじゃないと決められない。
さりとて、おばあさまや伯母上に買って帰るケーキを適当にはできないし、どれを諦めるべきかすごく悩ましい。
「俺も手伝うよ、レニたん」
たいして甘いものには興味がないはずのアーネストが、珍しくそんなことを提案してくる。
興味がないと言っても、自分から買い求めたりはしないだけで、茶会や執務の合間などでは普通に食べていたから、舌は肥えているだろう。手に取っているのは大抵焼き菓子で、ケーキなどにはあまり手を付けているのを見た記憶がなく、焼き菓子の方が好きなんだろうと俺は勝手に思っていた。
「じゃあ、ケーキは俺が食べるから、焼き菓子はお前が担当で」
さっそく食べようとケーキにフォークを伸ばすと、アーネストが俺に先んじて目当てのケーキを取り、俺の口の前に運んでくる。
「はい、あーんして♡レニたん」
「ぜってぇやだ。頭沸いてんのか」
俺は断固として口を開くまいとしたが、そのまま唇にケーキを押し当てられ、思わず口を開けてしまった。文句を言いたくても、口に物が入っているうちは喋れない。
(なにこれ、めっちゃうまっ)
ミルキーなのに軽いクリーム、ふわふわのスポンジ。フルーツの程よい酸味も申し分ない。これはめちゃくちゃ美味しいぞ!
あまりのうまさに、モグモグするたびに頬が緩む。美味しいは正義だ。
飲みこむと、絶妙なタイミングでテンポ良く次のケーキが口元に来る。俺は自然と勢いに合わせてケーキに喰い付いてしまっていた。うまい、うまい。
4個目のケーキを差しだされる頃になって、俺はようやっと我に返る。
「…………いや、自分で食うわ!!!!!!」
何を夢中になってムシャムシャ食っているんだよ!あまりの美味さにめっちゃ普通に食ってたよ。人の理性まで奪うとは、超人気店のケーキ、恐るべし。
「チッ」
「舌打ちすんじゃねー!舌打ちしてーのは俺なんだわ!よくもまあホイホイ絶妙なタイミングで出せるな!思わず食っちまっただろーが!」
「秘技、わんこそば?みたいな?」
出たな、謎語録。犬の側がなんだって?俺が犬だって言いたいのか、このやろう。
「いやー、レニたんがハムスターみたいにあんまり可愛く食べるから、止まらなくなってね?途中から普通に食べてくれたから、いいのかなって」
「ハムスター並の知能で悪かったな、チクショー!」
バカにしやがって!やっぱりこいつ、意地悪なのは変わってないのでは!?モラハラなイジメが、セクハラなイジメになっただけなんでは!?!?!?
「怒んないで、レニたん。怒ってるレニたんもテラかわゆいけど、店主めちゃくちゃびびってるからさあ」
気付くと、あんなに血色が良かった店主さんが、プルプル震えながら顔面蒼白になってた。
いくら直接粗相したわけではないとはいえ、自分の店で隣国の王太子と公爵令息が揉め始めたら普通に怖い。いつどんな理不尽な理由で矛先が向けられるかわからないし。
憤懣やる方ないが、哀れな店主のためにもここは俺が大人になってやらねば。お茶でも飲んで、気持ちを落ち着けよう。
「あ、レニたん、口にクリームついてる」
ベロン。
俺が気を緩めた隙に、アーネストは俺の唇を思い切り舐めた。ペロッ、とか可愛いものじゃなくて、べろんって。ベロン………。
「テメーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!ころす!もう、ころす!お前を殺して俺も死ぬ!!!!!!!!!!」
遂に一線を越えてアーネストの襟首を掴み上げた俺を、護衛達は慌てて止めにかかった。店長は膝から床に頽れて神に祈り、アーネストだけが恍惚の表情を晒す。キモい!キモい!!!!
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