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全体世界編
第11話 超弩級宇宙戦艦ゲルマン
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地球軌道上で起こったアースノアとヴェルト宇宙艦隊の戦闘は、衛星を通して宇宙軍総司令部の大画面モニターに映し出されていた。
「まさか、これ程までとは…」
戦闘状況を映像で見ているエッセンは、アースノアの想像以上の力に声を漏らす。
事前に敷設しておいた機雷は避けることなく突破され、ヒットアンドアウェイの戦法ができるよう機動力がメインのUUB型駆逐艦六隻が、飛んできたミサイルを避け切れることなく、たったの一撃で爆沈。そして、宇宙軍が最強と宣伝した光線砲並びに圧縮式光線砲を無数に浴びせても、列車を損傷させる処か、列車を覆うように張られているバリアさえ破れていない状態だ。
そのため、モニターが置かれている司令室では重たい空気が流れていた。
「エッセン元帥!ノイエスビスマルクが、核弾頭弾を使用するとのことです!」
「本当か!」
ノイエスビスマルクから、核弾頭弾使用の報を受け、エッセンは椅子から立ち上がるほど驚いた。
「通信班!ノイエスビスマルクに打電!核兵器使用は待たれっ…!」
エッセンは核弾頭弾使用を止めようとしたが、時既に遅し。ノイエスビスマルクの80cm艦艇砲から核弾頭弾が勢いよく放たれ、そのままアースノアに直撃爆発。それと同時に衛星からの映像が途絶した。
「どうした?」
「はっ、核兵器使用に伴う電磁パルスの影響だと思われます。影響外の衛星に切り替えを行いますので、暫くお待ちください」
モニターが砂嵐の画面に変わったことに、通信班の者達は電磁パルスの影響だと、エッセン達に伝え、衛星の切り替え作業に入った。
「幾らあの化け物列車でも、核兵器の直撃には耐えられまい…!」
「果たして、列車のシステムなどは無事なのか?」
状況が分からなくなったナチス宇宙軍の者達は、核弾頭弾の直撃にアースノアは耐えられないと判断し、勝手に今後のことを考え始める。
「映像、モニターに写ります」
電磁パルスの影響を受けていない衛星への切り替えが終わり、その衛星から映像が映し出される。
「そんな馬鹿な!!」
映像を見た者達は、余裕の笑みから一気に一転し絶望する。
映し出された影響には、損傷が一切ないアースノアの姿が映っていたからである。それどころか、核弾頭弾が命中した後も大艦隊の光線砲を弾かれているため、バリアすら突破できていないということになる。
「…………月面基地の秘匿ドックに打電。超弩級宇宙戦艦ゲルマンを出撃させよ、とな……」
結果を受けエッセンは、両腕を組んで考えた末に、ナチス宇宙軍の秘匿艦艇、超弩級宇宙戦艦ゲルマンの出撃命令を下す。
超弩級宇宙戦艦ゲルマン。ノイエスビスマルク建造より前、ヒトラーがまだ総統だった頃、大日本帝国海軍が持っていた超大和型戦艦の設計に改良を加え、総統直々の指示の元、月面基地内で極秘に建造が開始された艦艇である。
「正気ですか元帥閣下!」
「ゲルマンはまだ試験運行が完了していません!」
エッセンのゲルマン出撃命令に対し、ゲルマンの存在を知っている大将達は反対するが、それ以下の階級の者達は、なんとことかさっぱりである。
「現状、核弾頭弾以上の火力はゲルマンしかいないのだ…!」
反対する大将達にエッセンは反論する。
ゲルマンの主砲は、現在開発中の陽電子砲であり、ゲルマンはそれを前に二基、後部に一基ずつの計三基を搭載している。陽電子砲使用には膨大なエネルギーが必要だが、その分火力十分にあるため、一か八かにエッセンはかけてみることにしたのだ。
「繰り返す。秘匿ドックに打電、超弩級宇宙戦艦ゲルマンを出撃させよ!」
エッセンによる再度の命令で、月面基地の秘匿ドックに隠されていた超弩級宇宙戦艦ゲルマンの出撃が決まった。
○
ヴェルト月面基地。その基地の奥深く、そこに超弩級宇宙戦艦ゲルマンのドックが存在していた。
「まさか本当に出撃することになるとは…」
ゲルマンの第一艦橋に、一人の男が居た。男はナチス宇宙軍大将で、ゲルマンの艦長であるエーリッヒ・アルヒルドだった。
今回アルヒルドは、もしもの時のために備え、ゲルマンをいつでも出撃させれるよう待機命令をエッセンから受けていたのだ。
「ゲルマン発進準備!」
「了解、発進準備!」
アルヒルドの命により、各班がそれぞれ最終点検を始め、次々とアルヒルドの元に異常なしの報告が入ってくる。
「サブエンジン始動!」
「サブエンジンの始動を確認、回転数良好です」
ゲルマンの目の前に発射口が出現するのと同時に、ゲルマンの四つの補助エンジンの音が鳴り響き始める。
「メインエンジン始動開始!」
サブエンジンが良好に動き始めたため、アルヒルドは更にメインエンジンを始動させた。
「メインエンジン出力上昇、フライホイール接続…点火します!」
操舵手によりゲルマンの噴射口から勢いよく火を吹き始める。
「…超弩級宇宙戦艦ゲルマン、発進!!」
メインエンジンが正常に動き始めたため、アルヒルドはゲルマンを発進させる。
ゲルマンは開かれた発進口を通り抜けて、地球軌道宙域で起きている戦いに向かった。
「まさか、これ程までとは…」
戦闘状況を映像で見ているエッセンは、アースノアの想像以上の力に声を漏らす。
事前に敷設しておいた機雷は避けることなく突破され、ヒットアンドアウェイの戦法ができるよう機動力がメインのUUB型駆逐艦六隻が、飛んできたミサイルを避け切れることなく、たったの一撃で爆沈。そして、宇宙軍が最強と宣伝した光線砲並びに圧縮式光線砲を無数に浴びせても、列車を損傷させる処か、列車を覆うように張られているバリアさえ破れていない状態だ。
そのため、モニターが置かれている司令室では重たい空気が流れていた。
「エッセン元帥!ノイエスビスマルクが、核弾頭弾を使用するとのことです!」
「本当か!」
ノイエスビスマルクから、核弾頭弾使用の報を受け、エッセンは椅子から立ち上がるほど驚いた。
「通信班!ノイエスビスマルクに打電!核兵器使用は待たれっ…!」
エッセンは核弾頭弾使用を止めようとしたが、時既に遅し。ノイエスビスマルクの80cm艦艇砲から核弾頭弾が勢いよく放たれ、そのままアースノアに直撃爆発。それと同時に衛星からの映像が途絶した。
「どうした?」
「はっ、核兵器使用に伴う電磁パルスの影響だと思われます。影響外の衛星に切り替えを行いますので、暫くお待ちください」
モニターが砂嵐の画面に変わったことに、通信班の者達は電磁パルスの影響だと、エッセン達に伝え、衛星の切り替え作業に入った。
「幾らあの化け物列車でも、核兵器の直撃には耐えられまい…!」
「果たして、列車のシステムなどは無事なのか?」
状況が分からなくなったナチス宇宙軍の者達は、核弾頭弾の直撃にアースノアは耐えられないと判断し、勝手に今後のことを考え始める。
「映像、モニターに写ります」
電磁パルスの影響を受けていない衛星への切り替えが終わり、その衛星から映像が映し出される。
「そんな馬鹿な!!」
映像を見た者達は、余裕の笑みから一気に一転し絶望する。
映し出された影響には、損傷が一切ないアースノアの姿が映っていたからである。それどころか、核弾頭弾が命中した後も大艦隊の光線砲を弾かれているため、バリアすら突破できていないということになる。
「…………月面基地の秘匿ドックに打電。超弩級宇宙戦艦ゲルマンを出撃させよ、とな……」
結果を受けエッセンは、両腕を組んで考えた末に、ナチス宇宙軍の秘匿艦艇、超弩級宇宙戦艦ゲルマンの出撃命令を下す。
超弩級宇宙戦艦ゲルマン。ノイエスビスマルク建造より前、ヒトラーがまだ総統だった頃、大日本帝国海軍が持っていた超大和型戦艦の設計に改良を加え、総統直々の指示の元、月面基地内で極秘に建造が開始された艦艇である。
「正気ですか元帥閣下!」
「ゲルマンはまだ試験運行が完了していません!」
エッセンのゲルマン出撃命令に対し、ゲルマンの存在を知っている大将達は反対するが、それ以下の階級の者達は、なんとことかさっぱりである。
「現状、核弾頭弾以上の火力はゲルマンしかいないのだ…!」
反対する大将達にエッセンは反論する。
ゲルマンの主砲は、現在開発中の陽電子砲であり、ゲルマンはそれを前に二基、後部に一基ずつの計三基を搭載している。陽電子砲使用には膨大なエネルギーが必要だが、その分火力十分にあるため、一か八かにエッセンはかけてみることにしたのだ。
「繰り返す。秘匿ドックに打電、超弩級宇宙戦艦ゲルマンを出撃させよ!」
エッセンによる再度の命令で、月面基地の秘匿ドックに隠されていた超弩級宇宙戦艦ゲルマンの出撃が決まった。
○
ヴェルト月面基地。その基地の奥深く、そこに超弩級宇宙戦艦ゲルマンのドックが存在していた。
「まさか本当に出撃することになるとは…」
ゲルマンの第一艦橋に、一人の男が居た。男はナチス宇宙軍大将で、ゲルマンの艦長であるエーリッヒ・アルヒルドだった。
今回アルヒルドは、もしもの時のために備え、ゲルマンをいつでも出撃させれるよう待機命令をエッセンから受けていたのだ。
「ゲルマン発進準備!」
「了解、発進準備!」
アルヒルドの命により、各班がそれぞれ最終点検を始め、次々とアルヒルドの元に異常なしの報告が入ってくる。
「サブエンジン始動!」
「サブエンジンの始動を確認、回転数良好です」
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「メインエンジン始動開始!」
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「メインエンジン出力上昇、フライホイール接続…点火します!」
操舵手によりゲルマンの噴射口から勢いよく火を吹き始める。
「…超弩級宇宙戦艦ゲルマン、発進!!」
メインエンジンが正常に動き始めたため、アルヒルドはゲルマンを発進させる。
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