30 / 138
第四章〜日丸国建国〜
第25話 日丸国建国
しおりを挟む
重々しい空気が漂う大和の会議室。
そんな空気をある人物が変えた。
「ダメです!今は会談中でして…!」
「いいから通してくれ!!」
外から誰かの声が聞こえて来たと思うと、大きな音を立てながら誰かが会議室に入って来た。
「きっ、貴様は…!?」
「これはこれは、異世界の皆様方…私はセレーネ公国の外交官、コーレオ・ファルトです。そこの不埒者めが失礼いたしました。おい、この馬鹿共を連れていけ!」
「はっ!」
会議室にカルデアシップの乗組員達が入ってきては、パール達を取り押さえる。
「おい離さんか!私を誰だと思っている!!やめろ待て!」
パール達は必死にあがくが、乗組員達はそのままカルデアシップへ、パール達を連れて行った。
「誠に申し訳ないことをした…我々は貴方方と対等な関係を結びたいと思っています。先程の書類は、アルカーヤ王国の王が自身の欲望を満たすために、貴方方に突き付けた物です…こちらが我々セレーネ連邦国の総意です。無論、確認していただいても構いません!」
ファルトはパールの愚行を謝罪し、セレーネ連邦国の書類を光成達に渡した。
「…はい!これなら、対等だと思います」
書類を読んだデルタは、不平等な点がないと光太郎達に伝えた。
「それなら、同盟締結ですな」
「こちらこそ、何卒宜しく願い致します」
それを聞いた光成は、満足そうな表情を浮かべ、ファルトと固い握手を交わした。
「して、我々は貴方方と貿易がしたい…そこでだ、この島々を貴方方の国にしてみてはどうでしょう?幸い、この島々の第一発見者は貴方方なので……」
ファルトは光太郎達に建国の案を出した。
それを聞き、光太郎達は驚いた。
「……その提案は少し時間をください。貴方方が帰るまでには応えを出しますので」
「分かりました、では私はカルデアシップで待機しておきます」
光成が時間が欲しいと伝えると、ファルトはカルデアシップへと戻って行った。
〇
その晩、光太郎、信介、眞、光成、剛士、春菜、雪、恵奈、零が司令室に集まっていた。
「今回集まってもらったのは他でもない。今回、セレーネ連邦国から、同盟締結の申し出と、この島々を我々の物とし、国を作ってみてはどうかと来た」
光成が昼間のことを話すと、その場にいた光太郎以外の全員が驚いた。
「私と光太郎としては、同盟は結んでおいた方が良いと思っている。不平等条約を結ばれるのではないかという不安もあるが、同盟締結の書類をデルタに見てもらったところ、我々の立場が不利になる内容はないとのことだ」
それを聞き、眞と剛士は腕を組んで考え始め、それ以外の者は周りの者と小声で相談し始めた。
「現状、我々はこの世界のことを知らなすぎる…そんな中、大国の1つであるセレーネ連邦国が、仲良くしたいと手を差し伸べてくれたのだ。仲間が多いことに越したことはないだろう…」
騒然とする中、光成は自分の考えを全員に伝えた。
「…………あの、恐らくここにいる全員が、同盟の件に賛成派だと思いますが……その、国名や首相はどう致します?」
春菜が恐る恐る国名や首相などをどうするか聞くと、司令室が静まり返る。
「国名は日丸島からとって、日丸国などで良いと思うが……」
光太郎は国名の案を言いながら、光成の方を見つめる。それに続くように、他の者達も光成の方を見つめる。
「ま、待て…まさか私に首相をやれと……?」
嫌な予感を感じながら、光成は恐る恐る聞くと、全員が頷いた。
「待て待て!私のような老人より、若い光太郎などの方が…っ!」
助けを求めるように光成は、光太郎の方を見たが、
「いえいえ、様々な知識に長けた竹田さんの方が相応しいです。それに、将棋や囲碁では竹田さんの方が強いので」
光太郎は満面の笑みを浮かべながら、光成の推薦を断った。
「では、この国は日丸国で、首相は竹田光成ということでいいですね?」
「えっ、待っ」
イギナシ!!!
光成の有無を言わさず、竹田光成を日丸国初代首相にすることが決まる。
その後の国の方針会議では、日丸国は、民主主義の戦時中立国となることが、話し合いの末に決まった。
〇
日丸国の建国、国家方針が決まった翌日の午前中。
セレーネ連邦国の国旗と、日丸国が国旗として採用した旭日旗が、掲げられているカルデアシップの甲板にて、日丸国側の首相竹田光成と付き添いの眞と光太郎の三名が、セレーネ連邦国側のファルトとその部下達と向かい合っていた。
「それでは、同盟締結の署名をお願い致します」
臨時の見届け人に選ばれたカルデアシップ船長が、両国の代表にそう伝え、光成とファルトはそれぞれの文字で書類にサインをする。
それと同時に、大和と武蔵が祝砲を放つ。
なお、この日丸国の建国並びに日セ同盟が締結されたという情報は、カルデアシップの機材により、魔法通信で全世界の国々に向けて発信されることになる。
そんな空気をある人物が変えた。
「ダメです!今は会談中でして…!」
「いいから通してくれ!!」
外から誰かの声が聞こえて来たと思うと、大きな音を立てながら誰かが会議室に入って来た。
「きっ、貴様は…!?」
「これはこれは、異世界の皆様方…私はセレーネ公国の外交官、コーレオ・ファルトです。そこの不埒者めが失礼いたしました。おい、この馬鹿共を連れていけ!」
「はっ!」
会議室にカルデアシップの乗組員達が入ってきては、パール達を取り押さえる。
「おい離さんか!私を誰だと思っている!!やめろ待て!」
パール達は必死にあがくが、乗組員達はそのままカルデアシップへ、パール達を連れて行った。
「誠に申し訳ないことをした…我々は貴方方と対等な関係を結びたいと思っています。先程の書類は、アルカーヤ王国の王が自身の欲望を満たすために、貴方方に突き付けた物です…こちらが我々セレーネ連邦国の総意です。無論、確認していただいても構いません!」
ファルトはパールの愚行を謝罪し、セレーネ連邦国の書類を光成達に渡した。
「…はい!これなら、対等だと思います」
書類を読んだデルタは、不平等な点がないと光太郎達に伝えた。
「それなら、同盟締結ですな」
「こちらこそ、何卒宜しく願い致します」
それを聞いた光成は、満足そうな表情を浮かべ、ファルトと固い握手を交わした。
「して、我々は貴方方と貿易がしたい…そこでだ、この島々を貴方方の国にしてみてはどうでしょう?幸い、この島々の第一発見者は貴方方なので……」
ファルトは光太郎達に建国の案を出した。
それを聞き、光太郎達は驚いた。
「……その提案は少し時間をください。貴方方が帰るまでには応えを出しますので」
「分かりました、では私はカルデアシップで待機しておきます」
光成が時間が欲しいと伝えると、ファルトはカルデアシップへと戻って行った。
〇
その晩、光太郎、信介、眞、光成、剛士、春菜、雪、恵奈、零が司令室に集まっていた。
「今回集まってもらったのは他でもない。今回、セレーネ連邦国から、同盟締結の申し出と、この島々を我々の物とし、国を作ってみてはどうかと来た」
光成が昼間のことを話すと、その場にいた光太郎以外の全員が驚いた。
「私と光太郎としては、同盟は結んでおいた方が良いと思っている。不平等条約を結ばれるのではないかという不安もあるが、同盟締結の書類をデルタに見てもらったところ、我々の立場が不利になる内容はないとのことだ」
それを聞き、眞と剛士は腕を組んで考え始め、それ以外の者は周りの者と小声で相談し始めた。
「現状、我々はこの世界のことを知らなすぎる…そんな中、大国の1つであるセレーネ連邦国が、仲良くしたいと手を差し伸べてくれたのだ。仲間が多いことに越したことはないだろう…」
騒然とする中、光成は自分の考えを全員に伝えた。
「…………あの、恐らくここにいる全員が、同盟の件に賛成派だと思いますが……その、国名や首相はどう致します?」
春菜が恐る恐る国名や首相などをどうするか聞くと、司令室が静まり返る。
「国名は日丸島からとって、日丸国などで良いと思うが……」
光太郎は国名の案を言いながら、光成の方を見つめる。それに続くように、他の者達も光成の方を見つめる。
「ま、待て…まさか私に首相をやれと……?」
嫌な予感を感じながら、光成は恐る恐る聞くと、全員が頷いた。
「待て待て!私のような老人より、若い光太郎などの方が…っ!」
助けを求めるように光成は、光太郎の方を見たが、
「いえいえ、様々な知識に長けた竹田さんの方が相応しいです。それに、将棋や囲碁では竹田さんの方が強いので」
光太郎は満面の笑みを浮かべながら、光成の推薦を断った。
「では、この国は日丸国で、首相は竹田光成ということでいいですね?」
「えっ、待っ」
イギナシ!!!
光成の有無を言わさず、竹田光成を日丸国初代首相にすることが決まる。
その後の国の方針会議では、日丸国は、民主主義の戦時中立国となることが、話し合いの末に決まった。
〇
日丸国の建国、国家方針が決まった翌日の午前中。
セレーネ連邦国の国旗と、日丸国が国旗として採用した旭日旗が、掲げられているカルデアシップの甲板にて、日丸国側の首相竹田光成と付き添いの眞と光太郎の三名が、セレーネ連邦国側のファルトとその部下達と向かい合っていた。
「それでは、同盟締結の署名をお願い致します」
臨時の見届け人に選ばれたカルデアシップ船長が、両国の代表にそう伝え、光成とファルトはそれぞれの文字で書類にサインをする。
それと同時に、大和と武蔵が祝砲を放つ。
なお、この日丸国の建国並びに日セ同盟が締結されたという情報は、カルデアシップの機材により、魔法通信で全世界の国々に向けて発信されることになる。
224
お気に入りに追加
575
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
異世界に転移す万国旗
あずき
ファンタジー
202X年、震度3ほどの地震と共に海底ケーブルが寸断された。
日本政府はアメリカ政府と協力し、情報収集を開始した。
ワシントンD.Cから出港した米艦隊が日本海に現れたことで、
アメリカ大陸が日本の西に移動していることが判明。
さらに横須賀から出発した護衛艦隊がグレートブリテン島を発見。
このことから、世界中の国々が位置や向きを変え、
違う惑星、もしくは世界に転移していることが判明した。
平和国家異世界へ―日本の受難―
あずき
ファンタジー
平和国家、日本。 東アジアの島国であるこの国は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、 政府は戦闘機搭載型護衛艦、DDV-712「しなの」を開発した。 「しなの」は第八護衛隊群に配属され、領海の警備を行なうことに。
それから数年後の2035年、8月。
日本は異世界に転移した。
帝国主義のはびこるこの世界で、日本は生き残れるのか。
総勢1200億人を抱えた国家サバイバルが今、始まる――
何番煎じ蚊もわからない日本転移小説です。
質問などは感想に書いていただけると、返信します。
毎日投稿します。
Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜
華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日
この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。
札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。
渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。
この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。
一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。
そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。
この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。
この作品はフィクションです。
実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。
不死の大日本帝國軍人よ、異世界にて一層奮励努力せよ
焼飯学生
ファンタジー
1945年。フィリピンにて、大日本帝国軍人八雲 勇一は、連合軍との絶望的な戦いに挑み、力尽きた。
そんな勇一を気に入った異世界の創造神ライラーは、勇一助け自身の世界に転移させることに。
だが、軍人として華々しく命を散らし、先に行ってしまった戦友達と会いたかった勇一は、その提案をきっぱりと断った。
勇一に自身の提案を断られたことに腹が立ったライラーは、勇一に不死の呪いをかけた後、そのまま強制的に異世界へ飛ばしてしまった。
異世界に強制転移させられてしまった勇一は、元の世界に戻るべく、異世界にて一層奮励努力する。
超文明日本
点P
ファンタジー
2030年の日本は、憲法改正により国防軍を保有していた。海軍は艦名を漢字表記に変更し、正規空母、原子力潜水艦を保有した。空軍はステルス爆撃機を保有。さらにアメリカからの要求で核兵器も保有していた。世界で1、2を争うほどの軍事力を有する。
そんな日本はある日、列島全域が突如として謎の光に包まれる。光が消えると他国と連絡が取れなくなっていた。
異世界転移ネタなんて何番煎じかわかりませんがとりあえず書きます。この話はフィクションです。実在の人物、団体、地名等とは一切関係ありません。
異世界災派 ~1514億4000万円を失った自衛隊、海外に災害派遣す~
ス々月帶爲
ファンタジー
元号が令和となり一年。自衛隊に数々の災難が、襲い掛かっていた。
対戦闘機訓練の為、東北沖を飛行していた航空自衛隊のF-35A戦闘機が何の前触れもなく消失。そのF-35Aを捜索していた海上自衛隊護衛艦のありあけも、同じく捜索活動を行っていた、いずも型護衛艦2番艦かがの目の前で消えた。約一週間後、厄災は東北沖だけにとどまらなかった事を知らされた。陸上自衛隊の車両を積載しアメリカ合衆国に向かっていたC-2が津軽海峡上空で消失したのだ。
これまでの損失を計ると、1514億4000万円。過去に類をみない、恐ろしい損害を負った防衛省・自衛隊。
防衛省は、対策本部を設置し陸上自衛隊の東部方面隊、陸上総隊より選抜された部隊で混成団を編成。
損失を取り返すため、何より一緒に消えてしまった自衛官を見つけ出す為、混成団を災害派遣する決定を下したのだった。
派遣を任されたのは、陸上自衛隊のプロフェッショナル集団、陸上総隊の隷下に入る中央即応連隊。彼等は、国際平和協力活動等に尽力する為、先遣部隊等として主力部隊到着迄活動基盤を準備する事等を主任務とし、日々訓練に励んでいる。
其の第一中隊長を任されているのは、暗い過去を持つ新渡戸愛桜。彼女は、この派遣に於て、指揮官としての特殊な苦悩を味い、高みを目指す。
海上自衛隊版、出しました
→https://ncode.syosetu.com/n3744fn/
※作中で、F-35A ライトニングⅡが墜落したことを示唆する表現がございます。ですが、実際に墜落した時より前に書かれた表現ということをご理解いただければ幸いです。捜索が打ち切りとなったことにつきまして、本心から残念に思います。搭乗員の方、戦闘機にご冥福をお祈り申し上げます。
「小説家になろう」に於ても投稿させて頂いております。
→https://ncode.syosetu.com/n3570fj/
「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。
→https://kakuyomu.jp/works/1177354054889229369
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる