97 / 130
緑の指を持つ娘 温泉湯けむり編
34
しおりを挟む
王族という生き物は、実に雲上の生き物である。
そして、雲上には、雲上人でなければ決して辿り着けない情報というものがある。
そんな王族の端くれのナーランダが、親善大使の役目を終えて離宮にやってきた。
視察ついでの温泉観光休暇というのが表向きの理由らしい。
その紫の長い髪、微笑みを浮かべた完璧な美貌。優雅な物腰。
まるで神殿の天使の像の如きその美しい姿。
だというのに、なんと婚約者もおらず、未だ独身だという。
美しい王侯貴族の訪れには慣れているはずの、この離宮のある村の乙女という乙女たちが美貌のナーランダの訪問に沸き立った。
「フェリクス殿下。輝ける王国の一番星に、ご挨拶を申し上げます」
「ああ、遠い所をよく来てくれた。感謝する」
午後の早い時間、ナーランダが離宮に到着すると、フェリクスは久しぶりの王太子としての威風堂々たる態度で挨拶を受けた。
ちなみに、離宮にフェリクスが客人を受けるのは、皮膚の疾患が発症してから実に、初めての事だ。
まだ人前では包帯まみれのままではあるが、貴人と面会できるようになったほどに、フェリクスの心と体は回復していたのだ。
尚ナーランダの訪問は、もちろん視察でも、そのついでの休暇でもない。
どうにも、フェリクスの症状について、ベスが招かれた温泉について、ノエルには分かりかねた事があったのだ。
ノエルは内密にナーランダに調査を依頼して、この離宮についてとアビーブ建国神話について、独自調査してもらっていた。
ナーランダは端くれではあるが、王家の属柄に籍をおく。
王族のみに閲覧が許される、王族専用の「黄金の間」と呼ばれる図書室でナーランダは調査を行い、そこで得た情報の報告の為帰国を伸ばしこの離宮に立ち寄ったのだ。
なぜベスが、あの建国の乙女と神亀との出会いがもたらされた神々の温泉に呼ばれたのか。
そして、なぜ、ベスは帰り道には眷属まで付けられて、人の世界に送り届けられたのか。
(ベスが妖精の取り替え子であるが故に、人外の領域に招かれたのであれば温泉に偶然たどり着いた事への説明はつく。だが、理解できないのは、なぜわざわざベスを無事に人の世界に帰したのか、だ)
「調査結果を聞かせてくれ」
ノエルとフェリクスは、一階の応接室に並んで、ナーランダの報告を聞く体制に入る。
ナーランダはは頷いた。
「良いですかノエル様。フェリクス様。まず、あそこに見える離宮の温室ですが、建立当初は温室内に温泉があったそうです」
「温泉?」
「はい。こちらをご覧ください」
ナーランダは持ってきた大きな古い建築物の設計図を紐解いて、テーブルに置くと、ノエルとフェリクスの前に広げた。
「温泉の源泉の周りのみに生息する植物を育成するために、わざわざ源泉を引き込んでいた様子です。あの温室が、非常に背の高い作りになっているのは、湯気が温室の中こもらずに、すんなりと出て行く特別な建築の工法をとっているかららしいのです」
「なるほど。建立当初は温室内で背の高い木でも育てていたのかと思っていたが、違うのだな」
ノエルは眉を顰めた。
「後で温室の古い土壌を鑑定してみましょう。温泉の成分である硫黄の反応が出るでかと」
フェリクスは続ける。
「しかし源泉を温室に引き込んでまで、育成の価値がある植物など聞いたことがない。当時はそこまでして育成する価値のある植物がこの離宮の温室で育成されいた、という事か」
「鋭いですね。さすがは完全無欠の王太子との名高いフェリクス殿下です」
ナーランダはそう褒めたが、今のフェリクスにとって、一番居心地の悪くなる、かつてのフェリクスの代名詞だ。
今やメイドのオリビアが、フェリクスを揶揄うときに半笑いでそう呼ぶくらい。
「・・だが、貴殿はそんな事を伝えるためにここまで足を伸ばした訳ではあるまい。一体何を王宮で見つけた」
フェリクスは、わざわざナーランダが黄金の間まで足を踏み入れて、わざわざ遠い離宮まで訪問してきた事には、もっと深い理由がある。そう察した。
「ええ。フェリクス様。あなたのその皮膚の症状に関する事です」
「なんだ・・と」
部屋の空気が一気に凍る。
ナーランダは淡々と続けた。
「フェリクス様。あなたの症状は歴史上、王家の、それも、雷属性の王族の男子に定期的に表れた症状です」
「王族の疾患については、国家機密です。特に王子の肌の疾患などは政治的なバランスにも影響しますので、深く秘されてきた様子です。黄金の間に保存されていた、医療日記を発見して、ようやくその事実を発見しました」
「そして、その症状を持つ男子が現れるのは、アビーブの火山の噴火時期と、完全に合致します」
ガタリ、とフェリクスが立ち上がる。
「最後に噴火が確認されたのは、確か三百年前だと記録にありますね」
ナーランダは、続けた。
「フェリクス様。アビーブ山が最近活性化しているという話を、聞きませんか?」
「まだ、何も聞いていないが・・いや、そういえば、オリビアの恋人が言っていた。青竹の花が咲いていたと」
青竹の花は、数百年に一度しか咲かない事で有名だ。
花が咲くと凶事が起こるという言い伝えがあり、オリビアの恋人は、神殿に行って厄祓いをしてきたと、この間言っていたばかりだ。
「もし王太子を苦しめるほどの多すぎる魔力が、何か理由があって授けられているものであるとすれば」
ノエルの言葉が終わることを待つことなく、完全無欠の王太子・フェリクスは立ち上がった。
「・・火山に調査隊を。今すぐだ、メイソン!」
そして、雲上には、雲上人でなければ決して辿り着けない情報というものがある。
そんな王族の端くれのナーランダが、親善大使の役目を終えて離宮にやってきた。
視察ついでの温泉観光休暇というのが表向きの理由らしい。
その紫の長い髪、微笑みを浮かべた完璧な美貌。優雅な物腰。
まるで神殿の天使の像の如きその美しい姿。
だというのに、なんと婚約者もおらず、未だ独身だという。
美しい王侯貴族の訪れには慣れているはずの、この離宮のある村の乙女という乙女たちが美貌のナーランダの訪問に沸き立った。
「フェリクス殿下。輝ける王国の一番星に、ご挨拶を申し上げます」
「ああ、遠い所をよく来てくれた。感謝する」
午後の早い時間、ナーランダが離宮に到着すると、フェリクスは久しぶりの王太子としての威風堂々たる態度で挨拶を受けた。
ちなみに、離宮にフェリクスが客人を受けるのは、皮膚の疾患が発症してから実に、初めての事だ。
まだ人前では包帯まみれのままではあるが、貴人と面会できるようになったほどに、フェリクスの心と体は回復していたのだ。
尚ナーランダの訪問は、もちろん視察でも、そのついでの休暇でもない。
どうにも、フェリクスの症状について、ベスが招かれた温泉について、ノエルには分かりかねた事があったのだ。
ノエルは内密にナーランダに調査を依頼して、この離宮についてとアビーブ建国神話について、独自調査してもらっていた。
ナーランダは端くれではあるが、王家の属柄に籍をおく。
王族のみに閲覧が許される、王族専用の「黄金の間」と呼ばれる図書室でナーランダは調査を行い、そこで得た情報の報告の為帰国を伸ばしこの離宮に立ち寄ったのだ。
なぜベスが、あの建国の乙女と神亀との出会いがもたらされた神々の温泉に呼ばれたのか。
そして、なぜ、ベスは帰り道には眷属まで付けられて、人の世界に送り届けられたのか。
(ベスが妖精の取り替え子であるが故に、人外の領域に招かれたのであれば温泉に偶然たどり着いた事への説明はつく。だが、理解できないのは、なぜわざわざベスを無事に人の世界に帰したのか、だ)
「調査結果を聞かせてくれ」
ノエルとフェリクスは、一階の応接室に並んで、ナーランダの報告を聞く体制に入る。
ナーランダはは頷いた。
「良いですかノエル様。フェリクス様。まず、あそこに見える離宮の温室ですが、建立当初は温室内に温泉があったそうです」
「温泉?」
「はい。こちらをご覧ください」
ナーランダは持ってきた大きな古い建築物の設計図を紐解いて、テーブルに置くと、ノエルとフェリクスの前に広げた。
「温泉の源泉の周りのみに生息する植物を育成するために、わざわざ源泉を引き込んでいた様子です。あの温室が、非常に背の高い作りになっているのは、湯気が温室の中こもらずに、すんなりと出て行く特別な建築の工法をとっているかららしいのです」
「なるほど。建立当初は温室内で背の高い木でも育てていたのかと思っていたが、違うのだな」
ノエルは眉を顰めた。
「後で温室の古い土壌を鑑定してみましょう。温泉の成分である硫黄の反応が出るでかと」
フェリクスは続ける。
「しかし源泉を温室に引き込んでまで、育成の価値がある植物など聞いたことがない。当時はそこまでして育成する価値のある植物がこの離宮の温室で育成されいた、という事か」
「鋭いですね。さすがは完全無欠の王太子との名高いフェリクス殿下です」
ナーランダはそう褒めたが、今のフェリクスにとって、一番居心地の悪くなる、かつてのフェリクスの代名詞だ。
今やメイドのオリビアが、フェリクスを揶揄うときに半笑いでそう呼ぶくらい。
「・・だが、貴殿はそんな事を伝えるためにここまで足を伸ばした訳ではあるまい。一体何を王宮で見つけた」
フェリクスは、わざわざナーランダが黄金の間まで足を踏み入れて、わざわざ遠い離宮まで訪問してきた事には、もっと深い理由がある。そう察した。
「ええ。フェリクス様。あなたのその皮膚の症状に関する事です」
「なんだ・・と」
部屋の空気が一気に凍る。
ナーランダは淡々と続けた。
「フェリクス様。あなたの症状は歴史上、王家の、それも、雷属性の王族の男子に定期的に表れた症状です」
「王族の疾患については、国家機密です。特に王子の肌の疾患などは政治的なバランスにも影響しますので、深く秘されてきた様子です。黄金の間に保存されていた、医療日記を発見して、ようやくその事実を発見しました」
「そして、その症状を持つ男子が現れるのは、アビーブの火山の噴火時期と、完全に合致します」
ガタリ、とフェリクスが立ち上がる。
「最後に噴火が確認されたのは、確か三百年前だと記録にありますね」
ナーランダは、続けた。
「フェリクス様。アビーブ山が最近活性化しているという話を、聞きませんか?」
「まだ、何も聞いていないが・・いや、そういえば、オリビアの恋人が言っていた。青竹の花が咲いていたと」
青竹の花は、数百年に一度しか咲かない事で有名だ。
花が咲くと凶事が起こるという言い伝えがあり、オリビアの恋人は、神殿に行って厄祓いをしてきたと、この間言っていたばかりだ。
「もし王太子を苦しめるほどの多すぎる魔力が、何か理由があって授けられているものであるとすれば」
ノエルの言葉が終わることを待つことなく、完全無欠の王太子・フェリクスは立ち上がった。
「・・火山に調査隊を。今すぐだ、メイソン!」
567
お気に入りに追加
1,996
あなたにおすすめの小説
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
悪役令嬢は、最愛の弟と自分の幸せを奪うものを許さない!!すべてを物理でねじ伏せさせて頂きます
うり北 うりこ
恋愛
乙女ゲームに転生した私は、6歳の誕生日に前世を思い出した。それは、私が悪役令嬢になったら大好きな弟が廃人になるかもしれないというもの。
可愛い可愛い弟のノア。確かに乙女ゲームの『ほしきみ☆』は大好きだったけれど、可愛い弟の運命よりも大切なものなんてない!
王子との幸せ? そんなものは、私には必要ない!! だって、ノアが可愛くて毎日がとっっても幸せだから。
これは、ヒロインが第1王子を選んだことを想定して、悪役令嬢のアリアが全力で王子とのフラグをへし折ったり、魔術で身体強化を極めたり、運命の人に出会ったり……。
自分と弟の幸せをつかむ物語です。そして、問題は物理で解決します。
第1章 王都編完結しました
前世の記憶を取り戻したり、王家とあれこれある章です。
第2章 領地編開始です
お米を求めたり、魔物を従えたり、運命の人と出会ったり……。とにかく、アリアが乙女脳筋になっていく章です。
イラスト:天宮叶様に描いて頂きました♥️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる