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ゆっきーの粋な計らい?
しおりを挟む今日の天気は曇り。
卒業式の日には肌寒い日である。
が、みんな元気に(夜行性の者除く)最後の授業を受ける準備をしていた。(卒業式)
胸(動物の種類により、頭等)には桜のコサージュ。
まだ泣く者はいないが、式が終われば、号泣する者もいるのだろうか?
来賓には、教壇に立っていたことのある先生も居た。可愛い教え子が卒業するのは感極まるものがあるのだろう。
だが、そこはいつも明るく元気な先生。笑顔しかない。
ノミーに言われて来てみたが、なかなかに元気で事無く進んでいくな~。
そんなに数はいないから、早いのに、早いはずなのに、眠たそうにしてるな~居眠りするなよ~?目がもう死んでるぞー。夜行性の者は分からなくもないが、明らかにお前は違うだろ!牛!狐!鳥類!
言わせてもらえば、私も眠いぞ!
フクロウは夜行性なんだよ!
式進行中最後の保護者挨拶が来た。
と、見送る側を見ると・・・・・・・、 なんと言う事でしょう!ノミーが鼻ちょうちん膨らませて寝ているではありませんか!!
どうする先生!どうするんだ!?
そう思っていたら、隣の席の子が起こそうとして、鼻ちょうちんで体が少し浮いてるノミーを揺すった。
残念!起きない!
更に反対隣の子が、鋭い爪で鼻ちょうちんを割った!!
パアーーーーーーーン!!!
ものすごい音とともに鼻ちょうちんが割れる!と同時に挨拶も終わり、頭を下げ、退場しようとしていた保護者代表。
しーーーーーーん
一瞬の静寂の後、何事も無かったかのように、拍手が沸き起こる。
ノミーはハッとしてあたりをキョロキョロ。
先生に睨まれ萎縮。
それから卒業生の通る花道を作るまで、懇々と説教。
見ていて飽きないけど、あれが噂に聞く鼻ちょうちんか~。
中々に面白いな。でも、時と場所はわきまえんとな。うんうん。
周りと話してても、卒業生の話と言うよりノミーの武勇伝。
話題かっさらったらダメだろ?
♢♢♢♢♢
ノミー達が花道を作って、その間を卒業生が行く。ノミーはよく頭を撫でられたりしていた。
外に出たら、雪がチラついてきた。そのうち、綺麗な雪の結晶が舞ってきた。風もないもで、ゆっくりゆっくり落ちてくる。体に触れると体温で溶けてしまうが、幻想的だ。
卒業生やその親も皆見入っている。
きっと雪の精のゆっきーが、祝ってくれているのだろう。
そんな中唯一ノミーだけがしきりに結晶を手に収めようとしていた。
何をやっているんだ?
そう思い声を掛けたら、思ってもみない返答が帰ってきた。
「んー、これもうちょっと硬くならないかなーって思って」
「な・・・・、何で?」
「んーとね?さっきからネコ科の三郎丸が、ノミーを食べようと、目をギラギラさせて見てくるの。だから一思いに殺ろうかと・・・」
「まてまてまてまて、物騒だなおい!」
「そだ!ゆっきーに頼めば硬くしてくれるかな?ちょっと眉間にグサッと・・・」
「だから待て!ゆっきーだってそんなことはの為に、雪の結晶降らせたんじゃ無いだろう?折角の卒業式なんだ。この村から出ていく者だっているんだ。大人しく見送れ」
「んーどーしよーかなー、向こうの出方次第かな?んふふふふ」
はぁ、溜息を付きつつ、三郎丸の所に注告に行った。
折角ゆっきーが気を利かせて晴れの日を演出してくれたのに、これでは台無しではないか?
「流石ノミーだね。何時も楽しませてくれる」
クスクスと言う笑い声が聞こえて消えた。どうやらそうでもなかったらしい。
あれが村を出るとなったらどうなるのだろう?
考えずにはいられなかった。
*****
苦労性のフクロウは三人の子持ち。
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