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第10話 令嬢side 「招かれざる客」
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夕刻、人目を忍ぶように一人の男がシルビアの屋敷にやってきた。
来訪者の正体はハリー・グレンヴィル伯爵。
「私のことは知っているな」
「もちろんですわ。グレンヴィル伯爵」
ソファに向かい合って座り、シルビアは正面から伯爵を見据えた。
後ろにはルゼックが控えている。
「単刀直入に言う。私の妹や旧友らに手をかけたのはおまえなのか?」
「リリアン様はまことにお気の毒でしたわ。ご友人というのはどなたのことでしょうか?」
「とぼけるな。ローリー・ノリスとベンジャミン・ブルースだ。サミュエルの妹が兄の復讐をしているのだろうと、お前を問い詰めると言っていたぞ。ここに来たのではないか?」
「何をおっしゃっているのかわかりませんわ」
シルビアはコロコロと笑った。
「それに復讐とは何のことです?お兄様は事故で亡くなったのですよ?」
伯爵は返す言葉に詰まった。
「それとも、お兄様は殺されたのですが?あなた方に」
「そんなことするわけないだろう!私たちが殺したんじゃないかと、お前が勘違いして逆恨みしているんじゃないかと言っているんだ!」
気まずさを胡麻化すかのように、伯爵は冷めきった紅茶を一気に飲み干した。
シルビアは口の端を持ち上げた。瞳には冷たい光が宿る。
「伯爵様の仰る通り、リリアン様やボビー・リッチ、その家族を殺したのはわたくしたちです。ノリスもブルースもこそこそやってきたので、捕まえて地下室に監禁していますわ。お会いになります?」
「なんだと!認めるのか!!」
「ただひとつ間違いがございます。お兄様のためだけの復讐ではございません。わたくしの両親と先代の家令、そしてなによりニーナのためですわ」
「両親だの、ニーナだのなんのことだ!!」
「まあ、伯爵様!まさか、ニーナをお忘れですか?あなた方が慰み者にした挙句、首を絞めて殺した女の子ですわ。そして、それを告発しようとしたお兄様を事故に見せかけて殺した」
伯爵は明らかに動揺した。
「なぜ、お前がそれを知っている!!」
「お兄様が亡くなる直前にニーナの日記をわたくしに託してくださったのです。日記の存在はもちろんご存じでしょう?あなたがたは自分たちの犯罪と証拠を消すために、屋敷に火をはなったのですから」
「そ、そんなことはやっていない!!」
「いいえ。あの日、伯爵様とご友人たちが屋敷に忍び込んできたのを、わたくしとルゼックは見ていました。裏の木戸から入り、火をつける相談をされていましたよね」
「証拠はあるのか!」
ルゼックはシルビアのそばに立ち、肩に手を置いた。シルビアはそこに自分の手を重ねる。
「残念ながら、ありませんわ。それにわたくしたちが証言したところで、有力者であるあなた様にもみ消されてしまうでしょう。だから、告発は諦めたのです」
「貴様、だから報復としてリリアンを殺したというのか?」
伯爵の呼吸がだんだんと荒くなった。
動悸が激しくなり、体温が上がり、汗が滝のように滴り落ちた。
そして下半身が高ぶり、男のモノが痛いくらいに堅くなっていた。
こんな時だというのに激しく欲情している。
「ようやく薬が効いてきたようですね」
シルビアが落ち着いた声で言う。
「いったい何を飲ませた?」
「催淫剤ですわ」
ルゼックはシルビアのドレスに手をかけると、一気に引き裂いた。
形の良い乳房がむき出しになる。
美しい裸体を目の前にして、伯爵の性欲はさらに高まっていった。
「わたくしを抱きたいのでしょう?我慢しなくていいのですよ」
妖艶に手招きすると、伯爵はシルビアに襲い掛かった。
来訪者の正体はハリー・グレンヴィル伯爵。
「私のことは知っているな」
「もちろんですわ。グレンヴィル伯爵」
ソファに向かい合って座り、シルビアは正面から伯爵を見据えた。
後ろにはルゼックが控えている。
「単刀直入に言う。私の妹や旧友らに手をかけたのはおまえなのか?」
「リリアン様はまことにお気の毒でしたわ。ご友人というのはどなたのことでしょうか?」
「とぼけるな。ローリー・ノリスとベンジャミン・ブルースだ。サミュエルの妹が兄の復讐をしているのだろうと、お前を問い詰めると言っていたぞ。ここに来たのではないか?」
「何をおっしゃっているのかわかりませんわ」
シルビアはコロコロと笑った。
「それに復讐とは何のことです?お兄様は事故で亡くなったのですよ?」
伯爵は返す言葉に詰まった。
「それとも、お兄様は殺されたのですが?あなた方に」
「そんなことするわけないだろう!私たちが殺したんじゃないかと、お前が勘違いして逆恨みしているんじゃないかと言っているんだ!」
気まずさを胡麻化すかのように、伯爵は冷めきった紅茶を一気に飲み干した。
シルビアは口の端を持ち上げた。瞳には冷たい光が宿る。
「伯爵様の仰る通り、リリアン様やボビー・リッチ、その家族を殺したのはわたくしたちです。ノリスもブルースもこそこそやってきたので、捕まえて地下室に監禁していますわ。お会いになります?」
「なんだと!認めるのか!!」
「ただひとつ間違いがございます。お兄様のためだけの復讐ではございません。わたくしの両親と先代の家令、そしてなによりニーナのためですわ」
「両親だの、ニーナだのなんのことだ!!」
「まあ、伯爵様!まさか、ニーナをお忘れですか?あなた方が慰み者にした挙句、首を絞めて殺した女の子ですわ。そして、それを告発しようとしたお兄様を事故に見せかけて殺した」
伯爵は明らかに動揺した。
「なぜ、お前がそれを知っている!!」
「お兄様が亡くなる直前にニーナの日記をわたくしに託してくださったのです。日記の存在はもちろんご存じでしょう?あなたがたは自分たちの犯罪と証拠を消すために、屋敷に火をはなったのですから」
「そ、そんなことはやっていない!!」
「いいえ。あの日、伯爵様とご友人たちが屋敷に忍び込んできたのを、わたくしとルゼックは見ていました。裏の木戸から入り、火をつける相談をされていましたよね」
「証拠はあるのか!」
ルゼックはシルビアのそばに立ち、肩に手を置いた。シルビアはそこに自分の手を重ねる。
「残念ながら、ありませんわ。それにわたくしたちが証言したところで、有力者であるあなた様にもみ消されてしまうでしょう。だから、告発は諦めたのです」
「貴様、だから報復としてリリアンを殺したというのか?」
伯爵の呼吸がだんだんと荒くなった。
動悸が激しくなり、体温が上がり、汗が滝のように滴り落ちた。
そして下半身が高ぶり、男のモノが痛いくらいに堅くなっていた。
こんな時だというのに激しく欲情している。
「ようやく薬が効いてきたようですね」
シルビアが落ち着いた声で言う。
「いったい何を飲ませた?」
「催淫剤ですわ」
ルゼックはシルビアのドレスに手をかけると、一気に引き裂いた。
形の良い乳房がむき出しになる。
美しい裸体を目の前にして、伯爵の性欲はさらに高まっていった。
「わたくしを抱きたいのでしょう?我慢しなくていいのですよ」
妖艶に手招きすると、伯爵はシルビアに襲い掛かった。
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