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第7話 令嬢side 「ただ一人の男」
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夜になり、ようやくあの男から解放された。
シルビアは湯あみを済ませると、丁寧に髪を乾かし、寝衣に着替えた。
ルゼックがレモンを浮かべた冷水を持ってくる。
「お嬢様、ご報告です。ボビー・リッチの娘は無事に連れ出しました。地下室でアグネスとロジャーが世話しております」
「そう、あそこは寒いから死なせないように気を付けて頂戴ね。半月は閉じ込めておくわ。追い詰めるほど父親をおびきだしやすくなるでしょうから」
「さすがに警戒され始めましたからね」
「ようやく当人たちにやり返せるのよ。ここで止まるわけにはいかないわ」
「かしこまりました。お嬢様」
下がろうとするルゼックを呼び止める。
「ねえ、来て。今夜はあなたと寝たいわ」
カーティスの残した情交のあとを上書きするかのように、ルゼックはシルビアの全身に丹念に口づけていく。
「復讐のためとはいえ、あんな男に体を許さないといけないなんて御いたわしい」
ねっとりと攻められ、甘く嚙まれると、痺れるような快感が走る。
「はあっ、あっあっあ!」
シルビアは声をあげた。
ルゼックが相手なら、ほんの少し触れられただけで濡れてしまう。
シルビアが上になると、ゆっくり腰を沈めた。
愛する男のモノを迎え入れた喜びで体が上気し、白い肌はバラ色に染まった。
シルビアの望みの応えるように、ルゼックは下から何度も突き上げる。
一度離れ、態勢を入れ替える。
シルビアは四つん這いになると、ルゼックは後ろから攻めた。
もう中は十分に敏感になっている。
「んっっ」
シルビアは唇を噛みしめる。
挿れられただけでイキそうになった。
「お嬢様、我慢しなくていいのですよ」
「もう、ウィル、お嬢様は止めて。名前で呼んでよ」
「シルビア、愛してるよ」
「はぁ、あっあっ、好きよ、ウィル」
シルビアの身体を知り尽くしたルゼックに導かれて、絶頂を迎えた。
ことが済んだ後も、シルビアは離れようとしなかった。
「だめよ。朝まで一緒にいて」
強くしがみつく。
「誰に抱かれようが、わたくしにとって男はあなただけよ」
ルゼックもシルビアを抱きしめ返す。
お互いのぬくもりを感じながら二人は眠りについた。
ルゼックに初めて抱かれたのは15歳の時だった。
両親が生きていた頃、ローズ家の家令を務めていたのがルゼックの父親だった。
ウィルは6歳年上で、シルビアにとっては血のつながらないもう一人の兄のような存在だった。
火災で家族を失ったシルビアは、父方の叔父に引き取られた。いとこたちとも仲良くなれたが、叔父の再婚相手とだけはどうにも折り合いが悪かった。
そんな折、ルゼックが訪ねてきた。5年ぶりの再会だった。同じく火事で父を失った彼もまた親族を頼りながら生きてきた。
火災現場からなんとか持ち出したオルゴール。兄サミュエルからシルビアへの最後の誕生日プレゼントだったが、中に隠されていた日記帳と手紙を見つけたという。
それによって、兄の死の真相と、それにつながるおぞましくも痛ましい犯罪を知ることになった。
二人は復讐を誓った。
その夜、初めて男女の関係になった。ぎこちなかったが、初恋同士、幸せな初体験となった。
叔父の家を離れ、父の残してくれた別荘の一つで暮らすことになった。
長い時間をかけて復讐の準備は進んでいった。
シルビアは湯あみを済ませると、丁寧に髪を乾かし、寝衣に着替えた。
ルゼックがレモンを浮かべた冷水を持ってくる。
「お嬢様、ご報告です。ボビー・リッチの娘は無事に連れ出しました。地下室でアグネスとロジャーが世話しております」
「そう、あそこは寒いから死なせないように気を付けて頂戴ね。半月は閉じ込めておくわ。追い詰めるほど父親をおびきだしやすくなるでしょうから」
「さすがに警戒され始めましたからね」
「ようやく当人たちにやり返せるのよ。ここで止まるわけにはいかないわ」
「かしこまりました。お嬢様」
下がろうとするルゼックを呼び止める。
「ねえ、来て。今夜はあなたと寝たいわ」
カーティスの残した情交のあとを上書きするかのように、ルゼックはシルビアの全身に丹念に口づけていく。
「復讐のためとはいえ、あんな男に体を許さないといけないなんて御いたわしい」
ねっとりと攻められ、甘く嚙まれると、痺れるような快感が走る。
「はあっ、あっあっあ!」
シルビアは声をあげた。
ルゼックが相手なら、ほんの少し触れられただけで濡れてしまう。
シルビアが上になると、ゆっくり腰を沈めた。
愛する男のモノを迎え入れた喜びで体が上気し、白い肌はバラ色に染まった。
シルビアの望みの応えるように、ルゼックは下から何度も突き上げる。
一度離れ、態勢を入れ替える。
シルビアは四つん這いになると、ルゼックは後ろから攻めた。
もう中は十分に敏感になっている。
「んっっ」
シルビアは唇を噛みしめる。
挿れられただけでイキそうになった。
「お嬢様、我慢しなくていいのですよ」
「もう、ウィル、お嬢様は止めて。名前で呼んでよ」
「シルビア、愛してるよ」
「はぁ、あっあっ、好きよ、ウィル」
シルビアの身体を知り尽くしたルゼックに導かれて、絶頂を迎えた。
ことが済んだ後も、シルビアは離れようとしなかった。
「だめよ。朝まで一緒にいて」
強くしがみつく。
「誰に抱かれようが、わたくしにとって男はあなただけよ」
ルゼックもシルビアを抱きしめ返す。
お互いのぬくもりを感じながら二人は眠りについた。
ルゼックに初めて抱かれたのは15歳の時だった。
両親が生きていた頃、ローズ家の家令を務めていたのがルゼックの父親だった。
ウィルは6歳年上で、シルビアにとっては血のつながらないもう一人の兄のような存在だった。
火災で家族を失ったシルビアは、父方の叔父に引き取られた。いとこたちとも仲良くなれたが、叔父の再婚相手とだけはどうにも折り合いが悪かった。
そんな折、ルゼックが訪ねてきた。5年ぶりの再会だった。同じく火事で父を失った彼もまた親族を頼りながら生きてきた。
火災現場からなんとか持ち出したオルゴール。兄サミュエルからシルビアへの最後の誕生日プレゼントだったが、中に隠されていた日記帳と手紙を見つけたという。
それによって、兄の死の真相と、それにつながるおぞましくも痛ましい犯罪を知ることになった。
二人は復讐を誓った。
その夜、初めて男女の関係になった。ぎこちなかったが、初恋同士、幸せな初体験となった。
叔父の家を離れ、父の残してくれた別荘の一つで暮らすことになった。
長い時間をかけて復讐の準備は進んでいった。
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