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出立
エレノア
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神のお告げ、そんな事を言われてもなかなか信じ難い。
でも、彼女は話の中で俺の事を異界の人間と言っていた。
そういう意味では、エレノアさんと話をする必要があるのかもしれない。
「天啓って……本当にあるんですか? 今回が初めてとかではなく?」
「疑っているのは無理もないと思います……けど、私のは本当です。
もう過去に何度もこのようなお告げが、不意に聞こえる事があるのです。」
私のは……と言ったのは多分、他にもそう言って嘘をついて、注目されようとでも考えた人がいたからだろう。
「不意に聞こえるって、具体的にどういう感じですか?」
「えっと、例えば外出の際に頭の中に声が響いて「雨が降るから雨具を所持しなさい」とか、道に迷った際に「左に進めば帰れる」とかそのような些細なことが多いのですが、でもその通りに動くと、必ずいつもいい結果に繋がるんです。」
精子にとんでもない力があるなんていう世界だ、きっと本当に神のお告げを聞く女性がいても可笑しくはない。
「でも、そうだとしたら今回は結構大掛かりというか、一日だけに限らずエレノアさんの人生にも関わるようなお告げですよね?」
「はい、とても漠然としていて、何をすればいいのかすら分かりません。」
「だから、取り敢えず俺が裸の時に来たと?」
わざわざ俺が風呂に入っている時に、来たのだ多分そういう考えなのかもしれない。
「はい……」
どこか気のない返事だった、正に自信がなく、本当にこの選択であっているのか、という迷いを感じられる。
でも、距離を縮めるって……エレノアさんが考えるような、物理的に肌を合わせということなのだろうか……
「やっぱり……ダメ、ですよね……」
沈思黙考する。
その静かな時間を拒否と受け取ったのか、彼女は酷く低い声でそう独りごちた。
「貴方は既に心に決めた御二方がいるのに、このようなことを言って困らせてすみませんでした。
我儘を言いますが、今日の事はどうかお忘れください。
こんな私の戯言に付き合っていただき、ありがとうございました。」
最後まで慇懃に物事を言って去っていこうとするエレノアさん、だけど俺はそうして暖簾の下から遠ざかっていく彼女の足を止めた。
「ま、待ってください。
その前に……俺から一つ頼みを聞いていただけませんか?」
「は、はい、なんでしょうか……?」
「俺の背中、流していただけませんか?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
前をタオルで隠し、長い亜麻色の髪は上げて後ろでまとめている。
その為に項と首筋が妙に艶めかしく映えて、タオル越しだけど分かる彼女の大きな胸とそしてスレンダーな体に健康的な白い肌、そんなエレノアさんの全ての要素が悉く大人の色気を放っていた。
植物由来の落ち着いた香りのする石鹸を手のひらで泡立たせて、エレノアさんは軽く俺の背中につける。
鏡はないから、今彼女がどんな顔をしているのか分からない……まあ、赤くなっていることは確かだと思う。
ピタッと背中の肌で感じる彼女の柔らかい手、それがゆっくりと俺の背中の上を滑り、やがて全体に石鹸の泡の滑りが広がっていく。
そして、ゴシゴシと音を立てながら、彼女は泡まみれになった俺の背中を布で擦っていく。
優しく気遣った強さ、痛みを感じるはずはなくむしろとても気持ちがよかった。
「どう……ですか?」
後ろから心配そうに尋ねてくるエレノアさん。
「はい、丁度よくて気持ちいいですよ。」
「そう……ですか、良かったです。」
「人の背中を流すのは初めてですよね?」
すると、彼女は緊張して答えた。
「は、はい。
こちらには……体が不自由な方の介護の目的以外でこういうことをする習慣はありませんので、ま、ましてや……お、男の人の背中を流すのも初めてで……」
すると、彼女の手の動きが突然止まった。
と、同時に背中から凄い視線を感じた。
「どうかされました?エレノアさん」
「あっ! す、すみませんでした。」
「構いませんよ。
我儘を言ってこんなお願をしたのは俺の方なんですから……」
俺がエレノアさんにこんな事を頼んだのは、勇気を出し、こうして俺と親密になろうとした彼女に少しでも何らかの形で答えてあげようと思ったからだ。
本当に神様のお告げの通り、俺が彼女の男になろうとかそういう奢ったことは考えていない。
結婚適齢期を過ぎたとか、男っ気がないといったコンプレックスをわざわざ俺に打ち明けてくれたから、せめて、彼女がこれから良い男性と接した時、その人とうまく関われるような切っ掛け作りをしようと思ったのだ。
「い、いえ……そういうわけではないんです。
ただ、その……父以外の男の人の背中を見るのは初めてだったので……」
「そうなんですか。
でも、俺の背中って貧弱ですよね。
あまり鍛えているわけじゃないし……エレノアさんのお父さんに比べたら、きっと不格好だと思います。」
「そんな事は決して……」
独り言を言うように彼女は小さく呟くと、布越しではなく今度は手のひらで直に背中を摩ってきた。
「はぁ……はぁ……」
「だ、大丈夫ですか……? 急に息が荒くなったみたいですけど……」
「は、はい。
お気になさらず……私は大丈夫ですから……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この村でザリットを初めたのは、信条や確かにエルの方を助ける信者としての使命感的な動機も有りましたが、切っ掛けはこの天啓に従ったからです。
「デスト村で巡礼者をもてなせ、さすれば貴女にはこの世で一番貴女を愛してくれる運命の相手と出会うことでしょう……」
聖教の神様は愛の女神エリーザ様です。
それだけでも、このお告げにどれだけの意味があったかは理解していました。
ただ、もう一つ……お恥ずかしい話ですが、私……童話や物語のようなヒロインのロマンチックな出会いに憧れを抱いていまして……
だから、このお告げにはとても期待していたんです。
でも、これは少し予想外でした。
まさかその運命の男性のお背中を流すことになるなんて……
「い……痛くはありませんか?」
「大丈夫、そのままでいいですよ。
とても気持ちいいですから……」
お、男の人のお背中を流しています……
女性のとはやっぱり違って……大きく、肩幅が広くて、触ると少しゴツゴツしています。
でも、ハルト様は温かくて……頼り甲斐のある逞しい背中をしています。
「ひ、貧弱なんてことはありませんよ。
とても、男性らしくて逞しいと思います。」
「そ、そうかな?」
「はい……本当に……」
"ドクッ、ドクッ"
な、何故でしょうか……ハルト様のお背中を見ていると、目が離せなくなって胸がドキドキとときめいてしまいます……
「はぁ……はぁ……」
もっと触れてみたい、ハルト様の温もりを感じてみたい……無性にそう思いました。
でも、こんな不純な動機で……いえ、けっして不純ではありません。
これは飽くまでもお背中を流しているだけ、何もやましいことはありません。
私は再びそっと彼の背中に手で触れました。
「はぁぁぁ……」
「ほ、本当に大丈夫ですか?
凄いため息ついてましたけど……」
「はぁ……はぁ……んっ、大丈夫……ですから
ご心配なさらないでください……」
ほ、本当は全然大丈夫じゃないんです……
触れたのが間違いだったのでしょうか……突然身体がじわじわと熱くなって、バクバクと心臓の鼓動も速くなってきました。
でも、この高まり……凄く幸せに感じます。
寧ろもっとハルト様の温もりも肌も感じてみたいと思ってしまいます……
「んっ……あんっ」
お互い裸なせいでしょうか、決して彼に覗かれている訳では無いのに、私の肌がハルト様に凄く見られているような気がして……
"あぁ、な、何を考えているんですか私!?
今凄くエッチなこと想像して……"
「エレノアさん……やっぱり止めておきますか?
……すみません、俺から頼んでおいてなんですけど、少しのぼせてるみたいだし……」
のぼせてなんかいないんです……
ただこれは、これは…………いえ、やっぱりこんな事考えるなんて、変です……破廉恥です。
"でも、ここでやめてしまうのは嫌です"
こんなに胸が高鳴ってしまうのは……やっぱり、ハルト様だからなのでしょうか…………
……きっとそうに違いありません。
思えば私……この人を最初に見てからずっと胸がドキドキしているような気がします。
本当は、顔を合わせたら無性に恥ずかしくなって、ハルト様の顔を直視出来なくなるほど胸が苦しくなっているんです。
初めて会ったばかりの人と接するだけで、なんでこんなに興奮してしまうのでしょうか……
もしかして、こういうのを一目惚れというのでしょうか。
そういう意味ではある種、彼は私の運命の相手
なのかも知れません。
でも、それだけじゃない……きっと私は彼の素敵な所を見て「いいなぁ」と思っているのかもしれません。
笑顔が素敵で寛容な所、親切で人好きのする性格。
あと……これは一番私がこの人の素敵な所だと思ったのですが……
好きな人のいい所を一番望んでいる言葉で的確に褒めてあげる事。
当たり前の事ですが……でも女性としてはこれって凄く嬉しいことなんですよ?
私って単純ですから……この人が彼女さん達をあんな言葉で褒めた時は、とても心がときめきました。
今だって、ハルト様の逞しい身体を見ていると彼の事をかっこいいと思って胸がドキドキしてしまいます。
そして、破廉恥だとは思いますが……背中だけじゃなくてハルト様のほかの所にも触れられたらと……期待してしまいます。
きっとこれはハルト様の身体だから、ハルト様が裸になっているから……だから私、とても興奮しているんだと思います。
彼の大きくて立派な裸体が焼き付くように目に映ります。
ちょ、ちょっとぐらいなら……いいですよね?
"ゴクリッ"
こげつくような喉の乾きが訪れました。
すると、私はハルト様の背中に自分の胸を当てるように、そっと体を預けました。
"ダメですね私……ハルト様のお願いを利用して凄くエッチなことを考えています。"
「ハルト様……」
「えっ? ちょ、ちょっと……エレノアさん!?
当たってる……当たってるから!
手じゃなくて胸が当たってるから!!!」
「……当たってるんじゃなくて、当ててるんですよ……」
むにゅっと音でもなるかのように、私はハルト様の肌に自分のおっぱいを押し付けました。
「……こういうのはお望みではなかったですか?」
「い、いえ……お互いこういう恰好な訳ですから、そういうのも期待してはいましたけど……突然というか、ちょっとビックリしただけで……」
ハルト様……凄く耳を赤くしてらっしゃいます。
それが少し可愛くて、私は彼に少し意地悪をしたくなってしまいました。
「そうですか……それでは……
んっ……ふぅぁ……はぁ、んっ、こういうのはどう…ですか?」
全体を動かして、私は押し当てた胸をそのまま上下に揺すりました。
「はい、とても気持ちいいですよ……」
「ふふっ……んっ…そうですか、こういうのは初めてでしたので、上手くできるか心配だったのですが……はぁ……はぁ……んっ、ハルト様がご満足頂けているようで私は嬉しいです……」
"ちゃぷ、ちゃぷ……する、する……"
身体を動かす度、石鹸の泡が潤滑油となってハルト様の背中の上を私のおっぱいが音を立てて滑っていきます。
"これっ……おっぱいだけじゃなくて……乳首も擦れて……はぁ……んっ!……少し声が出てしまいそうです"
「はぁ……はぁ……んっ、あんっ、こういうサービスは……んっ……絶対しないのですが、でも……あんっ、ハルト様にならお望む限り何でもさせていただきますよ?」
「何でも……ですか……
いや、でも流石にこれ以上してもらわなくても……今でも結構満足してますから。」
その言葉に私は少しだけ眉をひそめます。
「私……貴方のお背中だけじゃなくて、ほかの所もちゃんと見ているんですよ?
隠しているようですが、先程からは、ハルト様のおち、い、いえ……やっぱりなんでもありません。」
「な、なんでもないんですか……あははは……」
私が何を言おうとしたのかハルト様は分かっていたようですが、しかし、わざときかなかったふりをして、こっそり布でご自分のアソコを隠そうとしています。
私の気持ちにも気づいていないみたいですし、ハルト様ってもしかして、結構奥手なのでは……?
でも、2人も既に彼女様がいらっしゃるのですからそのような筈はないと思いますが……
しかし念の為、これは私の方から少し押してみようと思います。
「失礼します、ハルト様……」
「なっ!? エレノアさんっ!?」
私は後ろから彼の前に回り、そして丁度彼の眼前で立ちました。
「エ、エレノア……さん?」
ハルト様が私の胸を布越しに直視しています。
きっとこのタオルを外せば、大事なところも何もかもこの人の前に晒して、私は戻れなくなってしまうのでしょう。
"でも、そうでもしないとハルト様は私に振り向いてはくれません……
あぁ、けど、ですけど……やっぱり男の人に自分の裸を見せるなんて恥ずかしくて死んでしまいまそうです……"
"うぅぅ……あんなことをしておきながら……こっちの方が凄く、凄く恥ずかしいなんて……
で、でも……これもハルト様に振り向いてもらうため、覚悟を決めてやる時はやるのですエレノア!"
そして、私はとうとう自分の肌を覆い隠していた白いヴェールを外して、ハルト様に裸を晒しました。
それと同時に、ハルト様の熱い視線が矢のように私の裸の肌に刺さりました。
"す、凄い見られてます……見られているだけなんですけど……でもこれ、目を塞ぎたくなるぐらい恥ずかしいです。"
当然、彼の視線は私のおっぱいや少し毛で隠れた私のアソコにも向かいました。
「あんっ……」
"な、何を反応しているんですか私っ!!!
恥部を見られて感じてるなんて、ただの変態じゃないですかぁ……"
「綺麗だ……」
私の身体を見てハルト様が突然、そんな事を言いました。
でも、彼女は話の中で俺の事を異界の人間と言っていた。
そういう意味では、エレノアさんと話をする必要があるのかもしれない。
「天啓って……本当にあるんですか? 今回が初めてとかではなく?」
「疑っているのは無理もないと思います……けど、私のは本当です。
もう過去に何度もこのようなお告げが、不意に聞こえる事があるのです。」
私のは……と言ったのは多分、他にもそう言って嘘をついて、注目されようとでも考えた人がいたからだろう。
「不意に聞こえるって、具体的にどういう感じですか?」
「えっと、例えば外出の際に頭の中に声が響いて「雨が降るから雨具を所持しなさい」とか、道に迷った際に「左に進めば帰れる」とかそのような些細なことが多いのですが、でもその通りに動くと、必ずいつもいい結果に繋がるんです。」
精子にとんでもない力があるなんていう世界だ、きっと本当に神のお告げを聞く女性がいても可笑しくはない。
「でも、そうだとしたら今回は結構大掛かりというか、一日だけに限らずエレノアさんの人生にも関わるようなお告げですよね?」
「はい、とても漠然としていて、何をすればいいのかすら分かりません。」
「だから、取り敢えず俺が裸の時に来たと?」
わざわざ俺が風呂に入っている時に、来たのだ多分そういう考えなのかもしれない。
「はい……」
どこか気のない返事だった、正に自信がなく、本当にこの選択であっているのか、という迷いを感じられる。
でも、距離を縮めるって……エレノアさんが考えるような、物理的に肌を合わせということなのだろうか……
「やっぱり……ダメ、ですよね……」
沈思黙考する。
その静かな時間を拒否と受け取ったのか、彼女は酷く低い声でそう独りごちた。
「貴方は既に心に決めた御二方がいるのに、このようなことを言って困らせてすみませんでした。
我儘を言いますが、今日の事はどうかお忘れください。
こんな私の戯言に付き合っていただき、ありがとうございました。」
最後まで慇懃に物事を言って去っていこうとするエレノアさん、だけど俺はそうして暖簾の下から遠ざかっていく彼女の足を止めた。
「ま、待ってください。
その前に……俺から一つ頼みを聞いていただけませんか?」
「は、はい、なんでしょうか……?」
「俺の背中、流していただけませんか?」
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前をタオルで隠し、長い亜麻色の髪は上げて後ろでまとめている。
その為に項と首筋が妙に艶めかしく映えて、タオル越しだけど分かる彼女の大きな胸とそしてスレンダーな体に健康的な白い肌、そんなエレノアさんの全ての要素が悉く大人の色気を放っていた。
植物由来の落ち着いた香りのする石鹸を手のひらで泡立たせて、エレノアさんは軽く俺の背中につける。
鏡はないから、今彼女がどんな顔をしているのか分からない……まあ、赤くなっていることは確かだと思う。
ピタッと背中の肌で感じる彼女の柔らかい手、それがゆっくりと俺の背中の上を滑り、やがて全体に石鹸の泡の滑りが広がっていく。
そして、ゴシゴシと音を立てながら、彼女は泡まみれになった俺の背中を布で擦っていく。
優しく気遣った強さ、痛みを感じるはずはなくむしろとても気持ちがよかった。
「どう……ですか?」
後ろから心配そうに尋ねてくるエレノアさん。
「はい、丁度よくて気持ちいいですよ。」
「そう……ですか、良かったです。」
「人の背中を流すのは初めてですよね?」
すると、彼女は緊張して答えた。
「は、はい。
こちらには……体が不自由な方の介護の目的以外でこういうことをする習慣はありませんので、ま、ましてや……お、男の人の背中を流すのも初めてで……」
すると、彼女の手の動きが突然止まった。
と、同時に背中から凄い視線を感じた。
「どうかされました?エレノアさん」
「あっ! す、すみませんでした。」
「構いませんよ。
我儘を言ってこんなお願をしたのは俺の方なんですから……」
俺がエレノアさんにこんな事を頼んだのは、勇気を出し、こうして俺と親密になろうとした彼女に少しでも何らかの形で答えてあげようと思ったからだ。
本当に神様のお告げの通り、俺が彼女の男になろうとかそういう奢ったことは考えていない。
結婚適齢期を過ぎたとか、男っ気がないといったコンプレックスをわざわざ俺に打ち明けてくれたから、せめて、彼女がこれから良い男性と接した時、その人とうまく関われるような切っ掛け作りをしようと思ったのだ。
「い、いえ……そういうわけではないんです。
ただ、その……父以外の男の人の背中を見るのは初めてだったので……」
「そうなんですか。
でも、俺の背中って貧弱ですよね。
あまり鍛えているわけじゃないし……エレノアさんのお父さんに比べたら、きっと不格好だと思います。」
「そんな事は決して……」
独り言を言うように彼女は小さく呟くと、布越しではなく今度は手のひらで直に背中を摩ってきた。
「はぁ……はぁ……」
「だ、大丈夫ですか……? 急に息が荒くなったみたいですけど……」
「は、はい。
お気になさらず……私は大丈夫ですから……」
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この村でザリットを初めたのは、信条や確かにエルの方を助ける信者としての使命感的な動機も有りましたが、切っ掛けはこの天啓に従ったからです。
「デスト村で巡礼者をもてなせ、さすれば貴女にはこの世で一番貴女を愛してくれる運命の相手と出会うことでしょう……」
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それだけでも、このお告げにどれだけの意味があったかは理解していました。
ただ、もう一つ……お恥ずかしい話ですが、私……童話や物語のようなヒロインのロマンチックな出会いに憧れを抱いていまして……
だから、このお告げにはとても期待していたんです。
でも、これは少し予想外でした。
まさかその運命の男性のお背中を流すことになるなんて……
「い……痛くはありませんか?」
「大丈夫、そのままでいいですよ。
とても気持ちいいですから……」
お、男の人のお背中を流しています……
女性のとはやっぱり違って……大きく、肩幅が広くて、触ると少しゴツゴツしています。
でも、ハルト様は温かくて……頼り甲斐のある逞しい背中をしています。
「ひ、貧弱なんてことはありませんよ。
とても、男性らしくて逞しいと思います。」
「そ、そうかな?」
「はい……本当に……」
"ドクッ、ドクッ"
な、何故でしょうか……ハルト様のお背中を見ていると、目が離せなくなって胸がドキドキとときめいてしまいます……
「はぁ……はぁ……」
もっと触れてみたい、ハルト様の温もりを感じてみたい……無性にそう思いました。
でも、こんな不純な動機で……いえ、けっして不純ではありません。
これは飽くまでもお背中を流しているだけ、何もやましいことはありません。
私は再びそっと彼の背中に手で触れました。
「はぁぁぁ……」
「ほ、本当に大丈夫ですか?
凄いため息ついてましたけど……」
「はぁ……はぁ……んっ、大丈夫……ですから
ご心配なさらないでください……」
ほ、本当は全然大丈夫じゃないんです……
触れたのが間違いだったのでしょうか……突然身体がじわじわと熱くなって、バクバクと心臓の鼓動も速くなってきました。
でも、この高まり……凄く幸せに感じます。
寧ろもっとハルト様の温もりも肌も感じてみたいと思ってしまいます……
「んっ……あんっ」
お互い裸なせいでしょうか、決して彼に覗かれている訳では無いのに、私の肌がハルト様に凄く見られているような気がして……
"あぁ、な、何を考えているんですか私!?
今凄くエッチなこと想像して……"
「エレノアさん……やっぱり止めておきますか?
……すみません、俺から頼んでおいてなんですけど、少しのぼせてるみたいだし……」
のぼせてなんかいないんです……
ただこれは、これは…………いえ、やっぱりこんな事考えるなんて、変です……破廉恥です。
"でも、ここでやめてしまうのは嫌です"
こんなに胸が高鳴ってしまうのは……やっぱり、ハルト様だからなのでしょうか…………
……きっとそうに違いありません。
思えば私……この人を最初に見てからずっと胸がドキドキしているような気がします。
本当は、顔を合わせたら無性に恥ずかしくなって、ハルト様の顔を直視出来なくなるほど胸が苦しくなっているんです。
初めて会ったばかりの人と接するだけで、なんでこんなに興奮してしまうのでしょうか……
もしかして、こういうのを一目惚れというのでしょうか。
そういう意味ではある種、彼は私の運命の相手
なのかも知れません。
でも、それだけじゃない……きっと私は彼の素敵な所を見て「いいなぁ」と思っているのかもしれません。
笑顔が素敵で寛容な所、親切で人好きのする性格。
あと……これは一番私がこの人の素敵な所だと思ったのですが……
好きな人のいい所を一番望んでいる言葉で的確に褒めてあげる事。
当たり前の事ですが……でも女性としてはこれって凄く嬉しいことなんですよ?
私って単純ですから……この人が彼女さん達をあんな言葉で褒めた時は、とても心がときめきました。
今だって、ハルト様の逞しい身体を見ていると彼の事をかっこいいと思って胸がドキドキしてしまいます。
そして、破廉恥だとは思いますが……背中だけじゃなくてハルト様のほかの所にも触れられたらと……期待してしまいます。
きっとこれはハルト様の身体だから、ハルト様が裸になっているから……だから私、とても興奮しているんだと思います。
彼の大きくて立派な裸体が焼き付くように目に映ります。
ちょ、ちょっとぐらいなら……いいですよね?
"ゴクリッ"
こげつくような喉の乾きが訪れました。
すると、私はハルト様の背中に自分の胸を当てるように、そっと体を預けました。
"ダメですね私……ハルト様のお願いを利用して凄くエッチなことを考えています。"
「ハルト様……」
「えっ? ちょ、ちょっと……エレノアさん!?
当たってる……当たってるから!
手じゃなくて胸が当たってるから!!!」
「……当たってるんじゃなくて、当ててるんですよ……」
むにゅっと音でもなるかのように、私はハルト様の肌に自分のおっぱいを押し付けました。
「……こういうのはお望みではなかったですか?」
「い、いえ……お互いこういう恰好な訳ですから、そういうのも期待してはいましたけど……突然というか、ちょっとビックリしただけで……」
ハルト様……凄く耳を赤くしてらっしゃいます。
それが少し可愛くて、私は彼に少し意地悪をしたくなってしまいました。
「そうですか……それでは……
んっ……ふぅぁ……はぁ、んっ、こういうのはどう…ですか?」
全体を動かして、私は押し当てた胸をそのまま上下に揺すりました。
「はい、とても気持ちいいですよ……」
「ふふっ……んっ…そうですか、こういうのは初めてでしたので、上手くできるか心配だったのですが……はぁ……はぁ……んっ、ハルト様がご満足頂けているようで私は嬉しいです……」
"ちゃぷ、ちゃぷ……する、する……"
身体を動かす度、石鹸の泡が潤滑油となってハルト様の背中の上を私のおっぱいが音を立てて滑っていきます。
"これっ……おっぱいだけじゃなくて……乳首も擦れて……はぁ……んっ!……少し声が出てしまいそうです"
「はぁ……はぁ……んっ、あんっ、こういうサービスは……んっ……絶対しないのですが、でも……あんっ、ハルト様にならお望む限り何でもさせていただきますよ?」
「何でも……ですか……
いや、でも流石にこれ以上してもらわなくても……今でも結構満足してますから。」
その言葉に私は少しだけ眉をひそめます。
「私……貴方のお背中だけじゃなくて、ほかの所もちゃんと見ているんですよ?
隠しているようですが、先程からは、ハルト様のおち、い、いえ……やっぱりなんでもありません。」
「な、なんでもないんですか……あははは……」
私が何を言おうとしたのかハルト様は分かっていたようですが、しかし、わざときかなかったふりをして、こっそり布でご自分のアソコを隠そうとしています。
私の気持ちにも気づいていないみたいですし、ハルト様ってもしかして、結構奥手なのでは……?
でも、2人も既に彼女様がいらっしゃるのですからそのような筈はないと思いますが……
しかし念の為、これは私の方から少し押してみようと思います。
「失礼します、ハルト様……」
「なっ!? エレノアさんっ!?」
私は後ろから彼の前に回り、そして丁度彼の眼前で立ちました。
「エ、エレノア……さん?」
ハルト様が私の胸を布越しに直視しています。
きっとこのタオルを外せば、大事なところも何もかもこの人の前に晒して、私は戻れなくなってしまうのでしょう。
"でも、そうでもしないとハルト様は私に振り向いてはくれません……
あぁ、けど、ですけど……やっぱり男の人に自分の裸を見せるなんて恥ずかしくて死んでしまいまそうです……"
"うぅぅ……あんなことをしておきながら……こっちの方が凄く、凄く恥ずかしいなんて……
で、でも……これもハルト様に振り向いてもらうため、覚悟を決めてやる時はやるのですエレノア!"
そして、私はとうとう自分の肌を覆い隠していた白いヴェールを外して、ハルト様に裸を晒しました。
それと同時に、ハルト様の熱い視線が矢のように私の裸の肌に刺さりました。
"す、凄い見られてます……見られているだけなんですけど……でもこれ、目を塞ぎたくなるぐらい恥ずかしいです。"
当然、彼の視線は私のおっぱいや少し毛で隠れた私のアソコにも向かいました。
「あんっ……」
"な、何を反応しているんですか私っ!!!
恥部を見られて感じてるなんて、ただの変態じゃないですかぁ……"
「綺麗だ……」
私の身体を見てハルト様が突然、そんな事を言いました。
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聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
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