上 下
56 / 100

目覚め

しおりを挟む
 ベッドの上でアンリは目を覚ました。

「……っ!あっ!?」

 意識があり、目が開いているのにも関わらず、全身が上手く動かせない……落ち着いて指先から少しずつ身体を動かしていく。

「頭がガンガンする……身体の感覚もなんか変だ……」

 ……視線を横に向けると栗毛の女が裸で眠っていた。

「……え?」

 栗毛の女が目を開ける。

「お目覚め?……融合体から上手く分離出来たみたい……わたしはもう少し楽しんでもよかったけど」

 ……手足が段々と動くようになってきたアンリはゆっくりと少しづつ身体を動かし始める……不意に身体に違和感を覚え、自身の身体に目をやる。

「え?……え?……女の身体になってる……なんだこれ」

 ルーネはアンリへ身体を寄せ背後に回ると、女性の身体に変容したアンリの横乳、下乳、腰、太腿、ふくらはぎを優しく撫でまわしていく。

「ちょ、やめろ!」

 アンリはルーネを引きはがす。

「えー?少しぐらいいいじゃない」

「……手つきがいやらしい」

「フフフ……そんなことないわよ……あっ……」

 突然、ルーネが顔を赤らめる。

「乳首が熱い……ムズムズする……あ……あ……」

 ルーネの太腿の淵術刻印が淡い光を放ち、彼女の胸が少し膨らんだあと、徐々に萎んでいく……同時にアンリの腹部が脈動し、胸がより膨らみをましていく。

「はあ……はあ……魔力が吸い取られるこの虚脱感……いいわぁ……」

 ルーネはアンリの胸に顔を埋める。

「あったかくてふかふかして気持ちいい……」

「ちょ、離れろって」

「いいじゃない、わたしの魔力を吸って大きくなったんでしょ」

 ルーネはアンリの腹部を撫で、変容したアンリの身体をじっと見つめる。

「綺麗な身体……羨ましいわ……」

 ……ルーネの太腿と背中の淵術刻印が妖しく輝き、彼女の灰色の瞳が金色に変化する。

「そういえば、さっき師匠に聞いてみたけど、ヴィルジニーさん、まだ意識が戻ってないみたいね」

「……ヴィルジニー……??ああ……」

「まだ、完全に目が覚めてないの?頭がボーっとしてる?」

「……ん……ああ……いや……まだ頭がボーっとするな……」

 ルーネはベッドから立ち上がると小瓶を手に取り、中の液体を飲み干した。

「……んっ、んっ……」

 萎んでいたルーネの胸が元の大きさに戻り、彼女は術式の刻まれた上下の下着を身に着けていく。

「わたしが見繕っておいた可愛いブラとショーツがあるから使ってみて、魔力増強と魔力制御もできて、装着者の体系に合わせてくれる複合術式の刻まれた下着だから……身体の奥から魔力がドバドバ湧いてきて凄いわよ」

 ルーネは机の上を指さした。

「しばらくしたら、わたしの魔力が抜けて元の身体に戻ると思うけど、それまで女の身体を楽しんでね、アンリ……それから知ってると思うけど、妊娠したら男の姿に戻れなくなるから気をつけてね」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件

フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。 だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!? 体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。

処理中です...