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世界の真実
唐突に俺は女の子になる
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(危ない)
と心の中で叫ぶが、自分の力ではどうすることもできず、女子高生にぶつかった。
(あれ?おかしいぞ)
女子高生にぶつかったと思った瞬間、俺の視界は真っ暗になったが、すぐに視界を取り戻した俺の目の前には、さっき見た中年の男性がニヤニヤと薄気味悪い笑みを浮かべて俺の目の前に立っていた。
「約束通り誰にも話していないでしょうね。もし、親や警察に話せば、あの動画のモザイクを外して世界中に拡散しますよ」
男性はニタニタと笑いながら、脂ぎった顔を近づけてきた。
「誰にも言っていません。だから、あの動画を消去してください」
勝手に口が動き出す。そして、おぞましい恐怖を感じ、目頭が焼けるように熱くなり一筋の涙がこぼれ落ちた。
「もちろん、エリカちゃんが望むのなら動画は消去しますよ。でも、僕の望みも叶えてほちいでちゅ~」
男性はおねだりするように赤ちゃん言葉を喋り出す。その声はとても気持ち悪く背筋がゾクゾクとする。
(纏ちゃん、俺はどうなっているのだ)
俺の状況はあきらかにおかしい。勝手に口が動いて喋り出すし、男性のおぞましい言動に恐怖を感じたり、まるで魂だけが別の体に入り込んだような気分である。
(あんこちゃんは今、魂だけが猫から離れて女の子の体に入り込んだのよ。あんこちゃん自身は喋ることも動くこともできないけど、そのまま事の成り行きを感じていてね。ターゲットの生命減が吸い込んだら現世《うつしよ》に行くから、それまでの我慢よ)
(ちょっと待て、何を言っているかさっぱりわからいぞ。もっと詳しく教えろ)
俺は纏に問いかけるが纏からの返事は返ってこない。
「わたしは・何を・すれば・よいのですか?」
男性が怖くて女の子はロボットのようにカタコトの日本語を発する。
「僕は脱ぎたてのパンティーがほちいでちゅ~」
「……」
女の子は気持ち悪い要求に心を苦しめられて、声を発することができなくなる。
「嫌ならいいでちゅよ~。このモザイクなしの動画を拡散するだけでちゅ~」
「……」
女の子は顔をくしゃくしゃにして大粒の涙を流しながら俯いた。そして、両手をぶるぶると震わしながら、短いスカートの中に手を入れる。
「とても、良い顔でちゅね~」
男性は涙まみれのしわくちゃになった女の子の顔を覗き込み、ほっぺたを緩ませてニヤニヤと汚らしい笑みを近づける。
「どうちたのぉ~手がとまっているでちゅよ。僕に手伝って欲しいでちゅかぁ~」
男性は好奇心旺盛の幼児のような奇妙なリズムにのって体を前後に動かしだした。
「うぅ……、うぅ……」
女の子は嗚咽を吐きながら少しずつ少しずつパンティーを引きずり降ろして行く。そして、スカートの裾から白い布が見えた。
「シロでちゅね~もっと、もっと、引きずり落とすのでちゅ」
男性は気分が高揚して両手をぐるぐると振り回して喜びを表現している。
(纏ちゃん、聞いているのだろ!女の子が恐怖に怯えてとても苦しんでいるんだ。なぜ助けてあげないのだ)
俺は女の子の体に魂が入り込んだことにより、恐怖におびえる女の子の心の痛みがヒシヒシと伝わっている。全身に寒気が走り、心は無数の針をさされたかのようにチクチクと痛い。
動画が拡散される不安、男性の気持ち悪い要求、おぞましい赤ちゃん言葉、奇怪な不思議な動き、その全てが女の子を恐怖のどん底に突き落としている。
(まだ生命源の半分は残っているの。このまま現世に行けば逃げられる可能性があるわ。確実に女の子を救いたいならもう少し我慢して)
(女の子は限界だ!すぐに助けろ)
女の子の心は壊れかけている。モザイクなしの動画が拡散される恐怖に飲み込まれ、そこから抜け出すために、男性の卑猥な要求を飲もうとしている。しかし、これは完全に悪手である。女の子は恐怖で視界が曇り現実を直視できていない。俺は知っている。悪魔の要求を一度受け入れてしまうと、蟻地獄のように二度と抜け出ることはできなくなる。悪魔の要求を飲んではいけない。一度飲んでしまうと、悪魔はさらなる要求を催促するからである。この男性もパンティーを少しづつずらしている女の子の様子を、奇怪な踊りをしながらもスマホで撮影している。ここで悪魔のいいなりになれば、さらなる悪魔の要求の手助けになる。だからこそ、今すぐに女の子を助けなければいけなかった。
(まだよ)
纏の冷たい言葉が心に届く。そして、女の子は悪魔の要求にこたえてしまう。スカートから真っ白なパンティーが顔を出す。女の子の両手が膝を通り脛に到達し、最後には踵まで来てしまう。ついに右足をあげてパンティーを右足から外し左足を上げた。パンティーは体から離れて右手に収まった。
「早く、早く、パンティーをわたすのでちゅ」
男性は女の子の右手に収まったパンティーを奪い取り、両手でパンティーを引き延ばして、チャンピオンベルトを取ったかのように頭上に掲げた。
「うぅおぅぅぉぉ~~」
男性は奇怪な声をあげて頭上に掲げたパンティーを自分の顔面に押し当てた。
「Change the World」
男性が絶頂の笑みを浮かべた時、纏は魔法の言葉を口にした。
と心の中で叫ぶが、自分の力ではどうすることもできず、女子高生にぶつかった。
(あれ?おかしいぞ)
女子高生にぶつかったと思った瞬間、俺の視界は真っ暗になったが、すぐに視界を取り戻した俺の目の前には、さっき見た中年の男性がニヤニヤと薄気味悪い笑みを浮かべて俺の目の前に立っていた。
「約束通り誰にも話していないでしょうね。もし、親や警察に話せば、あの動画のモザイクを外して世界中に拡散しますよ」
男性はニタニタと笑いながら、脂ぎった顔を近づけてきた。
「誰にも言っていません。だから、あの動画を消去してください」
勝手に口が動き出す。そして、おぞましい恐怖を感じ、目頭が焼けるように熱くなり一筋の涙がこぼれ落ちた。
「もちろん、エリカちゃんが望むのなら動画は消去しますよ。でも、僕の望みも叶えてほちいでちゅ~」
男性はおねだりするように赤ちゃん言葉を喋り出す。その声はとても気持ち悪く背筋がゾクゾクとする。
(纏ちゃん、俺はどうなっているのだ)
俺の状況はあきらかにおかしい。勝手に口が動いて喋り出すし、男性のおぞましい言動に恐怖を感じたり、まるで魂だけが別の体に入り込んだような気分である。
(あんこちゃんは今、魂だけが猫から離れて女の子の体に入り込んだのよ。あんこちゃん自身は喋ることも動くこともできないけど、そのまま事の成り行きを感じていてね。ターゲットの生命減が吸い込んだら現世《うつしよ》に行くから、それまでの我慢よ)
(ちょっと待て、何を言っているかさっぱりわからいぞ。もっと詳しく教えろ)
俺は纏に問いかけるが纏からの返事は返ってこない。
「わたしは・何を・すれば・よいのですか?」
男性が怖くて女の子はロボットのようにカタコトの日本語を発する。
「僕は脱ぎたてのパンティーがほちいでちゅ~」
「……」
女の子は気持ち悪い要求に心を苦しめられて、声を発することができなくなる。
「嫌ならいいでちゅよ~。このモザイクなしの動画を拡散するだけでちゅ~」
「……」
女の子は顔をくしゃくしゃにして大粒の涙を流しながら俯いた。そして、両手をぶるぶると震わしながら、短いスカートの中に手を入れる。
「とても、良い顔でちゅね~」
男性は涙まみれのしわくちゃになった女の子の顔を覗き込み、ほっぺたを緩ませてニヤニヤと汚らしい笑みを近づける。
「どうちたのぉ~手がとまっているでちゅよ。僕に手伝って欲しいでちゅかぁ~」
男性は好奇心旺盛の幼児のような奇妙なリズムにのって体を前後に動かしだした。
「うぅ……、うぅ……」
女の子は嗚咽を吐きながら少しずつ少しずつパンティーを引きずり降ろして行く。そして、スカートの裾から白い布が見えた。
「シロでちゅね~もっと、もっと、引きずり落とすのでちゅ」
男性は気分が高揚して両手をぐるぐると振り回して喜びを表現している。
(纏ちゃん、聞いているのだろ!女の子が恐怖に怯えてとても苦しんでいるんだ。なぜ助けてあげないのだ)
俺は女の子の体に魂が入り込んだことにより、恐怖におびえる女の子の心の痛みがヒシヒシと伝わっている。全身に寒気が走り、心は無数の針をさされたかのようにチクチクと痛い。
動画が拡散される不安、男性の気持ち悪い要求、おぞましい赤ちゃん言葉、奇怪な不思議な動き、その全てが女の子を恐怖のどん底に突き落としている。
(まだ生命源の半分は残っているの。このまま現世に行けば逃げられる可能性があるわ。確実に女の子を救いたいならもう少し我慢して)
(女の子は限界だ!すぐに助けろ)
女の子の心は壊れかけている。モザイクなしの動画が拡散される恐怖に飲み込まれ、そこから抜け出すために、男性の卑猥な要求を飲もうとしている。しかし、これは完全に悪手である。女の子は恐怖で視界が曇り現実を直視できていない。俺は知っている。悪魔の要求を一度受け入れてしまうと、蟻地獄のように二度と抜け出ることはできなくなる。悪魔の要求を飲んではいけない。一度飲んでしまうと、悪魔はさらなる要求を催促するからである。この男性もパンティーを少しづつずらしている女の子の様子を、奇怪な踊りをしながらもスマホで撮影している。ここで悪魔のいいなりになれば、さらなる悪魔の要求の手助けになる。だからこそ、今すぐに女の子を助けなければいけなかった。
(まだよ)
纏の冷たい言葉が心に届く。そして、女の子は悪魔の要求にこたえてしまう。スカートから真っ白なパンティーが顔を出す。女の子の両手が膝を通り脛に到達し、最後には踵まで来てしまう。ついに右足をあげてパンティーを右足から外し左足を上げた。パンティーは体から離れて右手に収まった。
「早く、早く、パンティーをわたすのでちゅ」
男性は女の子の右手に収まったパンティーを奪い取り、両手でパンティーを引き延ばして、チャンピオンベルトを取ったかのように頭上に掲げた。
「うぅおぅぅぉぉ~~」
男性は奇怪な声をあげて頭上に掲げたパンティーを自分の顔面に押し当てた。
「Change the World」
男性が絶頂の笑みを浮かべた時、纏は魔法の言葉を口にした。
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