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ホロスコープ星国 ルシス編 パート35
しおりを挟む⭐️ロキさんの視点になります。
「ディーバ様、南の森の探索をしてきました。南の森には魔獣が全くいませんでした。代わりに『ホロスコープ星国』の元国王と名乗る男性と2人の従者を拘束してきました。3人ともルシスちゃんが魔法をかけたので、今日1日は戦意を失っておとなしくしています」
ロキさんは、ジェミニたちをディーバ様に引き渡した。
「わかりました。『ホロスコープ星国』の国王は『星の使徒』と呼ばれ不思議な力を使うと聞いています。牢屋にて拘束して、詳しい事情を確認するとともに、王都にすぐに連絡を入れましょう」
「ディーバ様、私に尋問を任せてもらってよろしいでしょうか?」
『金烏玉兎』のリーダーであるソールが声を発した。
「ソールさんなら、安心して任せることはできるわね。あなたにこの3人の尋問は任せるわ」
「ありがとうございます」
『金烏玉兎』のソールとマーニは、『キュンキュン教団』の布教活動のため、ラディッシュの町に訪れていた。マーニは『キュンキュン教団』の熱心な信者なので、布教活動に熱心であるが、ソールは全く興味がないので、少しでも違うことをしたかったのである。
「ソールさん、マーニさんはここにはいないのですか?」
ロキさんは、マーニがいないことに疑問を感じた。
「マーニなら、この町に『キュンキュン教団』の支部を作ると言って、物件を探しに行っているわ」
「そうなのね。私もマーニさんの手伝いをしたいわ」
ロキさんも『キュンキュン教団』の熱心な信者である。
「ロキさん、今回の依頼の件ですが、『ホロスコープ星国』が南の森を支配しているというのはデマだったということでいいのかしら」
「なぜ魔獣が全くいないのかはわかりませんが、あの3名以外は『ホロスコープ星国』の人間はいなかったので、南の森を支配しているという情報は誤りだと思います。あの3人を詳しく事情を聞けば全容は明らかになると思います」
「そうですね。ソールさん、お願いできるかしら?」
「喜んで!」
ソールは3人を拘束している留置所へ向かった。
「ところで、ロキさん・・・先ほどから気になっていたのですが、あなたの肩に乗っているルシスちゃんに似た可愛いお人形さんは、どこで手に入れたのかしら?」
「これは、お人形ではありません。ルシスちゃんが作ったゴーレムです。なので、動くこともしゃべることもできるのです」
「本当ですか?」
ディーバは目を見開いて驚いている。
「本当です。私はルシスお姉様の分身です。ロキお姉ちゃんにじっとしているように言われたので、人形のように大人しくしていました。お利口だったので褒めてくださーーい」
子ルシスは無邪気に笑顔で言った。
「言いつけを守ってお利口さんでしたわ」
『ナデナデ』
ロキさんは、小ルシスの頭をナデナデする。
『デヘヘヘへ』
小ルシスは嬉しそうにニコニコする。
「可愛いですわ。私も一つ欲しいです」
ディーバは子ルシスを気に入ったみたいである。
「私は可愛いですか?」
小ルシスは子犬のようなつぶらな瞳でディーバをじっと見つめる。
「もちろんよ。抱きしめたいわ」
ディーバは、ロキさんの肩に乗っている小ルシスを両手で水をすくうように優しく包み込む。
「私は、この町の領主をしているディーバよ」
ディーバは小ルシスに自己紹介をした。
「私は小ルシスです。ルシスお姉ちゃんから伝達係を任せられています。特技は魔法です」
小ルシスも自己紹介した。
「このままもらっても良いかしら」
ディーバはおねだりをするように言った。
「ディーバ様、申し訳ありませんが、お譲りする事はできません」
ロキさんは、深々と頭を下げた。
「そうようね・・・残念だわ。こんな可愛いゴーレムなら何体いても困らないわ」
ディーバは、小ルシスを顔に近づけてぎゅっと抱きしめる。
『ツンツン』
小ルシスは、ディーバのホッペをツンツンする。
「肌の活性化の魔法をかけました。これで、ホッペがプルンプルンになります」
「本当なの!!」
ディーバは歓喜の声を上げた。ディーバは年齢を重ねるたびに衰えていく自分の肌に心苦し思いをしていた。しかし、小ルシスの『ホッペツンツン』の効果により、10歳は肌年齢が若返ったのである。
「小ルシスちゃん・・・ありがとう。これで私も少しは自信を取り戻したわ」
「こんなのお茶の子さいさいです」
小ルシスは自慢げに言った。
「他にどんなことができるのかしら?」
「炎魔法を使って、体を温めて老廃物を出して、体をきれいにすることができます。また体の細胞が活性化するので肌に張りが出てきます」
「それもして欲しいわ」
「わかりました。横になってするので、ベッドのある部屋に案内してください」
「わかったわ。子ルシスちゃん、こっちへいらっしゃい」
ディーバは小ルシスを連れて寝室へ走って行った。
「ディーバ様、お待ちください。小ルシスちゃんはルシスちゃんと連絡を取る大事な手段なのです。勝手に持っていかれては困ります」
ロキさんは慌てて追いかけて行った。
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