323 / 453
ホロスコープ星国 ルシス編 パート34
しおりを挟む
⭐️ルシス視点に戻ります。
村に逃げ帰っていた竜騎士たちが、アトゥムから呪いから解放されたことを聞いて、みんな喜んでいた。
「竜騎士さんたちは、これからどうするのですか?」
「この島はアトラースによって与えられた島なので、アトラースを裏切ったので、もうこの島にいることはできません。なので、地上に降りて住める場所を探したいと思います」
「アトゥムさん、地上で暮らせるアテはあるのですか?」
「いえ、ありません。私たちは150年以上もこの島で過ごしてきました。たまに地上に降りることはありましたが、人族との交易は避けてきましたので、どこに住むかはこれから考えることにします」
私はふと思いついた。フレキを探していた時に、王の森に立派なお城があったはず。あそこを拠点に生活をすれば良いのではないかと思った。
「私に良い考えあります。ちょっと私についてきてください」
私はドラちゃんにお願いして、フレキとゲリのいるところに戻ってもらうことにした。
「私のドラゴンなので、私も付いて行きます」
私にドラちゃんを取られて少し悲しそうにしているシューであった。
「フレキさーーん」
しばらくすると、フレキたちの元に着いた。
「ルシスさん、無事に解決したのですか?」
フレキは優しい笑顔で私を見ている。
私は、フレキがなぜ拐われたのか、そして、黒幕であるアトラースのことを説明した。
「そのようなことがあったのですね。神人を簡単に倒してしまうルシスさんは、何者か気になりますが・・・色々と事情があると思いますので、聞くことはしません。しかし、一つ気になることがあります」
フレキは深刻な表情をした。
「何にが気になるのですか?」
私は心当たりがない・・・
「シューさんの話から推測すると、魔獣の群れを『オリュンポス国』に放っている可能性があると思います」
「あっ・・・」
シューの顔が凍りつく。
「あっ・・・」
私も口をポカーンと開けて現実逃避に走る。
「ルシス様・・・申し訳ありません。すぐにディービルの森の魔獣たちに『オリュンポス国』を滅ぼすのは中止させたいのですが、一度命令を下すと魔獣たちは抑えることはできません。なので、我ら竜騎士族が魔獣の討伐に行ってきます」
シューは額に汗を垂らしながら必死に誠意を尽くそうとする。
「私の落ち度です。なので責任は私の仲間がとってくれるはずです」
私は、ロキさんたちに魔獣の討伐をなすり付けることにした。ロキさんたちは、ジェミニを連れてラディッシュの町にいるはずである。しかし、こんな時のために私は、ある物をロキさんに渡していた。
それは、7大天使様のアズラーイール様から授かった『魂を助ける』能力をアレンジして作り出した『ゴーレムを作る』能力とガブリエル様の能力『神の言葉・神へのメッセンジャー』をアレンジして作った『異世界電話』の能力を合体させて作った『子ルシス人形』をロキさんに同行させていたのである。
『子ルシス人形』とは、10cmくらいの私の分身のゴーレムである。ゴーレムは自我がないので、命令通り機械のように動くだけだが、ガブリエル様の能力を足すことによって、私の思ったことを代わりに代弁してくれたり、私の思うように行動をしてくれるのである。
私は、早速『子ルシス人形』に指示を出したのであった。これで、ディービルの森の件は大丈夫であろう。
「それでは、ルシス様に任せてもよろしいのでしょか?」
シューは不安げに言った。
「問題ありません。私には頼れる仲間がいるので、ディービルの魔獣ごとき一瞬で倒してくれるでしょう」
私は胸を張って言った。トールさんも神剣の『ミョルニル』を使いたがっていたので、丁度良い腕ならしになると思っていた。
「何から何までありがとうございます」
シューは深々と頭を下げた。
「フレキさん、一つお願いがるのです」
「ルシスさんの頼みならなんでも伺います」
フレキは笑顔で答える。
「竜騎士族さんたちの住む場所を探しているのです。確か・・・王の森に大きなお城があったと思います。誰も住んでいない荒れ果てたお城だったと思いますので、あのお城を拠点に竜騎士族の村を作ろうと思っているのです」
これが私の考えた名案である。
「あの一体はどこの国にも属していないはずです。最近まではラードーンの支配下にあったはずなので、全く問題ないと思いますが、私もあの一帯を『平和の森』にしたいと思っています。竜騎士さんも私の理念を理解してくれるのなら、一緒に『平和の森」を築いていきたいです」
「『平和の森』とは具体的にどういう森なのですか?」
アトゥムが真剣な眼差しで聞いている。
「『平和の森』とは、そのままの意味です。この一帯ではどの種族も争いを起こすことを禁止します。それは魔獣も同じです。私は魔獣の言葉が話せるので、魔獣たちに争いを起こさないモノだけ『平和の森』に住むことを許可します」
「俺たちも魔獣の言葉は話せます。もう、争いは起こしたくないので、フレキさんの志に賛同します」
「ありがとうございます。一緒に『平和の森』の発展に精進していきましょう」
「もちろんです。フレキ様」
アトゥムはフレキに跪いて頭を下げた忠誠を誓った。
「俺も2度と争いを起こさないから、ここから出してくれーーー」
ゲリに飛ばされて、『ヘリオポリス島』の地面に埋もれていた大羊王が大声で叫ぶのであった。
村に逃げ帰っていた竜騎士たちが、アトゥムから呪いから解放されたことを聞いて、みんな喜んでいた。
「竜騎士さんたちは、これからどうするのですか?」
「この島はアトラースによって与えられた島なので、アトラースを裏切ったので、もうこの島にいることはできません。なので、地上に降りて住める場所を探したいと思います」
「アトゥムさん、地上で暮らせるアテはあるのですか?」
「いえ、ありません。私たちは150年以上もこの島で過ごしてきました。たまに地上に降りることはありましたが、人族との交易は避けてきましたので、どこに住むかはこれから考えることにします」
私はふと思いついた。フレキを探していた時に、王の森に立派なお城があったはず。あそこを拠点に生活をすれば良いのではないかと思った。
「私に良い考えあります。ちょっと私についてきてください」
私はドラちゃんにお願いして、フレキとゲリのいるところに戻ってもらうことにした。
「私のドラゴンなので、私も付いて行きます」
私にドラちゃんを取られて少し悲しそうにしているシューであった。
「フレキさーーん」
しばらくすると、フレキたちの元に着いた。
「ルシスさん、無事に解決したのですか?」
フレキは優しい笑顔で私を見ている。
私は、フレキがなぜ拐われたのか、そして、黒幕であるアトラースのことを説明した。
「そのようなことがあったのですね。神人を簡単に倒してしまうルシスさんは、何者か気になりますが・・・色々と事情があると思いますので、聞くことはしません。しかし、一つ気になることがあります」
フレキは深刻な表情をした。
「何にが気になるのですか?」
私は心当たりがない・・・
「シューさんの話から推測すると、魔獣の群れを『オリュンポス国』に放っている可能性があると思います」
「あっ・・・」
シューの顔が凍りつく。
「あっ・・・」
私も口をポカーンと開けて現実逃避に走る。
「ルシス様・・・申し訳ありません。すぐにディービルの森の魔獣たちに『オリュンポス国』を滅ぼすのは中止させたいのですが、一度命令を下すと魔獣たちは抑えることはできません。なので、我ら竜騎士族が魔獣の討伐に行ってきます」
シューは額に汗を垂らしながら必死に誠意を尽くそうとする。
「私の落ち度です。なので責任は私の仲間がとってくれるはずです」
私は、ロキさんたちに魔獣の討伐をなすり付けることにした。ロキさんたちは、ジェミニを連れてラディッシュの町にいるはずである。しかし、こんな時のために私は、ある物をロキさんに渡していた。
それは、7大天使様のアズラーイール様から授かった『魂を助ける』能力をアレンジして作り出した『ゴーレムを作る』能力とガブリエル様の能力『神の言葉・神へのメッセンジャー』をアレンジして作った『異世界電話』の能力を合体させて作った『子ルシス人形』をロキさんに同行させていたのである。
『子ルシス人形』とは、10cmくらいの私の分身のゴーレムである。ゴーレムは自我がないので、命令通り機械のように動くだけだが、ガブリエル様の能力を足すことによって、私の思ったことを代わりに代弁してくれたり、私の思うように行動をしてくれるのである。
私は、早速『子ルシス人形』に指示を出したのであった。これで、ディービルの森の件は大丈夫であろう。
「それでは、ルシス様に任せてもよろしいのでしょか?」
シューは不安げに言った。
「問題ありません。私には頼れる仲間がいるので、ディービルの魔獣ごとき一瞬で倒してくれるでしょう」
私は胸を張って言った。トールさんも神剣の『ミョルニル』を使いたがっていたので、丁度良い腕ならしになると思っていた。
「何から何までありがとうございます」
シューは深々と頭を下げた。
「フレキさん、一つお願いがるのです」
「ルシスさんの頼みならなんでも伺います」
フレキは笑顔で答える。
「竜騎士族さんたちの住む場所を探しているのです。確か・・・王の森に大きなお城があったと思います。誰も住んでいない荒れ果てたお城だったと思いますので、あのお城を拠点に竜騎士族の村を作ろうと思っているのです」
これが私の考えた名案である。
「あの一体はどこの国にも属していないはずです。最近まではラードーンの支配下にあったはずなので、全く問題ないと思いますが、私もあの一帯を『平和の森』にしたいと思っています。竜騎士さんも私の理念を理解してくれるのなら、一緒に『平和の森」を築いていきたいです」
「『平和の森』とは具体的にどういう森なのですか?」
アトゥムが真剣な眼差しで聞いている。
「『平和の森』とは、そのままの意味です。この一帯ではどの種族も争いを起こすことを禁止します。それは魔獣も同じです。私は魔獣の言葉が話せるので、魔獣たちに争いを起こさないモノだけ『平和の森』に住むことを許可します」
「俺たちも魔獣の言葉は話せます。もう、争いは起こしたくないので、フレキさんの志に賛同します」
「ありがとうございます。一緒に『平和の森』の発展に精進していきましょう」
「もちろんです。フレキ様」
アトゥムはフレキに跪いて頭を下げた忠誠を誓った。
「俺も2度と争いを起こさないから、ここから出してくれーーー」
ゲリに飛ばされて、『ヘリオポリス島』の地面に埋もれていた大羊王が大声で叫ぶのであった。
0
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
自然神の加護の力でのんびり異世界生活
八百十三
ファンタジー
炎神インゲ、水神シューラ、自然神カーンの三柱の神が見守り、人々と魔物に加護を与えて発展させている異世界・ルピアクロワ。
その世界に、地球で命を落としたごく普通の中学生・高村英助の魂が流れ着く。
自然神カーンの手によってヴァンド市の羊飼い、ダヴィド家に一人息子のエリクとして転生した英助は、特筆すべき能力も見出されることもなく、至極平穏な日々を過ごすはずだった。
しかし12歳のある日、ダヴィド家の家政婦である獣人族の少女・アグネスカと共に、ヴァンド市近郊の森に薪を拾いに行った時に、彼の人生は激変。
転生する時にカーンから授けられた加護の力で「使徒」の資格を有していたエリクは、次々と使徒としてのたぐいまれな能力を発揮するようになっていく。
動物や魔物と語らい、世界を俯瞰し、神の力を行使し。
そうしてラコルデール王国所属の使徒として定められたエリクと、彼に付き従う巫女となったアグネスカは、神も神獣も巻き込んで、壮大で平穏な日常を過ごしていくことになるのだった。
●コンテスト・小説大賞選考結果記録
第1回ノベルアップ+小説大賞一次選考通過
HJ小説大賞2020後期一次選考通過
第10回ネット小説大賞一次選考通過
※一部ボーイズラブ要素のある話があります。
※2020/6/9 あらすじを更新しました。
※表紙画像はあさぎ かな様にいただきました。ありがとうございます。
※カクヨム様、小説家になろう様、ノベルアップ+様、エブリスタ様、ノベルピア様にも並行して投稿しています。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886818732
https://ncode.syosetu.com/n1574ex/
https://novelup.plus/story/382393336
https://estar.jp/novels/25627726
https://novelpia.jp/novel/179
【get a second chance】~イケメンに生まれ変わったら見える景色が鮮やかになった~
ninjin
ファンタジー
50歳、独身、引きこもりの俺は、自宅の階段から転げ落ちて死んでしまった。しかし、俺は偶然にも【get a second chance】の権利を得る事が出来た。【get a second chance】とは、人生をやり直す事が出来る権利であり、しかも、ゲームのように自分自身のレベルを上げる事で、イケメンにもなれるのである。一回目の人生は、不細工は不細工のまま、勉強しても頭が悪いのは悪いまま、運動神経がなければスポーツは上手くならない。音痴なら歌は上手くならない。才能がない者はどんなに頑張っても無意味だった。しかし、二度目の人生は違う。頑張れば頑張るほど成長できるやりがいのある人生だった。俺は頑張ってレベルを上げて二度目の人生を謳歌する。
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
伯爵家の三男は冒険者を目指す!
おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました!
佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。
彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった...
(...伶奈、ごめん...)
異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。
初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。
誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。
1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
フリーター、ゴーレムになり異世界を闊歩する
てぃー☆ちゃー
ファンタジー
旧タイトル)オレはゴーレム、異世界人だ。あ、今は人では無いです
3/20 タイトル変更しました
仕事を辞めて、さあ就職活動だ!
そんな矢先に別世界へ強制移動とゴーレムへの強制変化!
こんな再就職なんて望んでません!
新たな体を得た主人公が異世界を動き回る作品です
異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く
りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!
異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる