320 / 453
ホロスコープ星国 ルシス編 パート31
しおりを挟む「おもちゃとはどういうことですか」
シューは大声で叫ぶ。
「俺たち神人は暇なのだ。神から大きな力を与えられているが、この大きな力を使うことがないのだ。俺たちは、天界の守護を任せられているが、天界を襲うモノなど存在しない。唯一俺たち神人と対等に戦えるのは魔族のみだ。しかし、腰抜けの魔族が天界に来る事など絶対にないのだ。だから、暇なので人界の民をからかって遊んでいるのだ。お前達には俺が作ったこの『ヘリオポリス島』での監禁生活を楽しんでもらっている。俺の魔法で、お前達の体に制約を与えて、苦しんでいる様を見ているのが面白いのだ。ガハハハハ」
「・・・俺たちは、お前の暇潰しのためにこの島にずっと監禁されているのか?」
「それもあるが、俺がお前達に与えた『支配』の力を使って、人界で暴れてもらっては困るのだよ。あまり派手に暴れると、魔界との協定に触れてしまうからな」
アトラースもわかっている。あまり人界に介入しすぎると厄介になることが。強すぎる力は目立ってしまうのである。
「初めから、俺たちをこの島に監禁するつもりだったのか!」
「そうだ。『支配』の力を与えて、嬉しそうに町を侵略する姿は滑稽だったぞ。やはり、下等な生き物だと再確認できたわ。それに、『ヘリオポリス島』に監禁する制約の話をした時のお前たちの反応は最高に笑えたぞ。だから、150年に一度だけチャンスを与えてあげたのだ。魔獣を使って国を滅ぼせば、『ヘリオポリス島』から解放してやると」
「それが『裁きの力』なのか?」
「そうだ。『裁きの力』で制約を解除できるという俺の考えはまさに天才的な発想だと思わないか?たまたま、辻妻に合う力があったので、そういうことにしたのだ」
「俺たちの制約は『裁きの力』で解放されるというのは嘘なのか?」
「嘘に決まっているだろう。俺がいつでも解除できるわ。ガハハハハ」
「俺たちは・・・こんなやつに騙されて、『オリュンポス国』を滅ぼそうとしていたのか・・・」
シューは崩れ落ちるように倒れ込む。
「もう、竜騎士などどうでも良い。それよりもお前は何者だ!」
アトラースが私を睨みつける。
「通りすがりの冒険者です」
私はペコリと頭を下げる。
「ただの冒険者ではないだろう!俺の制約の魔法を解除できる者など人界にはいないはずだ」
アトラースはイライラしている。
「偶然解除できちゃいました」
私は、棒読みで言った。
「俺を馬鹿にしているのか!」
アトラースは、全身に力を込める。アトラースの体が金色に輝き始めた。
「この島には俺の張った結界がある。此処での出来事は、天界魔界にはバレることはない。俺の本気の力を試させてもらうぞ」
「そうなのですね。それは私も助かります」
私は魔王の子供なので魔石は黒色である。しかし、7大天使様の力を授かるために魔石の浄化を行ったのである。魔石の浄化を行なった私の魔石は一旦白くなったが、10歳の時魔力が戻った時に魔石の色は金色になったのである。金色の魔石は神や神人と同じ色である。なので、私がどんなに魔力を使って暴れても、魔人だと思われないのである。しかし、代わりに神か神人と間違われる可能性がある。なので、アトラースの結界があれば本気を出しても、誰にも疑われないので助かるのである。
「少しくらい強いからといって、調子に乗るなよ。お前の強さは人界レベルだとかなりの実力かもしれないが、神人の強さから計れば、ミジンコ並みの力だと思い知れ!!」
アトラースは悪人らしく私を見下す言葉を並べてから、杖に魔力を込めた。
『ディサピアランス』
杖の先からは、先ほどよりも大きな光の光線が放たれた。
『ライトシールド』
私は光の膜を張った。
光の光線は私の『ライトシールド』に吸収された。
「光魔法だと・・・なぜ、亜人が光魔法を使えるのだ!!」
「秘密です」
7大天使様から授かったとは言えない。
「お前は神人か?・・・いや違うな。神人から力を授かったのだな」
アトラースは動揺している。
「そうかもしれませんね」
神人から力をもらったと嘘をついた方が得策だと私は思った。
「誰からだ!」
「それは言えません」
「プロメーテウスか!」
「それは・・・言えません」
私が誰だが知らないが、プロメなんちゃらに力をもらった感じに持っていくことにした。
「はやり・・・あいつか」
「だったらどうするのですか!」
「あいつとは、どちらが人族を多く殲滅出るか勝負しているのだ。あまり派手にはできないが、俺は150年ぶりに大きなイベントが来る予定だったが、お前の邪魔が入って俺の計画が台無しになってしまった。しかも、プロメーテウスから力をもらったと聞いて、俺はお前を本気で殺すことに決めたぞ。遊びはこれまでだ。神人から力をもらって調子に乗って俺の計画を邪魔したことを後悔させてやる」
「後悔するのあなたの方だと思います」
「神人の強さを思い知るがいい!」
アトラースは先ほどと同じように杖に魔力を込める。しかし、先ほどと違い、杖がみるみる大きくなり、巨大な棍棒に変身した。
「神の鉄槌を喰らうがいい!」
アトラースは大きな棍棒を私に目掛けて投げつた。
0
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
伯爵家の三男は冒険者を目指す!
おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました!
佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。
彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった...
(...伶奈、ごめん...)
異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。
初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。
誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。
1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???
喜んだらレベルとステータス引き継いで最初から~あなたの異世界召喚物語~
中島健一
ファンタジー
[ルールその1]喜んだら最初に召喚されたところまで戻る
[ルールその2]レベルとステータス、習得したスキル・魔法、アイテムは引き継いだ状態で戻る
[ルールその3]一度経験した喜びをもう一度経験しても戻ることはない
17歳高校生の南野ハルは突然、異世界へと召喚されてしまった。
剣と魔法のファンタジーが広がる世界
そこで懸命に生きようとするも喜びを満たすことで、初めに召喚された場所に戻ってしまう…レベルとステータスはそのままに
そんな中、敵対する勢力の魔の手がハルを襲う。力を持たなかったハルは次第に魔法やスキルを習得しレベルを上げ始める。初めは倒せなかった相手を前回の世界線で得た知識と魔法で倒していく。
すると世界は新たな顔を覗かせる。
この世界は何なのか、何故ステータスウィンドウがあるのか、何故自分は喜ぶと戻ってしまうのか、神ディータとは、或いは自分自身とは何者なのか。
これは主人公、南野ハルが自分自身を見つけ、どうすれば人は成長していくのか、どうすれば今の自分を越えることができるのかを学んでいく物語である。
なろうとカクヨムでも掲載してまぁす
異世界転生は、0歳からがいいよね
八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。
神様からのギフト(チート能力)で無双します。
初めてなので誤字があったらすいません。
自由気ままに投稿していきます。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる